2017年05月17日Wed [04:40] 韓国  

植民地の腹話術師たち

植民地の腹話術師たち: 朝鮮の近代小説を読む植民地の腹話術師たち: 朝鮮の近代小説を読む
金 哲

平凡社 2017-03-21
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著者もかつては「親日文学」を糾弾する側であった様だが、擁護の側に転じたという。朝鮮近代文学の担い手達が日本語で創作していたというのは時代の流れではあり、それを以って「親日文学」と断罪することはできないのだが、韓国ではその言語よりも、政治性が問われることとなっていたのだろう。解放後に韓国で大家となった作家もいるのだが、日本に帰化したり、北へ渡った作家たちが多かったこともある種の闇として葬られたきた所以なのかもしれん。ここに来て再評価されているのはモダニズムの側面からであって、当時を描いた文学や映画がその時代考証はともかく、韓国で多く創作される様になって、オリジナルに光が当たった事もあるのかもしれん。現代の東京を韓国人の多くが実体験したことも、日帝時代の東京や京城のモダン文化に想像を膨らませる助けにはなろう。発表の制約があった訳だから、民族の葛藤や日本への抵抗を訴える作品がそうある訳でもない。むしろその辺りにリアルを感じる余裕が韓国人にも生まれているのかもしれない。

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