2017年04月20日Thu [07:03] 米国  

米国人博士、大阪で主婦になる。

米国人博士、大阪で主婦になる。 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-11)米国人博士、大阪で主婦になる。 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-11)
トレイシー・スレイター 高月 園子

亜紀書房 2016-09-30
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前に読んだ「スタンフォードの花嫁、日本の農家のこころに学ぶ」みたいなみたいなものかと思ったのだが、大枠は似ている様で、全然別物であった。こちらは日本向けではなく、アメリカでちゃんと出版されたもので、翻訳に調整があったとしても、日本のガイジンものに典型な日本称賛ものでも、日本に学ぶ式のものではない。「ロスト・イン・トランスレーション」のスカーレット・ヨハンソンが日本人と結婚した物語みたいなもので、著者は日本に対して興味を持ったこともなければ、日本食の大半は食えないし、日本語など学ぶつもりはない。それが夫となる日本人と出会って変わったということはなく、夫以外に日本に興味を持つことはない。日本人がRやVを発音出来ないことには耐えられないし、英語の発音をしないカタカナは日本の閉鎖性を表しているのだという。所謂テレビに出るようなガイジンとは別人種だが、アメリカ人としては一般的である。ユダヤ系スノップである著者は主婦という存在に敵意さえ抱いており、日本を理解する事は自分のキャリアを棄てる事だという信念から日本を好きになることに抵抗している。文学博士のライターさんなので、ここに書かれている事を額面通りには受けられないが、アメリカ人読者向けにはかなり入念に練られている物語であることは確かだ。実際は夫に対する愛も、日本に対する抵抗も、それほどではなく、全てがラストへの序曲であるとすれば合点がいくのだが、日本かぶれのガイジンを扱き下ろすシーンとか随所にリアルな場面があって、全然期待していなかった分、かなりの当たりモノだと思った。

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