2017年04月13日Thu [04:55] 中東/アラブ  

人質の経済学

人質の経済学人質の経済学
ロレッタ ナポリオーニ 池上 彰 Loretta Napoleoni

文藝春秋 2016-12-28
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池上彰の帯は要らんと思うが、この見解がテレビで常識になる事はあるのかな。イラクで人質になったイタリア人女性は解放されてヒロインとして持ち上げられた。一方、日本人三人組は解放されたが猛烈なバッシングを受けた。この二つの事実が提示されると、当然、日本社会への批判になるのだろう。マスコミや意識高い人たちの言うところである、世界の常識、日本の非常識だ。そう身構えざるを得ないのだが、その評価は留保して、著者が事例を以って示す人質経済学を読んでいくと、イタリアの様な人質には必ず身代金を払うという姿勢こそがビジネスとしての拉致を誘発しているという事が分かる。赤い旅団事件の記憶がイタリア政府をそうさせたのか分からんが、スペインやフランスも身代金支払い派なので、地域的なものなのかもしれん。著者が最も批判すべきとするのは経験も人脈も無く自分のロマンだけで危険な地域に入るジャーナリストやボランティアもどきの人たちなのだが、国民を自業自得と切り捨てられないのが国家なのである。同じ人間話し合えば分かるとかが通じるのは幻想の世界であって、資金獲得の手段が政治的目的より優先されるのは日本の運動圏も同じである。

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