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2006年06月12日Mon [09:20] ロシア | 本・雑誌 |読書メモ  

帝政民主主義国家ロシア

帝政民主主義国家ロシア―プーチンの時代
中村 逸郎
岩波書店 (2005/04)
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直訴というものが制度化されているのは別に共産国家の特徴という訳でもなかろうが、そのあまりの数の多さに「直訴村」が出現し、最近オリンピックに向けて大弾圧を以って破壊した中国のソレはよく知られている。しかし、この本を読むとロシアでも、こうした制度が存在しており、もしかしたら中国もソ連から取り入れた制度なのかもしれない。そしてソ連が崩壊しても、行き場を失った人たちの最後の拠り所は「大統領住民面会所」として残されたらしい。この本はそうしたロシアの直訴する人々の研究を行ったものだが、その内実はやはりお寒いものである。まあ映画や小説で正義感たっぷりに描かれる中国のソレも、実際はただ聞くだけというのが現実だろう(実際は聞きもしないというのが真実に近い)。それにしてもロシアのアパート事情が生々しい。自分の部屋の玄関が他人の部屋の中にあるというのは、何とも不条理だ。つげの漫画にもなりそうな話だが、住民同士の歪みあいは極限にまで達しているらしい。日本の「文化アパート」もかつて台所、フロ、トイレ共同が普通であったが、ロシアでは同潤会と同時期の生まれアパートの多数が現役で、改修もされずにそのまま使用されているらしい。モスクワの住民の多数は低所得者層で、こうしたアパートに暮らすとしているが、ダーチャを持つ層というのは、不良アパート暮らしとは重ならないのだろうか。ウサギ小屋に住む我々もはお陰様で直訴という手段にすがる局面はあまりないが、議員会館は請願なるものをお土産片手に持ってくる人たちの「面会所」として機能している。

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