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米国人のケンブリッジ大教授の人だそうだが、原著は2006年。弟子の人が訳者だが、史料訳なども全部担当し、引用したものはもう一度原典にあたったらしい。アメリカだったら共著になるかもしれんが、ケンブリッジは教授の力が強いか。今の「歴史戦」を意識しているのではなかろうが、「思想戦」って原著のタイトルなのか。研究を始めたときにこのテーマはジョン・ダワーのぐらいしかなかったというのだが、英語本のことなのか。ダワー的で、明石的ではあるのだが、これが英語初の啓蒙本なら、向こうで受けれるためにもそうなるか。中共プロパガンダにも国民党プロパガンダにも触れているが、南京や慰安婦に関しては、プロパガンダとは捉えていない。「性奴隷派」だが、この辺は普遍化させず、日本の特殊行為と見ている様だ。出発点がドイツ人は反省しているのに、日本人が反省していないという始めに結論ありきなので、日本人の特殊性を大日本帝国の特殊性に見出そうとしているのだが、訳者も触れている通り、天皇には踏み込めないでいる。ケンブリッジ的にマズイからということではなかろうが。


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