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2006年06月03日Sat [00:12] ロシア | 本・雑誌 |読書メモ  

北方領土問題 

北方領土問題―4でも0でも、2でもなく
岩下 明裕
中央公論新社 (2005/12)


一部で話題になっている新書だが、それもこの著者が「二島返還」に比重を傾けているからだという。どうも宗男事件でもそうだが、北方領土は国の命題を懸けて取り組んでいる問題というわりには、国民の関心がイマイチ過ぎる。ドサクサに紛れて、あの手この手で乗っ取ろうとするあの国とか、自分たちが実効支配しているにも関わらず大騒ぎするあそこの国とは大違いだ。かくいう私も正直言って、この問題にはあまり関心がない。旧島民の人たちは気の毒だが、現島民がいる以上、どうしようもないかと思う。現島民に返還派が少なくないのは事実の様だが、それも経済的理由以外の何ものでもなかろうから、とても好意的にみることはできない。著者は露中国境問題が専門の人で、両国のフィフティ・フィフティの決着が「ウィン・ウィン」だとしている。たしかに「戦略的パートナーシップ」としてはそれが有効なのかもしれないが、日本がロシアと「戦略的パートナーシップ」になって対峙するのはどこの国なのだろう。二島で決着つけて、「平和条約」を結ぶのも良かろうが、その後に際限ない援助を迫られ、それを梃に経済大国に躍り出たとたんに、踵を返され抗日路線を復活させた中国の経験を忘れてはならない。やはり適度な緊張関係を保って深入りしないことが、相手がソ連の後継国家である以上ベターかと思う。その点において四島が無理なのを分かっていながら、そのお題目は外さない政府の方針は確信犯的なものではないか。まあベストはアメリカがアラスカでやった様にカネで買い取り、恩も徳も残さないことだけど。

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