2017年03月03日Fri [06:33] 中国  

通州事件

通州事件 日中戦争泥沼化への道 (星海社新書)通州事件 日中戦争泥沼化への道 (星海社新書)
広中 一成

講談社 2016-12-22
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南京に対するカウンターとして通州を持ち出すことを批判しなからも、左翼側には付かないという姿勢は鮮明にしている。イデオロギー論争や歴史認識も一概には不毛とは言えず、むしろそうした言説によって議論が誘引されるのなら、研究者としては歓迎すべき点もあるのだろう。というのは南京にしても通州にしても、最初からプロパガンダが出発点であることはその役者が違うだけで共通しているのである。つまりは最初から両方の事件ともカウンターであるのだから、現在もカウンターとして「歴史戦」が展開されるのは元の精神を踏襲しているからとも言える。史料はプロパガンダ前提とすれば、背景解説は新書一冊で十分なのかもしれない。事件が起こったのは中国の地であり、そこに日本の軍隊がいたのだから侵略というのが大方の中国人の見解であるのだが、その中国が国民党であるとか、「ニセチャイナ」であったといったことに拘る中国人はそういないだろう。日本人と中国人、どっちが残虐だけで競われている議論から一歩踏み出す為にも引き出しを多く作りたい。

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