2017年02月14日Tue [06:11] ロシア  

ソ連という実験

ソ連という実験: 国家が管理する民主主義は可能か (筑摩選書)ソ連という実験: 国家が管理する民主主義は可能か (筑摩選書)
松戸 清裕

筑摩書房 2017-01-12
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今年は革命100周年だからバシバシ出るか。岩波新書も新年第一弾で用意してきたみたいだし。こちらはちくま新書で「ソ連史」を書いた人なので、エース投入なのだけど、記念本とはちょっと違う体裁。著者はソ連の「民主主義」を称賛する立場ではないと断っているのだが、ソ連の民主主義が無かったことにされるのも、資本主義ではなく、民主主義が共産主義に勝利したというロジックが定着しているからであろう。考証の対象が主に70年代であるのは、雪解け後の一番良かった時代として旧ソ連人に記憶されているということもあろう。一般的には生活に余裕が出てくれば、市民意識が向上し、民主主義の欲求が強くなるとされているのだが、今の中国などを見ても、市民が求めているのが果たして民主主義なのかという疑問は生ずる。民主を前面に掲げた六四にしても、共産党自体を否定していた訳ではないし、民主主義の意味するものが自由選挙であったり、言論の自由といったものであれば、国家の管理下でも十分実現するのであろう。最近のシールズではないが、民主主義とは実のところ、民意で体制を破壊することなのかもしれない。成熟した民主主義と非成熟の民主主義双方を包容することができるのが真の民主主義なのか。

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