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2006年05月12日Fri [00:45] アフリカ | 本・雑誌 |読書ノウト  

絵はがきにされた少年

絵はがきにされた少年
藤原 章生
集英社 (2005/11)


これは第三回開高健ノンフィクション賞受賞作とのこと。この賞は前回の受賞作が酷い作品であったが、こちらはかなり面白い。しかし、この著者は毎日の記者で、現在はメキシコ支局長だという。たしか、この賞は一般公募だったはずだが、こういう人たちにも応募資格があるのだろうか。それもアフリカ特派員時代にかき集めたネタを寄せ集めたもので、一般人が太刀打ち出来ない様な取材によるものだ。日刊紙の記者ともなれば文章力が秀でていることも自明である。あくまでも想像だが、前回の審査結果に何かしら疑問が呈され、今回は一定以上のレベルを受賞条件としたら、毎日記者の寄せ集めルポになってしまったというところではなかろうか。ということで、これは毎日のアフリカ特派員が書き貯めておいた小ルポを数編収録したもの。ベタ記事さえあまり採用されないアフリカネタでは、自社単行本化は却下されてしまったのかもしれない。表題となっている話は唯一記事になったそうだが、これは大して面白くなく、対象をありのまま描いた「老鉱夫の勲章」とか、それに対する答えの様に著者が自問自答を繰り返す「お前は自分のことしか考えていない」なんかが面白い。最初に例のハゲタカに襲われる少女の写真の話を持ってきたのも、一見バラバラに見えるこの本全体を貫くテーマが、「絵にならないと報道されないアフリカ」であることを示したのだと思う。その意味ではやはりこの表題が妥当だったのかもしれない。

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