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2016年08月06日Sat [04:10] タンザニア  

「その日暮らし」の人類学

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小川 さやか

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博論がサントリー学芸賞とって、ポスドクから准教授となり、「小説宝石」まで連載を持つようになった人だが、このテーマは意外と競合研究者が少ないから、一気にスター教授になるかもしれない。何でも指導教官が農村でのフィルワを勧めたのを拒否して、都市商人の調査に決めたらしい。第三世界研究の基本は農村ということだったのだろうが、もはやそういう時代ではなかろう。都市インフォーマルセクターは実のところ、様々なバリアに阻まれる農村やフォーマルセクターとは違って、調査障壁は小さい。たまたま隣り合った人と商売を始めたりする様子も描かれているが、人脈基本の商人にとって、日本人というのも大きなアドバンテージになる。後に著者が出向く中国でも同様で、反日の国の商売人世界では日本人の価値は高い。逆を言えばアフリカ人と中国人は互いにビジネスライクというか、疑心暗鬼というか、その関係性は興味深いところである。中国人がタンザニアのマーケットで路上販売というのは世界の大国を任ずる今となっては解せないだろうが、例え北朝鮮であってもという出国信仰は未だ命脈を保っているし、小資金で独立して商売を始められるならどこでも構わないということであろう。この辺は富裕層との「出国先格差」がある訳だが、根本は同じである。

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