中国ナショナリズム―もう一つの近代をよむ 丸川 哲史 法律文化社 2015-08-06 売り上げランキング : 585090 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
法律文化社か。講義テキストとして書いたものかもしれんが、「相手の言い分を知る」為なのか、「相手の言い分を受け入れさせる」為なのか。孫崎のレトリックと同じだけど、この辺のことはそれこそ中国リテラシーが無いと判断付かないだろうな。丸川が中国の人権活動家や少数民族の独立運動に批判的なのは、それが西洋基準であり、経済格差の問題であるからとみているのだが、これが中国政府の「公式見解」であるということを知らなければ、そこの説得力を感じる人もいるのかもしれない。「それを否定している訳ではない」というのは保守支持層を目の敵にしている左翼のアリバイ的常套句なのだが、ならば、肯定しているかというとそうではなく、70年前の人権侵害の方が現在の人権侵害より大切だということである。抗議する側の問題点は抗議される側を有利にするという判断で黙殺するのである。「反日デモ」は日本に向けてではなく、日本に融和的な政府に向けてのものであって、その根拠は日本大使館に抗議文を持って行っていないからというのはあまりにも苦し過ぎないか。保釣とかの抗議文が大使館に渡される場面は何度かあったと思うが、それ以前に、あの大使館への襲撃場面を見て、日本に向けたものではないとかよく言えるものだ。
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