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2014年08月27日Wed [02:51] キューバ  

革命キューバの民族誌

革命キューバの民族誌: 非常な日常を生きる人びと革命キューバの民族誌: 非常な日常を生きる人びと
田沼 幸子

人文書院 2014-03-13
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博論もの。キューバの民族誌といってもエスニシティの話ではない。キューバに語学留学生という立場で滞在した著者がインタビューの対象としたのは周囲の人たちで白人か混血だけで、黒人はいない。その辺の事情も説明しているのだが、知り合いだけに限定したのは著者が女性であり、外国人であるということが関係している様だ。キューバでの調査の困難は国家による管理体制とは別の次元にあるのだが、カストロに対する不満は多く聞かれたという。一方、既に故人となっているゲバラやシエンフエゴスを悪く言う人はいなかったとのとだが、これは革命の良き時代の象徴であるというより、革命後世代である多数の国民にとって、教科書的評価しか術がないところもあろう。この二人を評価することでカストロを暗に批判するという意味もあるのかもしれない。キューバ革命はもはや失敗したという以外の評価はなされないのだが、教育や医療の充実はその代償として国民が納得し得るものでは無い様だ。こうした状況下で人々が海外に活路を見出すのは必然であるが、その希望と挫折についての後追いもある。映像作品としても完成しているらしい。

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