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2014年08月25日Mon [02:01] 中国  

中国民衆にとっての日中戦争

中国民衆にとっての日中戦争―飢え、社会改革、ナショナリズム (研文選書)中国民衆にとっての日中戦争―飢え、社会改革、ナショナリズム (研文選書)
石島 紀之

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抗日戦争史という専門を持つ著者だが、それほどイデオロギー臭は感じられない。政治史でなく、民衆史をという視点を意識しているからだそうで、民衆が一丸となって日本軍を撃破したという抗日史観をも否定する。民衆にとって重要なのは日々の安寧であって、それを乱す存在は日本であろうと中国であろうと憎悪の対象となる。よって、日本軍を呼び込んだ中共軍が悪いという感情も存在したのだが、実際に戦闘があった地域は限られており、住民への陵辱、掠奪があった地域は限られよう。それが後世代に渡って全中国人に日本軍の残虐を「記憶」させている訳だが、民衆の「戦乱の記憶」を中共軍対日本軍に収斂させたのが抗日史観と言えよう。中共軍は残虐と言われていたが、来てみるとそうでもなかった。日本軍もそうかもしれないというという発言は戦争当事者の不確実性を表しているのだが、日本は外国なので侵略者というロジックはどこまで民衆にとって現実的であったのだろうか。

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