世界読書旅
ここ数年に読んだ海外関連本の感想など
Top | RSS | Admin | Menu
08< 123456789101112131415161718192021222324252627282930>10
Category>> ボリビア [1]ギニア [1]ベルギー [2]カザフスタン [2]スロバキア [1]リトアニア [3]フィンランド [7]ルワンダ [4]ウルグアイ [1]エチオピア [2]ドミニカ共和国 [1]パラグアイ [2]エストニア [2]ハイチ [3]ノルウェー [1]ニューカレドニア [1]アルメニア [2]はじめに [1]東アジア [37]韓国 [223]北朝鮮 [154]台湾 [99]チベット [27]中国 [720]香港・マカオ [20]モンゴル [17]東南アジア [44]インドネシア [23]カンボジア [23]シンガポール [6]タイ [31]フィリピン [15]ベトナム [29]マレーシア [7]ミャンマー/ビルマ [12]ラオス [6]南アジア [11]アフガニスタン [25]インド [87]スリランカ [7]パキスタン [7]バングラデシュ [6]ブータン [7]ネパール [10]中央アジア [5]ウズベキスタン [3]キルギス [1]中東/アラブ [59]イエメン [1]イスラエル・ユダヤ [25]イラク [43]イラン [16]クウェート [1]サウジアラビア [7]クルド [7]シリア [2]トルコ [10]パレスチナ [15]レバノン [1]ヨルダン [1]UAE [1]米国 [295]ミクロネシア [3]グアム・サイパン [3]ハワイ [7]カナダ [13]メキシコ [17]カリブ [3]キューバ [17]ジャマイカ [3]中南米 [43]エルサルバドル [1]グアテマラ [2]コスタリカ [4]パナマ [1]アルゼンチン [7]エクアドル [4]ガイアナ [1]コロンビア [3]チリ [3]ブラジル [30]ベネズエラ [3]ペルー [8]アフリカ [34]ウガンダ [2]エジプト [3]ガーナ [3]ケニア [11]コモロ [1]コートジボアール [1]コンゴ民主共和国 [2]スーダン [2]セネガル [4]シエラレオネ [1]ソマリア [2]タンザニア [3]ナイジェリア [1]ベナン [1]マグレブ [2]モロッコ [3]マダガスカル [3]マラウィ [2]南アフリカ [8]モザンビーク [1]リビア [2]オセアニア [8]オーストラリア [13]タヒチ [2]ツバル [1]マーシャル諸島 [1]ナウル [1]ニュージーランド [2]パプアニューギニア [3]バヌアツ [1]東ティモール [3]ヨーロッパ [105]アイルランド [10]アルバニア [1]イギリス [64]イタリア [35]ウクライナ [1]オーストリア [5]オランダ [7]キプロス [1]ギリシャ [2]コーカサス [3]スイス [9]スウェーデン [8]スペイン [22]チェコ/スロバキア [3]チェチェン [9]デンマーク [8]ドイツ [85]バスク [3]バチカン [2]ハンガリー [9]フランス [95]ブルガリア [1]ベラルーシ [2]ボスニア・ヘルツェゴビナ [4]ポーランド [6]ポルトガル [9]マケドニア [1]ラトビア [4]ルーマニア [6]ロシア [88]ロマ/ジプシー [7]旧ユーゴスラビア [8]環北太平洋 [8]雑多 [267]昭和萌え映画 [138]フィジー [1]クロアチア [1]バーレーン [1]
Archive>> 2008年11月 [74]2008年10月 [105]2008年09月 [119]2008年08月 [110]2008年07月 [108]2008年06月 [109]2008年05月 [116]2008年04月 [103]2008年03月 [100]2008年02月 [86]2008年01月 [75]2007年12月 [67]2007年11月 [44]2007年10月 [44]2007年09月 [61]2007年08月 [59]2007年07月 [57]2007年06月 [58]2007年05月 [62]2007年04月 [62]2007年03月 [55]2007年02月 [44]2007年01月 [32]2006年12月 [34]2006年11月 [32]2006年10月 [35]2006年09月 [30]2006年08月 [21]2006年07月 [25]2006年06月 [30]2006年05月 [40]2006年04月 [44]2006年03月 [54]2006年02月 [68]2006年01月 [73]2005年12月 [30]2005年11月 [65]2005年10月 [58]2005年09月 [71]2005年08月 [81]2005年07月 [213]2005年06月 [436]2005年05月 [335]
■ 北の民の人類学 
2008年09月30日 (火) 09:23 * 編集 *
北の民の人類学―強国に生きる民族性と帰属性北の民の人類学―強国に生きる民族性と帰属性
煎本 孝 山田 孝子

京都大学学術出版会 2007-01
売り上げランキング : 481749

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


横書き論文集。京大出版会だが、京大関係者は一人だけで、みんぱくとこの分野をリードする北大関係者が多い。北の民といっても、定番のアイヌ、イヌイットや極東ロシアはもちろん、満洲族にモンゴルまで入っている。満洲族と内モンは留日博士の執筆だが、本人の民族は不明。漢人との関係性が重要なテーマではあるが、満洲族も内モンでは、民族主義者としてもこれを避けて通ることはできないだろう。「モンゴルの文様」の執筆者は名前からして蒙族(この表記は一部では差別となるらしい)なのだが、こちらは博物館の展示物の解説みたいで、あまり面白くないのだが、こうしたテーマは政治的に無難ではある。イヌイットはやはりアイデンティティ問題がメインで、都市イヌイットには興味深い動きが見られるのだが、こうしたアイデンティティの問題が顕在化するのも、確立された民主主義と自由主義社会という条件が必要なのであろう。その辺りはサハやデニス・ウザーラの事例と比較してみると面白い。ソ連という共同体では事実上、その構成が多民族である「ロシア人」が極北の地で特権化することはなく、むしろ先住民に学ばない限り生きる術がなかった点は留意すべきだろう。中国みたいに「少数民族」として国家に認定されたり、カナダみたいに「先住民」として国家に保護されることもない極北ロシアで、民族問題が噴出していない(様に思える)ところは興味深い。
# * 環北太平洋 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ ガスプロムが東電を買収する日
2008年09月30日 (火) 01:05 * 編集 *
ガスプロムが東電を買収する日ガスプロムが東電を買収する日
中津 孝司

ビジネス社 2007-10-18
売り上げランキング : 153152

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


創成社新書でそのクセモノっぷりは拝読していたのだが、ビジネス社のビジネス本に登場か。FM尼崎にレギュラー出演しているとは知らなかったが、関西方面では有名人なのかもしれない。ビジネス社だし、もっと飛ばしてくるのかなと思ったのだけど、わりと普通。講演でも稼いでいるみたいだが、いつも独演会をしている訳ではなく、分かりやすい解説も心得ているのだろう。さて、これは時期的に大統領選の前の話なので、プーチンが退任後何をするかということを予測している。有力なのはガスプロム会長か、ガス輸出機構を創設して、その総裁におさまるというもの。首相就任説は、結構前から取り沙汰されていたのだけど、著者はその線は全くないと見ていた様だ。いずれにしても、四年後の再登板は既定路線であることには変わりがないのだが、メドベージェフとその地位を交換するのに適したポストとして、ガスプロムでなければ、ガス輸出機構であると見ていたらしい。東電買収はタイトルだけの話かと思いきや、最後にちゃんと、その可能性を検討している。Jパワーじゃないけど、規制がなければ、電力も、鉄道も、放送も、あっという間にハゲタカだの、SWFだのに食われてしまうことはたしかだろう。単独で東電を食ってしまうだけ資金があるオリガルヒもいると思われるが、ガスプロムが本気になって乗り出したらひとたまりもない。プロセスとしては電力事業の完全自由化が先となろうが、新規参入では外資が越えるハードルが高すぎる。エネルギー供給が今後どうなるかは分からんが、東電も資源の供給を断たれたら、身請けするより仕方ないだろう。電力完全自由化が避けられないなら、適度に赤字体質にして、買い手がつくのを避ける必要があるのかもしれない。


# * ロシア * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 日中外交の証言
2008年09月29日 (月) 23:09 * 編集 *
日中外交の証言日中外交の証言
中江 要介

蒼天社 2008-03
売り上げランキング : 375546

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


あの中江の本で、オビに加藤千洋、土井たか子、武者小路公秀、李香蘭という中国にアタマが上がらないオールスターの面々の推薦もある。李香蘭と、もう二人の推薦者である池井優、池辺晋一郎はうまくトボケタが、加藤、土井、公秀の三人は日本人の教科書だ。日本人はこの本を読みなさい。日本国民必読の警世の本だ。といつもの通り、国民はバカだと思っている様子。それでもって、これが日中友好九九人委員会主催、日中友好会館協力で行われた「日中交流研究会」の講演記録をもとに修正、加筆したものとくれば、これは相当なシロモノだぞと覚悟はしていたのだが、ここまでトンデモだとは思わなかった。中江も1922年生まれの学徒出陣だというから、立派な後期高齢者なのだけど、こやつは日本ではなく、中国で年金生活すべきではないのか。よくここまで正直に言えるなと思うくらい、忠誠を尽くしたのは日本政府ではなく、中国政府であることを告白している。とにかく台湾関係が多いのは、それが靖国とか「過去」の問題ではなく、現在、中国が日本に全力を傾けている最大のプロパガンダであることを窺わせる。日華断交は楽しかったとかまで言ってるのだが、ここまで「中国は一つ」について完璧に代弁してくれる人間はそういないだろう。往時のアルバニア人も真っ青というくらい。それに増して驚くのは「反覇権条項」称賛。中国は覇権を求めないということを今も昔も信じているのは、当の中国が驚いているのではなかろうか。漁船事件について、政治家がすぐ漏らす日本に対して、中国では秘密保持が徹底しているとかいう訳分からん結論だし。福田、宮沢、中曽根、小泉はもちろん天皇にまでケチをつけているのは驚いたが、こういう人間が対中外交を司ったというのは、さすが自由主義の国というか、恐るべしチャイナスクールというか、中共の底力というか。日本は台湾を国だとか洗脳されている人間が政治家をやっている酷い国なのだと言うが、デモに迎えられた台北と違って、さぞかし当時の北京は友好ポチョムキンだったんだろうね。しかし、最後に胡耀邦に問題があると、「日本大使!」とか何度も呼びつけられて、参上したとか自慢しているのにはアタマが痛くなる。
# * 中国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ コタンの口笛
2008年09月29日 (月) 23:06 * 編集 *
映画
こたん
文芸座  監督:成瀬巳喜男 1959

未ビデオ化か。何かズタズタなフィルムだったけど、あれって、最初に出てくる「推薦」の嵐と関係あるのかな。
# * 昭和萌え映画 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ あにいもうと
2008年09月29日 (月) 22:54 * 編集 *
映画
あにいもうとあにいもうと
室生犀星 水木洋子

角川映画 2005-05-27
売り上げランキング : 55584

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

文芸座

これは確かにいい映画だったけど、浦辺は何をややってもキャラ立ちしてしまうな。
# * 昭和萌え映画 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 済州島四・三事件
2008年09月29日 (月) 11:14 * 編集 *
済州島四・三事件―「島のくに」の死と再生の物語済州島四・三事件―「島のくに」の死と再生の物語
文 京洙

平凡社 2008-04
売り上げランキング : 168397

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


これも、まあ啓蒙書。どうもこの事件については、「原光州事件」といった感じで、左派復権の象徴として、再評価への期待があった様だ。李明博時代となり、その動きが止まることを懸念しての出版という意味があるらしい。よって、北朝鮮の影といったものを排除しながらも、日本人読書を意識したのか、「歴史認識」は抑制し、密航についても言及している。よくいえばバランスをとったのだろうが、その分、「悲劇」としても、「伝説」としてもパワーが足りない感じがした。もっとも、歴史上の事件など日常の延長に過ぎないのだから、「物語化」された歴史は疑ってかかるのが筋というものであろう。そうした裏事情に関しては、最後に弁明というか、まとめがあるので分かりやすいうのはたしか。本国での再評価がどういう文脈でなされているのかは分からないが、済州島という地が韓国人の意識の中でも、本土とは違っていることには留意すべきだろう。特に日本との関係性においては、「コリアン世界の旅」で野村進が書いてる様な特殊性が、その土壌がモンゴル時代に培われたものだとしている。そこまで遡ってしまうのも韓国人らしい「歴史認識」ではあるのだが、植民地時代の日本への流入や、四・三事件での粛清といったものを、本土との距離感の理由にするよりは、韓国人にとって理解しやすいものなのかもしれない。その「共通性」から台湾の二・二八事件の真相究明運動との連帯を模索する動きもある様だが、それにも何か裏がありそうだするのは下衆の勘繰りだろうか。
# * 韓国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ おかげさまで生かされて 
2008年09月29日 (月) 01:57 * 編集 *
おかげさまで生かされて―「おかげさまイズム」は21世紀の処方箋おかげさまで生かされて―「おかげさまイズム」は21世紀の処方箋
ペマ・ギャルポ

あ・うん 2007-04
売り上げランキング : 537909

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


オオニシ先生の本で大気汚染を吸い込んでしまったので、そのお口直しという訳ではないのだが、扶桑社の新書から出てるヤツより、こっちの方が面白そうだったから、読んでみた。ぺマも、まだ55歳なのに、もう名誉教授か。名教って、別に定年まで勤めなくてもなれるんだな。博士号はモンゴル国立大学というのも怪しいが、仏教学ではなく、政治学らしい。どうもこの本は時期的に選挙用に出されたものみたいで、日本へのヨイショや、政見放送みたいなものも書かれている。国連とか武士道とかを重視して、ニートやフリーターはダメなんてことを言っているのだが、日本をダメにしたのは、金丸信、山岸章、山口鶴男、大内啓伍とかイキナリ名指しで出てきたりする。与党と労組、野党の野合がイカンということみたいだが、パンチェン・ラマ(先代)みたいに中共と野合し、娘までもうけてしまった生臭坊主のことも念頭にあったのだろうか。ただ、オウムに関しては書かれていない。選挙広報だからまあそれも当然なのだが、国民新党の10位なんて、最初からイロモノ扱いだったろうに。そんな感じのモノなので、前半の回想記の方だけが読みどころ。この人がカムだとは知らなかったが、領主の出だったのか。中共が忌み嫌う階級だが、「解放初期」は洗脳対象になっていたらしい。いすれにしても脱出していなければ、文革を生き抜くことは出来なかっただろう。その意味で「おかげさまで生かされて」なのかもしらんが、大学には自分を慕ってくれる中国人留学生もいるのだという。大西広を慕うウィグル人留学生もいるそうだから、師弟関係というのは普遍的なものなのかもしれん。ちなみに、日本でぺマたちを迎えたのが木村肥佐生で、援助を惜しまなかったのが川喜田二郎だったという。
# * チベット * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 幻の大連
2008年09月29日 (月) 00:13 * 編集 *
幻の大連 (新潮新書 255)幻の大連 (新潮新書 255)
松原 一枝

新潮社 2008-03
売り上げランキング : 17738

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


この著者の大連ものとか、通化事件ものは前に読んだ記憶はあったのだが、大正五年生まれか。この年で新書書き下ろしというのはスゴイが、敗戦時29歳。リアルな記憶で外地ものを書ける世代は記憶を失いつつあるし、少年期の記憶で書いている世代は記憶をどうしても戯画化してしまうので、そろそろオラヒスを大々的に実施する必要があるのではなかろうか。現地では完全に教条化された記憶しか残すことを許されない訳だし、この本に出てくる様な「親日的な」中国人は既に死に絶えたであろうから。その意味では.、なんてことがない昔話でも「幻の大連」として新書に残るのは意義があるというものである。川島芳子の話なども出てくるが、当時の「有名人」の位置づけがどんなものなのかが分かる。児玉邸殺人事件の勝美夫人というのも、ゴシップ好きな女子学生にとっては芳子同様、興味が尽きなかった女性だったのだろう。船で話をしたという甘粕のボディガードがアントニオ猪木に似ているというのは、後発的な記憶であるかと思うが、当時の大連連絡船がナンパの場になっていたことには注目。あの息苦しい時代にあって、列島からも大陸からも離れた船内というのは若い男女が大っぴら(でもないか)に接することができる貴重な場所であったのかもしれない。内地への「留学生」たちににとっては合コンみたいなものあった様だ。タイタニック然り、乱パ船の異名も持つ某世界一周平和船然り、船旅というのはそういうエロスの香りが充満した世界なのであろう。完全に空優位が確立してしまった現在では、老舗の鑑真丸も衰退が激しいと聞くが、イマドキ、船で大陸に渡ろうとする人たちはこういう世界を求めているのかもしれない。ちょっとスケジュールなどを調べてみるか。
# * 中国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ ヒトラー・マネー 
2008年09月28日 (日) 11:25 * 編集 *
ヒトラー・マネーヒトラー・マネー
徳川 家広

講談社 2008-01-11
売り上げランキング : 165319

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


しかし、ドイツ本もその半分以上がナチス・ヒトラーものではないかとも思えるのだが、ヒトラーもの映画原作本も前に何冊か読んだような。それもこれも、ヒトラーというコンテンツがあちらの市場ではまだまだ威力を放っているからで、徳川家の世継ぎである訳者にとっても他人事ではないのか、その辺のことをあとがきで指摘していたりもしている。一族が改姓したなんて話も伝わっているヒトラーの世継ぎが、その肖像権を主張するなんてことはないのだろうが、印税は結局ユダヤ資本が吸い上げることになるので、まあ理にかなっていると言えばそうなのだろう。この著者も奥さんがホロコーストの生き残りという「大ベテラン・ジャーナリスト」なのだそうだ。オビに「スパイ小説より面白い!」などと書いてあるから、小説ではないのだろうが、ナチスが強制収容したユダヤ人を使ってニセ札を作るというストーリーはどうも解せないものもある。ユダヤ人がその技術を持っていたというより、自由の身の人間を使うより秘匿性が高いことや、秘密保持の為、要員を簡単に「処分」できるという点において、そういう流れになった様だ。となると、やはり想起されるのは、今も国家レベルでニセ札を作っているあの国のこと。日本人化工作員教育は在日がいくらでもいるのに、わざわざ日本人を拉致する訳がないという言説も今考えれば、簡単に崩れるものだった。原田武夫に言わせれば、スーパーKも米国の陰謀だそうだが、今の北では、わざわざ外人にやらせなくても、用済みの自国民は簡単に「処分」できる訳で、やはり真相は金王朝崩壊後に、韓流映画になってからではないと分からんものなのかもしれない。
# * ドイツ * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 東南アジアの森に何が起こっているか 
2008年09月28日 (日) 01:30 * 編集 *
東南アジアの森に何が起こっているか―熱帯雨林とモンスーン林からの報告東南アジアの森に何が起こっているか―熱帯雨林とモンスーン林からの報告
秋道 智彌 市川 昌広

人文書院 2008-04
売り上げランキング : 261033

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


これも地球研の本みたいだが、昭和堂から出ている「地球研叢書」ではなく、地理出版の殿堂、人文書院から。サラワクとラオス、それに付随した雲南の森林といった所がテーマなのだが、声高に環境破壊を訴えるといった「エコアジテンダー」系という訳でもない。サラワクと言えば、木材伐採反対運動がラジカル化して、華人企業から木を買っていた日本も随分叩かれたりしたものだが、その運動を昔話的に論じているのが印象に残った。ちょっと前にコスモ石油だったか、FMを聞いてると、盛んに、私たちはサラワクに木を植えてますだのなんだの、免罪符よろしくCM流していたことを思い出したのだが、数年でコスモが植えた木が森林になるはずもなく、華人が伐採をやめた訳でもなく、運動やってる連中もまだいるのだが、要するに時間が経てば、みんな忘れてしまうということ。では20年前と何が変わったかというと、「中国」が台頭してきたということが大きな変化をもたらしたらしい。地球研も昭和堂の中国グループとは別のなのか、執筆した若手のお弟子さんたちが勝手に書いたのかは分からんが、ここでは国境を越えて木材を中国に運び出す大陸商人に大変手厳しい。「ガラが悪い連中」などとも呼んでいるのだが、ラオスには森があるのに、国境を越えた雲南で森林を見ることが出来ない(奥地に多少は存在するとのこと)のは、そこが「中国」だからと、物凄く分かり易い結論。木材を伐採して砂漠化するのが漢人の文化なのだそうだが、まあそれには、反論は出来ないわな。
# * 東南アジア * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 格差はつくられた 
2008年09月27日 (土) 23:49 * 編集 *
格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
三上 義一

早川書房 2008-06
売り上げランキング : 2790

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


アメリカ格差ものは、川田龍平と結婚した人の岩波新書がエラく売れているみたいで、天下のクルーグマン教授の本の邦題もそれに便乗しなくはならないというのも、何か皮肉な感じがする。当然、あちらの「格差」は「階級闘争」的様相を呈している訳ではなく、どこまでも、「保守」対「リベラル」の二項対立である。つまり、リベラルが勝てば、全てが解決するかの如き言説がまかり通っている訳だが、クリントン時代を省みても、それは怪しくなってくるので、「リベラル」と「進歩派」を更に二分しようというもの。著者によれば、ヒラリーが「リベラル」で、オバマが「進歩派」ということになるそうだが。ヒラリーが敗れたのも、所詮はリベラルが高額所得者の利益を代表して、抜本的改革は期待できそうにないという点にあるらしい。日本では「進歩派」は「近隣諸国」の利益を代表し、保守は「米国」の利益を代表するという「代理戦争」であるという見方が一般的なのだが、超大国アメリカの場合、冷戦勝利後は、利益を代表する外国勢力が見当たらない(イスラムや中国の台頭はあるが)ので、「進歩派」がポジティブなイメージとして復権したというところか。“The Conscience of Loberal”という原題にはリベラル勢力のイデオローグである著者の「進歩派」へ転換を促すメッセージもあると思うのだが、保守派=共和党=宗教右派に全ての責任がある様なスタンスは変わっていない。じゅうこうな研究書ではなく、軽い読み物であるので、分かりやすい図式が必要だったのだとは思うのだが、訳者(アウンサン・スーチーにコミットしている人らしい)がこれを、白人の人種差別を弾劾する書としてみなしているのは不思議な気がする。原書はそんな感じなのかもしれないが、日本で「進歩派」が中韓への謝罪と追従という歴史認識がまず必要とされる様に、アメリカでも黒人に対する態度表明が「進歩派」の証ということになるのだろうか。オバマ躍進をその様な文脈で捉えることが正しいのかどうかは分からぬが、それはアメリカという国は、果たして単純なのか複雑なのかというとう本質的な問いに繋がっているかと思う。
# * 米国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 中国人の胃袋 
2008年09月27日 (土) 10:07 * 編集 *
中国人の胃袋-日中食文化考中国人の胃袋-日中食文化考
張競

バジリコ 2008-06-04
売り上げランキング : 89131

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


邱永漢の食通エッセイみたいなものなんだけど、この著者書評集まで出している来日中国人の日本語書きとしては、おそらくトップレベルにある人。大学教授が本職だから、話す方も莫邦富よりは上であろうし、莫や王敏、朱建栄みたいな「愛国風」とは無縁な人なのだが、あえて政治からみの話は避けている様にも見受けられる。世代的には文革なのだけど、その話も深入りは絶対しない。少なくとも莫みたいに自慢話をすることはない。例の芥川賞作品について、著者の書評が辛口だったのもその辺と関係しているのかもしれないが、その意味でも、日本の評論家稼業というものをよく理解している人なのだろう。この本も「山形新聞」から「日本と中国」、日経、毎日、NHKラジオテキスト、伊勢新聞など、様々な媒体に発表したものの寄せ集めなのだが、日中間で何か問題が起きたときに重用されている訳ではなく、エッセイストとして起用されていることがよく分かる。中国のことを書きながら、「中国人」を感じさせないという書き手というのも貴重だが、靖国とか南京とか、最近では五輪とかチベットとかどうしても「中国人」として言わなくてはならないという葛藤がないのか、抑えているのかは分からない。そんな中で唯一、中国人が出てしまったのは、七夕の短冊に「金が儲かりますように」と学生が書いたのをみて、「ほほえましい」としている箇所か。金を儲けるのはほほえましいというのは中国では至極当然の話なのだが、これが日本人の大学教員だと、学生が金を儲けたいなど言ってるのはよくないなどと言い出す奴が出てきそう。万家の乞食の話などは大変面白かったのだが、「猫も食わない」定食を食ってる人間をバカにしないでほしいなあ。
# * 中国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ パリとセーヌ川
2008年09月27日 (土) 03:05 * 編集 *
パリとセーヌ川―橋と水辺の物語 (中公新書 1947)パリとセーヌ川―橋と水辺の物語 (中公新書 1947)
小倉 孝誠

中央公論新社 2008-05
売り上げランキング : 10330

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

たしかにパリをテーマにした本というのは掃いて捨てるほどあるのだが、その辺を考慮して、セーヌ川というファクターを通したパリをテーマにしたのだという。「テムズ川の水上交通」というのが研究テーマだったのは、現皇太子なのだが、かつてパリがフランスを代表する港だったというのは、やはり意外なものである。なんでも鉄道より早く蒸気船が開通したとのことで、フランスもまた、水上交通が内陸輸送の担い手であった時代が長かった様だ。そうした経済面に加え、著者の専門である小説、絵画といった文化的アプローチに、川と人との関係を変えた架橋についても論ずる。川のある街に育った人にとって、川というのは容易に原風景の記憶を引き出す手段となろうが、パリが世界文化の首都だとすれば、セーヌ川というのは文化人の心象風景に響くものがあるのだろう。隅田川や淀川をテーマに外国人がこの様な本を書くことはあまり考えられないのだが、土左衛門の話などもあって、近世までの川と人々の関係性はセーヌも隅田川も大して変わらぬものだった様だ。高速道路で塞いでしまったり、暗渠化したりすることは最近でこそ悪名が高いものだが、絶えず変化していかないと生き続けられない「アジア」と「停滞するヨーロッパ」の相違を表す風景なのなかとは思う。


# * フランス * Comment (0) * Trackback (0) *
■ スリランカ 時空の旅 
2008年09月27日 (土) 01:29 * 編集 *
スリランカ時空の旅―遺跡を旅して知った歴史と仏教スリランカ時空の旅―遺跡を旅して知った歴史と仏教
竹内 雅夫

東洋出版 2008-03
売り上げランキング : 234946

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


著者は定年団塊で、東洋出版だから、自費の可能性大なのだが、エラく調べものに時間がかかったんではないかと思わせる旅行記。旅行記自体は、別にフツーなのだが、仏教歴史解説が壮大すぎて、読むのに難儀する。最初の方は「私の旅」と別に配置していたのだが、仏教話がどんどん侵食してきて、本居宣長とか三浦按針とか、スリランカと関係なさそうな人たちの解説をしたり、しまいには、血の十字架のキリスト教、目には目のイスラム教という危険な宗教に仏教徒は立ち向かえとか言い出す始末。主敵は生臭坊主ばかりの日本仏教だ。と弾劾して幕なのだが、シンハラ仏教原理主義者かいな。上座部仏教が大乗に比べて純粋なのかどうかは分からんが、スリランカでも生臭坊主は、ナンボでもいるだろう。「観光坊主」に一々、頭にきても仕方ないとも思うのだが、仏像めぐりに、ここまで情熱を捧げていれば、それも然りか。とりあえず、みうらじゅんみたいに「マイブーム」として仏像をめぐっている訳ではない。ただ、旅行記の方はそれほど悪くはないので、不信心な人間としては、旅行記だけに絞ってくれた方が助かったのだけど。
# * スリランカ * Comment (0) * Trackback (0) *
■ コスタリカ エコツーリズムの国
2008年09月26日 (金) 13:42 * 編集 *
コスタリカエコツーリズムの国コスタリカエコツーリズムの国
辻丸 純一

千早書房 2007-07
売り上げランキング : 17725

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


パプア・ニューギニアを撮ってきた人がコスタリカか。まあ別にいいんだけど、コスタリカに軍隊もない、治安もいい、物価も安い、ミス・ユニバースも出てるなんてことを聞いて、すぐに原宿にあったコスタリカ観光局を訪ねたのだとか。それで自分の写真集を見せて、タイアップを勝ち取ったらしい。なるほど、この手の本はそうやって作るものなのか。ということで、エコ・ツーリズムというのが、今も昔もこの地域で例外的に治安が良いこの国の独壇場であるので、その辺りのお膳立てを受けた様子。ケツッアルをその象徴に選んだりもしているのだが、このグアテマラの通貨名にもなっている国鳥はコスタリカにもいたんかいな。まあ私が実物を見たのもホンジュラスだったけど。しかし、なぜか私もこの国を3回も行っているんだけど、この本に出てくる所はサンホセしか行ったことがない。たしかに、あの辺ではアメリカ人が唯一安心できる国なんだろうけど、人種差別がないってのはどうなのか。表立ってのチーノ攻撃がないのは確かだけど、もっとキツイものをやられた記憶はある。まあ、おとなしく「エコ・ツーリズム」とやらにでも行っていればよかったのだろうが。
# * コスタリカ * Comment (0) * Trackback (0) *
■ あなたの知らない中国社会
2008年09月26日 (金) 01:47 * 編集 *
あなたの知らない中国社会あなたの知らない中国社会
佐田 満

リトル・ガリヴァー社 2008-01-31
売り上げランキング : 786749

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


著者は商社、メーカー、販社と40年近く中国をやっている人らしい。友好商社の時代から、中国に行っていた訳で、その辺の話は大変興味深いのだが、現在の話になると、途端に上から目線のお説教となってしまうので辛い。昔の話は、証言者が少ないから、「あなたの知らない中国」で通るかもしらんが、今みたいに、誰しもが中国を語る時代になってしまうと、「あなたの知らない中国」だと読者に思わせるには、「中国通」の鎧を付けないと難しいのだろうか。中国人はこうだとか決め付けるのは嫌いだと言いながら、自分もそうなっているのは、よくあることなのだが、「日本人は中国を知らな過ぎる」というロジックが「自分は中国を知っている」という自信に支えられている分、高慢な印象を与えている様な気がする。現場の職人感覚を後世に残すという気持ちなのかもしれないが、こと中国においてはその経験値が次世代にとって、どれだけ有効なのか疑問が残るところではある。むしろ先学の屍を乗り越える必要が今の人たちには必要ではないかとも思う。昔話が優れているのは、物語の中に教訓があるからであろう。
# * 中国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ アルメニア共和国の建築と風土 Out of the Frame 
2008年09月26日 (金) 00:15 * 編集 *
アルメニア共和国の建築と風土―Out of the Frameアルメニア共和国の建築と風土―Out of the Frame
篠野 志郎

彩流社 2007-11
売り上げランキング : 332157

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


著者はキリスト教建築を専門としている人らしい。ということで、タイトル通りの写真集+散文といった体裁なのだが、写真家でもない一研究者のアルメニアの古ぼけた教会の写真集を出版してくれる奇特な出版社はなかなか見つからなかったとのこと。彩流社がある意味奇特であることは万人が認めるところだと思うが、ならば勝手にやってくれということなのか、「写真家でもない一研究者」の著者が、レイアウトから装丁まで全て自分でやったらしい。「手作り」のアルバムの雰囲気を出したかったということで、その点は「成功」しているのだろうが、この版型で縦書き、字がぎっしりだと異様に読みにくい。写真はは「玄人はだし」ってヤツなんだろうが、たしかに崩壊寸前の教会の写真は、工場とか病院に萌える廃墟系の人たちの趣味ともちょっと違うだろう。アルメニアの教会は街から外れた僻地に建てられているとは知らなかったが、教会がコミュニティの中心ではなく、あくまでも霊的なものだとすれば、それも当然だろう。もっとも、領主が自分の土地に建てたからというのがホントのところらしい。また、アルメニアが世界最強の美人国であるということが最近定着してきているが、女は子どもと老婆しか写っていない。とはいえ、そこに教会があるからというよりも、そこに酒があって女があるというのが、著者がアルメニアに惹かれた理由でもある様な感じもする。研究者として、それではイカンということになったのか分からんが、研究対象のベクトルをアルメニアからトルコへ移したのこと。よりよってトルコでは、アルメニア人に対する「裏切り」なのだが、この本は著者なりの別れた人に対するラブレターなのかもしれない。
# * アルメニア * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 親愛なるブリードさま 
2008年09月25日 (木) 10:57 * 編集 *
親愛なるブリードさま―強制収容された日系二世とアメリカ人図書館司書の物語親愛なるブリードさま―強制収容された日系二世とアメリカ人図書館司書の物語
今村 亮

柏書房 2008-06
売り上げランキング : 199824

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


強制収容された日系人のこどもたちとアメリカ人の図書館司書の交流を描いたもので、この手の話には必ず出てくる免罪符のシンドラー話みたいなものなのではあるが、著者は絵本作家や自動向けの図書を選定している人らしい。原書は低学年向けの優れた図書に贈る賞の栄冠を得た(別に著者が自ら選んだ訳ではないだろうが)そうだから、ガチで児童書なのだろうが、翻訳の方はオトナ向けの分厚いノンフィクションとなっているのはなぜ?まあ洋物は翻訳次第で、学術書にも児童書にも変化させることができるんだろうが、コレを日本の低学年児童に読ますのは難儀なことなのかもしれない。かといってアメリカのこどもが、その背景まで理解することが可能であるとも思わんのだけど、日系人収容を謝罪することは、今やアメリカいとって最大のイシューである人種問題の良いテキストとなるのであろう。真珠湾攻撃と対比させることによって、アメリカの道徳的優位を確立する狙いがあるのかもしれない。もちろん、原爆の話は一行すら出てこない。てなことを著者や訳者、或いは主人公であるクララ・ブリードさんが意図していた訳では全くなく、この本の出版は純粋なヒューマニズムの帰結であろうが、戦争の悲劇とか、日系人の悲哀といったものより、こういう手紙が残されているのも、アメリカの強制収容はアウシュビッツとか、大森収容所などとは根本的に異なるものであったことの証左ともなろう。状況的にはに日本の軽井沢隔離に近いものなのであろうが、日系人と日本人でその怒りに温度差があるのは、当時の日系人分断政策がまだ糸をひいているからであろうか。補償金の2万ドルを孫を連れてのワシントン見物に使ったという老人の話は興味深いが、この問題に本国の日本人が民族心を掻き立てられることが少ないのも、中国とか韓国との「民族主義」との温度差を表しているのではないかと思う。
# * 米国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ ゲイ・マネーが英国経済を支える!? 
2008年09月25日 (木) 01:10 * 編集 *
ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y 190)ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y 190)
入江 敦彦

洋泉社 2008-03
売り上げランキング : 19849

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


著者は京都ものとイギリスものを出しているロンドン在住のゲイの人とのこと。イギリスのゲイ・マネーは十八兆円にも上るという真偽不明のデータを根拠に如何に英国ではゲイの影響力が強いかということを切々と綴ったものだが、オネエ言葉とは違うんだろうが、つまらんジョークが嫌味みたいに節々に挟まれていて、どうもいけ好かない。実際にこの様な話し方をするゲイの人は少ないと思うのだが、オネエ言葉のタレントが登場する番組を不快だとコメントした日本の大学教授を差別者呼ばわりしているから、この文体が嫌いと言ったら私も差別者ということになってしまうのだろうか。あちらではなんでもゲイに対する差別に厳格で、その様な無神経な話はできないそうだが、宗教的戒律があった訳ではない日本では、「オカマ」の類の言葉は侮蔑語としては成立しないではないかと思う。キリスト教文化圏でゲイが差別されてきた時代は長かったし、今でもその状況は残っているかと思うが、こうゲイは高収入、高学歴、文化的、進歩的、平和的などと「逆差別」よろしく煽ってしまうと、その対極にあるだろうイギリスの労働者階級の反感もかうのではなかろうか。まあこれは日本向けの啓蒙書なのだろうから、別に構わないけど、ますますドン引きしてしまう可能性もあろう。ゲイにもIT長者がいて、ホームレスもいる訳で、有力企業にゲイの人間がいるからといって、それをゲイ・マネーに試算するのはどうかと思う。「外人マネーが英国経済を支える」なら、まだ説得力があるのだが、ゲイのインド系イスラム教徒に人気テレビ・プロデューサーがいるというのはちょっと驚き。こういうのも「アリ」なんだね。
# * イギリス * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 越境の人類学
2008年09月24日 (水) 23:28 * 編集 *
越境の人類学―在日パキスタン人ムスリム移民の妻たち越境の人類学―在日パキスタン人ムスリム移民の妻たち
工藤 正子

東京大学出版会 2008-05
売り上げランキング : 399605

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


博論もの。「在日パキスタン人ムスリム移民の妻たち」という副題が付いている。修論は在英パキスタン人についてだったらしく、研究テーマが日本にシフトししているし連続性は保たれている。「妻たち」にフィールドを移したのは、同性として、「夫たち」より調査の利点があるがことが関係しているのだろう。もっともそれ以上に、「妻たち」が同じ日本人であることが大きいと思われる。日本人の妻を持つ在日パキスタン人はほぼ例外なく、流暢な日本語を話すし、英語での調査も可能だろう。しかし、女性研究者の調査にはパキスタン人男性としても、ムスリムとしても壁があったことは確かであろう。改宗してムスリマとして生きる「在日パキスタン人の妻たち」が社会から見えない存在であることや、ビザ不要の時期に来日して、現在まで在留し続けるパキスタン人と結婚した妻たちの年齢が著者と近いこともその理由となった様だ。一言で言えば、彼女たちが社会から「見えない存在」になっている原因を追究する論考と言えるのだが、ビザを要因とした結婚、イスラームにおける女性の扱いといった、とかくステレオタイプに陥ってしまう話を声高に否定するのではなく、その可能性も含めて、内実の多様性を紹介することで、日本人同士の結婚、非ムスリム同士の結婚同様、一筋縄では語れない「結婚」と「家庭」という問題を相対化することに成功している。日本では宗教的実践が難しいという声もあれば、皆がほっといてくれるので、イスラームの実践はしやすいという声もある。いずれにしてもイスラームの問題に帰結できるのだが、「ボーン・ムスリム」がイスラームとパキスタン或いはその出身社会の慣習を混同している点は興味深い。これは「スカーフ論争」と同種のものだろう。また「娘の教育」というのはこうした家庭の重要な課題となっている様で、娘はパキスタンに送って「日本の女の様にさせない」というのが、多くの家庭で共通する認識なのだという。たしかに日パハーフの息子はよく見かけるが、娘はあまり見かねない。その是非は議論の対象になるべきだろうが、ムスリムとしては問答無用の自明なことなのであろう。女子の性教育や体操着を拒否することがクルアーンの教えに合致してるのかもしれないが、「女性」を見えなくしてしまうことは宗教というより、文化的なものとも思われる。学術論文である以上、宗教に関わる問題については慎重な姿勢が窺えるが、いすれにしても優れたものであることはたしか。著者自身の入信の予定はないらしいが、それも博士という「自己実現」があったからだろう。離婚や日本人以外の第三国人の妻たちについても調査があればよかった。在日パキスタン人の妻として、フィリピン人やロシア人、中国人などの事例がかなりあるのだが、彼女たちに対しては明らかに日本人妻に求められるものとは違う傾向がある様にも感じる。
# * パキスタン * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 「在支二十五年」米国人記者が見た戦前のシナと日本 上・下
2008年09月24日 (水) 10:48 * 編集 *
zai.jpg「在支二十五年」米国人記者が見た戦前のシナと日本(上)
渡部 昇一 中山 理

祥伝社 2008-03-22
売り上げランキング : 149787

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

g.jpg「在支二十五年」米国人記者が見た戦前のシナと日本(下)
渡部 昇一 中山 理

祥伝社 2008-03-22
売り上げランキング : 148065

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


例の『紫禁城の黄昏』バトルの流れで、翻訳されたものらしい。東京裁判で都合が悪いから、証拠として採用されなかったというのは『紫禁城の黄昏』と同じだが、訳者が「訳者解題」で延々と説明している通り、完全な国民党プロパガンダに沿った本ではある。その意味では南京のティンパーリと同じ役目を担った人物ということになるのだが、著者にはミズーリ大学ジャーナリズム学科の中国コネクションという線もあって、これはスノーやスメドレーにも繋がるのだという。つまりパウエルは反共で、スノーは親共という違いがあっても、共に親中反日に凝り固まっていたことに違いはないらしい。この著者は上海で捕虜収容所に入れられ、足が壊疽となって、あのロレンソ・マルケスの交換船で送還されたらしいから、それも無理からぬところなのだが、そんな輩の本を渡部昇一が監修するのには理由があるというのが、この本のミソなのだろう。作品には書かれた「時代の精神」というものがあるので、今日的感覚で、人種差別を糾弾しても仕方がないのだが、日本人以上に、中国人に対する不信感がよく表れている。「シナ」表記は渡部の拘りなのだろうが、逆に差別的意味としての「シナ」の効果を狙った様な感じも受けた。国民党がこの男を援助したのは戦略的なものであったのだろうが、日本軍と共産党軍の残虐が同列で描かれており、これでは、さすがの岩波も翻訳には手を挙げいだろう。

# * 中国 * Comment (0) * Trackback (0) *
■ 朝青龍はなぜ強いのか?
2008年09月24日 (水) 01:26 * 編集 *
朝青龍はなぜ強いのか?―日本人のためのモンゴル学 (WAC BUNKO 77)朝青龍はなぜ強いのか?―日本人のためのモンゴル学 (WAC BUNKO 77)
宮脇 淳子

ワック 2008-02
売り上げランキング : 227758

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


またゴミ新書かと思いきや、岡田英弘嫁の宮脇淳子の本か。副題が「日本人のためのモンゴル学」となっていて、たしかに、その様なものではあった。しかし、このテンポのよさは夫譲りなのか、岡田本を読んでる様な気がしてきた。トンデモなのかもしれんが、読み物としては、よく出来ている。「中華思想は、遊牧民に敗北したことから始った負け惜しみの思想」とか、ズバリ過ぎて笑っちゃうのだが、結構、王柯が読んだら激怒しそうなことが満載で、時節柄、受ける内容だとは思う。カザフとコサックの語源が同じで、「ダライ」がモンゴル語というのは知られているのだが、ムガールとかウルドゥーなんてのも「モンゴル」由来の言葉いうのは知らなかった。義経ジンギスカン説から、蒙古斑まで、ちゃんと解説しているのもスゴイが、蒙古斑は日本でベルツが言い出したことだったのか。日本人は99.8%の確立だが、当のモンゴル人は混血度が高いので95%なのだとか。しかし、中国には統計がなく、それは、「蒙古斑」とか、「モンゴロイド」といった言葉で、中国人を表されるのを嫌っているからだという。ホンマかいな。「民族」という言葉自体がまやかしなら、「中華民族」なんて、砂上の楼閣みたいなもんだけど、チンギス・ハーンも中華英雄だから、歴史にイフがあれば、石原莞爾も中華英雄になってたのかもしれんね。ちなみに、トルコでもチンギス・ハーンはトルコ人にされてるらしい。この辺も「中華思想の病」だろうけど、こういうのが大好きな韓国人は、高麗英雄に認定してないのかな。血筋的には一番近い気もするけど。まあ義経ジンギスカン説の方が、遊びがあって面白いけど、これがイギリス人に一泡吹かせる為の策略が起源だったというのも、ちょっと考えさせられるな。で、夫婦揃って、相変わらず中国には厳しい人なんだけど、中国牽制の為のモンゴル贔屓だとなると、ちょっとなあ。朝青龍の問題にしても、日本社会の方に全面、非があるとは言い切れないだろう。日本のマスコミがモンゴルでは、その国のルールに従わなければならない様に、朝青龍だって、日本で規範とならねければならない地位にあるのではなかろうか。とはいえ、モンゴル人の中国人嫌いは確かに徹底している。今回、ウランバートルの中国大使館はデモられなかったのだろうか。
# * モンゴル * Comment (0) * Trackback (0) *
■ ヨーロッパの民族対立と共生
2008年09月23日 (火) 22:21 * 編集 *
ヨーロッパの民族対立と共生ヨーロッパの民族対立と共生
坂井 一成

芦書房 2008-05
売り上げランキング : 623152

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


博論ものも数多く読んできたが、リライトせず、ほぼそのままの形で掲載したと謳っている本は初めてだ。とか言いながら、「はじめに」では、各章既出の論文を大幅に改稿したともしていて、発表元も記してある。よく分からんが、紀要とかに書き溜めていたものを改稿し、くっつけて博論にしたということなのだろうか。まあ博論も書き下ろしでなくてはいけないという法はないから、それでいいんだろうけど、言われてみれば、一つの論文としては繋がりがイマイチな感じもした。学部の指導教官が中嶋嶺雄で、院が二宮宏之と梶田孝道か。院の方は相次いで亡くなってしまった様だが、わりとビッグネームの下で修行した様だ。そのお陰かどうか分からぬが、国立系だけの、かなりの順調コースを歩んで来た模様。このテーマは先行研究がゴマンとあって、独自性を要求するのは難しいのだが、フランスが専門で、アルザスというのはどうも捻りがなさ過ぎる。コルシカについてもちらっと触れているのだが、そうした「伝統的」な対立問題も、最近は「移民」問題に打ち消されている感があるから、ますは「基本」を押さえるということだろうか。個人的には海外県とか海外領土に興味があるのだが、現地調査に難儀するからなのか、あまりお目にかかれないなあ。民族対立はまだ良くても、人種対立となるとヤバイところがあるのかな。
# * ヨーロッパ * Comment (0) * Trackback (0) *
■ ポルトガル・ノート 
2008年09月23日 (火) 10:39 * 編集 *
ポルトガル・ノート―文学・芸術紀行 魂の源流をもとめてポルトガル・ノート―文学・芸術紀行 魂の源流をもとめて
諏訪 勝郎

彩流社 2006-10
売り上げランキング : 729997

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


著者がポルトガル留学中にポルトガル語で書いたものを日本語に訳したのだという。それなら合点がいくところもあるのだが、日本語に改めるにあたって、大幅に修正したところもあるらしい。この話がフィクションなのか実話なのか分からぬが、その大仰すぎる表現は如何にもポルトガルらしいものではある。まあ小説として読めば、なんてことはないのだが、檀ふみの父ちゃんじゃあるまいし、一留学生が自分のモテモテぶりを描いても、あまりリアリティを感じさせるものではない。同棲中のドイツ人の彼女がいるのに、旅に出ようとすると、チェコ人や韓国人女性の留学生仲間から、私も連れてってと懇願される。副題にある通り、ポルトガル文学を訪ねる旅なのだが、そんなものに興味がない人間にとっては、著者が抱く同伴女性の妄想の方が気になる。ポルトガル文学を語るには、女を語らなければならないということなのかもしれないが、やはり日本語でソレをやってしまうと、どうも締まりが悪い。最後の韓国人女性編の話は明らかなフィクションだと分かるのだけど、こうした設定はポルトガル人教授に有効に作用すると著者は読んだのだろう。日本はポルトガルの植民地だったとポルトガル人は思っているということを伝えたかったのだと思うが、韓国人やモザンビーク人を動員して、日本とポルトガルの「同床異夢」を語るのもまどろっこしい。ドイツ人彼女のナチ話もそうだけど、なんか単純すぎるシナリオだ。まあポルトガル文学自体が単純なのかもしれないけど、「サウダーデ」だって、実際、そんな複雑なものじゃないんじゃないか。世界でポルトガル人にだけ理解できる概念だなんて、そんなもんあるかいな。
# * ポルトガル * Comment (0) *