![]() | 起業inチャイナ (2007/08) 不明 商品詳細を見る |
何を起業したかというと、精密機器の工場で、正さんは長年セイコーで働いていた人らしい。諏訪の出身で、地元の工業を出で、精工舎に技術職で入ったというのだから地域のエリートだろう。後にニューヨーク勤務もして、営業に転じ、世界中を飛び回ったとのこと。そこで、香港の時計関係と付き合いが出来て、奥さんも呼んで珠海で起業と相成った様だが、時計業界という仕事柄か、腰の低さが文体からも伝わる。少なくとも「中国人は二重人格だ!」とか、「中国語で愛人は奥さんの意」といった「中国通」を吹かすような愚を晒していないので、この種の本では異色な感じがした。と思ったら、奥さんのパートになってから段々と怪しくなってきた。西安交通大学の日本語学科の女学生の言葉に感動して、中国で仕事をすることを決めたというのは、まだ良いのだが、社員が交代で担当する 5分間スピーチなるものを導入して、社員から「意味ない」と反発されたらしい。二人が帰国中に勝手に終了していたのを、説得して再開させたそうな。そのスピーチ集を翻訳して営業に持ち歩いているそうだが、なんとこの本の後半、130ページ余りがそのゴミスピーチ。2段組でびっしり詰まっていて、読むのが苦痛だった。しかし、これはスピーチさせられた社員の責任では全くない。日本では社員教育でこんなクソみたいなことしている会社があるのかもしらんが、中国人社員にとってはホントいい迷惑であったろう。朝日OBの人がやってる日本語作文大会みたいに、「反日」ネタ満載なら、まだ愉しめるのだが、これは「お仕事」だから、社長の手前ヘタなことは言えんし。なんでもトイレ掃除も社員に義務付けているらしく、ようやく中山大学からとった幹部候補生も、それが嫌で辞めてしまったのだとか。これは笑えん話だが、司馬遼太郎とか立花隆の本を読んで思うところがあったらしく、それを翻訳して、講読会に参加させるなんて、そりゃ拷問に近いものがあるんじゃないか。たしかに、かつては日本の「中国系」の会社でも「毛語録」の講読会などをやってたのかもしれんが、珠海で「KY」だと、現地法人社長が吊るされたキャノンとか、集団売春の幸輝(悪質リフォームで倒産)の二の舞を踏んでしまう危険性があるのだが、大丈夫か。ちなみに、社員は「反日デモ」など別世界のことだと言っているらしい。ふーん。




