2017年10月13日Fri [04:50] フランス  

舞台の上のジャポニスム

舞台の上のジャポニスム―演じられた幻想の<日本女性> (NHKブックス No.1247)舞台の上のジャポニスム―演じられた幻想の<日本女性> (NHKブックス No.1247)
馬渕 明子

NHK出版 2017-09-22
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ジャポニズム本も最近複数出ているのだが、これも安定の「日本スゴイ系」の一端なのかな。アニメもそうだったが、ヨーロッパでその先陣を切るのはフランスである。著者はその本質は幻想の日本女性にあると見ているのだが、この辺はフランス男に一日の長があるのだろう。英国やドイツ、オランダもそうだったのだが、日本人女性は幻想でも恋愛対象にはならなかった。ムスメ文学やムスメ舞台といったものはそうした幻想の蓄積上に成立したものであるが、日本人男性が女性に比べて表象化されないのは現在も変わらない。日本人女性の保護者をふるまう西洋人男は現在でも少なからず存在するが、その辺は日本での西洋ブランドの低下と共に減少している観はある。ハラキリ、ゲイシャなどはほとんど死語になりつつあるが、つい20年ほど前までは日本の表象として機能していたことを考えると、ここ近年は経済衰退と入れ替わるように、日本表象が多元化している様に感ずる。つまりはようやく日本も「顔の見える国」になってきたということである。

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2017年10月08日Sun [05:31] フランス  

父の逸脱

父の逸脱―ピアノレッスンという拷問父の逸脱―ピアノレッスンという拷問
セリーヌ・ラファエル Céline Raphaël 村本 邦子

新泉社 2017-09-05
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家庭内虐待とかDVとかは私にはあまり現実感が無いのだけど、暴力による支配欲を満たす対象として一番「安全性」が高いのが自分の子どもということになるか。それも反撃性が低い女の子であれば尚更なのだが、教育という大義名分を掲げてしまえば、そうした欲求も正当化できる。この著者は現在は医師ということで、啓発活動という意味合いが強いのだろうし、この本がフランスでベストセラーになることで、父親が社会的に葬られたのかどうかも分からんので、やはり当事者意識が無いと、すっきりしないものがあるのはたしか。

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2017年10月04日Wed [06:13] フランス  

グローバル・ジハードのパラダイム

グローバル・ジハードのパラダイム: パリを襲ったテロの起源グローバル・ジハードのパラダイム: パリを襲ったテロの起源
ジル ケペル アントワーヌ ジャルダン Gilles Kepel

新評論 2017-08-31
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フランスの中東、イスラーム研究界にネイティブと非ネイティブの分断があるのかどうか分からんが、日本で通常権威を持つと考えられている西洋人視点のイスラーム研究の影響力は限られたものなのかもしれない。こうした西洋人学者の課題は自国の主流イスラームではなく、改宗ムスリムの過激化を食い止めるところにあるのだろう。改宗者やエスニック・リバイバルと心の闇は相関性があるのだろうが、その原因の帰結を社会の不公平に求める事自体が革命思想の欠点であると思う。共和国の理念としてはフランス国民として平等な扱いをすればその矛盾が解決されるということになるのだが、その辺が日本の左翼同様、永遠に出口の無い理念を振りかざして行き詰まっている様に見える。

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不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人~心が自由になる生き方のヒント不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人~心が自由になる生き方のヒント
西村・プペ・カリン 石田みゆ

大和書房 2017-08-23
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挿入されている漫画の作者がダンナなのか。秋葉原をディスっていたりするのだが、ダンナはB.Dを学んだ正統派か。単にメイド喫茶とか、ヘンタイ系が嫌いなだけなのかもしれんが、フランスにはその手の輩が多いから、B,Dを正統派とすると、嘆かわしいことなのかもしれん。99年に日本に来た頃はフランスで日本のイメージが悪く、何でそんな国に行くのかと言われたそうだが、例のクレッソン発言がそんなにフランスでも支持されていたんかいな。あれやその後のサルコジ相撲侮辱事件もシラクに対する嫌味だという解釈(香港でのサルコジのは中国へのリップサービス説も)もあるし、時代を遡ればド・ゴールのトランジスタ・ラジオのセールスマン発言もあるんだけど、日本でも石原慎太郎のフランス語未開発言もあるから、別に著者が言うほど日本人がおフランス幻想説一色だった訳でもない。それはともかく、現在は日本のイメージが180度変わったとしているのだから、日本に対して好感度があるのは事実と言わざるを得ないんじゃないかな。とはいえ、日本文化評価に関してはフランスは常に欧米社会のトップランナーであった訳だし、むしろ古きジャポニズムと新しきジャポニズムの対立である様な気もする。

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ジャック・シラク フランスの正義、そしてホロコーストの記憶のために――差別とたたかい平和を願う演説集ジャック・シラク フランスの正義、そしてホロコーストの記憶のために――差別とたたかい平和を願う演説集
ジャック・シラク 松岡 智子

明石書店 2017-08-25
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シラクがユダヤ系であることはなぜか日本ではあまり言及されない気がしていたのだが、相撲好きとか、スケベ親父、フランス人的フランス人といったイメージの方が強かったからかな。親日家の度が過ぎてたし、少なくとも明石が演説集を出すような政治家ではないのだが、キモは「差別とたたかい平和を願う演説集」という副題にあるのか。小池案件とは関係ないんだろうが、「ヘイトスピーチ」関係か。先代のルペンに勝った時も、決戦でルペンを勝たせる訳にはいかないからという消極的投票で圧勝したのだし、アルジェリアの件もあるから、フランスでは別にシラクが反差別闘士と見られているなんてことはなかろう。系譜としてはレジスタンスなんだろうが、この場合、シラクは加害者側なのか被害者側なのかよく分からんな。「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」的なものか。

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2017年09月10日Sun [04:57] フランス  

フランスの花の村を訪ねる

フランスの花の村を訪ねる (かもめの本棚)フランスの花の村を訪ねる (かもめの本棚)
木蓮

東海教育研究所 2017-08-01
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「かもめの本棚」というシリーズらしいけど、東海大出版部なんだな。大学出版部がこの手のものを出すのは珍しいけど、発行元の東海教育研究所は学術本ではない、軽めのものをよく出している。これもブログ本で、東海大関係者でもなそうなペンネームの人。年の離れたフランス人と結婚移住したらしい。義理の娘と実父の話にちょっと興味をそそられたぐらいで、あとは「在仏女性エッセイスト」のそれ。

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2017年08月27日Sun [05:21] フランス  

19世紀パリ時間旅行

19世紀パリ時間旅行 失われた街を求めて19世紀パリ時間旅行 失われた街を求めて
鹿島 茂 練馬区立美術館

青幻舎 2017-05-08
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練馬区立美術館の展覧会図録本。鹿島茂の「芸術新潮」連載を元にした企画らしい。かなりの収録数だけど、練馬区は本格的な区立美術館があるんだな。区立美術館なんて、練馬だけだろうと思ったのだが、結構他にもあるみたい。練馬はアニメが地場産業とされているそうなのだが、その辺もあるのだろうか。土地が広く、区有地があった区はバブル時代に税収でバンバン文化施設作っていたこともある。さすがに練馬がパリと張り合うことは無いのだけど。

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2017年08月25日Fri [05:47] フランス  

人生に消しゴムを使わない生き方

フランスの教育・子育てから学ぶ 人生に消しゴムを使わない生き方フランスの教育・子育てから学ぶ 人生に消しゴムを使わない生き方
岩本 麻奈

日本経済新聞出版社 2017-06-22
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フランスの哲学教育話は定期的に出る様な気もするが、これは称賛派というか、日本がフランスにに学ぶというテーゼがあるので、当然、批判的にはならんか。そのテーマだけに絞っていれば、まだ良かったのだろうが、お約束のフランス恋愛至上主義とか、女性生涯現役とかの話に入ってしまう。その辺は在仏女性としての啓蒙ではあるのだが、フランスものも毎度毎度これだと、ステレオpタイプになってくる。フランスにオタクが多いのはそうした空気に合わない人たちが大勢いる証左にはなるのだが、それだと日本がフランスに学ぶにならないから、そうした話が在仏日本人ものに書かれることはない。日本に帰って、年寄りに席を譲らない奴がいたというのも在外日本人ものではお約束なのだが、そんなに遭遇するかな。毎日電車乗っていても、ほとんどそうした光景を見ることはないのだが、年寄りが電車に乗るのは昼間の時間帯か。しかし、昼間はそれほど混雑してないだろうけど、路線によるのかな。

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フィガロが選ぶパリっ子のためのオシャレにパリを楽しむ100フィガロが選ぶパリっ子のためのオシャレにパリを楽しむ100
アンヌ=シャルロット ド・ラング ベルトラン ド・ミオリス Anne‐Charlotte De Langhe

原書房 2017-03-31
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フィガロが選ぶってことは国内向けなのかな。パリは全く土地勘がないし、これまでの人生でオシャレになったことはないので、ル・セレクトでヘミングウェイを読むことの意義はよく分からん。革命記念日にシャンゼリゼのパレードを見学するのはオシャレなのか、お上りさんなのか分からんが、革命記念日に消防署のダンスパーティで踊るのはオシャレっぽいな。

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2017年08月14日Mon [04:42] フランス  

フランス人が「小さなバッグ」で出かける理由

フランス人が「小さなバッグ」で出かける理由:恋愛も子育ても老いも「エレガントな生き方」の正体はここにあったフランス人が「小さなバッグ」で出かける理由:恋愛も子育ても老いも「エレガントな生き方」の正体はここにあった
デブラ・オリヴィエ 川添節子

原書房 2017-02-21
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よく売れたらしい「フランス人は10着しか服を持たない」は読めそうにないけど、山寨本がまず、手に入るというのは「英国一家」とかと同じパターンだ。例によって、原題は全く普通のもので、2009年にアメリカ人が書いたのをサルベージしてきたのか。「小さなバッグ」云々の話はあることはあるのだが、アメ女だって、フォーマルな席にバックパック持っていく訳はなかろうし。デートでハンドバッグだけというのは別に普通じゃないの。お泊りセットが無いといけないのかな。アメリカ人がフランス人を視る目もその逆もこんなものだろうし、逆に全然関係ない東洋人の男がイメージする通りであったのに驚いた。

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2017年07月30日Sun [05:53] フランス  

フランスはなぜショックに強いのか

フランスはなぜショックに強いのか: 持続可能なハイブリッド国家フランスはなぜショックに強いのか: 持続可能なハイブリッド国家
瀬藤 澄彦

文眞堂 2017-06-13
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JETRO出の人らしい。てな訳で経済畑なのだが、フランスから一杯勲章貰っている様だ。フランス経済をここまで評価する本は読んだことがないな。国家主導というイメージが強いのだが、国営企業は民営化を進め、限られた分野のみ残るだけらしい。評価のポイントとして、ブレの低さや回復の速さが挙げられているのだが、それは政策としてそうしているのか、自然にそうなるのかが分からん。グランゼコール出の少数エリートが国を動かすという話はよく聞くし、今の大統領もそうなのだが、グランゼコールというものは約300もあるのか。日本だとFラン院まで含みそうだが、やはり「エリート」はENAとか数校だけなのだろう。

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2017年06月25日Sun [06:03] フランス  

『レ・ミゼラブル』の世界

『レ・ミゼラブル』の世界 (岩波新書)『レ・ミゼラブル』の世界 (岩波新書)
西永 良成

岩波書店 2017-03-23
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『レ・ミゼラブル』自体まともに読んだことがないので、物語に関してあらすじもよく分からんのだが、ユゴーのナポレオン観の変化は興味深い、政界進出を目論んでいたとは知らんかったが、甥ナポレオンにまんまと騙され、その経緯で左傾化したのか。『レ・ミゼラブル』の醍醐味はその哲学性だそうだが、如何にもフランス人好きのする話である。ただ、作家や批評家からの評判が良かったとは一概には言えないらしく、カトリックの側からも反発はあるらしい。

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