2017年07月22日Sat [04:39] イギリス  

分解するイギリス

分解するイギリス: 民主主義モデルの漂流 (ちくま新書 1262)分解するイギリス: 民主主義モデルの漂流 (ちくま新書 1262)
近藤 康史

筑摩書房 2017-06-06
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EU離脱のタイミングで企画されたのかもしれんが、関心は経済や社会ではなく、政治である。何気に二大政党制モデルになっているのだが、実際はかつて90%以上を超えたという得票率も今や両党で60%を切っており、階級投票は70年代には既に崩れていたのだという。70年代の労働党が急進左傾した反動がサッチャーだとしても、その投票には少なからずの労働者票が含まれている様だ。その点に於いてはイギリス社会も「分解」された訳だが、その分解がより広がったのは外的要因であることは間違いなかろう。EU離脱も再び英国の一体を目指すものではなく、むしろ「保守反動」の流れが労働者階級側からも行われたと見るべきものなのかもしれない。アトリーやブレアといった労働党党首は労働者の側の人間ではないし、連合がブルジョアの岡田や蓮舫が党首である党を支持する矛盾と似た様な労働者側の「反動」なのだろうか。

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2017年07月06日Thu [04:55] イギリス  

ウォルター・クレインの本の仕事

ウォルター・クレインの本の仕事  絵本はここから始まった-ウォルター・クレインの本の仕事 絵本はここから始まった-
滋賀県立近代美術館

青幻舎 2017-03-08
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展覧会本なのか。イギリスの絵本画家らしい。彫版士と組んで絵本のカラー化を初めて実現したそうで、それが1865年だから150年以上前か。今からしてみれば、全然カワイクないのだが、その頃、子供向けの絵本などが確立していたかどうかも分からんので、画期的であったことは間違いなかろう。この時代の画家の例に漏れず、ジャポニズムの影響があったそうで、浮世絵を研究していたそう。そうなると、間接的に絵本は浮世絵と関係していたことになるが、日本の絵本の嚆矢は西洋を経由しているのか。

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2017年07月02日Sun [05:27] イギリス  

ポスト多文化主義教育が描く宗教

ポスト多文化主義教育が描く宗教――イギリス〈共同体の結束〉政策の功罪ポスト多文化主義教育が描く宗教――イギリス〈共同体の結束〉政策の功罪
藤原 聖子

岩波書店 2017-03-24
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新書でよく目にする人だと思ったのだが、新書、大正大学以外から出す単著は初なのか。70年代にオックスフォードで中学校に通っていたというのは親が大学関係者なのかな。なるほどと思ったのは、当時は宗教の違いに気がつかなかったということ。自然に入れた仲良しグループはマイノリティ組で、ヒンドゥー教徒やイスラム教徒がいたはずなのだが、全く知らなかったのだという。何か後であの人は在日だったと知ったというのと似ているが、インド出身、パキスタン出身とは知っていた訳だから、単に宗教的要素が感じられなかったということなのだろう。事実、多文化教育が強化される様になってから、マイノリティが自分の民族性に目覚め、声を上げ始めることにより、今の様な分断が生じたのだという。それ以前は訳隔てなく暮らしていたというはずもないので、つまりは民族的、宗教的分断は経済的分断、すなわち階級であると認識されていたのではなかろうか。この辺はブラジルなどで言われる黒人は経済の概念と同様なのだが、オックスフォードの中学校に通うマイノリティの家は労働者階級ではなかったであろう。学校では外見の違いがあっても同質化された環境であったということか。

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2017年07月01日Sat [05:56] イギリス  

幕末明治初期の洋式産業施設とグラバー商会

幕末明治初期の洋式産業施設とグラバー商会 ―19世紀の国際社会における技術移転とイギリス商人をめぐる建築史的考察幕末明治初期の洋式産業施設とグラバー商会 ―19世紀の国際社会における技術移転とイギリス商人をめぐる建築史的考察
水田 丞

九州大学出版会 2017-03-25
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建築畑の人で、博論ではなく、既出論集らしい。グラバー商会がジャーディン・マセソンの代理商として、日本で展開した事業は幾つかあるのだが、こうしてみると、近代日本の産業遺産も香港の存在なくしては成立していなかったか。ひいては日本が工業大国は香港が大きく貢献しているということにもなるが、英国の関与も香港であったり、上海であったりといった中継地があってはじめて機能した。大阪造幣工場も香港造幣局をコピーしたものだそうだが、グラバーが長崎に作った茶葉工場も中国の二次的生産地という位置づけだった様だ。明治の産業遺跡としては「軍艦島」が韓国によってネガキャンを張られているが、高島や長崎の明治産業遺産群までとばっちりを受けるのはたまらんな。

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2017年06月30日Fri [05:59] イギリス  

幸せは自分の中にある

幸せは自分の中にある ベニシア、イギリス貴族の娘。 (Venetia’s story 1)幸せは自分の中にある ベニシア、イギリス貴族の娘。 (Venetia’s story 1)
ベニシア・スタンリー・スミス 竹林 正子

KADOKAWA 2017-02-24
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BSか何かで冠ドキュメントが作られている人か。スピ系なのかと思っていたのだが、ヒーリング系ってやつかな。分からんけど、イギリス貴族の娘が日本に移住し、古民家で暮らしているなんていうこと自体がこの人的にも英国的にもNHK的にも驚くべきことなのだろうか。貴族だと言っても、母ちゃんは何度も離婚と再婚を繰り返し、その都度新しいパパや兄弟姉妹が出てきて何が何だかよく分からん様になってしまった。そのくせというか、それゆえなのか母親はプライドが強いらしく、上流階級風の口の聞き方を仕込まれたのだという。この辺の感覚は日本人には理解できないだろうが、英国ではそれが決定的要素になる。別の本が出ているのかもしれんが、当時の思い出話だけで、日本のことなどこれっぽちもなく、日本の読者舐めてるのかとも思ってしまった。

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2017年06月26日Mon [04:33] イギリス  

イギリス・ヘリテッジ文化を歩く

イギリス・ヘリテッジ文化を歩く: 歴史・伝承・世界遺産の旅イギリス・ヘリテッジ文化を歩く: 歴史・伝承・世界遺産の旅
宮北 惠子 平林 美都子

彩流社 2016-07-27
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共著第3弾なのか。名古屋の別々の大学教員らしいが、現地旅行も一緒に行っているのかな。ヘリテッジは今、日本でも盛んに運動されているところなので、その辺の啓蒙がメインなのかと思ったのだが、説明は最初の数行だけで、あとは、ひたすら名所旧跡案内。ナショナル・トラストにしても観光を目的としていない保護活動であるからして、地元や関係者以外の受益者という意識が生じるのだろうが、日本では中々そういう訳にはいかない。本来は地方自治体の仕事であろうが、費用対効果に関わってくるので、歴史的価値と観光資源としての価値を天秤にかけなくてはならんのだろう。

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2017年06月17日Sat [05:18] イギリス  

発見!不思議の国のアリス

発見! 不思議の国のアリス: 鉄とガラスのヴィクトリア時代発見! 不思議の国のアリス: 鉄とガラスのヴィクトリア時代
寺嶋 さなえ

彩流社 2017-05-24
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ふくろうの本とかとんぼの本みたいな図説本なのだが、彩流社か。ふくろうもアリスやっていた様な。ルイス・キャロルも今だったらロリコン作家ということになるのだろうか、少女の写真を25年に渡って撮影していたとのこと。その方面のツッコミは無いのだが、チャイナドレスを着せたりしていたというから、萌えの要素もあったのかな。

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2017年06月13日Tue [05:57] イギリス  

私が会ったビートルズとロック★スター

私が会ったビートルズとロック・スター私が会ったビートルズとロック・スター
星加 ルミ子

シンコーミュージック 2016-10-31
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東郷かおる子の先代の人。1940年生まれだから、ビートルズやストーンズよりちょっと上であるが、同世代のファンということになるか。当時の新興楽譜はビートルズに会える仕事ということで応募者が殺到したそうだが、倉庫の仕事もありますよと言ったところ、面接に来なくなる人が多く、東郷は何でもやりますと言ったので採用されたのだという。東郷にしても星加ルミ子にしても、湯川れいこにしてもそうだが、女性というところでスターに会って貰えたという部分はあろう。ビージーズのバリー・ギブとはその辺何かあった様だが、プロとして匂わすだけである。アリバイではないが、男性カメラマンが付けられていたとのこと。楽曲の版権買い付けなどもしていたそうで、手付けがイギリスで50ポンド、アメリカで500ドルほどだったそうだが、そんなものなのか。1ポンドが1000円だったので、5万円らしいが、500ドルは5万円ではなかろう。ポンドは安かったんだな。

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2017年06月09日Fri [06:10] イギリス  

イギリス絵本留学滞在記

イギリス絵本留学滞在記イギリス絵本留学滞在記
正置 友子

風間書房 2017-02-13
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タイトルそのままなのだが、こちらも54歳での留学。博士号は還暦過ぎてからなのか。75歳の現在も阪大の院生というから、生涯学習を地で行く人なのだが、聖和大学絵本学科教授というキャリアも。知らんかったが、この大学は関学に吸収合併されて廃止になったのか。兵庫のキリスト教系では英知大も閉学しているが、ことらはカトリック系なので、関学の救済対象にはならんかったか。絵本教育というのは言語的障壁がわりと少ないグローバルな世界かと思うのだが、イギリスでは翻訳されるものはほとんどないらしい。イギリスというか、英語圏はそうなのだろうが、何気に翻訳文学という世界が確立しているのは非英語圏だからではあるか。フランス文学やロシア文学、ドイツ文学などの作家は日本では何気に英語以上に世界的な作品があると思われているが、そういうことは英語圏では起こらないのか。絵本の現代版であるマンガの世界では日本が本場的地位を確立しているが、古い世代の絵本業界の人たちはアニメを困ったものだと捉えていることなども窺える。

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2017年06月02日Fri [04:38] イギリス  

アダム・スミス

アダム・スミス 競争と共感、そして自由な社会へ (講談社選書メチエ)アダム・スミス 競争と共感、そして自由な社会へ (講談社選書メチエ)
高 哲男

講談社 2017-05-12
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アダム・スミスは「国富論」で経済学者としての方が知られているのかもしれんが、実際は哲学者。経済学と哲学は今ではかけ離れた学問の様にも思えるが、この時代はまだ経済学が確立されていた訳ではない。マルクスも経済学だし、政治学、経済学は元々哲学から枝分かれたした様なものか。アダム・スミスにその意図があったのかどうか分からんが、その嚆矢は階級論であったのだろう。資本家はすなわち地主、貴族階級となる訳だが、労働の等価交換ではない収入を説明する為に経済学が生まれたということなのか。

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2017年05月29日Mon [06:15] イギリス  

イギリス女性参政権運動とプロパガンダ

イギリス女性参政権運動とプロパガンダ: エドワード朝の視覚的表象と女性像イギリス女性参政権運動とプロパガンダ: エドワード朝の視覚的表象と女性像
佐藤 繭香

彩流社 2017-01-30
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博論もの。ジャンヌ・ダルクがイギリスの女性参政権運動の表象だったのか。ただ、この時代は博覧会の影響が甚大であり、フランス文化一辺倒から徐々に世界へと扉が開いていった頃か。そうした博物館文化が女性参政権運動にも利用され、行進という形で、労働運動などとも融合していったところは興味深い。女優や家政婦なども組織化され、女性の表象として参政権運動に寄与するのだが、夫の収入だけでは暮らせない妻が働きに出て、権利意識が芽生えたことが運動に正当性を与えるのだが、戦争で、兵士に選挙権を与えるために選挙権年齢が引き下げられたのと同様、この辺は社会変動が関係してくるか。

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2017年05月19日Fri [05:46] イギリス  

子どもたちの階級闘争

子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から
ブレイディ みかこ

みすず書房 2017-04-19
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おお、みすずかと思ったのだが、「みすず」誌に連載されていたのか。例えば、コレがイギリスではなく、日本の「底辺社会」の話だとしたら、ポリコレ的に界隈からプライバシー侵害だ、差別だ、レイシストだのと糾弾されそうなものだが、自称日本の下層階級出の保育士がイギリスの底辺地域センターに集う人達をありのまま描けば、それは上野英信とか鎌田慧になるということか。子どもの世界は残酷だし、崩壊家庭にポリコレ棒を振り回して、差別だ、右傾化だなのなんだのと叫んでも何の解決にならないどころか、悪影響しかないというのは、当事者でないと分からんだろうな。こうしたイギリスの分断の形が将来日本でも起こりうるのかどうか分からんが、多様性だとか、宗教的寛容だとか、男女平等だとか。LGBTだとかいった絵に描いた餅を難民、移民に食わしても腹が膨れる訳ではないことは知っておいたほうが良い。

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