2017年06月21日Wed [05:09] ヨーロッパ  

移動がつくる東中欧・バルカン史

移動がつくる東中欧・バルカン史移動がつくる東中欧・バルカン史
山本 明代

刀水書房 2017-03-05
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ハンガリーのバルカン研究所と日本の東欧研究者による共同研究らしい。シンポやワークショップは名古屋市立大で半分以上開催されており、大学や学術振興会からカネが出ているとのこと。ハンガリー自国と東欧の研究を日本と一緒にやる理由は無いので、日本側の主導なのかもしれん。ハンガリー人研究者も何回も来日したものの、日本との関係史でもなんでもないので、異なる文化だと思ったが、素晴らしい思い出ですとか言っている。もちろん日本とハンガリーは同じアジア人などとは思ってもみないのだが、ハンガリーとスロバキアの住民交換策などは日本と北朝鮮の「帰国事業」とか引き揚げと比較したら面白かったかもしれん。住民交換事業で真っ先に思い浮かぶにはトルコとギリシャのそれだが、バルカンや中欧の入り組んだ民族構成の国ではわりと多く事例がある様だ。インドとパキスタンみたいに流血を伴ったものもあるが、チェコスロバキアはハンガリー領内のスロバキア系を移住させる為にハンガリー国内で宣伝戦を展開し、スロバキア共和国内の特定の地域に移住させる計画をしたらしい。ハンガリーが経済的に厳しい状態だった為にスロバキアに移った人たちも多かったが、来てみたら、「地上の楽園」ではなかったので、再びハンガリーに戻った人たちも少なくなかったのだとか。

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2017年05月23日Tue [04:59] ヨーロッパ  

アナキズム入門

アナキズム入門 (ちくま新書1245)アナキズム入門 (ちくま新書1245)
森 元斎

筑摩書房 2017-03-06
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ちくま新書は前に浅羽通明で「アナーキズム」を出しているのだが、編集が著者と古い付き合いで、何でも良いから書いてくれと頼まれたのだという。ローザンヌへの資料蒐集を含め、かなりの好待遇であった様だが、この著者と、このテーマはそんなに計算できる企画だったのか。入門ということで、無理してくだけた文体を用いているのが気になる。与党も野党も嫌い。右翼も左翼も嫌いという人たちが大多数であろうから、アナキズムも復権して良かろうと思うのだが、さすがにそれは共産主義以上に非現実的である。アナキズムもこの本に書かれている様に千差万別であるのだが、日本みたいな世間体の国でも権力が解体すれば無法地帯と化し、その中でどういう風情が支配勢力となるかは明白である。

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2017年05月16日Tue [05:17] ヨーロッパ  

欧州複合危機

欧州複合危機 - 苦悶するEU、揺れる世界 (中公新書)欧州複合危機 - 苦悶するEU、揺れる世界 (中公新書)
遠藤 乾

中央公論新社 2016-10-19
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そうならなかったけど、フランスもドイツも反EUを掲げる政党が躍進する可能性はある訳で、国民投票でEU離脱が問われる日が来るのかもしれない。英、独、仏が抜けたEUがどうなるのか分からんが、とりあえずカネは無くなるから、負担増となる中規模国、メリットを失う小国がドミノ倒しになるのは避けられんだろう。となると、独、仏の離反が今後の鍵となるが、ドイツ覇権に現実味が増すと、当然仏の離脱プッシュにはなる。結局、市場以外の価値観を統合することに無理があったと言わざるを得ないが、その先進性だけがウリになった「新しいヨーロッパ」がどこまで踏ん張れるか。今のところアジアもアフリカも南米もそこに未来像を見出している様には思えんが。

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2017年05月06日Sat [06:20] ヨーロッパ  

グローバル・ジャーナリズム

グローバル・ジャーナリズム――国際スクープの舞台裏 (岩波新書)グローバル・ジャーナリズム――国際スクープの舞台裏 (岩波新書)
澤 康臣

岩波書店 2017-03-23
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共同の記者。ということではないが、例のパナマ文書の国際共同作業など、記者間のグローバル化など。最初に南ドイツ新聞に例のブツを持ち込んだ人が誰なのか、どういう経緯なのかは明らかにはされていないのだが、無報酬ということはなかろうし、これだけのものである以上、特定はされているのだろう。スノーデンの様なヘマはしないということもあろうが、BBCだと、こうしたデータの取引だと番組にはならない。最初の陥落者はアイスランドの首相だが、これはアイスランド人記者でないと、難しい仕事であるが、その社会の狭さからして、情報漏れが懸念された。このアイスランド人記者の周到な準備は借金生活になるまで引きこもって資料を分析した上、自分ではなくスウェーデンのテレビにわたりを付け首相に別の名目でインタビューさせるというもの。南ドイツ新聞内部でも宝物の分配に異論があったそうだが、体力的にも国際化が必須であったか。

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2017年04月29日Sat [06:31] ヨーロッパ  

ヨーロッパにおける移民第二世代の学校適応

ヨーロッパにおける移民第二世代の学校適応――スーパー・ダイバーシティへの教育人類学的アプローチヨーロッパにおける移民第二世代の学校適応――スーパー・ダイバーシティへの教育人類学的アプローチ
山本 須美子 斎藤 里美 布川 あゆみ 小山 晶子 見原 礼子 石川 真作 植村 清加 渋谷 努 安達 智史 鈴木 規子

明石書店 2017-01-27
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科研の成果本。代表者はイギリスとオランダの中国移民研究を25年もしてきた人なのだそうだが、全然知らんかった。東洋大におられるのか。清海先生の後釜かな。イギリスには4000人、オランダには2500人規模の文氏宗親会があって、この9割は有名な新界の文氏一族。オランダ人の大学進学率が10%程度とは知らんかったが、中国系は52%だという。オランダでモデル・マイノリティとされるのが中国系なら、フランスのモデル・マイノリティはポルトガル系。ポルトガル系は教育熱心ということはないのだが、フランス語の習得率が高いのは言語的文化的近似性が第一の理由じゃないかな。言語的という面で言えばマグレブ系の方がフランス語の習得率は高いのだろうが、それがモデル・マイノリティに成り得ないのは周知のとおり。第一世代と第三世代に比べて第二世代が差別を感じる割合が多いのは必然であろう。移民を受け入れる場合、第二世代の危機まで考慮せず、ただ人権問題に収斂してしまえば、次の世代に問題を繰り越すことになる。

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2017年04月24日Mon [05:52] ヨーロッパ  

バルト海を旅する40章

バルト海を旅する40章――7つの島の物語 (エリア・スタディーズ155)バルト海を旅する40章――7つの島の物語 (エリア・スタディーズ155)
小柏 葉子

明石書店 2017-02-25
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知るためと同じエリア・スタディーズなのだが、単著なんだな。北欧史の人なのかと思ったら、太平洋島嶼国の人だった。「南太平洋を知るための」も執筆しているらしいが、図らずしも、専門外で初の単著になったのか。島繋がりだそうだが、オセアニアの島国とヨーロッパの島の共通点はあんまり無さそう。バルト三国はよく言うが、バルト七島というのは正直知らんかった。名前を聞いたことがあるのもオーランド諸島くらいなのだが、この島はフィンランド領のスウェーデン語圏自治区だし、他の島はエストニア、スウェーデン、デンマーク、ドイツと分かれる。そのうちエストニアとドイツの島は旧東側であり、当時は軍事上自由に渡航できなかったそう。他の島も大戦中ドイツに占領されたりして、前線であったことが分かる。全く知らん地域だったので、勉強になった。コラムの出来も良い。

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2017年04月19日Wed [04:44] ヨーロッパ  

スクリーンのなかへの旅

スクリーンのなかへの旅 (フィギュール彩)スクリーンのなかへの旅 (フィギュール彩)
立野 正裕

彩流社 2017-01-26
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明大の先生らしいが、映画を教材に使っているのかな。あらすじを読んで、どんな映画かを想像する事が好きでたまらないとのことで、大方、その通り、あらすじの洪水である。私などはあらすじは最低限の情報だけで、詳細に語られると、もう本編は観る必要ないなと思ってしまうのだが、あらすじマニアの人は同じ映画を何回も繰り返して観るパターンが多いのかな。そうでなくては詳細なストーリーは説明できんか。

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2017年04月11日Tue [06:00] ヨーロッパ  

EUはどうなるか

EUはどうなるか: Brexit(ブレグジット)の衝撃 (平凡社新書)EUはどうなるか: Brexit(ブレグジット)の衝撃 (平凡社新書)
村上 直久

平凡社 2016-11-17
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時事のブリュッセル特派員だった人らしいが、定年前に大学准教授に転じて、今はまた時事に戻って客員研究員になっているのか。日本記者クラブ個人会員はなるのが難しいのだろうか。ブリュッセル時代は当時英国の新聞記者だったボリス・ジョンソンと知り合いだったそうで、20年以上前だから若手のジョンソンが鋭い質問をしたという記憶はないとのこと。ただ、あの容姿は当時も目立っていたらしい。EU危機ものも各社新書出揃ったが、どれも似たような内容になるのは特派員の書き手が多いからなのかな。

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2017年04月04日Tue [05:36] ヨーロッパ  

自分とは違った人たちとどう向き合うか

自分とは違った人たちとどう向き合うか ―難民問題から考える―自分とは違った人たちとどう向き合うか ―難民問題から考える―
ジグムント・バウマン 伊藤茂

青土社 2017-02-23
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ポーランド出身のユダヤ系亡命者らしいが、年明けに91歳で亡くなったとのこと。翻訳はそれ以前に用意されていたのかもしれんし、緊急出版かもしれんが、原著も2016年で、話も難民パニック、トランプとかなので、最期まで頭脳明晰であったのだろう。冷戦時代にワルシャワ大を追われ、イギリスに移りすんだそうだが、英国のポーランド人とかに言及はしていない。念頭にあるのはイスラム系ということになるが、ムスリム全てがテロリストではないということを確立させるには、受け入れ側以上にムスリム側の自助力も必要になってくるのではなかろうか。マジョリティの差別を廃絶させるのは啓蒙では不可能であろう。全世界をイスラム化するのが早道であるが、イスラム国も200年後くらいにはその正しさが証明されるか。

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2017年04月04日Tue [04:38] ヨーロッパ  

アートの入り口

アートの入り口 美しいもの、世界の歩き方[ヨーロッパ編]アートの入り口 美しいもの、世界の歩き方[ヨーロッパ編]
河内タカ

太田出版 2016-09-14
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フェイスブック本らしい。在米の人でアメリカ編が先に出ているのか。別にアート入門でも指南でもなく、ごった煮エッセイ集。マティスとかシャガールから始まるので、古典絵画ばかりかと思ったのだが、専門は写真みたいで、マン・レイとかキャパの話もあって、後半はストーンズとかデビッド・ボウイの話も。デビッド・ボウイは死去前に書いたものだが、本人に一度会った事があるのだとか。アート作品の仲買人から紹介されたそうだが、普通にいい人だったと。そういう場では音楽の話はしづらいか。

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2017年04月03日Mon [06:13] ヨーロッパ  

EU分裂と世界経済危機

EU分裂と世界経済危機 イギリス離脱は何をもたらすか (NHK出版新書)EU分裂と世界経済危機 イギリス離脱は何をもたらすか (NHK出版新書)
伊藤 さゆり

NHK出版 2016-10-07
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ニッセイ研の人らしい。経済専門であるのだが、英国のEU離脱は今のところ、経済より政治に影響が出そうな勢いなので、その辺をカバーしている。これから休み無く各国で選挙が行われる訳だが、第一弾のオランダは辛うじて残ったものの、仏、独はまだ油断を許さないか。フランスの国民戦線もドイツの右派も勝利の見込みは薄いが、大幅に票を伸ばすことは想定されるので、今後EUの影響力は低下していくのだろう。移民規制は経済の停滞をもたらす可能性も高いが、その結果移民受け入れではなく、より保護主義的な選択に向かうのでは。

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2017年03月26日Sun [06:02] ヨーロッパ  

欧州危機と反グローバリズム

欧州危機と反グローバリズム 破綻と分断の現場を歩く (講談社+α新書)欧州危機と反グローバリズム 破綻と分断の現場を歩く (講談社+α新書)
星野 眞三雄

講談社 2017-01-20
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朝日のエリート記者らしい。欧州総局特派員もキャリア形成の一部だろうが、そつなく仕事をこなしたのだろう。朝日は反グロにまだ拘っているが、もう欧州の第一の分断は別のところである。英国のEU離脱をEU危機が原因とするのは無理がある。ギリシャから英国への移住者は東欧などから比べれば少ないだろうし、シティが大打撃を受けた訳でもない。アイルランドのU2タワーが建設停止になったというのは興味深いが、これはボノが投資した物件なのか。単にU2のスタジオが入る予定だったというだけかもしれんが、それでもU2で金集めしたことには変わらんだろう。反グロを言うならその辺も突っ込んで欲しかった。

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