2017年09月23日Sat [05:17] ヨーロッパ  

移民の子どもと学校

移民の子どもと学校――統合を支える教育政策移民の子どもと学校――統合を支える教育政策
OECD

明石書店 2017-06-24
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OECDの報告書の様だが、統計データは加盟国以外のも使われるが、移民国であるアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージランドも、アジアの日韓、ラ米のメキシコ、チリは分析の対象外になっているのかな。イスラエルは入っているが、政府提供データで、占領地や入植地の地位を確認するものではないとの注釈。たしかに北米やオセアニアは移民受け入れは構造的に欧州と同質だとしても、歴史が異なるので、子どもの教育という点では欧州ほどの文化摩擦がある訳ではない。分析としては欧州各国の国情の違いによる移民側の融合度の差異の方が研究成果にはなろう。移民の子供たちのフィンランドの学校でも帰属感がどの国出身出身者でもトップで90%ほどあというのは注目点だが、トルコ出身者ではフィンランドで、94%、ベルギーで59%という差がついている。トルコでもバックグラウンドが異なることは予想されるが、学校の帰属感と犯罪との相関性はあろう。とはいえ、サンプル数も分からんし、10~30くらいの数値に有意性があるとも思えない。翻訳陣は一橋勢だけど、日本の場合、欧州や移民国の様な統合を掲げていないし、朝鮮学校の件など、明らかに特定民族住民の不統合を支持する向きがリバラル側にもあるのだが、こういうのは移民という言葉の本質から考えていかんだろう。

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2017年09月20日Wed [05:14] ヨーロッパ  

MI6対KGB英露インテリジェンス抗争秘史

MI6対KGB 英露インテリジェンス抗争秘史MI6対KGB 英露インテリジェンス抗争秘史
レム・クラシリニコフ 佐藤 優

東京堂出版 2017-04-26
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帯に佐藤優が顔を出しているけど、略歴も著者と翻訳者よりも「監訳者」の佐藤優が大きくて、カバーをみても、佐藤優の本という風に思わせられる。著者はKGB一筋の人で、2003年に亡くなっている。原書はいつ出たんだろう。MI6対KGBというタイトルになっているが、ほとんどがMI6の話である。原書がロシア語で、ロシアで出たのなら、自分が手を染めたKGBの話など書かないし、ロシア人も知りたくもないか。プーチンもその辺はほとんど話していないし、スノーデンみたいな奴は今でも嫌われるのがロシア。とはいえ、MI6はこれだけ悪徳な工作をしていたといった事ではなく、MI6の組織、手口解説といったところで、伝説的な諜報員とされているが、分析官っぽいな。自分の手口は一切書かないのが逆に信用を呼ぶか。MI6もかつての様な栄光は失われ、ソ連と違って、「イスラム過激派」が相手だと、ジェームス・ボンドみたいな輩は出番が無いのだが、この分野は日本が一番壊滅してしまった言って良いのだろう。

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2017年09月16日Sat [05:23] ヨーロッパ  

歴史教科書の日米欧比較

歴史教科書の日米欧比較: 食料難、移民、原爆投下の記述がなぜこれほど違うのか歴史教科書の日米欧比較: 食料難、移民、原爆投下の記述がなぜこれほど違うのか
薄井 寛

筑波書房 2017-07-25
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農業関係でキャリアを築いた人みたいだが、大外大ビルマ語出なので、農学研究キャリアという訳ではないのか、タイトル見ると、全く関係ないテーマの様に思えるが、現在の肩書はエッセイストで、視点は食糧難。つまりは歴史教科書問題が中韓との「歴史認識」に収斂されるのは間違っているということで、日米欧の教科書は飢餓をどの様に記述しているかの方が確かに人間の生存権にとっは重要であろう。ヒトラーの原体験が飢えであることが後の思想に影響していることはあろうし、当たり前だが、人はレイシストとして生まれる訳ではないので、封殺すれば終わりということにはならない。その点、大飢餓を引き起こした中国の歴史教科書が誠実でないことは明らかなのだが、イギリスもロシアもそれは言えることである。

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2017年09月07日Thu [05:34] ヨーロッパ  

ポピュリズム

ポピュリズム ~世界を覆い尽くす「魔物」の正体~ (新潮新書)ポピュリズム ~世界を覆い尽くす「魔物」の正体~ (新潮新書)
薬師院 仁志

新潮社 2017-03-16
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朝生で橋下徹とガチンコして炎上したらしく、その鬱憤をぶつけたような本になっている。イデオロギーに拘泥していないことは分かったのだが、知識層と無知で扇動される大衆という構図で捉えるのはどうなのか。今の時代、何が知識層なのかよく分からんし、大学教授がその位置にいるのは己の専門分野の知識だけで、煽動する者も、される者もいるという点では大衆の一部であることに変わりはない。アベ死ねだって、ポピュリズムには違いない訳で、正義だの普遍だのの偽善を掲げて扇動し、される者も「魔物」であろう。幸か不幸か政権党が保守である期間が長い日本では「革新」は絵に描いた餅だけを掲げるだけで済んでいたので、いざ、政権を獲った時に矛盾が噴き出してしまうのは仕方がないことか。そこで大衆が「育てる」余裕があれば良いが、そんな悠長な事がしてられる時代ではないのである。

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2017年07月27日Thu [05:09] ヨーロッパ  

問題は英国ではない、EUなのだ

問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書)問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書)
エマニュエル・トッド 堀 茂樹

文藝春秋 2016-09-21
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フランスの愛国者で左翼を自認というのは普通なのだが、ポリコレ嫌いで、ドイツ嫌い。ユダヤ系であるが、世間ではイスラム教擁護者として知られているというのは日本の「常識」でスッキリ理解できるのはドイツ嫌いの部分くらいか。イギリスに関してはよく知らなかったのだが、ポール・ニザンの孫である一方で、父方の祖母はイギリス人であり、ドイツ、イギリス、フランス文化を内包したユダヤ系のカトリック。となると、立ち位置をフランス愛国主義に置くのはある意味バランスなのかもしれない。ただ、学問的にはイギリスがフランスに優越しているという見解で、それは言語的数量を意味するのではなく、フランスの哲学偏重の学問的妥当性の話か。日本を特別視することも批判しており、長子継承などの家族形態モデルとしてはドイツやスウェーデンに近いのだという。そうした形態に経済的優越があることにも言及している。

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2017年07月18日Tue [05:40] ヨーロッパ  

ドールハウス

ドールハウス-ヨーロッパの小さな建築とインテリアの歴史-ドールハウス-ヨーロッパの小さな建築とインテリアの歴史-
ハリーナ・パシエルプスカ

パイインターナショナル 2017-06-20
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パイインターナショナルはこういう図鑑っぽいのも出しているんだな。この世界は歴史があるから、アンティーク派になるのか。よく知らんけど、フィギアとかその系統はあくまで対象は人形であって、箱を作って愛でるという習慣はないのだろうか。ジオラマだと鉄道派だろうけど、ドールハウスは、ちょっとフェチ入っているのかな。いずれにしても日本家屋だと平面で表現が難しそう。

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2017年07月15日Sat [05:33] ヨーロッパ  

黒海の歴史

黒海の歴史――ユーラシア地政学の要諦における文明世界 (世界歴史叢書)黒海の歴史――ユーラシア地政学の要諦における文明世界 (世界歴史叢書)
チャールズ・キング 前田 弘毅

明石書店 2017-04-20
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原書は2004年なので、クリミア戦争もその前前世紀の意味しかないのだが、ほとんどが近世までで、現代は殆ど無い。現代の地政学を理解すると言うより、その歴史を学ぶといった体裁なのだが、著者は歴史学者ではなく、国際関係論が専門なんだな。ロシア帝国対オスマン帝国というのが長年の地政学構図だったのだが、文明の十字路ならぬ、文明の沿岸といったとkろおで、そこにはギリシャであったりスキタイ、ローマ、モンゴルが絡んできて、ルーマニア、モルドバ、ジョージア、ウクライナ、ブルガリアといった旧東側のアクターに沿ドニとか南オセチアなども加わっている。ロシアとトルコ、プーチンとエルドアンだけで物事が決まる状態ではない。黒海経済協力機構は黒海を出口とする周辺国も加えているのだが、共同体まで発展するのは難しいか。

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2017年07月13日Thu [05:39] ヨーロッパ  

NO BAGGAGE

NO BAGGAGE 心の「荷物」を捨てるNO BAGGAGE 心の「荷物」を捨てる
クララ・ベンセン 青木高夫

秀和システム 2017-06-13
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秀和システムはこんな本も出しているのか。アメリカ人女性が出会い系で知り合った男性とヨーロッパを旅するという話なのだが、映画化も決定しているらしい。「ヨーロッパのアメリカ人」ものは現代のグレート・ツアーみたいなもので系譜があるから、そこそこ売れるだろう。本にするくらいだから、出会い系で知り合ったばかりの初対面の男と旅をするのかと思ったのだが、イスタンブール行きの航空券は全裸のまま二人で予約したというのだから、普通に恋人関係である。ただ、お互い束縛し合わない関係とのことで、サルトルとボーヴォワールなどをモデルにしていたみたいで、旅行中も別の相手とそれぞれ関係を持ったらしい。セックス描写ともあるので、サルトルというかエマニエル夫人を思い出してしまった。いずれにしてもそこがミソではなく、タイトル通り荷物なしの旅の方で、何日も同じ服を着ていたらしい。それもキチャイが、航空会社のカウンターで不審人物扱いされんかったのかな。

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2017年07月10日Mon [05:11] ヨーロッパ  

戦争を始めるのは誰か

戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 (文春新書)戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 (文春新書)
渡辺 惣樹

文藝春秋 2017-01-20
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「歴史修正主義」が今でもマジックワードと信じている方々がたまにおられるが、歴史学者がその言葉を使う事自体が歴史学と矛盾していないかな。ベルサイユ体制でドイツをポツダム宣言で日本の工業化を抑え非大国化させるという名分はアメリカが率先し歴史修正主義を発動して破られたのだが、破壊されつくした大国は経済的利権も大きかったのである。この辺までは戦争で利益も得られたのだが、イラクやアフガニスタンの様な国ではドイツや日本の様にはいかない。原爆で日本人の命も救われたということを否定するのも歴史修正主義となるが、それは都合が悪くなるので、日本ではもっぱら中国や韓国の正史を否定することが歴史修正主義とされている現状では、歴史修正主義を金科玉条とするにはそろそろ限界が近づいているのではなかろうか。

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2017年07月05日Wed [05:24] ヨーロッパ  

ヨーロッパの幻想美術

ヨーロッパの幻想美術-世紀末デカダンスとファム・ファタール(宿命の女)たち-ヨーロッパの幻想美術-世紀末デカダンスとファム・ファタール(宿命の女)たち-
海野 弘

パイインターナショナル 2017-04-21
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結構な豪華本だけど、元本があるのかな。海野弘が全部手がけた訳はなかろう。デカダンも現代アートの基本みたいになっているから、そのアバンギャルド性よりも鑑賞美術みたいになっているのだが、エゴン・シーレもムンクもここに入る人。素材が女ばかりだからファム・ファタールなのだということでもないが、単純に描き手が野郎ばっかりで、買い手も野郎なかりであったからそうなるのは必然か。ついでにロリコンが多いと見えるが、この当時はそういう概念はないから、美しければ何でもありか。

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2017年07月03日Mon [06:28] ヨーロッパ  

激動の欧州連合の移民政策

激動の欧州連合(EU)の移民政策―多文化・多民族共生の限界とイスラム過激派組織によるテロリズムの脅威―激動の欧州連合(EU)の移民政策―多文化・多民族共生の限界とイスラム過激派組織によるテロリズムの脅威―
大泉 常長

晃洋書房 2017-02-28
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著者名でピンと来たけど、大泉光一の息子さんかな。メキシコ生まれで、大泉光一が教授を務めている、青森中央学院大学の准教授というのなら、無関係ってことはなかろうが、息子だとしたら本当に「常長」と名づけたのか。「支倉は徳川幕府打倒のために派遣された」という説は歴史学界では荒唐無稽とされているとかウィキに書かれているけど、蛙の子は蛙と言ってはいかんか。二代目の方はスペイン語が母語なのかもしれんが、カタカナ表記がちょっと日本語とは違う。「ウクラニア」とはどこの言葉だろう。ベルギーの公用語は英語、フラマン語、ドイツ語だとか、危機管理士、大学教授としては厳しいところがある感じだが、スペインの人種差別とか直球で書いており、こういうのは純ジャパ先生は無理であろう。イスラム教徒の男と結婚する西洋人の女はエキゾッチクに惹かれているだけとかもヤバイ感じ。

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2017年06月27日Tue [05:21] ヨーロッパ  

ジャポニスムと近代の日本

ジャポニスムと近代の日本ジャポニスムと近代の日本
東田 雅博

山川出版社 2017-03-01
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シノワズリー対ジャポニズムの本をちょっと前に出した人か。その普及版みたいなもの。今の「クール・ジャパン」などは全然新しくなく、むしろヨーロッパの古臭いエキゾチシズムが根底にあるということはあるんだろうが、ジャポニズムがその命脈を保っているのに対し、ジャポニズム発見の契機だったシノワズリーが幻想の彼方になってしまったというのは中国共産党の責任ではあるか。中国人自身が日本にシノワズリーを見出すくらいだから、それも致し方ないのだが、纏足の様な奇形的フェティシズムを西洋人が理解できず(日本人もできんが)、エキゾチシズムの頂点にある東洋人女性への興味を日本人女性が独占してしまったことも大きいだろう。

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