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2018年08月15日Wed [06:24] ヨーロッパ  

越境する歴史認識

越境する歴史認識――ヨーロッパにおける「公共史」の試み越境する歴史認識――ヨーロッパにおける「公共史」の試み
剣持 久木

岩波書店 2018-03-28
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まあ岩波なんで、その方向性なのだが、こうした「東アジア」はなぜヨーロッパの様に歴史認識を共有できないのかという命題も段々と綻びが見えてくる様な。かつての様なドイツに倣って式はフランスやポーランドの「歴史認識」の問題を可視化しないものであったのだが、ドイツの被害もフランスやポーランドのナショナリティの正当性をも俎上に載せることも歴史認識の共有であることを指摘している。その意味を「東アジア」に問えないところに限界があると思うが、その辺は事情があるのだろう。ドイツ人による日本の博物館批判も、遊就館や大和ミュージアムの加害者性不在に主軸がある様で、西早稲田も主催者の「方向性」であるということでは同列に置いている。

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2018年08月11日Sat [07:39] ヨーロッパ  

ヨーロッパ繁栄の19世紀史

ヨーロッパ 繁栄の19世紀史 (ちくま新書)ヨーロッパ 繁栄の19世紀史 (ちくま新書)
玉木 俊明

筑摩書房 2018-06-06
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流通の発展が繁栄を生み、搾取を生み、近代思想をも生んだといったところだが、この時代に構築された「世界システム」はその主役となるアクターを変えながらも基本的には今も変わっていない。ヨーロッパ、アメリカに次ぐ繁栄の帝国に中国がなれるのか、或いはもうなっているかに関しては議論があろうが、その前提となる消費社会の上に必要なのが軍事力なのかソフトパワーなのかは世界情勢によっても変わってくる。19世紀、20世紀の時代には戦争というリスクが運命づけられていた訳だが、貿易戦争という新しい形の戦争が繁栄を脅かす時代になったということか。

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2018年08月04日Sat [05:13] ヨーロッパ  

ダダイズム

ダダイズム――世界をつなぐ芸術運動 (岩波現代全書)ダダイズム――世界をつなぐ芸術運動 (岩波現代全書)
塚原 史

岩波書店 2018-02-22
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岩波全書。ダダイズムのテキストはあまり良いものが無いのだが、これもマニアックな感じ。トリスタン・ツァラの研究者らしい。それを以てダダイズムの発祥の地はルーマニアとは言えないのだろうが、ダダの意味としてはフランス語の木馬の首より、ルーマニア語の二重の肯定の方が説得力はあるか。ルーマニア語は知らんのだが、ダダがはいはいだとすると、ロシア語のダー、ダーと同じかな。ルーマニア語はラテン語系だが、スラブも入っているか。ちなみにドイツではばかげた単純さのしるしであり、また出産を喜んで乳母車と結びついた記号であると。最後がよく分からんが、ドイツ語起源ではなさそうだ。

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2018年07月10日Tue [03:39] ヨーロッパ  

ヨーロッパ・デモクラシー 

ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換
宮島 喬

岩波書店 2018-04-20
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宮島喬が入っているので、移民話が多いのだが、結局、ヨーロッパの危機と転換が移民問題に帰結しているのは岩波とて否定しようももない。どこの国も時の政権をデモで倒すのがデモクラシーだといった幼稚な主張は見られない訳で、移民排斥派もあくまで、選挙を担保とした民意によって、己の政治実現を図っている。つまるところ、ヨーロッパのデモクラシーの危機とは移民排斥派が政権を担うことではなく、ヨーロッパが追求してきたデモクラシー的価値観と移民の価値観との間に生ずる矛盾にどう向き合うのかである。アイルランドと違って、スコットランドやウェールズに独立運動が顕在化してこなかったのは両者が共に大英帝国の利益享受者であったからという話があるが、その前提が崩れたのは帝国の崩壊ではなく、EUへの統合であったのだろう。カタルーニャにしてもスコットランドにしても、EUに直接帰属した独立国家という道筋はデモクラシーの発露であるとも言えるし、それをEUが否定する道理はないという理屈にはなる。

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2018年06月30日Sat [21:34] ヨーロッパ  

カナリヤは歌をわすれない

カナリヤは歌をわすれないースターリン言語学から社会言語学へ (田中克彦セレクシヨンIII)カナリヤは歌をわすれないースターリン言語学から社会言語学へ (田中克彦セレクシヨンIII)
田中 克彦

新泉社 2018-05-31
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田中克彦の既出集らしい。スターリン言語学から社会言語学へとのサブタイだけど、エッセイ集に近い。すたーりん言語学についてはソ連がナショナリズムの対象となったこととの関係性を指摘。多様性を肯定している様で、その実、一つの言語、この場合ロシア語になるが、諸民族が結集するという前提があることがポイントか。中国の普通話と少数民族語もそれに似た関係性であるのだが、それは別に共産圏全体主義の専売特許ではなく、現在の英語帝国主義批判などもそれに通じる問題である。崔昌華のNHK裁判支援表明をしていたという人ということは知らなかったが、歴史や政治に帰結するのではなく、個人のアイデンティを侵害していることを争点とするなら、NHKは人名全てに放送前、本人の意思を確認すべきということになってしまうのではなかろうか。言語が均質化され、方言が淘汰されるのは、規範とされる言語の影響が大きいのは確かだが、日本語の標準語もリンガフランカとして成立した各種方言、外来語を内包としたクレオール語として考えればどうだろうか。

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2018年06月18日Mon [16:52] ヨーロッパ  

ドイツとEU

池上彰の世界の見方 ドイツとEU: 理想と現実のギャップ池上彰の世界の見方 ドイツとEU: 理想と現実のギャップ
池上 彰

小学館 2017-11-20
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池上本。というと、池上弁当みたいだが、同じブランドの各種弁当を食らうという意味ではその通り。戸山高校での質疑応答が元というのは前にもあったような気がするが、戸山の生徒は印税の分前として、弁当一つくらいはもらえるんかな。EUで経済が停滞しているのはみんなカトリックの国。カトリックは労働倹約思想が無いとかディスっているけど、戸山にはカトリックの生徒はおらんのか。関係ないけど、戸山高校の隣は学習院女子で、お膝元は西早稲田。とはいえ、ドイツも半分はカトリックである訳で、メルケルは違うけど、政権与党は元々カトリック政党。ドイツがEUを支えているとなると、間接的にカトリックが支えているということになるし、英が抜ければ、独仏でカトリックがマジョリティにはなる。

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2018年05月07日Mon [02:12] ヨーロッパ  

ヒップホップ東欧

ヒップホップ東欧: 西スラヴ語&マジャル語ラップ読本 (ヒップホップグローバル)ヒップホップ東欧: 西スラヴ語&マジャル語ラップ読本 (ヒップホップグローバル)
平井 ナタリア恵美

パブリブ 2017-12-10
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ヒップホップはブラックメタル以上に馴染みがない音楽なのだが、東欧編が2冊同時期に出たのはたまたま時期が重なっただけなのかな。この本には全くブラックメタル本の広告も案内も出ていない。パブリブの音楽本は情報量が勝負で、一般読者が読みやすいものではないのだが、そもそも一般読者ではなく、ニッチの趣味人狙いなら、これで正解か。逆に中国遊園地ものなどは大変読みやすいものとなっている。啓蒙や宣伝を意図してない点は研究書のノリであるのだが、博論や修論をチェックして、書き手を見つけるという手法は学術出版と同じである。博論ものの出版は著者にとって負担となる場合もあるので、こうしたアレンジしての有効活用は今後も必要とされよう。著者はポーランドと日本のミックスとのことだが、日本に関する質問事項や「親日」解説もある。音楽に国境は無くとも、それを繋げるきっかけは要るか。

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2018年05月04日Fri [05:20] ヨーロッパ  

おとぎの国をめぐる旅バルト三国へ

おとぎの国をめぐる旅 バルト三国へ (旅のヒントBOOK)おとぎの国をめぐる旅 バルト三国へ (旅のヒントBOOK)
渋谷 智子

イカロス出版 2018-03-02
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イカロスの旅のヒントBOOKだが、埼玉で雑貨ショップを経営している人らしい。北欧とか東欧雑貨の人はよく本を出しているのだが、これもタイアップなのかな。バルト三国という括り自体がソ連の記憶が薄れると共に言われなくなって来た気がするのだが、EU加盟国という以外の共同体認識が三国に現在あるのだろうか。エストニアだけが民族的ルーツが違うというのは北欧のフィンランドと同じパターンだが、エストニアはラトビア、リトアニアよりもフィンランドに親しいものを感じているのだろうか。

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2018年04月30日Mon [06:40] ヨーロッパ  

おいしく世界史

おいしく世界史おいしく世界史
庭乃 桃

柏書房 2017-08-01
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歴史レシピ本は結構あるのだが、世界史なので、西洋史。世界の歴史は西洋の歴史であって、キリスト教の歴史であることに疑問を挟む余地はない様だ。ヨーロッパが肥沃な土地でないことはその戦争と植民地化、移民排出の歴史を振り返れば容易に分かることなのだが、現在の農業王国もまた保護主義に支えられているものである。

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2018年04月19日Thu [05:46] ヨーロッパ  

集中講義!ギリシア・ローマ

集中講義! ギリシア・ローマ (ちくま新書)集中講義! ギリシア・ローマ (ちくま新書)
桜井 万里子 本村 凌二

筑摩書房 2017-12-06
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朝日カルチャーセンターの講座ものらしい。民主主義とは何ぞやという疑問が生じた人が多く出たのか、単に塩野七生好きが集まったのか分からんが、講座は盛況だった様だ。ギリシャとローマの関係というのは今は地理的要因しかないのだろうが、中には歴史に拘っている人もいるらしい。ギリシャとしてもローマに征服されたとしても、その「起源」は守られている訳で、やはり西洋文化の礎、つまりは世界の礎はギリシャということになっている。その点に於いてはカトリックではなく、イスラームの挑戦を受ける訳だが、西洋社会のギリシャ防衛も先の危機で一段落した感はある。

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2018年04月16日Mon [05:43] ヨーロッパ  

インクルーシブ国際社会論

インクルーシブ国際社会論インクルーシブ国際社会論
森 彰夫

彩流社 2017-09-14
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これも紀要よろず論集。東北公益文化大学という大学ので、現在は大和大学に移られたとのこと。どちらの大学も知らなかったのだが、東北公益は酒田、大和大は大阪らしい。論集ではあるが、テキスト用で、この様なタイトルになったのだろうか。カント、サイード、ファノンといった基本型からナショナリズム、アイデンティ、宗教に、フェイクニュースまで揃えてきている。ドイツ、ウクライナ、キルギスタンといった国を俎上に乗せているが、韓国のキリスト教というのもあって、韓国のナショナリズムがキリスト教と結びついていることを指摘。その辺が日本と違うところなのだが、今のアベ倒閣運動などは韓国の左派ナショナリズムが絡んでいるので、その対象が日本会議という宗教勢力にあると見れば分かりやすいか。

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2018年03月30日Fri [05:38] ヨーロッパ  

チェコ ポーランド ハンガリーのポスター

チェコ ポーランド ハンガリーのポスター (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)チェコ ポーランド ハンガリーのポスター (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)
中川可奈子 京都工芸繊維大学美術工芸資料館

青幻舎 2017-06-26
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青幻舎ビジュアル文庫シリーズというのもレアだが、京都工芸繊維大学美術工芸資料館の本というのもたぶん初めて。ただ、東欧というか旧東欧、現中欧のレトロポスターはわりと話題になっていて、京都工芸繊維大学美術工芸資料館が展覧会を開いていたのかもしれん。西側から宣材を取り寄せられなくて、現地のデザイナーがそれ幸いにと、独創的なデザインに仕立てた映画ポスターなどはたしかに芸術品である。ある意味日本の洋画の宣伝画も同じであろうが、チェコ製のヒッチコック「鳥」のポスターなど、もはや何の映画なのかさっぱり分からん様になっている。鳥と言うよりは猫なのだが、レコードのジャケ買いみたいにポスター観も観客の側のセンスが問われるものなので、これで良いか。

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