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2020年08月18日Tue [17:38] ヨーロッパ  

東欧文学の多言語的トポス 



科研シンポもの。「東欧文学」という括りは冷戦終結とは関係ない学術的区分なのか分らんが、対象としては旧東側諸国ということになるか。キーワード的には「ドイツ語」と「ユダヤ人」なのだろうが、これはカフカの様な巨人の存在が偶然の賜物で誕生した訳ではないことも裏付けられる。もう一方は「ロシア文学」であるのが、こちらも冷戦以降のロシア語浸透以前からの文化伝播が関係している。「ドイツ語文学」の担い手はユダヤ人が主流であったという訳でもなく、むしろズデーテン地方のドイツ語話者によるナショナリズム運動と連動していたという。無論、その中に非ドイツ系は含まれている。個人的に興味深かったのは「中華街」の章であるが、現代ロシア文学でも極東の中国人をアジア的野蛮とオリエンタリズムの表象とする作品が多くみられるという。それは「ヨーロッパ」のロシア表象とも関係してくるのだが、「西側」の映画や小説で量産されたチャイナタウンの猥雑イメージを踏襲したものとも思われる。

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2020年07月25日Sat [03:39] ヨーロッパ  

近代ヨーロッパと人の移動 



論集。ヨーロッパの移民というと、最近はすっかり難民と宗教問題に収斂されている観もあるが、人々の大移動が戦争や災害、貧困、飢饉がプッシュ要因となって連綿として続いていたことには変わりはない。大きな流れとして、大陸への移民と、ヨーロッパ内の先進工業地域への移動があるが、そうした広く知られた事例とは違う(日本では)ニッチな研究群。ベルギーからフランスは地理的にも文化的にも近似性がある中での移民であるが、近代の段階ではベルギーとフランスの経済格差は顕著であり、移住したベルギー人に対する排斥運動がフランスで起きたことなどもあった様。アメリカのクロアチア移民は時期によって、その送り出し国家はクロアチアだったり、ユーゴスラビアだったり、オーストリア=ハンガリー帝国だったりした訳だが、移民社会に於いて、クロアチア民族主義が一貫して優勢であったという訳でもなく、スラブ系という枠組みでの語りが多くみられたとのこと。本国に於いても、クロアチア民族主義台頭は戦争との相関性がある訳だが、移民社会自体も民族的にはスラブ系ハイブリットが少なくなかったはずなので、アメリカという新天地で移民としての権利を主張するには大きな枠組みが必要であったろうし、ユーゴスラビア連邦はソ連とは違って、アメリカで否定材料にはなっていなかったということもあるか。

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2020年01月30日Thu [14:11] ヨーロッパ  

ゴッホとゴーギャン



ちくまのカラー新書。キンドルでも値段変わんないのか。こういう画像データは所蔵美術館に払うものだろうか。ということで、画像は多くないのだが、新書買いの人は文が多い方がお得感はあるのだろう。ジャポニズムを日本は過大評価し過ぎというのはたしかにあるのかもしれんが、上流階級の高等趣味であったシノワズリーに対して、職人技のジャポニズムは形式に拘らず、貧乏画家に受け入れられていったというところはあるか。14歳の娘を両親を買収して愛人にしたゴーギャンより、売春婦と結婚しようとしたゴッホの方が当時は倫理的に叩かれたのだろうが、かといって、今のフェミ界隈がゴッホを称賛するということもないだろうから、昔から芸術家と活動界隈は相性が悪いということか。

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2020年01月27日Mon [15:21] ヨーロッパ  

労働者の味方をやめた世界の左派政党



それはその通りなのだが、所謂シャンパン左翼に対する不満という背景もさることながら、労働者という概念自体が変化して、もはや資本対労働という二項対立という構図が成り立たなくなっているからということなのだろう。欧州で起きている事態は実のところほぼほぼ移民問題であるので、本来連帯する立場であった労働者と利害の衝突が起きてしまったのはその通りなのだが、そうした衝突が起きるに至っていないのが現状である日本では「内なる差別心」とか外交利害の衝突に左派は追及点を求めなくてはならないのが苦しいところ。政治思想は欧米から輸入するものという概念もそろそろ限界を迎えてきた気がするのだが、こうした思想を啓蒙する民草として作用してきた労働者がもはやそれを必要としない、否、反発し始めたとなると、どうなるか。SNSといった新たなツールに活路を見出すのも無理ないか。

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2019年12月11日Wed [14:30] ヨーロッパ  

包摂・共生の政治か、排除の政治か 



欧州移民もの。宮島喬は長年ドンとして君臨しているが、宮島は「移民・難民」ではなく、あくまで「移民問題」というところに拘りがあるのだろうか。移民と難民の定義はそれぞれではあろうが、国民に統合される前提の移民と帰国が前提の難民という違いが今の分断を招いているところはあるか。移民にとって、難民は労働市場で競合相手にもなる訳で、排斥を人道主義から糾弾するのはある意味その地に経済的基盤を有する者の傲慢とも言える。こうした論点のすれ違いは日本を含め世界的に起こっている事ではあるのだが、対策無しに原則主義を掲げる事の弊害は単に国内問題には留まらないだろう。植民地という背景に根ざした移民に関しては受け入れてきた欧州も、米国とロシアの介入によって発生したシリア難民を欧州が受け入れる点に納得がいかないところはあるのかもしれん。

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2019年11月10日Sun [01:13] ヨーロッパ  

多言語世界ヨーロッパ

多言語世界ヨーロッパ―歴史・EU・多国籍企業・英語
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フランスの英語学者らしい。だからという訳ではないが、特にフランス語帝国再建主義者ではない様だ。英国がEUを離脱したとしても、アイルランドが残る訳で、英語が公用語という名分は立つか。もっともアイルランドがゲール語を第一言語としてたしても、もはや英語抜きのEUなどは考えられない訳で、インドが英語をやむなく公用語とした様に公平性の担保としての英語帝国主義は許容せざるを得ない。ただ、もし英語を排除するとなると、それに代わる共通語はフランス語ではなく、ドイツ語であろうということも示唆している。90年代までは中欧ではドイツ語の方が通りがよく、それは過去の遺産というより、デカセギ言語であったからでもあるのだが、英国にデカセギの道が閉ざされたとしても、今の英語の地位は変わらんだろう。

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2019年11月05日Tue [16:38] ヨーロッパ  

欧州旅するフットボール 

欧州 旅するフットボール
豊福 晋
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バルセロナ在住日本人サッカーライターは前にも何人か読んだ気がするが、この著者は記憶がない。90年代にイタリアから始めるのが定番みたいだが、もうミラノ在住の人はいないのだろうか。そう考えると、バルセロナの天下も一時的なものかもしれん。ニュース的にはカタルーニャはサッカーだけではなくなってきているのだが、日本人活躍(というか所属)の舞台としては久保の復帰、中井の昇格(があるかもしれない)マドリードの方が可能性としては良いのだろう。中田とは一言も口を聞いてもらえないままだったそうだが、あの手の選手はもう出てこないだうし、同タイプと言われる金崎も中田みたいに実績で黙らせる訳にはいかない。ドラゴン久保に至っては今やバラエティタレントと化している訳だし、中田のアレは一言幾らで銭勘定していた契約事務所の指示ではなかったのかと思う。

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2019年10月10日Thu [11:46] ヨーロッパ  

旅、国境と向き合う 

旅、国境と向き合う
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青木 怜子
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前にも一冊読んだ人だ。国際大学女性連盟元会長というかなりエラいポジションにあった人みたいだが、国連総会日本代表代理なども務めており、海外は年中という仕事だったらしい。そのまとめみたいなものだが、必然的にヨーロッパが中心でオマケとしてインドとか中東、アフリカその他が入っている。東アジアは無し。若い時にローマで芥川比呂志と邂逅した話があるのだが、夜、ホテルの電話がかかってきたとのこと。特にやましい事ではなかった様だ。

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2019年10月07日Mon [14:04] ヨーロッパ  

東欧好きなモノを追いかけて

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産編「わたしの旅ブックス」。チャルカの本は前からよく見掛けていたのだが、20代なのか。生年より20代という方がポイントというのは分かるのだが、20年間続けているとのことなので、久保よしみが20代ということではなく、屋号のチャルカが20代ということか。ヒンディー語から屋号を採ったのに、インド雑貨ではなく東欧雑貨になったのは仲屋むげん堂と被るからではなく、ガンディーの糸紡ぎ由来とのこと。リアルフリマの時代から商売になっていたというから、大したものである。最近は仕入れ元の方でもeBayが基準値にされるみたいで、リアルの意味が仕入れも販売も無くなってきているみたいだが、eBayだとナンボと言われると、価格交渉のモチベも一気に下がる。メルカリとかで仕入れて、海外転売は結構良いみたいだが、ネックの配送料だけはどこでも革命が起きる余地は無いか。ドローンはどう考えてもコスト増だと思うが。

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2019年10月05日Sat [10:59] ヨーロッパ  

母とヨーロッパへ行く

母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅
太田 篤子
講談社
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タイトルまんまだが、100歳の母ではなく、二人で100歳なら、それほどウリにできるキャッチでもないか。娘が40代に入ればクリアできる母娘は多かろう。自費ものかと思ったのだが、講談社本元の様である。元レーサーの太田哲也という人は知らなかったのだが、業界では大有名人みたいで、妻枠かな。ただ、夫氏の話は文中には全く出てこない。基本、ハウツー本だが、コーディネートまで写真付き。ミドルレベルだと、ヨーロッパへはその辺がポイントでもあるか。

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2019年08月12日Mon [23:55] ヨーロッパ  

EU経済入門 



これもテキスト本。関西EU研究会とのことだが、関西EEC研究会の時代から活動しているらしい。福岡や松山、名城の人も参加しているみたいだが、転勤とかはあっても関東圏はNGにしてるんかな。EUは欧州ということで、自由主義が基本の様に思われているが、あくまでもそれは枠内での話であって、枠外に対しては保護主義の権化みたいなものである。ブロック化による他の経済圏への対抗手段という意味合いが強くなっているだろう。その意味では日本はEUをモデルとするのではなく、対策する存在であるのだが、米中貿易戦争がこのまま続く様であれば、米国、中国への対抗処置として日本がEUと経済統合する道もあるのかしれん。正式加盟はもちろん無理であるが、英国、スイス、ノルウェーの様な地位は協定によって得られる可能性はある。人の流入はそれほど起きないだろうが、ネックになるのはEU品質基準か。

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三鷹市職員の人らしいが、この視察が公務なのか私費なのかは分からん。LRT視察がメインだが、三鷹にその計画があるとは思えんし、三鷹完結でできるものではないだろう。お隣の吉祥寺が長年住みたい街ナンバーワンなのだから、三鷹市が人口減少しているということはないかと思うが、武蔵野市に吸収合併されずに生き残るにはコンパクトシティとして何らかの戦略は必要か。とはいえ、三鷹市総務部調整担当部長にとっては深刻な空洞化が起きている地方自治体ほどの深刻さは無いからか、100頁未満のリブレットなのに、親指シフト入力法とか、早聞き学習法とかのコラムを本題よりも熱く書いている。

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