2016年01月16日Sat [03:09] 東ティモール  

東ティモールの成功と国造りの課題

東ティモールの成功と国造りの課題 ‐国連の平和構築を越えて‐ (創成社新書55)東ティモールの成功と国造りの課題 ‐国連の平和構築を越えて‐ (創成社新書55)
花田 吉隆

創成社 2015-06-30
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創成社新書も久しぶり。大使もの。ウィキもあった。東ティモール大使で上がりとなって、防衛大教授みたいだが、外務省から防衛大教授は孫崎と同じか。ポストがあるんだろう。ポルトガル語でもインドネシア語でもない人なのかな。前任者も防衛キャリアの人らしい。自衛隊はもう撤収したのだが、まだその関係が残っているのか。インドネシア資本が続々戻ってきているというのは治安が安定してきた証左であろうが、独立13年、まだインドネシア語の有用性は高いか。1958年くらいの台湾だと、日本語は広範囲で通用しても、北京語は公用語として確立していたと思うが、東ティモールではポルトガル語はまだわずかしか通用しないのか。「帰国組」もポルトガル語話者が多かった訳ではない様だから、教員も自前ではまだまだだろう。インドネシアの大学には今も5000人の東ティモール人が留学しているというし、教育言語もインドネシア語が現実的選択なのかもしれない。

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東ティモールのことば テトゥン語入門東ティモールのことば テトゥン語入門
青山 森人 伊東 清恵 市之瀬 敦 中村 葉子

社会評論社 2013-12
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語学テキストではあるのだが、言語がマイナーなので啓蒙メインとなり、読み物が多い。テトゥン語は古くからリンガフランカであり、国語としての位置も確立はしているのだが、例の植民地的事情で未だ軽んじられている状態だという。そうした事情に渇を入れるには外国が率先してテトゥン語を国際的にしていくべきなのだろうが、この言語はオーストラリアが研究を独占しているのだとか。ポルトガルは当然、ポルトガル語普及に全精力を傾けているだろうし、ブラジルをはじめとするポル語諸国、EUの支援もテトゥン語には向いてない様だ。かといって、国民にとってポルトガル語は魅力的な言語ではないから、普及は進まず、テトゥン語同様、教える人材も不足がちである。いきおいインドネシア語が復権したりもしているそうだが、テトゥン語を通り越して、母語による教育を進めるべしという指針も出て、教育現場は混乱状態らしい。

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2012年07月09日Mon [01:05] 東ティモール | 本・雑誌 |読書メモ  

東ティモールの現場から

東ティモールの現場から―子どもと平和構築 (ソトコト新書)東ティモールの現場から―子どもと平和構築 (ソトコト新書)
久木田 純

木楽舎 2012-04
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東ティモール本も久しぶりだが、ソトコト新書も久しぶりと思ったら、前に読んだ「隣人祭り」から4年も出していなかったのか。丸善ライブラリー並みのスローペースだが、この版元はロハスを売りにしているからそれで良いのか。著者はユニセフの駐在代表だった様だが、このポストに日本政府が関係しているのかどうかは不明。その関連ではないだろうけど、大使館とかJICAとかの援助の話は出てこず、ジャッキー・チェン、韓国大使館、王子ネピアの3つの援助案件の話。興味深いのは言語案件なのだが、ポルトガル語は結局普及せず、テトゥン語の事実上の国語化が進んでいると言う。植民地時代にロクな教育をしなかったポルトガルだが、独立当初のポルトガル語化への熱の入れ様は大変なもので、EUとかブラジルまで巻き込んだもののあえなく撤退か。なんでもポルトガル大使というのがポルトガル語原理主義者みたいな奴で、初等教育に児童の分かる言語導入を訴えた著者らに対して頑強に抵抗してきたらしい。結局、大使が交替したことにより、テトゥン語教育の導入が決まったとのこと。ポルトガルはティモール文化を無視したポルトガル語のみの教科書を作ったそうなのだが、教員も生徒も読めずに結局、教科書なしの状態が続いていたらしい。テトゥン語の教科書は韓国大使館の援助で韓国で印刷するらしいが、勝手にテトゥン語の文字をハングルにしたりしないかな。支配者言語を新たに導入するという点ではインドネシアの併合時も同じ状況であったはずなのだが、インドネシア語がかなり普及しているのを見ると、単に隣国だからということではなく、ポルトガル時代は義務教育すら普及していなかったということではなかろうか。

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2010年09月15日Wed [15:51] 東ティモール | 本・雑誌 |読書メモ  

東チモール 未完の肖像

東チモール―未完の肖像東チモール―未完の肖像
青山 森人

社会評論社 2010-05
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独立したら忘れ去れるというのはどこの国でもそうなのだろうが、悲しいくらい国際ニュースから消えてしまった東チモール。久々の東チモール本はゲリラ戦の頃から通ってきた著者によるもの。しかし、青森県出身青山森人なんてペンネーム以外の何物でもないだろうし、それ以外のプロフィールは1958年生まれと東チモールだけというのは東チモール以上に正体不明である。よって初心者にやさしく東チモール情勢を解説なんてことはしなくて、いきなり西チモールの難民キャンプの話から始まるのだが、これが独立後の久々の国際ニュースとなった「嘆願兵士」反乱事件の掴みになるとはこの国の背景を理解していないとよく分からない。厳しい独立闘争を勝ち抜いた国が独立後に内部抗争で自滅していく様は毎度繰り返されてきたお決まりのコースとも言えるが、利権らしい利権がない小国にあっては、腐敗も独裁も弾圧も深刻化することはない。建国者そのものだったフレテリンが選挙によって下野したことはこの国の民主主義の健在を示している風にも思えるが、「マンデラ方式」で大統領になったシャナナ・グスマンが上手く政権を掌握したといったところだろう。ただ、結果としてオーストラリア軍に鎮圧させてしまったことは唯一の希望である沖合い油田の権益に影響を与えないだろうか。

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2009年02月26日Thu [01:03] 東ティモール | 本・雑誌 |読書感想  

東ティモールを知るための50章 

東ティモールを知るための50章 (エリア・スタディーズ)東ティモールを知るための50章 (エリア・スタディーズ)
山田 満

明石書店 2006-08
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次はそう来たかという感じのお馴染み「知るための」シリーズ。とりあえず世界で一番新しい国であるし、企画ものではなく明石も早くから準備を進めていたらしいが、諸般の事情で遅れるうちに「新しい国」もすっかり忘れられてしまった感があった。ところが、最近久々にこの国がニュースになった(当然いいニュースではないが)ところで、出版の運びとなった。先の騒乱については「急に飛び込んだニュース」として編者が「はじめに」で触れているのだが、どうも幸先がよくない暗い気持ちにさせられてしまう話である。しかし、全50章に35人もの執筆陣を動員した東ティモール指南はやはり貴重である。それだけ多くの日本人がこの国の建設に携わっているということだが、かつての東ティモール本が闘争話ばかりだったことを思えば、ようやく「普通の国」の姿が見えて来たという感慨深いものがある。私も遅ればせながら数年前にこの国を散策して来たのだが、国連の植民地といった印象もさることながら、人々の性格という面では印象が極めて良かった。ただ、それが「発展」を阻害する要因になるのではないかという危惧も感じたし、実際に小規模ながらディリで暴動を目の当たりにすると、人間の二面性とか、環境による影響なんてことを考えさせられた。よく言われて様に、地域間対立や政治勢力対立、更には言語問題、に国外亡命組が政権を掌握するといった、実際のマジョリティーと現実のギャップが人々に疎外感を与えるという指摘は的を射ているのだろう。その上で国民国家を築かなくてはならないという以上、政策として、あえて「少数派」を選択し、多数派を押さえ込む形で国をまとめるという理解もできないことはない。ただ、そこに不満が蓄積する土壌が生まれてしまうと「失敗国家」の道を歩まなくてはならなくなる。ポルトガルやオーストラリアが強烈にこの国にテコ入れするのは、文化的、経済的利権もあることながら、かつてインドネシア併合を見逃した贖罪意識もあるという。その面ではインドネシア最大の援助国であった日本も同罪であるのだが、東ティモールの未来志向は全く「過去」に囚われるものでないことに希望があるとは思う。ただ、それが人々の性格を反映しているとも言えるのだが、「過去」をカードに、エネルギーとし、「発展」した国を見ると、国もまたそれが「発展」の阻害の一因になるのではないかという危惧がないこともない。

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2005年11月12日Sat [15:01] 東ティモール | 本・雑誌 |図書館で借りた本  

東ティモールに生まれて

4768467954東ティモールに生まれて―独立に賭けるゼキトの青春
横田 幸典

現代書館 2001-03
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独立が見えてきた時期に、ようやく出版可能になった感じの本。著者はゲリラ戦などの血湧き肉踊る取材より、混沌とした状況での個人の足跡の方を追いたいという、ジャーナリスト臭さを感じさせない珍しいタイプ。独立時の取材バブル期も「売れる」取材争奪戦には参戦しなかった様で、時にそんなお人好しで良いのかよと思うぐらい一個人の感情を尊重する誠実な人だ。相手に急かされてゲリラ取材に向かうというのは何か新鮮なものを感じた。独立前の一番困難な時期に何度も東ティモールに入り取材を続けられたのは、その気配を気付かせなかったそうした本人の謙虚さも一つの要因であると思う。ロスパロスの独立前の描写は大変興味深く読ませていただいた。

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2005年05月18日Wed [21:48] 東ティモール  

東チモール県知事日記

東チモール県知事日記
伊勢崎 賢治
藤原書店 (2001/10)
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なぜ日本人が県知事かと言うと、独立前の国連治政下だったから。反独立派の帰還問題の話なども興味深いが、国連組織内の軋轢が詳しく書かれていて面白かった。とかく組織としての国連は人種平等で、能力主義であると思われているが、やはり欧米のヒエラルキーが強く、この人もだいぶ嫌がらせをされた様だ。実際このポストも日本のカネがらみなんだろうけどね。ちなみにこの時のトップはイラクで亡くなられたジ・メーロ氏。
★★

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2005年05月17日Tue [12:52] 東ティモール  

東チモール独立史

東ティモール独立史
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松野 明久
早稲田大学出版部 (2002/12)
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東チモール現代史の決定版。現代史=独立史だね。まあかって日本もここを占領して、東京ーディリの直行便を飛ばしたくらいだから、大きな顔は出来ないけど、ポルトガルという国の無責任ぶりにはあきれるばかりだね。
☆☆

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