2018年05月06日Sun [05:53] オーストラリア  

多文化国家オーストラリアの都市先住民

多文化国家オーストラリアの都市先住民――アイデンティティの支配に対する交渉と抵抗多文化国家オーストラリアの都市先住民――アイデンティティの支配に対する交渉と抵抗
栗田 梨津子

明石書店 2018-03-31
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これも博論もの。日本人のアボリジニ研究はかなり多いのだが、都市に絞ったものはあまり見たことがないな。ワナビーとしてのアボリジニ・アイデンティティはオーストラリアにもあるみたいで、見た目は白人であっても、アボリジニを自称するという都市住民もいる様だ。昔読んだ本に、自分は外見からアボリジニだと思いこんでいた青年がアイデンティ・リバイバルで、先住民運動の先頭に立つが実は父親はスリランカ人の留学生だったという話があった。しかし、アボリジニの長老がそのまま青年をアボリジニとして活動するべきだと諭して、そのまま運動を続けているらしい。アイデンティティと血は不可分ではない訳だが、やはりそのアイデンティが目覚めるのは、他の人と違う外見という点にあるのだろう。レイシズムとは本来そうした「人種」の括りで使用されるものなのだが、「レイシスト」の大安売りが始まったことで、その重みが薄れた様な気もする。

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2018年05月02日Wed [05:57] オーストラリア  

日本よ、もう謝るな!

日本よ、もう謝るな! (ASUKASHINSHA双書)日本よ、もう謝るな! (ASUKASHINSHA双書)
山岡鉄秀

飛鳥新社 2017-07-28
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慰安婦像が人権を名目にした民族主義運動であることはたしかのだが、それに民族主義で対抗するのは得策なのかな。正直言って、どの国の民族主義もプロパガンダも肌に合わないのだが、正義とか道徳とか民主主義といった印籠を翳す民族主義者ほどタチの悪いものはない。著者がオーストラリアに住んでいる限り、闘うのは結構なのだが、日本の政府とかが関与るのは、相手の思うツボではないのかな。和解とかではなく、勝利を求めて仕掛けている訳だから、独り相撲をさせて置けば良いとも思うのだが。

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2018年02月28日Wed [04:34] オーストラリア  

アボリジニであること

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アボリジニであること

名古屋外国語大学出版会の「NUFSワークス」は全巻アマゾンで取り扱っている訳ではないんだな。アボリジニの手頃なテキストなのだから、レポート用に一般でも売れそうな気がするのだが。アボリジニ自体への関心がシドニーオリンピック以来低下しているのは事実だろうが、ホットな話題で有り続けている太地町関係にも触れている。反捕鯨派の襲来で一躍、欧米社会から「野蛮な日本」を代表させられている当地だが、移民の歴史が長い日本屈指の国際派町でもある。太地町民の血を引くアボリジニが姉妹町関係破棄に抵抗した件は知られているけど、リンガ・フランカであるクリオール語にも「痛いよ!」からとったitaiyoという言葉があるらしい。

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2018年01月27日Sat [05:19] オーストラリア  

オーストラリア先住民とパフォーマンス

オーストラリア先住民とパフォーマンスオーストラリア先住民とパフォーマンス
佐和田 敬司

東京大学出版会 2017-07-27
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博論ものではないのか。豪日交流基金と、オーストラリア外務省の研究助成で、刊行されたとある。カナダでもたしか大使館がその手の助成をやってたな。アボリジニ研究とは一味違って、伝統アートとかではない。普通の舞台劇や映画で、先住民が出て来る作品を解説したもの。映画「オーストラリア」は反日映画として散々な評判であったから、オーストラリア大使館としても、ちょっと弁明して貰う必要があったのかもしれん。もうひとつは「ザ・コーヴ」の太地町だけど、移民で縁がったオーストラリアの町が姉妹町を凍結したら、地元のアボリジニが怒って、凍結解消となったらしい。アボリジニに反日も親日もないのだが、戦争の時代やイルカの件はどうしてもオーストラリアで入る情報で判断するしか無い。アボリジニが出ている映画は昔、フィルセンで観たのが印象的であったのだが、「バックロード」ってやつかな。

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2017年12月21日Thu [06:19] オーストラリア  

分断するコミュニティ

分断するコミュニティ: オーストラリアの移民・先住民族政策分断するコミュニティ: オーストラリアの移民・先住民族政策
塩原 良和

法政大学出版局 2017-10-03
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難民 、先住民、日本人コミュニティのオーストラリア3本テーマ。オーストラリアは多文化共生系に分類されるのだろうが、近年、排外主義が台頭し、移民政策の転換に踏みったのは周知の通り。多文化共生も多数派の英国系がアボリジニ政策や白豪主義の歴史の免罪符として恩恵を与えるという形では機能しなくなり、人種間対立という欧米型様相を呈してきているらしい。その理由が数の増加であることは間違いない訳で、非白人ないし、非キリスト教系、非英語系といった集団がマジョリティを握れば、少数派に転落した白人は復讐を受けるという潜在的恐怖が○○ファーストを生むのは洋の東西を問わない。キリスト教徒はイスラム教の復讐を脅威に感ずる訳だが、日本人も「加害の歴史」などを過度に強制されると、自分たちが優位性を保てなくなったときに復讐されるという思いは生じるだろう。その懸念を払拭するには同化と融合が有効なのだが、リベラルの認識での多文化共生はその辺を否定しているので、マジョリティ側でも分断が生じることになる。

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2017年12月12日Tue [06:27] オーストラリア  

オーストラリアの政党政治 

オーストラリアの政党政治オーストラリアの政党政治
陶山宣明

溪水社 2017-06-26
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ありそうで、あまりなかったテーマかな。そもそも日本にとって一番近しい「西洋」の国なのに、ここまで私が呼んだオーストラリア本はフィンランド本より少ない。日本の首相はコロコロ変わるから、日本は国際的に信頼されないといった言説もあったが、オーストラリアもここ最近は平均1年未満の在任だそう。メルケルが落ちれば、サミットの一番古株は安倍ということになるそうだが、だから安倍は国際的に信頼されてないという風になるかもしれん。ワン・ネーション党の台頭も世界的ポピュリズム政党の潮流の表れであるのだが、この国もまた「リベラル政治」の不信感というのが根底にある様だ。かといって、白豪主義に返るのは物理的に無理であるし、もはやアジアで生きるしか無いということは中国と日本の間で揺れ動く政治を見ても分かることではあるか。

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2017年08月01日Tue [05:43] オーストラリア  

認知症とともに生きる私

認知症とともに生きる私 : 「絶望」を「希望」に変えた20年認知症とともに生きる私 : 「絶望」を「希望」に変えた20年
クリスティーン・ブライデン 馬籠久美子

大月書店 2017-04-10
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タイトル通りの人なのだが、イギリス生まれのオーストラリア人らしい。認知症になってから、婚活サイトで知り合った男性と結婚し、大学院で修士論文を書き、世界中、講演で廻っているというと、何か違うような気もするが、46歳で発症なら、そんなものか。これも講演再録が中心だが、2冊めの著書で、日本では松江で講演したとのこと。大月だが、キリスト教の信仰話が多いので、西早稲田系かもしれん。無論、認知症の人が日本の豪州爆撃を避難したりはしないが。しかし、認知症で余命告知なんてあるのか。5年で動けなくなり、それから施設に入って、3年で死ぬと言われたそうだが、脳のMRTで海馬が萎縮していたり、損傷が診られたりすると、それが余命になるのか。認知症自体が死因になるのではなく、ガンとか脳溢血といった一般と同じ死因なのかと思っていたのだが、この人は20年以上生きている訳だし、アリセプトとかそういった薬が効いているのかな。クスリの話が全く出ないのは信仰の件もあるのだろうが、やはり後期高齢者の認知症は別物と考えていい。

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2017年07月09日Sun [05:02] オーストラリア  

るるらいらい

るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記
小島 慶子

講談社 2017-06-21
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女子アナもタレント・ヒエラルキーに配置するとトップクラスの位置になるんだろうが、50過ぎの無職の旦那と二人の子供をオーストラリアで養っているのか。オーストラリアは旦那の国ではなく、自身がオーストラリア生まれだそうだが、それで移民ビザが取れるのか。白豪主義時代の生まれだが、生地主義で国籍が留保されているのだろうか。メンヘラ系の話や人種差別ネタもあるのだが、今はエッセイストがメインの仕事であるみたいなので、この辺は小出しにしていかなくてはならんのかな。シンガポールと香港の日本人学校にも通ったらしいが、英語は現地校かアメスク行かない限り、日本人と変わらんだろう。特に70年代辺りだと、帰国受験が前提で、親も駐在なのに英語ダメ世代だから、普通に純ジャパである。日本の学校であるから、日本的イジメもある。この頃はシンガポールも香港も日本人学校は駐在員子弟しかいなかったのではないか。今だと多国籍化し、バックグラウンドも色々だと思うが、それも日本の学校と同じである。

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2017年01月11日Wed [05:36] オーストラリア  

ペンギンが教えてくれたこと

ペンギンが教えてくれたこと ある一家を救った世界一愛情ぶかい鳥の話ペンギンが教えてくれたこと ある一家を救った世界一愛情ぶかい鳥の話
キャメロン ブルーム ブラッドリー・トレバー グリーヴ Cameron Bloom

マガジンハウス 2016-12-15
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東京パラリンピック出場を視野に入れている人だそうだが、著者はその旦那さんの写真家と動物保護運動をしている作家。事故で脊髄損傷した嫁がペンギンを飼うことで、新たなチャレンジに踏み出すという、まあ動物セラピーものか。さすがにオーストラリアでもペンギンは飼うことができないと思われるが、実際はカササギフエガラスという鳥で、色が似ているのでペンギンと名付けたというだけのこと。脊髄損傷には治療法が無いそうだが、将来的にはES細胞とかで治癒の可能性があるのだろうか。

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2016年12月06日Tue [03:51] オーストラリア  

グローバル人材とは誰か

グローバル人材とは誰か: 若者の海外経験の意味を問うグローバル人材とは誰か: 若者の海外経験の意味を問う
加藤 恵津子 久木元 真吾

青弓社 2016-03-05
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ワーホリ研究だが、「文化移民」ではなく、「自分探しの移民たち」の人の方か。何でも共著者はその書評を書いたことにより、意気投合して共著を出すことになったのだという。「若者への愛よりもカナダへの愛を感じます」と言われて、図星だとしているのだが、これって、この二人(男性の方が5つ年下)の関係の暗喩ではないのか。それを理由にということではなかろうが、13年続けたカナダからオーストラリアにも行く様になり、それに海外が苦手な共著の人が付いて行ったそう。カナダもオーストラリアも基本的なところは変わらないそうだが、カナダの方は枠があるので、先にカナダに申請を出すという人が多いらしい。自分の時代はこの二か国とNZだけだったが、今は選り取り見取りなものの、やはり英語圏で、蓄積があるこの2か国が不同の人気なのか。20代後半、女性、社会人経験者というのが平均像だが、自分探しや、モラトリアムというよりも、これからあるか分からんので、海外経験をしとこうというのが多い様だ。

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2016年10月10日Mon [02:17] オーストラリア  

海境を越える人びと

海境を越える人びと: 真珠とナマコとアラフラ海海境を越える人びと: 真珠とナマコとアラフラ海
村井 吉敬 内海 愛子 飯笹 佐代子

コモンズ 2016-05-10
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村井吉敬ブランドの本がまだ出るのか。村井内海研究会はまだ続いているものの、内海愛子は大阪経済法科大に移っており、朝鮮関係ではないので、場所は貸すが、カネは出すぬといことなのか、豪日交流基金の出版助成らしい。インドネシアまで止まってたその先ということなのだが、日本人ダイバー関係は日豪関係史の定番だから、それほど珍しい訳でもない。例の太地町関係もちらっと。その辺も人種問題に絡められたりしたのだが、姉妹都市継続賛成派と反対派は政治対立の文脈で捉えるのが妥当なのだろう。初期の日本人襲撃事件もアボリジニ女性を巡るトラブルという話が誇張されて伝わっているという。そういう風に伝わるということ自体が白人の偏見であったのだろう。

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2016年10月05日Wed [03:40] オーストラリア  

オーストラリア移民法解説

オーストラリア移民法解説オーストラリア移民法解説
浅川 晃広

日本評論社 2016-08-23
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この著者ももう在日論からは手を引いたのかな。蓮舫の問題についてのコメントがあるのかどうか分からんが、オーストラリア国籍法研究者として、やっていくのだろう。PHPや「諸君」で朴一を批判したりもしていたのだが、日本評論社から出すのか。概説を謳っているが、移民法全条解説である。オーストラリアは当然出生地主義だと思っていたのだが、自動的に国籍を取得するのは両親のうちいずれかが、オーストラリア国籍か永住権を持っている場合に限られるらしい。つまりは両親が不法滞在であると、生まれた子も不法滞在の身分を受け継ぐということか。英国は出生地主義だが、その規定はあったかな。豪州では社会保障も短期滞在者には認めておらず、在留資格無しを含む住所を有する外国人に健康保険加入を認めている日本より厳しい。

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