2017年10月02日Mon [06:30] オセアニア  

島に住む人類

島に住む人類 オセアニアの楽園創世記島に住む人類 オセアニアの楽園創世記
印東 道子

臨川書店 2017-08-07
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人類の起源がアフリカにあるということはオセアニアの原住民で証明できるのかと思うが、ニューギニアとオーストラリアのアボリジニは全く繋がりがないのか、陸続きの時代に渡った訳ではなく、島伝いに広がったのであるから、大陸に定住した人たちとは別系統になるのかもしれんが、南米からポリネシアに渡ったという可能性は今では完全に否定されているらしい。オーストロネシア人の多様性は混血化とルートの複合性によるものらしいが、オセアニア考古学はそうした人類の起源の解明に迫る学問でもあるか。唐突に王毅ちラッセルが日本語で話しこんだという話が出てくるが、ミクロネシアに於ける日本語など、リンガ・フランカの変化も代を辿っていけば共通言語に行き着くのか興味深い。元々人類は一つの言語であったという可能性はゼロだが、人類と言語の形成、拡散は相関性があろう。

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2017年08月26日Sat [05:52] オセアニア  

消えゆく太平洋戦争の戦跡

消えゆく太平洋戦争の戦跡消えゆく太平洋戦争の戦跡
「消えゆく太平洋戦争の戦跡」編集委員会

山川出版社 2017-07-07
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山川なんだけど、執筆陣に学者は1人だけで、太平洋戦争研究会所属の編集者3人以外は全員マスコミ関係や、運動団体など
それも大メディアではなく、邦字紙やフリー。笹幸恵はバターン死の行進の人か。全編カラーでビジュアル本とも言えるものなので、ガイド・ブックの役割もあるのかのかな。15歳でキリバスの高校に留学して、23歳で帰化したなんていう人がいるのか。オセアニアやミクロネシア、アッツ・キスカなどは人の手が入らず、そのまま生の遺構が残っているのだが、東南アジアや中国、韓国などはそれが無いので、1.2頁だけ記念碑だったりする。国内では硫黄島や沖縄海中などが戦跡と認定されるか。日吉や登戸といった大学構内のものは保存状態が良いというか、手を出せなかったというか。

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2016年08月19日Fri [05:05] オセアニア  

海のキリスト教

海のキリスト教――太平洋島嶼諸国における宗教と政治・社会変容海のキリスト教――太平洋島嶼諸国における宗教と政治・社会変容
大谷 裕文 塩田 光喜

明石書店 2016-07-15
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興味深いテーマではあるのだが、冒頭から聖書チックに始まるので、研究書としては異質かもしれん。この地域がキリスト教宗教圏となったのは、言うまでもなく帝国主義的布教によってだが、そうした見方は取らないのは、執筆陣がキリスト教関係者ということではなく、既にキリスト教がアイデンティティ化された文化の一部であり、それを否定すれば、、その国も人も否定することになるからであろう。キリスト教の布教は得てして貧困層への物質援助か医療であるのだが、南太平洋の場合、貧困は無いから、伝染病へのクスリ配布で救世主となることにより、推し進められた様だ。そうしたキリスト教話の中で、トンガ政治の話がある。十年くらい前に中国人にパスポートを大量に売った事件があったが、それが政争化し、台湾と断交したうえ、「親日国」なのに中国の言うがまま日本の常任理事国入り反対を明言した政権は結局、倒されたのか。中国人経営の商店が襲われたそうだが、ソロモン諸島でもそんな話があったな。

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2014年11月04日Tue [08:08] オセアニア  

テレビが映した「異文化」

テレビが映した「異文化」―メラネシアの人々の取り上げられ方テレビが映した「異文化」―メラネシアの人々の取り上げられ方
白川 千尋

風響社 2014-07
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調査は2003年から3年間とのことで、最近の「世界の日本人」ブームまではフォローしていないのだが、テレビに登場したメラネシアを過去に遡って調べ上げている。「すばらしき世界旅行」の時代のドキュメンタリー主体からバラエティ主体に変わったことで、より秘境、未開を強調する恣意的な演出が顕著になったとのことだが、それは番組の趣旨を考えれば当然ではあろう。問題はそうした演出を「お約束」として捉える視聴者のリテラシーになるが、未開や秘境を野蛮とする眼差しはかなり克服されているのではなかろうか。最近目立つ「スゴイ日本」「親日国」といったキーワードはそうした開発至上主義や文化優越感が根底にあるとはいえ、「反日的」なニュースを中和させる以上のものを視聴者は求めていないだろう。その観点で言えば、たとえ演出された実像と異なる映像でも、無いよりはその国を知るゲートウェイとして、ある方がマシという見方も出来る。

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2014年06月13日Fri [22:06] オセアニア  

オセアニア芸術

aaaose.jpgオセアニア芸術: レッド・ウェーヴの個と集合 (プリミエ・コレクション)
渡辺 文

京都大学学術出版会 2014-04-07
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博論もの。定点観測はフィジーなのだが、ここにはオセアニア・センターというのがあって、オセアニア諸国の芸術家を支援しているらしい。アボリジニ・アートの様に商業的にも成功を収めるにはどれも同じ様な作品にしなくてはならないというのはその通りなのだろうが、西洋式の美術教育を受けた者にはオリエンタリズム作風の需要と批判という問題もある。画材とアトリエが無料で提供される一方、作品の所有権は限定されるらしい。それでも小国で芸術家を生業とするには限界があるので、一種の文化保護策になっているのであろう。

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2014年05月30日Fri [03:21] オセアニア  

太平洋文明航海記

太平洋文明航海記 (キャプテン・クックから米中の制海権をめぐる争いまで)太平洋文明航海記 (キャプテン・クックから米中の制海権をめぐる争いまで)
塩田光喜

出版社 2014-04-21
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アジ研の主任研究員が苦心の末に著書の出版が決まった矢先に急逝してしまったらしい。図らずも遺作となってしまった本だが、1979年に大学卒業というと、まだ還暦前か。独身で永年の不摂生と同僚に書かれているのだが、若い頃繰り返したというパプア・ニューギニアでのフィールドワークとは因果関係は無いのか。今年の2月死去ということで、この地域の懸念材料に中国を挙げている。もう世界のどこの地域でも「中国問題」が最大のイシューになっているので、別に違和感はないのだが、アジ研的には資本による経済支配と人による商業支配といった、マクロミクロ双方での二重攻撃は見逃せないところだろう。かつては台湾との外交承認合戦が目立った程度だったのだが、今や文字通り「顔の見える援助」にシフトしている。ただ、これを中国が国として組織的に送り込んできた移民群と見なすのは早計であろう。問題の根っこには支配層によるパスポート販売ビジネスというものがある様だ。

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2013年05月17日Fri [02:56] オセアニア | 本・雑誌 |読書メモ  

現代オセアニアの<紛争>

現代オセアニアの“紛争”―脱植民地期以降のフィールドから現代オセアニアの“紛争”―脱植民地期以降のフィールドから
丹羽 典生

昭和堂 2013-04
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これも珍しいテーマだな。さすが昭和堂。この本で取り上げるのは、メラネシア、ミクロネシア、ポリネシアで正に太平洋の楽園イメージの所なのだが、実は古来より紛争地域であって、言語数は世界で一番多く、部族間の戦争が日常と化していた地域でもある。そうした昔からの紛争構造に植民地的対立構造が加わり、より複雑化しているのだが、最近の紛争(過去もそうだろうが)の背景にあるのは経済的事情という点は普遍である。私的に気になるのは、中国人がそのアクターとして躍り出ているところで、この本でもパプアニューギニア、ソロモン諸島、トンガで中国人が現地住民の攻撃対象になっていることが紹介されている。それを排外主義ともスケープゴートともとることは可能なのだが、可視化される他者としては一番目立つ存在に中国人がなっていることはたしかなのだろう。

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2012年12月27日Thu [01:04] オセアニア | 本・雑誌 |読書メモ  

サンゴ礁と人間

サンゴ礁と人間―ポリネシアのフィールドノートサンゴ礁と人間―ポリネシアのフィールドノート
近森 正

慶應義塾大学出版会 2012-10-21
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日本サンゴ礁学会元副会長という人らしい。となると理系なのかと思いきや、文学博士だそうで、民俗学の方らしい。1935年生まれだから、わりと時代を感じさせるフィルワノートなのだが、慶應の後に帝京平成大学現代ライフ学部教授になっているのに、略歴には記してないな。もうこの年だとフィルワも無理だろうが、現代ライフ学とも関係した話ではあった。クック諸島で独立運動が興ったのは進駐してきた米軍で黒人が白人と同等に働いていた(と現地住民に見えた)からだそうで、イギリス系だと、差別以前に世界が違っていたのだろう。戦時中の双方の捕虜収容所に関して、日英ばかりが問題になって、なぜ日米はそれほどでもないのか、ちょっと考えさせられた。

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2012年12月24日Mon [12:55] オセアニア | 本・雑誌 |読書メモ  

南の島でえっへっへ

南の島でえっへっへ (廣済堂てくてく文庫)南の島でえっへっへ (廣済堂てくてく文庫)
おがわ かずよし

廣済堂出版 2012-02-18
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旅行人系だったのか。解説で蔵前仁一がこの人の本を出したかったら出版社を作ったと書いているけど、こういうのが好きなんだろうな。宮田珠巳も同じ系統だけど、自分には波長が合わない文体である。蔵前の言う通り、南太平洋以外は香港しか行ったことが無いというのはかなりレアだとは思うが、かといって、それほど特殊な思考回路とも思えん。南太平洋旅行作家は需要が無くて廃業したあおうだが、作家には誰でもなれるけど、ライターには誰でもなれないということではなかろうか。

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2010年11月17日Wed [01:39] オセアニア | 本・雑誌 |読書メモ  

南太平洋を知るための58章

南太平洋を知るための58章―メラネシア ポリネシア― (エリア・スタディーズ82)南太平洋を知るための58章―メラネシア ポリネシア― (エリア・スタディーズ82)
吉岡 政編著 石森 大知編著

明石書店 2010-09-29
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「知るための」シリーズもさすがにこのミニ国家の集積地帯を一国一冊で処理する訳にもいかず、ミクロネシア一冊、独立国でないハワイが唯一の一国一冊で、残りのメラネシア、ポリネシアをまとめて一冊ということになったらしい。地理、歴史、日本との関係などは全部まとめてだが、他はちゃんと国別に分けてある。パプアニューギニア、フィジーといった「大国」は3章分で、「小国」ツバルは知名度が高いからかやはり3章。そのが1章だけど、ビトケアン諸島もイースター島と並んで入っている。ビトケアンは政体的にも特殊だけど、元祖アナタハン事件の島だし、最近もそれに順ずる驚くべきニュースがあったから、これは外す訳にはいかんだろう。イースター島はやがて出るだろうチリ編にも入る予定があるのかあっさりとした記述。何気に気がついていなかったのがサモアが分断国家だったということ(片方は国ではないけど)。ベトナム、ドイツ、イエメンが統一して、朝鮮半島が唯一の分断国家だからW杯を開催する意義があるなどとか言って、本当は2002年に次いで日本を阻止したかっただけの韓国サッカーのドンがいるけど、両サモアでサッカーは無理でもラグビーのW杯を開いたら良いんじゃないかな。と思ったら、独立した方はニュージーランドの影響でラグビーが強いけど、アメリカ側の方はアメリカン・フットボールが盛んなんだとさ。アメサモがルーツの小錦や武蔵丸もアメフトをやっていたみたいだが、西サモ生まれの南海龍は相撲が続かなかった様だね。そういえばトンガから連れて来たこともあったけど、これも集団脱走したかなんかで、プリンス・トンガとか名乗ってプロレスに行った奴もいたな。曙くらいまでのハワイならまだアメリカ型格差社会の中で上昇志向を培っていたから耐えられるんだろうが、やはりああいう世界は南の島国の人には厳しいだろう。モンゴルとか東欧も何時まで続くかは分からんが、その前に人が死んだり賭博をしたりなんていう「かわいがり」の体質から部屋も近代化していくんだろうけど。そんな、のんびりしたトンガで政治が絡んだ暴動が起きていたというのもあまり聞かない話だ。中国人経営の商店が焼き討ちに遭ったらしいけど、ソロモン諸島、パプアニューギニアでもそうだったが、この地域でも決まって中国人がスケープゴートになるな。これは単に商店を経営しているのは中国人ばかりということなのか。阿漕な商売といってもトンガじゃたかが知れているだろうけど、糞青どもが北京のトンガ大使館を襲撃したなんて話は聞かないね。あれは台湾と国交だったかな。インドネシアの時も中国でデモがあったと思ったけど、中国でインドネシア大使館が襲撃されたとかいう話はなかったな。やはり「愛国無罪」ではなく、「抗日無罪」ですか。

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2010年06月11日Fri [01:23] オセアニア | 本・雑誌 |読書メモ  

歩いて見た太平洋戦争の島々

歩いて見た太平洋戦争の島々 (岩波ジュニア新書)歩いて見た太平洋戦争の島々 (岩波ジュニア新書)
吉田 裕

岩波書店 2010-04-21
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岩波ジュニア。著者はカメラの人らしいが、戦跡ものを撮っていて、「若い世代に語り継ぐ戦争の記憶」というプロジェクトを主宰しているらしい。監修の吉田裕は岩波文化人。ということで、日本軍の惨劇や米軍の非道などそっちのけで、「アジア」への謝罪と反省を求めるものかと思ったのだが、最初が硫黄島なので、そういう感じでもなかった。もちろん、随所に朝鮮人軍属とか従軍慰安婦は記述されるのだが、まずは入り口から押さえるということで、日本が如何に広い海域で戦っていたかということが分かる仕組みにはなっている。その上で、戦場になった島の人々が決して「反日」ではないことも分かるのだが、誰が誰と何処で戦った戦争かということはハッキリさせておかないとジュニアの皆さんも混乱するだろう。その上で、サブストーリーを組み合わせていけばよいのだが、まずはじめに結論ありきで洗脳したところで、この情報過多の時代ではいずれは反動がきて、結果的にマイナスになってしまうんではないかな。

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2010年03月12日Fri [15:29] オセアニア | 本・雑誌 |読書メモ  

オセアニア学

オセアニア学オセアニア学
遠藤 央

京都大学学術出版会 2009-11-02
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日本オセアニア学会創立30周年記念出版だそうだ。正に日本のオセアニア研究の叡智を総集結させた一書であるのだが、550ページ横書き論文を一気読みするとさすがに疲れる。コーヒー3杯も飲んでしまった。1本1本の論文は短く、コラムも挟んであるので、それほど読むのが苦痛ではなかったのだが、目玉となるようなものは特になかったか。サッカーではオーストラリアがオセアニアから離脱したけど、オセアニア研究でもオーストラリアは別もの扱いの様だ。ニュージーランドのマオリの項はあるが、日本で研究者が多いアボリジニは取り上げられていない。ポリネシア、メラネシアがオセアニア学の主たるフィールドらしい。この地域でホットなテーマはやはり環境問題なのだが、ツバルの様な特殊事例を別にすれば、人々にとって現実的な危機は生活習慣病とも言える健康問題であるらしい。自然に囲まれたストレスのない社会で糖尿病などが蔓延するというのも、ある意味逆説的ではあるのだが、「先進国」がもたらしたもので責任を追求される環境問題は地球温暖化など科学的要因だけではなく、生活習慣の悪弊の方が、より深刻である様に感じた。コーヒーの砂糖は最初の一杯だけにしよう。

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