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日本ではおそらく初テーマで、コミックながら多少の知識が要求されるのだが、東ドイツにいたモザンビーク人についてはずっと気になっていたところ。著者は西の人で、幼少期にウガンダで過ごしたことがあるそうだが、「アフリカ」と「東独」に対してのダブル・オリエンタリズムを感じさせない訳でもない。とはいえ、だからこそこのテーマを描き得たとも言える。純西独だと「ドイツ人がモザンビーク人を代弁できるのか」「東独を差別的に描いている」というところのポリコレ発動が障害になった可能性もある。日本だとヘタウマ系の絵になるが、ドイツのレベルではこれがノーマルかもしれん。去年、フィルセンの東独映画祭で何本か観たが、アフリカ人はダンスが上手いというステレオタイプは当時から根強かった様だ。留学生や派遣労働者であっても、西独で外貨を使えるという外国人「特権」に対する心情的なやっかみもあったとも見える。

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現役大使なのか。ミュンヘン総領事から初大使みたいだが、途中2年間母校の一橋で教授をしていたんだな。パキスタン公使の時に出したパキスタン本は読んだ記憶がある。ウィキがあったが、ドイツ・スクールらしい。ブラジルやアフリカの勤務経験は無い様だ。勉強したんだと思う。タイトル通り、独立までの話が大半なのだが、それを押さえておかなくてはならないのは中国が関係しているからか。政権は今でもソ連、東欧留学組は幅を利かせている様だが、ソ連が無くなった今、中国は独立を助けた国という認識があるらしい。中ソ対立以降、フレリモが表立って中国の支援を受けていたのかどうか分からんけど、モザンビークの華僑社会の存在も大きかったか。いずれにしても、インドと中国はモザンビークにとって、馴染み深い存在ではあるから、日本はこれから認知度を上げていくしかない。


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博論もの。モザンビークとは珍しいが、コインブラ大に留学していた時にモザンビーク人学生と知り合ってというパターンか。タイトル通り時代背景は独立前のモザンビーク総督府の時代なのだが、主題となるのは労働力としてのモザンビーク人である。かつては奴隷交易も行われたのだが、南アの金鉱開発を支えたのがモザンビークからの労働者である。地下労働に最も適した人種と言われたモザンビーク人はアパルトヘイトのパーツでもあったのだが、結核が蔓延し、中国人労働者が導入されたこともあったらしい。この時の中国人は東北部出身だそうだが、どういう背景で来たのかはよく分からない。モザンビークはANCにとって庇護国でもあったから、アパルトヘイト後にモザンビーク人労働者に滞在資格が与えられたそうだが、現在は排斥運動もあるという。


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この人は凄い。全く何のコネも情報もない状態で、(ついでに語学力もゼロ)いきなりモザンビークに乗り込んで商売をはじめようと思い立つ。当時は自衛隊が PKOで駐屯している頃。それで開設されたばかりの日本大使館に行って、「なんかいい商売ありませんか?」。紆余曲折があった後、中古自動車輸入に落ち着く訳だが、それも天然の楽観主義者だからこそなせる業か。
☆☆☆
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