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著者は日本におけるヘミングウェイ研究の第一人者とのことだが、知人に誘われベナンに行くことになる。それだけだと本に成らないとみたのか、「業績」にならないとみたのか分からんが、ヘミングウェイの東アフリカ体験と強引に絡ませての西アフリカベナン紀行。さすがに途中で東アフリカと西アフリカでは全く違う文化であることに気づいたとか記しているのだが、もう後には引けず、山も雪もないベナン旅行記の間に「キリマンジャロの雪」の断片が挿入されるという訳分からんものになっている。まあ「キリマンジャロ」の方がメインで、そこに著者のアフリカ体験が挿入されるといった方が適当なのかもしれん。


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博論もの。オーソドックスなフィールドワークではあるが、ベナンとは珍しい。ベナン本はゾマホン系のヤツ以来だ。フェティッシュ文化というと、違うものを想像してしまうのだが、これは自らとしての儀式などを仏語に訳す時にフランス語の訳語として土地の人たちが使っているものだそうだ。元々、「フェティッシュ」とはアフリカ起源の言葉らしく、ポルトガルやオランダの交易商人によって、ヨーロッパに伝えられたのだという。それが日本にきて更に変化して「フェチ」になったりするのだが、儀礼と信仰を表す意味は大して違いはない。この本はベナンのことを何も知らない一般読者向けとのことだが、「コラム」で繋ぐこともなく、読みやすくとも、内容がイマイチ頭に入らなかった。ただ、何も知らない読者の為にベナン現代史も用意されていて、社会主義政権時代はこうし宗教的儀礼は弾圧されていたとのこと。現在ではポピュリズム政治の取り込みにされている様だが、この地域がキリスト教、イスラム教ともに数パーセントしか信者がおらず、90%以上は伝統宗教というのはちょと意外。童貞ゾマホンはムスリムだったかな。


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明窓出版 (2005/03)
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てっきりテレビ用企画話かと思ったら、あのゾマホンのベナン学校建設話は今も継続しているらしい。それも小学校三つ(たけし小、江戸小、明治小)を開校させ、念願の日本語学校も開校させたというから大したものだ。この本はその「たけし日本語学校」で、一年間教員を務めた著者の記録とゾマホンの言葉のコラボレーション。なかなか楽しい本だ。ベナンの子どもがケンケンパで遊んでいたり、ベナンにも門松を置く様な習慣があるといった意外な事実から、アフリカン・アルファベットという西欧のアルファベットに対抗した独自の試みが始まっているとか、新たな発見が満載。それにしてもゾマホンがいなければ、あの番組がなければ、日本語学校建設に多くの人が協力していなかったら、こうしたベナン共和国について書かれた本を読む事が出来なかったと思うと関係者の皆さんに感謝である。この学校に入学希望者が殺到したという事実を日本は重く受けとめなくてはならない。
★★★
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