![]() | 赤い春―私はパレスチナ・コマンドだった (2007/10) 和光 晴生 商品詳細を見る |
この著者は無期懲で確定しそうだから、今後出所の可能性はあるのだが、罪が罪だし、団塊のトシでは佐藤優みたいに華々しい第二の人生を送るという訳にはいかないだろう。その辺を達観しているのか、裁判闘争の一環としてではなく、本人が言うように、長い間使っていなかった日本語のリハビリとか、卒業できなかった大学の卒論の代わりという意味の方が強いと思う。事情が全く異なるのだが、蓮池さんの今の仕事にも、そんな意図がある様にも感じる。このトシになると送ってきた人生を喪失したものと割り切ることは難しいであろうが、「喪失」した時間を赤裸々にすることが、更なる「喪失」を招くことも十分承知しているのだと思う。その名を世界に轟かせた日本赤軍のパレスチナ・コマンドの生活がどんなものかを知る上では貴重なものなのだとは思うが、そこに「日本赤軍」や「パレスチナ」の姿が描かれている訳ではない。むしろ日本赤軍やPFLPの党派性とは距離を置いて、世界中から集まったコマンドの中で居場所を探そうとしている自己を俯瞰した形である。つまるところ、日本赤軍やPFLPの持つ党派性というのは、日本政府や、アメリカ帝国主義や、ソビエト共産党や、中国共産党や、日本共産党や、PLOのそれと変わらないということを体感してきたということなのだと思う。ゲバ棒とヘルメットを捨てて、ネクタイを締める生活を40年続けることで得るものは、ネクタイの代わりにコマンド頭巾を被ったことで失うものより大きいのだろうか。














