![]() | バグダッド101日―早朝5時30分、米空軍の猛爆撃が始まった (2007/10/25) アスネ・セイエルスタッド 商品詳細を見る |
『カブールの本屋』の人か。今回の翻訳は江川ショウコーじゃなくて、翻訳グループの人らしい。前回はゴーストだけど、今回は名前を出したということなのかも。世界的なベストセラーとなったという前の本は、パツキンのネーチャンが、カブールの本屋にホームステイして、オーマイガッて感じの話だったのだが、今回は本職であるらしい「ジャーナリスト」の仕事。もちろん本人としては、バグダッドの豆腐屋にでも住み込んで、女房子どもらとイラク男の悪口でも言って過ごしたかったんだろうが、正に陥落直前のバグダッドでそんな悠長なことはできないし、サダム・ビザの身では通訳という名の秘密警察の案内なしにはどこへも行けない時代。結局、苦心してビザ取りして、パレスチナ・ホテル篭城で陥落を迎えたというのは、不肖の人と同じか。外へは行けん、ミサイルが直撃して、篭城者に犠牲者が出るともなれば、いきおい「戦友」であるガイジン記者仲間の話が多くなるのだが、不肖の人はもちろん、綿井も、大騒ぎしてた不倫カップルの話などは出てこない。朝日新聞の記者はおとなしすぎるなんて記述が唯一あったけど、これはムッシュー国末のことかな。結局、不肖の人が大風呂敷広げているだけで、現地でも日本人は日本人だけでつるんでいたのが実情の様だ。まあ生きるか死ぬかの状況で、悠長に「国際交流」なんてやってらんないのは確かだろう。とはいえ、この著者みたいにノルウェー人とかなると、現場で同国人に会う可能性自体が低い。これも原書英語だろうが、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、オランダ、デンマークなどのメディアと契約していたのだという。スウェーデンなどでは、ノルウェー語で中継すると、リアルタイムで司会者がスウェーデン語に翻訳できる関係らしいが、こういうのも小国相互扶助というか、米英仏の配信記事ではイマイチしっくりこないところが、こういう国々にはあるのだろう。だからといって、『カブールの本屋』がそうだった様に、私たちは傲慢な白人大国とは違うというコンセプトに則った話ではない。著者は現地からみたら、あくまで「殺す側」の方。米軍の黒人兵に案内されて、もはや不用になったイラク人女性通訳とサダム宮殿を見て廻るクライマックスは、そうした不条理な関係性を象徴したものなのだろう。
















