2017年06月24日Sat [05:50] イスラエル・ユダヤ  

ユダヤ人と自治

ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡
赤尾 光春

岩波書店 2017-03-16
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論集。ユダヤ史研究の人は結構多いな。宗教的な部分ではなく、中世ヨーロッパなどをやっていると、興味を持つのが必然になるのかもしれんが、昔、講義を受けた覚えがある高尾千津子さんだけ生年非公表か。それはともかく、外ではキリスト教徒として振る舞い、家ではユダヤ教徒という人たちは今でも存在しているのだろうか。ロシアなどではアメリカ発の「原理主義」派が勢力を伸ばしている様だが、逆に世俗派はイスラエルやアメリカに移民してしまっているのもしれん。ユダヤ人の国家内国家を制度的に実現したのはロシアが初だと思うが、イスラエルが世俗国家である以上、全世界のユダヤ人を繋いでいるのは宗教ではなく、ホロコーストの「記憶」ということになるか。

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2017年06月03日Sat [05:39] イスラエル・ユダヤ  

希望の鎮魂歌

希望の鎮魂歌――ホロコースト第二世代が訪れた広島、長崎、福島希望の鎮魂歌――ホロコースト第二世代が訪れた広島、長崎、福島
エヴァ・ホフマン 早川 敦子

岩波書店 2017-03-25
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申し訳ないが、これはホロコースト遺産相続者。ホロコーストと広島長崎を同列におき、南京、ルワンダ、南ア、ボスニア、カンボジア、インドのヒンドゥーとムスリムの対立、ポーランドとユダヤの和解などあらゆる悲劇を取り出しているのに、一遍足りともパレスチナの言及が無いのには苦笑してしまう。津田塾の客員で来て、日本の女子大生に在日韓国人に選挙権が与えられないのは差別だとか責めている。崔善愛に吹き込まれたそうだが、国籍の件などは分かっていない様だ。アメリカでも外国籍に参政権はないだろう。

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反核の闘士ヴァヌヌと私のイスラエル体験記反核の闘士ヴァヌヌと私のイスラエル体験記
ガリコ 美恵子

論創社 2017-01
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イスラエルの核兵器開発を暴露して獄中にあった人か。そんな人がいたのは記憶にあるのだが、普通の研究員が正義感で暴露というのとは事情が違う様だ。闘士の称号は獄中で手に入れたものだろうが、一般の作業員がいろいろとトラぶって海外でポロリと口にした事をメディアゴロみたいな奴が聞きつけて、英国のマスコミに売り込んだという事情らしい。それでモサドだのなんだのの話になるのだが、イスラエルにシオニスト左翼はいても、売国左翼はいないので、出所後の今もほとんど非国民扱いらしい。海外には出られない様だ。そんな人とマブダチの著者なのだが、イスラエルの反核闘士だけでは持たないのか、自身の話を加えた評伝自伝の二本立て。著者は元々ノンポリの水泳コーチであった様だが、たまたま路上アクセサリー売りのヒッピーイスラエル人と結婚した結果、イスラエルで22年も暮らすこととなる。「世界そんなところにななぜ日本人」にも出だそうだが、番組も版元も宗教系だから、その辺、洗脳されやすい著者と相性が良かったのかな。イスラエル人とは二度結婚、二度離婚だそうで、改宗圧力は常にあるそうだが、ユダヤ教とイスラエルのパレスチナ政策が結びついて拒否している様だ。

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2017年04月07日Fri [06:17] イスラエル・ユダヤ  

日本人の〈ユダヤ人観〉変遷史

日本人の“ユダヤ人観”変遷史日本人の“ユダヤ人観”変遷史
松浦 寛

論創社 2016-11
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版元は創価だけど、早稲田奉仕園流れのミルトス入ったカトリック系西早稲田寄りといった立ち位置の人かな。まあ別にイデオロギーで分別する必要は無いんだけど、様々な杉原千畝議論を断罪して、杉原の行動はキリスト教善隣思想に基づいたものという事を論証する。手嶋のはあくまでも小説だし、佐藤優は論壇芸人みたいなものだから、別に弾劾することもないんではないかと思うのだが、親米の手嶋も親イスラエルの佐藤優も「ユダヤ・ネットワーク」などを実在のものと印象操作することが反ユダヤになるのか。杉原がカネ目当てであったことはないとは思うけど、ユダヤ人脈とは関係なかったかどうかというのは断言できるものなのかな。杉原の信仰心といった内面的なことは立証不可能だろうし、諜報活動していたことは事実なのだから、史学的見地ではその線で考えるのだろうが、宗教的見地ではまた別のやり方になるか。

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2017年03月22日Wed [05:24] イスラエル・ユダヤ  

霊と現身

霊と現身: 日本映画における対立の美学霊と現身: 日本映画における対立の美学
ツヴィカ セルペル

森話社 2016-10-25
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イスラエル人の能楽研究者による日本映画論という毛色の変わったもの。翻訳者はクレジットされていないし、原著があるのかどうか分からんのだが、イスラエル国立科学基金の助成を受けたとの事。元々は俳優を志していたらしい。ということで演劇的要素が強い時代劇が中心なのだが、伊丹十三の他、「おくりびと」や「火まつり」といった現代劇も。日本映画というか文化の特徴として混合文化を挙げるのだが、それを日本人が普段意識しないのは宗教的枷が一神教の国に比べて緩いというところにあるのかもしれない、中国やインドもマジョリティは一神教ではないが、混合期を過ぎて既に強力な文化圏を完成させたので、後発文化が吸収されてしまうということはあるか。これほどユダヤ人が世界の映画製作に関係しているのに、現代イスラエル映画や映画人があまり知られていないというのはちょっと考察に値する。

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2017年03月16日Thu [04:12] イスラエル・ユダヤ  

イスラエル軍事史

イスラエル軍事史イスラエル軍事史
モルデハイ バルオン 滝川 義人

並木書房 2017-02-15
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イスラエルの立場を代弁している訳ではないが、イスラエルの視点を柱にしているとのことだが、編者はイスラエルの元軍幹部か。ただ、ピースナウの指導者で、左翼の側であることは間違いないのだろう。左翼だろうとなんだろうと兵役はある(極右の宗教保守にはないかもしれん)のがイスラエルで、平和主義者も祖国防衛の為には戦争に行く訳だが、その観点から言えば、これでも客観的な軍事史なのかもしれん。戦争の定義を正規軍同士に限定すれば、イスラエルはもう何年も戦争はしていないし、世界でも最近はイラク戦争くらいまで遡るか。イスラエルに戦争を仕掛けられる国はもう存在しないにも等しいが、唯一の懸念はイランだけど、ISが事実上防波堤になっているのは気になる。ゲリラ戦やハイテク戦が主体となった近年では、イスラエルの戦争が戦争モデルとしてはリアルのテキストになるのだろうが、素早い先制攻撃、占領、撤退は戦争を泥沼化させない基本ではある。

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2017年02月15日Wed [05:51] イスラエル・ユダヤ  

いのちの証言

いのちの証言: ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人いのちの証言: ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人
六草 いちか

晶文社 2017-01-25
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「舞姫」のモデル追跡本の人か。ドイツ在住で基本的には「舞姫」と同じく役場会での記録資料頼み。ラトビアのみならず、ドイツでも日本人に救われたユダヤ人が何人もいるのか。ベルリンで上映された杉原千畝映画の上映会で大使館員に教えてもらったそうだが、佐藤優と吉野文六の対談本に書かれていたな。戦後、大使とてボンに赴任した吉野はその時救ったユダヤ人の秘書を再び雇用し、定年まで勤めたのだという。駐在軍人の妻が階下に住むユダヤ人夫妻が連行される際、純金のお皿5枚とともに赤ちゃんを託される話もあるが、尋問されて帰ってくるかと思った夫妻は帰ってこず、戦後の消息も不明なのだとか。結局、赤ちゃんはカトリックの修道院にお皿付きで預けたそうだが、皿と赤ちゃんがどうなったかも不明。ユダヤ人の生き残りはホロコーストからの生還者という訳でもなく、ベルリン市内にも生き延びたユダヤ人が六千人いたのか。

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2017年01月31日Tue [05:50] イスラエル・ユダヤ  

アレント入門

アレント入門 (ちくま新書1229)アレント入門 (ちくま新書1229)
中山 元

筑摩書房 2017-01-05
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アレントはアイヒマンの件で、ユダヤ人から激しい非難を浴びることになるのだが、自分はどんな集団にも帰属意識を持ったことが無く、あくまで個人が基本であるという。アイヒマンをドイツの属性として捉えると、ドイツ人だからやりおせたことになってしまう。ドイツの場合、代わりにナチスという一般化が出来た訳だが、その分ナチスとドイツの属性は曖昧にされる。アレントがユダヤやドイツの属性を持っていたのは確かだが、アイヒマンの属性をドイツやナチスではなく、帰属するのは全体主義という無国籍にしたことが、その普遍性に激しい議論を呼び起こすことになる。

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2017年01月15日Sun [05:22] イスラエル・ユダヤ  

国のために死ぬのはすばらしい?

国のために死ぬのはすばらしい?国のために死ぬのはすばらしい?
ダニー・ネフセタイ

高文研 2016-12-01
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在日ユダヤ人左翼は珍しくもないが、在日イスラエル人パヨクというのはレアかもしれん。イスラエル人も元大使だか公使だかが、天皇礼賛の本を出したりもしているのだが、割合的にはやはり左翼が多いのだろう。退役世界放浪は70年代で、そのまま日本に住み着いたらしい。日本人と結婚したからというパターンだが、イスラエルのキブツでも、パレスチナ連帯左翼は生きにくくなっているのかもしれん。結局、日本でも山に入って、木工をしているそうだが、それで原発だの基地だのヘイトスピーチだのを糾弾して暮らしている様だ。

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2016年12月16日Fri [04:24] イスラエル・ユダヤ  

最後のユダヤ人

最後のユダヤ人 (ポイエーシス叢書)最後のユダヤ人 (ポイエーシス叢書)
ジャック デリダ Jacques Derrida

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未来社のポイエーシス叢書は層々たる思想家たちの著書がラインアップされているんだな。原書は2014年に出たものらしいから、没後10年記念か。1988年と2000年の講演採録とのことだが、例によってよく分からんかった。サルトルとは違ったユダヤ観だが、ユダヤ性が自明であったデリダに対して、ユダヤ性は他者のまなざしによって構築されるという論理を脱構築する必要があったか。

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2016年10月29日Sat [05:05] イスラエル・ユダヤ  

水危機を乗り越える!

水危機を乗り越える!: 砂漠の国イスラエルの驚異のソリューション水危機を乗り越える!: 砂漠の国イスラエルの驚異のソリューション
Seth M. Siegel

草思社 2016-06-21
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アメリカでベストセラーになったのか。水資源の問題は普遍的であるとも言えるのだが、「イスラエル」がその回答だとも思えない。そうした疑問も織り込み済みなのか、パレスチナ関係のページもあるのだが、それもパレスチナ人もイスラエルで研修を受けて、水道の整備が進んでいるとの主張。革命前のイランもイスラエルが対アラブ牽制で支援を強化しており、イラン派遣組は最後の飛行機で脱出したのだという。残っていたらえらいこっちゃ。パレスチナ人の他にヨルダン人も研修に参加しているそうだが、この辺がイスラエルの領土戦略と無関係であるということはなかろう。実際にこの紛争は水戦争だと言う人もいるが、その点ではイスラエルが圧勝したのだろう。

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2016年10月22日Sat [05:33] イスラエル・ユダヤ  

ゲルダ・タロー

ゲルダ・タロー:ロバート・キャパを創った女性ゲルダ・タロー:ロバート・キャパを創った女性
ジェーン・ロゴイスカ 木下 哲夫

白水社 2016-08-27
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ゲルダの評伝は前にも沢木解説のやつを読んだのだが、これが英語で書かれた初の評伝らしい。著者はケンブリッジ大出だが、、ウッジ映画大学にも学んだ人らしく、名前からして、ポーランド系かな。カティンの森事件の本を執筆中のこと。ゲルダもポーランドのパスポートを持っていたから、ポーランド国籍とも言えるのだが、ポーランドには住んだことはない。文化的にはドイツと言ってよいのだろうが、キャパとの会話もドイツ語だったのかな。キャパは米国移住後は親に英語で手紙を書いていたみたいだから、この辺のコスモポリタン・ユダヤ人も言語空間はよくわからない。中身的にはスペイン市民戦争に絞っている。例の倒れ行く兵士をゲルダが撮ったという説は採らないが、キャパの写真にゲルダのものが多く混じっているのは確かな様だ。日中戦争が始まったので、スペイン内戦にスポットライトが浴びなくなったというのはそうなのか。日中戦争は欧州では極東のローカル・ニュースみたいなものかと思ったのだが、世界大戦の文脈で理解していたのだろうか。ゲルダとキャパが中国へ行こうとしていたのは事実で、それはゲルダが強く望んだことみたいなのだが、岡本太郎くらいしか、日本との接点がないから、日本に対しての見方は分らない。三国同盟締結前に亡くなったとはいえ、ナチスと同じ枢軸国という理解はあったろうが。

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