2017年07月29日Sat [05:48] 中東/アラブ  

アラブ人の世界観

アラブ人の世界観──激変する中東を読み解くアラブ人の世界観──激変する中東を読み解く
水谷 周

国書刊行会 2017-05-24
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最近再刊した吉村作治の「アラブ人の頭の中」にカウンターを仕掛けた訳ではないのだろうけど、水谷周はなんちゃってムスリムの吉村と違って、モノホンの教徒なのだろうか。外交官でデンバー総領事までしたという経歴は著書の略歴から抹消しているけど、日本ムスリム協会理事というのが現職か。WIKIでは同一人物だが、デンバー総領事の水谷周って別の人なのかな。最近はイスラーム教とアラビア語の研究書を出し続けているのだが、トランプの中東政策の章もあるから、やはり元外交官か。中東という呼称に関してヨーロッパ中心主義だという批判が現地の側からあるのかと思っていたのだが、そんなことは全く無くて、アル・ジャジーラでも頻繁に使うし、エジプトなどでも現地機関名に多いのだという。日本も戦後しばらく、極東放送とか、極東選手権とか、結構使っていた様なのだが、現在はほぼ淘汰されたのと対照的である。それには理由があって、アラブ世界からみれば、西洋は辺境であって、東洋が中心であり、中東というのは正に的を射た呼称なのだという。

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2017年06月26日Mon [04:10] 中東/アラブ  

飲食店のためのおいしいハラール食導入ガイド

飲食店のためのおいしいハラール食導入ガイド─和洋中の一流料理人によるレシピ付き飲食店のためのおいしいハラール食導入ガイド─和洋中の一流料理人によるレシピ付き
大坪晏子 佐藤増雄

楽工社 2016-12-12
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ついったー界でも「未来世紀ジパング」の韓国特集で度肝を抜かれた人が多い様だが、日本のハラール認証ビジネスも他人事ではないな。ビジネス・チャンスとして捉えるのは悪くないのだが、グレーのものに認証を与えるか、日本は基本的に全てハラームとして、個々の判断に委ねるかとしてら、やはり後者の方が良い様な気もする。ハラール認証はイスラム教徒が経営し、イスラム教徒の従業員しか雇わないという確証が得られるものに限るべきだろう。日本人の無理解や英語力の無さを理由にして無理な導入を図る必要はないのでは。

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2017年05月16日Tue [04:47] 中東/アラブ  

イスラム唯一の希望の国日本

イスラム唯一の希望の国 日本 (PHP新書)イスラム唯一の希望の国 日本 (PHP新書)
宮田 律

PHP研究所 2017-03-16
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日経プレミアで拒否された「イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか」は新潮新書が引き受けたけど、最初からPHP向きだったんだよな。イスラム唯一のというと神だけど、希望の国日本とは何とも神をも恐れぬ言説である。となると、日本をイスラムの国にするのが全世界のイスラム教徒の義務ではないのか。イスラムという共同体があるとしても、世俗の世界である国家に対しては一枚岩でも何でもないことは世界にイスラム教の国が幾つあるのかということで分かる話なのだが、それもイスラム教徒が日本に好感を持っていると乱暴に仮定したとしても、その好感は西洋に対する反感の裏返しみたいなものじゃないかな。台湾人が日本が好き(逆も然り)も中国という対象が大きく関係しているし、たまたま日本が非西洋で一番早く経済発展を成し遂げたからというのも西洋という基準が関係している。ただ、実際にはイスラム教徒もその多くが西洋様式で暮らしている訳で、西洋基準で日本を奇妙な国、西洋基準とは別の世界という様に規定すれば、現実的な希望の国などには成り得ない。イスラム教徒の難民が日本を目指さないのは日本の難民認定制度や地理的障壁だけが理由ではないのである。

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2017年05月10日Wed [04:54] 中東/アラブ  

中東とISの地政学

中東とISの地政学 イスラーム、アメリカ、ロシアから読む21世紀 (朝日選書)中東とISの地政学 イスラーム、アメリカ、ロシアから読む21世紀 (朝日選書)
山内昌之

朝日新聞出版 2017-02-10
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明大の研究会本らしい。山内昌之は特任教授なのか。他に明大関係者は客員教授が一人。宮家邦彦は中東専門家として参加なのか。締めの鼎談にも呼ばれている。国末憲人などもいるが、研究者に三菱商事が二人。昨日読んだ「トルコ現代史」の人も。イスラムシンパシー陣営ではない。IS呼称に関しても、イスラームを代表している誤解を与えるとしているのだが、タイトルはISILとかダーウィシュでは分からんか。「イスラム国」よりはマシなのかもしれん。トランプ前の研究会みたいで、追記でトランプを書いている人が何人か。トランプは取引至上主義であると見れば、意外とくみやすいのかもしれん。ISのヨーロッパ組はほとんどが移民二世で、一世葉少なく、三世はほぼいないというのは興味深い。要はアイデンティティ・クライシスと社会の疎外感なのであろう。であれば時が過ぎれば解決する問題なのだが、新たな難民、移民を入れれば二世は再生産される訳で、そうした事も関係してくるか。IS参加兵士の80%が無宗教であったという調査もあるそうだが、これは明らかに間違いというツッコミが入っている。改宗者も割合的には多くはなさそうだが、一世の家庭ではイスラムを排除した生活環境も多そうなので、これを無宗教とカウントするのかな。

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2017年05月05日Fri [05:10] 中東/アラブ  

「テロとの戦い」を疑え

「テロとの戦い」を疑え「テロとの戦い」を疑え
西谷 文和

かもがわ出版 2017-04-06
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かもがわ。御用達の人みたいだが、ジャーナリストというか、もどきだな。安田純平解放交渉を妨害したとか、橋下に訴えられたとか結構、下種ではあるみたいだが、結論がトランプ、プーチン、アベに世界が反対すれば、テロは終わるとかなので、笑ってしまった。そこに習近平が入っていないのはご愛敬だが、アベも随分と大物扱いされたものだ。パリのテロでカンボジア料理店が襲撃されたのはそこが「狙いやすかった」からで、隣の日本料理店(日本人経営かどうか不明)に流れ弾が1発か2発被弾したのは日本がアメリカと一緒に「テロとの戦い」を共謀しているからなんだとさ。似非フランス人のツイートでも見たのかな。

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2017年05月03日Wed [05:08] 中東/アラブ  

近東の地政学

近東の地政学:イスラエル、パレスチナ、近隣のアラブ諸国 (文庫クセジュ)近東の地政学:イスラエル、パレスチナ、近隣のアラブ諸国 (文庫クセジュ)
アレクサンドル・ドゥフェ 幸田 礼雅

白水社 2017-04-13
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文庫クセジュとしてはいつもの感じなのだが、訳者があとがきでダメ出ししているというのは変わっている。フランスでも「近東」ではなく、「中東」が一般的だそうだが、その点も含めて、初版の2003年時点で流れていたフランスのイラク戦争反対一色の空気から距離を置こうとしたものなのだろうか。訳者は著者の事は何も知らないそうで、知り合いのペルシャ研究者に聞いたそうなのだが、文庫クセジュは通常、訳者は著者に連絡できないものなのか。イスラエルに長くいた人のようで、ユダヤ系なのかもしれんが、現在はENS教授というのだから、幾らでも連絡手段はありそうだが。

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2017年04月19日Wed [05:12] 中東/アラブ  

イスラーム入門

イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉 (集英社新書)イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉 (集英社新書)
中田 考

集英社 2017-02-17
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いよいよ宣教に乗り出した訳ではなく、そういう気はさらさら無いようだ。それが非イスラーム世界としての日本の限界なのだろうが、イスラームには異教徒に教えを導く義務があるとはいえ、新興宗教みたいに、宗教を安売りするのが御法度である。日本にイスラーム教徒がどのくらいいるか分からない。外国人20万人、日本人5千人というのも、別に統計がある訳ではなく、在留外国人の国籍から推定されたものであろうが、信仰は組織でも集団でもなく、あくまで個人の問題なのだから、変に擦り寄って餌を撒く必要もない。あくまでイスラームの一般知識を示したものである。

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2017年04月15日Sat [04:12] 中東/アラブ  

イスラム教徒の頭の中

イスラム教徒の頭の中 アラブ人と日本人、何が違って何が同じ?イスラム教徒の頭の中 アラブ人と日本人、何が違って何が同じ?
吉村作治

CCCメディアハウス 2017-02-28
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最近名前を聞かないなと思ったら、東日本国際大学学長になっていたのか。サイバー大学世界遺産学部はぽしゃったが、早稲田が作った会社はまだあるのか。ダメ本の予感はしたのだが、意外と面白かった。自分の経験からは納得する点が多かったが、イスラム・中東屋の人たちからはムスリムを擁護している様で、偏見を助長しているとかで総スカンを食いそうだな。この人はムスリムに改宗したのだが、今はそれは無かった事になっているのかな。信仰は個人の問題であるから別に構わないが、イスラム世界ではまず相手の宗教を聞く、自分の宗教も言う。無いなどとは言っていけない。仏教徒と言うのも避けるとかしているなら、著者自身の信仰告白もしてほしいものだ。しかし、仏教もダメなら神道もダメだろうし、日本人はとりあえずキリスト教徒とでも言わなくてはいけないのか。エジプト人の男が国では着ないのに六本木に行くときは白装束で、頭に黒のワッパを載せてアラブの金持ちだと言うともてるのだと言っているという話があるが、そんな事があるのか。アラブの金持ちとか警戒されそうだが、六本木は違うのだろうか。キャバクラではもてるかもしれんが。とか思ったら、この本は90年の本の改題であった。当時は金持ち全盛の時代であったから、アラブの大富豪も社会的認知度があったのかもそれん。

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2017年04月13日Thu [04:55] 中東/アラブ  

人質の経済学

人質の経済学人質の経済学
ロレッタ ナポリオーニ 池上 彰 Loretta Napoleoni

文藝春秋 2016-12-28
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池上彰の帯は要らんと思うが、この見解がテレビで常識になる事はあるのかな。イラクで人質になったイタリア人女性は解放されてヒロインとして持ち上げられた。一方、日本人三人組は解放されたが猛烈なバッシングを受けた。この二つの事実が提示されると、当然、日本社会への批判になるのだろう。マスコミや意識高い人たちの言うところである、世界の常識、日本の非常識だ。そう身構えざるを得ないのだが、その評価は留保して、著者が事例を以って示す人質経済学を読んでいくと、イタリアの様な人質には必ず身代金を払うという姿勢こそがビジネスとしての拉致を誘発しているという事が分かる。赤い旅団事件の記憶がイタリア政府をそうさせたのか分からんが、スペインやフランスも身代金支払い派なので、地域的なものなのかもしれん。著者が最も批判すべきとするのは経験も人脈も無く自分のロマンだけで危険な地域に入るジャーナリストやボランティアもどきの人たちなのだが、国民を自業自得と切り捨てられないのが国家なのである。同じ人間話し合えば分かるとかが通じるのは幻想の世界であって、資金獲得の手段が政治的目的より優先されるのは日本の運動圏も同じである。

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2017年03月31日Fri [05:17] 中東/アラブ  

イスラーム国の黒旗のもとに

イスラーム国の黒旗のもとに ―新たなるジハード主義の展開と深層―イスラーム国の黒旗のもとに ―新たなるジハード主義の展開と深層―
サーミー・ムバイヤド 高尾賢一郎

青土社 2016-09-17
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原著は2015年か。ピークの頃に翻訳出せたなら、日本人でも西洋人でもないシリア人の著者だから話題になったと思うが、遅きに失した感はある。ISの資金源が原油で、それを買っているのはシリア政府という構図は周知の通りなのだが、日本も米国から石油を買って、それで戦争をしていた訳だし、米国が日本に対してそうだった様に、シリア政府もISの生殺与奪の権を握っているところはある。それをしないのは市場の20%という価格が理由だけではなく、他の反体制勢力との絡みもあるし、トルコへ流れる分があるからだろうが、まあ茶番と言えば茶番であろう。ISがイスラームの大儀とは別物の論理で動いていることを分かっていても、それをキリスト教世界に指摘されることには反発を覚える人たちは大勢いるのだと思う。そこに受け皿があある訳だが、その構図を人権だとか経済で解消するのは不可能であろう。

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2017年03月16日Thu [05:11] 中東/アラブ  

「文明の衝突」はなぜ起きたのか

「文明の衝突」はなぜ起きたのか──対立の煽動がテロの連鎖を生む (犀の教室)「文明の衝突」はなぜ起きたのか──対立の煽動がテロの連鎖を生む (犀の教室)
薬師院仁志

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この人はフランス屋なんだよね。カバーにもフランス語がある。レクチャー本なのだろうけど、仕事として書きました感しかないな。こういう命題は答えのないものなのだから、宗教や民族、経済格差で説明するしかないのだが、フランス流に哲学でやってしまうと、日本人には無理だから、淡々と事実関係を記したということなのかもしれん。衝突や対立は人間世界に付き物だから、それで殺しあえなければ良いというのも真理ではあるのだが、対立や衝突を生まない為には全世界を全体主義化させれば良いというのもまた真理なのだろう。民主主義も共産主義もキリスト教もイスラム教もそうした側面があることは否定できないと思う。

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2017年03月10日Fri [06:18] 中東/アラブ  

ジャーナリスト後藤健二

ジャーナリスト 後藤健二: 命のメッセージジャーナリスト 後藤健二: 命のメッセージ
栗本 一紀

法政大学出版局 2016-12-26
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後藤さんの盟友で同じ世界の人がまとめたもの。宗派は分からんが、キリスト教徒であるのも同じみたいで、宗教チックな話もあるのだが、なんで法政大学出版局なんだろうと思ったら、後藤さんは法政の出身か。しかも二校かららしい。法政に話を持っていったら即断だった様で、田中優子も推薦を書いたらしい。家庭環境は断片だけ。二度離婚したというのは本人のことか。漢字には振り仮名が付いているので、想定は大学生ではないのだろう。法政の付属で課題図書になっているのかもしれん。事件が事件だし、盟友でもあるから、この手のものになるのだろうが、ジャーナリストの仕事というのは正義や隣人愛を訴えることではないと思うんだけどな。

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