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2019年01月09日Wed [04:10] 中東/アラブ  

中東深夜便紀行



テレ朝のカイロ支局長だった人。イカロスで半分くらいはずっとエジプト航空の話なので、月刊エアラインにでも連載したものかと思ったのだが、取材でマイル長者になった様だ。出張マイルは個人に帰すか社に帰すかはたしか司法の場でも争われたことがあったと思うが、この著者は自分も修行しているみたいなので、合わせ技か。JALは修行サファイアで、スタアラはエーゲ航空貯金らしい。エジプト航空やトルコ航空は加算漏れも多く、修行には向かないとのこと。アラビア語プロパーなのに、その辺の話は全く無く、関西弁でまくしたてるのが一番効くという神話を地で行っている。まあテルアビブ空港で日本人がアラビア語でまくし立てたら問答無用で拘束されるだろうが。

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2019年01月05日Sat [03:48] 中東/アラブ  

ガザに地下鉄が走る日



「みすず」に連載されていたものらしい。岡真理と言えば、「太陽の男たち」なのだが、難民問題で類似の事件が再び発生するようになったこともあってか、解説あり。広河隆一にホテルを紹介してもらったという件はドキッとするが、今回の件はどう思っているのだろう。古居みずえと共に古い同志であるのだが、お二方の反応は不明である。在日朝鮮人をパレスチナ難民に擬えて、ガザとウトロを同列に置くのは運動圏の性みたいなものだろうけど、パレスチナに党派性を持たせることにより、日本人の理解が遠のく気もする。ウトロ同様、ガザもパレスチナ人内の利権問題という風に捉えてしまう恐れがある訳だが、広河問題にしても、「人権派」に厳しい目が向けられ始めていることを踏まえる必要もあるのではなかろうか。

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2018年12月14日Fri [05:13] 中東/アラブ  

ムスリム女性に救援は必要か



「生きながら火に焼かれて」以降一連の西洋の「普遍的正義」がムスリム女性を救済するシリーズは「救済ポルノ」という評価を受ける様になったらしい。こうした「自伝」の大半は聞き書きであることは開示されているのだが、それが創作を意味することは示されていない。「救済ポルノ」もエンタメとして読む分には良かろうが、それが国際問題となり、キリスト教のイスラームに対する道徳的優越の根拠となってしまってはムスリム女性も救済されないのである。従軍慰安婦も同じ構図であるのだが、証言の検証の欠如は救済ポルノの粋を出ないなかりではなく、プロパガンダの道具として扱われることとなる。

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2018年12月07日Fri [14:28] 中東/アラブ  

限界の現代史 



内藤正典も他社ではそうでもないのだが、集英社新書だと編集の意向に沿った感じのものに仕上げてきているな。なぜか新書は岩波新書より左の集英社だが、この本も反米、反安倍、反西欧といったカラー前面煮出している。かといってイスラームが正義という訳ではないのだが、移民受け入れを巡る欧州の軋轢が単純な左右の二項対立で収まらない現実を伝えようとはしている。その前提として移民か難民なのかという論点があるのだが、日本でもかつて問題になった経済難民、偽装難民という実体を受け入れ派はどう認識するのかというところに収斂されるか。リベラルなドイツ人がそれは難民でなく、移民であると主張することを批判しているのだが、シリア→トルコ→ブルガリア→セルビア→ハンガリー→ドイツという道程で難民という地位が変わらないのかという疑問はある。ドイツに至るまでの通過する国々はなぜ難民を「保護」できないのかというと、経済的事情が国側、難民側双方にあると言わざるを得ない。

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2018年11月18日Sun [13:24] 中東/アラブ  

お隣りのイスラーム



内藤正典の「となりのイスラーム」よりずっと前に連載が始まったものらしい。ミシマ社がパクった訳だが、そんな野暮な事は言わない。内藤の様な学者ではなく、自分だからこそ意味があるのだという事なのだが、これはこれで池内恵や飯山陽辺りだと、疑問符を付けるかもしれん。森まゆみさんは思想信条とは距離を置く人だが、やはり谷根千と同じ様に人間バンザイ主義だから、ムスリムを外国人住民であるという以上の捉え方には限界が生じている。その意味ではイスラーム本というより、在日外国人本である訳だが、その辺が「相互理解」の壁にはあなるだろう。これだけ日本に溶け込んで暮らしているのだから、「お隣のイスラーム」は当然日本のことは理解しているという前提があって、一般の日本人がムスリムのことを理解していないということが軋轢や偏見の原因であるという結論になる訳だが、実際は日本人はイスラームを理解し受け入れるには改宗するしかないというのがムスリムの前提ではなかろうか。

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2018年11月09日Fri [02:37] 中東/アラブ  

国境なき助産師が行く



ちくまプリマー。タイトル通り「国境なき医師団」で活動している看護師の人だが、ちくまプリマーらしく、ダメダメ人間の私でも世界で活躍できたというポジティブ志向もの。岩波ジュニア辺りだったら意識高い系が出てきて、恵まれない人たちを世界の仲間たちと助け合うといった正義話になってしまいそうだが、難民キャンプの最前線にそんな夢物語は無い。ウンコの話ばかり出てくるのだが、汚物まみれで、正義の味方のはずの同僚は傲慢な人間ばかり、難民も難民で可哀想なお人形ではなく、生身の人間である。そうした現場だからこそ、エリート医師や優等生看護師ではない自分がやっていけるのだといった説得力があるのか、ないのかよく分からん話なのだが、成長物語でもあるし、YA層には身近に感じられるかもしれん。

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2018年10月27日Sat [13:34] 中東/アラブ  

イスラーム宗教警察



研究者の人なのだが、タイトルもカバーも完全に狙ったもの。亜紀書房だから学術書ではないのだが、一般の人向けに理解を広げるという事をやっていくことで、研究者も「知性主義」の呪縛から解かれるとは思う。「イスラーム宗教警察」もまた「イスラム原理主義」同様に、非イスラーム圏のレッテルに近い用語ではあるのだろうけど、入り口はなんでも良いし、例のフリージャーナリストだって、その部分の貢献はあるのかもしれん。宗教警察も別に思想弾圧が名目ではなく、勧善懲悪という命題に基づいているのだが、それが神の代理として権力を行使しているのか、権力者の代理としての行為なのかが、事の本質であろう。

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2018年10月12日Fri [12:20] 中東/アラブ  

「中東」の世界史



決定版通史とのこと。中東近代史に西洋の爪痕が刻まれていることには異論は無いのだが、その二項対立構造は現在の国家体制が続く限り、正に永続敗戦論的に続くものなのであろうか。インドネシアが独立したのは日本のおかげみたいな論理は西洋もまた中東で持っているのだろうが、アラビアのロレンスと快傑ハリマオの類似性もその辺に見いだせるか。もっとも西洋は近代社会自体を世界に啓蒙し作り上げたという自負がある訳で、その意味においては日本も「発見」され、西洋に学んで育てられた成功例ということになる。明治期に中国人が日本に留学する様になったのも、西洋近代思想習得の近道としてだが、その時期から始まっていた日本と中東世界の邂逅は逆に非西洋化の模索としての理念型だったのかもしれん。

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2018年09月16日Sun [03:26] 中東/アラブ  

物語アラビアの歴史

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このシリースなので、難敵は予想していたのだが、歯が立たんかった。歴史クラスタの先生もそんな事をツイートしていたので、自分の非力だけが理由ではないのだが、3000年の興亡のペース配分も計算通りで、自分がついていける現代史は350ページのうち20ページほど。先日読んだ池内本もアラブを単純化してはいけないという主張があったのだが、そもそもアラブというアイデンティティ自体が近大民族主義以降ではないかとも思ってしまう。こうしたアラブ世界の歴史が各国で共有されているのか分からんが、歴史認識とはつまり神学論争となるのであろうか。

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2018年09月15日Sat [00:28] 中東/アラブ  

シーア派とスンニ派

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中東紛争の本質はシーア派対スンニ派でもなく、パレスチナ問題でもない。池上彰にその辺のことをクレーム入れてきたのかどうか分からんが。me tooよりも、自分の書いたものを勝手に単純化されても困るということはあったのかもしれん。たしかに前者はキリスト教圏、保守に、後者は左翼に多く見られる言説だが、中東は教義やイデオロギーで対立している訳ではなかろう。例の大坂選手の件もそうだが、彼女が生活している訳でもない日本社会の差別や偏見に負けずにというテーゼをマスコミが用意するのも、その存在を海外に説明するのに便利だからで、中東の複雑な対立構図もまた外部に説明するにはそうしたテーゼが必要となるか。

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2018年09月05日Wed [04:48] 中東/アラブ  

戦火の欧州・中東関係史

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時系列も注釈も無くして、ただ読み易さに務めたとのこと。イスラム教徒迫害というだけなら中国もインドも同罪というか、現在進行系なのだが、なぜ欧米だけがテロの対象、憎しみの対象になるかというと、つまりオスマン帝国解体されたことに収斂できるか。ISの様な鬼っ子を生んだのもオスマン帝国解体の受益者として誕生した国家群な訳だが、その辺のアンビバレンスな感情は分からないでもない。欧州の移民二世が過激化するの同根の問題を孕んでいる気がする。

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2018年08月07日Tue [04:40] 中東/アラブ  

イスラームの歴史

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カトリックの修道女から宗教学者になった人らしく、イスラームの専門教育を受けたわけではないらしい。ただ、宗教を背景にした問題について、現在のポリコレ的見解を代弁することで重宝されているとのこと。イギリス人である様だが、従来の植民地的なイスラーム学の権威はもう駆逐されているのだろうか。バーナード・ルイスは最近亡くなったみたいだが、著者がその権威に取って代わったのかは分からん。日本でも池内恵が叩かれた事があったが、偏見を正すということが研究目的化されてしまうと、イスラームの平和、男女平等といった部分が過度に強調されることになり、そうではない現実はイスラーム的ではないという風になってしまう。それを原理主義の病という説明はできるのだが、原理主義はイスラームに限らず、元々の本家であるキリスト教、ユダヤ教、仏教にも原理主義があるという一般化がポリコレとしては正しいのか。

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