2017年02月19日Sun [06:12] 中東/アラブ  

「イスラム国」はテロの元凶ではない

「イスラム国」はテロの元凶ではない グローバル・ジハードという幻想 (集英社新書)「イスラム国」はテロの元凶ではない グローバル・ジハードという幻想 (集英社新書)
川上 泰徳

集英社 2016-12-16
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元朝日の中東プロパーだった人。朝日は定年までいたのかな。イスラム国も最近は新ネタがないから、乱立した新書も停戦といったところだが、ならば、イスラム国はテロの元凶ではないということにもなるか。かといって元凶はアメリカだとかイスラム差別だとか断言してしまえば、もはやジャーナリストとは呼べないだろう。トランプはまだアクションを起こしていないが、例えアメリカが完全に引き上げ、空爆もしませんということになってもテロが無くなる訳ではなかろうし、欧州各国が難民をすべて受け入れ、移民二世の社会支援を厚くしたところで、テロは無くならない。

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2017年02月18日Sat [05:14] 中東/アラブ  

失われた宗教を生きる人々

失われた宗教を生きる人々――中東の秘教を求めて (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズII―14)失われた宗教を生きる人々――中東の秘教を求めて (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズII―14)
ジェラード・ラッセル 青木 健

亜紀書房 2016-12-17
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イギリスの外交官らしい。元々アラビア語プロパーで、カトリックだそうだが、イスラーム牽制で、このテーマという見方は表向き否定している。シリア内戦とそれに伴うISの台頭で、ドゥルーズ派やヤズィード教が注目されているが、中東が多数派のイスラームと少数派のキリスト教徒という理解が十字軍的発想の根本にあるのだろう。実際には秘教とされる集団は大宗教の影響を受けなかった訳ではないのだが、むしろそれにより、生存が担保されてきたところがあろう。ちょっと驚くのが外交官である著者がイラクやイランといった国で、偶然出会った人の家に泊まったり、クルマに乗せてもらったりしていることで、最初にカイロに赴任したときから、大使に出来るだけ外に出て現地の人たちと触れ合う様に言われたのだという。米国大使館員だと、そんな真似はできないだろうが、英国外交官なんて、その次ぐらいにリスクが高いんじゃないのか。

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2017年01月24日Tue [04:19] 中東/アラブ  

オリエンタル・ファンタジー

オリエンタル・ファンタジー  -アラビアン・ナイトのおとぎ話ときらめく装飾の世界-オリエンタル・ファンタジー -アラビアン・ナイトのおとぎ話ときらめく装飾の世界-
海野 弘

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「アラビアン・ナイト」の装丁のカタログみたいなもの。ということで、描いているのは皆、ヨーロッパン人なのだが、こうして見ると、日本のアングラ漫画キャラの原型がある様な。当時というか今もかもしれんが、欧州にとって、オリエンタルは中東も遠東も極東も大した違いはなかったようで、孔子なども登場している。

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2017年01月07日Sat [05:53] 中東/アラブ  

アラー世代

アラー世代: イスラム過激派から若者たちを取り戻すためにアラー世代: イスラム過激派から若者たちを取り戻すために
アフマド マンスール Ahmad Mansour

晶文社 2016-11-25
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ドイツでムスリム向けソーシャルワーカーとして知られているパレスチナ系の人らしい。保守的な家庭に育ったが、イスラエルの大学に進むことで、過激思想から逃れられたが、目の前でテロが起こったりしたとことから、ドイツに移住。今度はドイツ人女性とルームシェアすることになり、その奔放な性生活を見せられたことから、サラフィー主義に傾く。そして脱過激主義と、ジェットコースターの様に揺れ動いた人だが、そうした経験がないと、今の様な脱過激主義の運動はできないのだろう。日本でも脱カルト運動圏の人はオウムでも統一教会でも集中攻撃に晒されるし、この著者もおそらく警察の保護下にあると思う。疎外感や父親不在といった条件が過激思想に走るムスリムの特徴らしいが、よく言われる失業などの経済問題、差別といったものは一義的要因ではない様だ。信仰で緩和できるのは精神的な事由に限られる。

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2016年12月28日Wed [05:47] 中東/アラブ  

中東から世界が崩れる

中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書 490)中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書 490)
高橋 和夫

NHK出版 2016-06-09
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酒井啓子は東京外語大に迎えられ、大野元裕は勢いで議員になれたまではよかったが、鳩山をイランに連れて行って、もう先が無い感じだが、イラク戦争以来お茶の間改札で生き残ったのはこの高橋和夫だけか、名前は売れても変わらず放送大教員というのは時間的制約が少ないからなのかな。アマゾンで高評価ばかりだけど、反米親イスラム反日無しだから読みやすいのかもしれん。非アラブ寄りで、イラン、トルコ推しだが、元々ペルシャ語出。アラブに否定的なのは学生時代以来かもしれん。とはいえ、アラブで国家なのはエジプトだけで、あとは国もどきというのは酷いな。分らなくもないが。

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2016年12月24日Sat [06:28] 中東/アラブ  

地図で見るアラブ世界ハンドブック

地図で見るアラブ世界ハンドブック地図で見るアラブ世界ハンドブック
マテュー ギデール Mathieu Guid`ere

原書房 2016-11-28
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フランス製。アラビア語教授資格者であるそうだが、アラブ系ではなさそう。フランスだと、今更といったところなのだろうが、高校生くらいのテキストなのだろうか。アラブ世界の多様性、民族、宗教の多層性に重点を置いている様にも感じる。フランス対イスラームは無論、フランス対アラブといった二項対立は避けたいのだろう。アラブ人にはそれぞれ帰属国家があって、フランスもその一つというのが線か。ナセル主義を評価しているのも「民族」「国家」が主体であるからなのだろうが、イスラームの信仰については触れていない。

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2016年12月23日Fri [06:32] 中東/アラブ  

ISの人質

ISの人質 13カ月の拘束、そして生還 (光文社新書)ISの人質 13カ月の拘束、そして生還 (光文社新書)
プク・ダムスゴー 山田 美明

光文社 2016-09-15
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光文社新書なんだな。写真カバーに500頁もある特別版だが、人質記も結構出ているから、新書の方が出るかもしれん。デンマーク人の元体操選手で自分探しカメラマン志望25歳という日本だったら、炎上しそうな人なのだが、ここで認めている身代金支払いは204万ユーロ。本物のデンマーク情報員だったという人の手記も最近出たけど、デンマークはほぼCIAFBIにMI5M6に頼っている状態なので、身代金を一切払わず、払っても殺される米英からの圧力はあったんだろう。日本は米英に同調して殺されたのだが、イラクの時までは払っていた訳だから、世論を見極めてのことだったのかもしれん。アメリカ人女性人質の末路は不確かとは言え、ここに書いてある様な事実があったとしたら、それだけでISはイスラームを標榜することはできなくなるだろう。

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2016年12月22日Thu [05:03] 中東/アラブ  

中東・エネルギー・地政学

中東・エネルギー・地政学中東・エネルギー・地政学
寺島 実郎

東洋経済新報社 2016-08-26
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このタイトル誰かと思ったら、寺島実郎かいな。中国本を出したこともあったが、三井物産で調査マンをしていたというから、中国よりは知っている地域なのかな。ただ、中東ではなく、ニューヨーク駐在であったので、ユダヤの掌の中で泳がされたいただけな印象も。本人はしたり顔でユダヤ人とはとかイスラームとかを論じているのだが、一昔前の「海外通」の枠は出ない。自分でどぶ板調査をした訳ではなく、ユダヤ・エリートとかの付き合いだけで思い込まされているだけの様な話が多い。キッシンジャーに会って1時間100万円だとか、ソロスに3回会ってウクライナの副首相を紹介されたとか、まあそういう権威主義だから、つまらんもの。

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2016年12月21日Wed [04:34] 中東/アラブ  

中東の絶望、そのリアル

戦場記者が、現地に暮らした20年――中東の絶望、そのリアル戦場記者が、現地に暮らした20年――中東の絶望、そのリアル
リチャード・エンゲル 冷泉彰彦

朝日新聞出版 2016-11-18
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アメリカで中東報道の顔となっている人らしい。13歳の時にマラケシュでジャーナリストを志し、カイロに留学し20年中東に過ごしているのだとか。こういうキャリアだと、日本ではイスラーム=平和原理主義者みたいになるのだが、何度も死体を見て、日常的にアメリカ人としてもテロの脅威に晒されていることもあり、現地への共感はほとんど見られない。もちろん改宗もしていないし、酒を呑んだり、女遊びしたり、カジノで残材したりといった古典的なストレス発散で持ちこたえているそうだ。離婚も経験しているらしい。統一教会系の英字紙記者からキャリアをスタートさせたということも関係しているのかもしれんが、特に韓国に言及しているところはない。アメリカでは幾らでもネイティブの移民記者がいるのだろうが、それだと、ここまで突き放してみることはできないか。

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2016年12月18日Sun [05:31] 中東/アラブ  

21世紀のイスラム過激派

21世紀のイスラム過激派:アルカイダからイスラム国まで21世紀のイスラム過激派:アルカイダからイスラム国まで
ジェイソン・バーク 木村 一浩

白水社 2016-11-15
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著者は「ガーディアン」などの特派員をした人らしい。訳者は共同のカイロ支局長。著者とは知り合いなのだろう。木村三浩と関係あるのかは分からん。「イスラム過激派」を邦題に冠するのは最近では珍しいが、宮田律の推薦もあるのか。特に何かを掘り下げている訳ではなく、かつて取材した節々の事件のまとめみたいなもの。欧米では普通なのかもしれんが、イスラーム世界への共感はほとんど無し。サイクス=ピコとかイスラエル、植民地支配の歴史も全く関係ない。西洋で麻薬や犯罪などの堕落した生活を送っている移民出自の若者が刑務所やネット、モスクなどで洗脳され、自堕落な生活に追い込んだ西洋を憎み、過激思想に引き込まれるというまあ一般的な見方。過激派を追い出して、失業問題を解決すれば、中東も平穏になるかと言えば、それはなかろう。

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2016年12月06日Tue [04:40] 中東/アラブ  

サイクス=ピコ協定百年の呪縛

【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)
池内 恵

新潮社 2016-05-27
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新潮新書の中のブックレットという位置づけなのか。これから続巻が出るのだろうが、140頁くらいだから、ブックレットと選書の中間くらいか。何でもサイクス=ピコの責任にするのは、何でも「日韓併合」のせいにするのと似た様なものなのだが、常識的に考えれば、その後の時間の方が何倍も経っているのだから、サイクス=ピコ協定が無かったら、歴史も変わっていたというのは幻想にすぎない。池内恵は映画の「アラビアのロレンス」も評価しているのだが、この辺もシンパがマジョリティの日本の中東研究界と一線を画しているのかもしれん。続巻は何が来るのか分からんが。「サイクス=ピコ協定百年の呪縛」は日本は日本にもあるということか。

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2016年12月03日Sat [05:14] 中東/アラブ  

中東崩壊

中東崩壊 (日経プレミアシリーズ)中東崩壊 (日経プレミアシリーズ)
日本経済新聞社

日本経済新聞出版社 2016-11-09
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中国本も中東本も、既存の本批判で始まるものが多いのだが、中東の場合は研究者もジャーナリストもシンパがほとんどだから、、「中東崩壊」がカウンターになるのか。まあ日経は中国でも今まで散々投資を煽っておきながら、方針転換して、「中国バブル崩壊」とか出したから、中東もそれに倣わないと恰好つかないところはあろう。日経の中東プロパーはぱっと思い浮かばんのだが、石油屋が多いのかもしれん。中東崩壊と言っても、中国バブル崩壊などとは違って、とっくのとうに崩壊している様なもので、ここ何十年、戦火も絶えなければ、難民も絶えない。言わば崩壊が恒常化しているのだが、エジプト、トルコ、イラン、サウジのビッグ4に揺らぎが来ているのが危険信号なのか。

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