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2021年04月08日Thu [14:16] 中東/アラブ  

教育とエンパワーメント



明石のイスラム・ジェンダー・スタディーズ第三弾。これも教育が平等装置として機能するのかという考察にはなるかと思うが、そもそも男女の役割を区別しているイスラムの前提における教育とは別学思考である。具体的に共学か別学かということではなく、女子が男子と同じ教育を受けることにより男女間の格差が無くなるという前提ではないし、男女はそもそも社会的にも別物という思想である。イスラムに於ける教育とは何かと言えばコーランの学習であり、近代化の糧としての教育ではないのだが、ボコハラムの様な女子教育の否定を旗印に掲げる存在が趨勢である訳もない。近代化に立ち遅れたという意識が教育の重要性を認識させたという点では日本と同じであるが、そうした出発点に立つ以上、教育モデルとしての西欧のシステムを導入することも植民地支配とは別に必然ではあった。イスラム教育の最高峰とされたアズハル大学に女子部が創設されたのもなぜアズハルに女子部が無いのかという疑問が積み重なったからだそうだが、世俗教育であっても留学するなら西欧ではなくイスラム圏という希望は現在でも特に女子には根強いものがある様だ。マレーシアの大学がそうした受け皿になっているのだが、ハラル認証ビジネスの様な批判はあるのだろうか。

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2021年03月21日Sun [16:28] 中東/アラブ  

アラブは、美しい。



ペンブックスまだ続いていたのか。オリエンタリズム全開のタイトルもそうだが、その性格上、西洋中心主義は枷ではなく、必然ではあるか。イスラム教では世俗的表現で人や動物を描くこと禁じている訳ではないことを記しているのはアラブ美術が宗教的表現法に影響されるところが多々であるからなのだろうが、アラブは、美しい。と称されるのもこうした工芸品に偏っているのは否めない。人物画、動物画展の開催に支障があるとは思えんが、イスラムの統一性とアラブの多様性を展示する試みはあっても良いか。

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2021年02月17日Wed [02:03] 中東/アラブ  

宗教別おもてなしマニュアル



たしかに全然マニュアルでも何でもないのだが、マジのマニュアル本は薄っぺらい知識で書かれた??みたいのばかりなので、その辺に対するアンチテーゼにはなっているか。とはいえ、宗教学者が宗教意識啓蒙の為に書いたというのでは全くなく、この著者の場合、一物書きという立場を崩さないといか、崩せないので、あくまで一般人向け読み物に徹している。イスラム、ヒンズー、ユダヤ教となっているが、その多くをイスラムが占めているのは義弟がトルコ人ということで、家族目線でもある。例によって、妹はトルコで年の差婚(14歳上)したみたいだが、今のところ、順調に日本で暮らしているとのこと。泰葉とかエバンゲリオンの人みたいなパターンもあろうが、日本人女性トルコ人男性の外見ではこのくらいが釣り合いがとれるのかもれん。ムハンマドの最初の嫁が15歳上だったとか、将来的に2番目、3番目が担保されているといったこととは無関係であろう。トルコに多い世俗派で酒も飲むとのことだが、これは将来的には何とも言えん。ある日突然目覚めるということは十分にある訳で、島田の出番はその時になってからではあろう。

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トランプ時代も終わりそうなので、親イランの宮田律は反米の旗を降ろす日が来るのかもしれんが、バイデンがイランと正常化に戻して、サウジ、イスラエルと距離を置くようになるとも限らんか。同じ年寄りでも、トランプみたいに長年オーナー経営をしていた人ではないから、取り巻きに流されると思うが、トランプの違いを出すのに分かりやすい人権が旗印になろう。そうなるとサウジもイランもアウトで「中東唯一の民主主義国家」イスラエルはOKという風にはなるんだけど、問題はサウジ対イランなので、早速、サウジがイスラエルにすり寄ったりししてきた。その点、イランの原理原則は革命国家である以上、サウジよりは融通が利かないというのはあるか。

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2020年12月04日Fri [14:55] 中東/アラブ  

プロパガンダ戦争 



最初からこのテーマで決まっていたのか、新書を出すということだけが決まっていたのか分らんが、専門の範囲であった今までの著書とは違ってまとまらない印象。自身はジャーナリストではないが、その周囲にいる者という位置づけも弁明っぽいし、当然、このテーマだとトルコとイスラームだけという訳にもいかないので、あっちゃこっちゃである。コロナで大学もオンラインになって、情報源の重要性が増したということがあるみたいだが、アルジャジーラを常日頃視る環境にある学生も少ないだろうし、それ以前にメディアの重要性というものが世界的に意味を失っているのではないかと思う。

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2020年07月18日Sat [17:51] 中東/アラブ  

越境する社会運動



明石の「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」。me too運動とイスラーム・ジェンダー問題は対立軸になるのかならないのかという議論「はイスラームは平和な宗教なのか否かという議論と似ているところがあるのだが、突き詰めればイスラーム社会に蔓延る「女性差別」は伝統なのか教義なのかということなのであろう。その象徴とされた女性器切除などはイスラーム圏だけではなく、他地域ににも他宗教にあるのだが、これをムスリマの「義務」や「権利」と位置付ける主張は主流ではない。社会運動として一般化するには、「人権」の普遍化が必要でもある。イスラエルの女性運動がパレスチナ女性と連帯するのもその文脈であるが、日本のフェミ界隈同様、政治色を排除できるほどの一般化には成功していない様である。興味深いのは在日パキスタン人2世以降の結婚事情であるが、そういう問題が顕在化する時の経過もさることながら、そのほとんどが見合い結婚であるというのは意外であった。男性の場合はパキスタンから女性を娶るケースが多数であることは想像に難くないが、女性の場合、在外パキスタン人の男性に嫁ぐケースが多いという。男性が仕事をして女性が支えるというパキスタンの価値観に従えば、日本語ができないパキスタン人が日本社会で仕事をするのは困難であるという判断があり、日本育ちのパキスタン人女性がパキスタンで暮らすという選択もまた難しいところがある様だ。日本社会で育ったパキスタン人が日本の価値観ではなく、パキスタンの価値観を結婚に求めるのはアイデンティティ的にもエスニックリバイバルだとしても自然であると思われる。

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2020年07月01日Wed [02:40] 中東/アラブ  

中東テロリズムは終わらない



よく知らんのだが、TBSの夜のニュースのキャスターをしている人らしい。筑紫の後継者なのかな。TBSの中東支局長だったそうだが、中東支局はロンドンにあるとのことでズッコけた。中南米はマイアミ、アフリカはパリを拠点とした方がフットワークは至便ということもあるのだが、中東間のフライトはそれなりにあるんじゃないのか。単純にフライト数で言えば、トルコ航空のイスタンブールとかエミレーツのドバイの方が利便性は高いはずなのだが、ロンドンには「イスラム過激派」も集結しているし、取材中に官憲に消される心配もない(とは言い切れない)ということなのかな。イラク戦争時代の話が多いので、その時代にいたのかなと思ったのだが、ロンドンに着いた日に例の後藤さん湯川さんの事件が報じられたそうだから、そんな昔でもないか。基本的にテレビなので、取材というより画を撮るのがメインなので、あまり書籍向きではない。

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2020年02月03日Mon [02:16] 中東/アラブ  

日本のイスラーム



年齢は非公表だが、90年代からイスラーム研究を続けていて、上智大学アジア文化研究所客員所員という肩書は飯山陽と被るな。こりらは現代書館、朝日新聞出版という左派系版元から出している人なので、ちょっと毛色は異なるのだが、読んでみると飯山陽に近いところも感じる。前著の感想にも☆3つ付けていたところをみると、イスラムは平和主義啓蒙派とは距離を置く池内飯山組にどちらかというと近い方なのかもしれない。「イスラーム」、「クルアーン」などの用語法とイスラーム歴史宗教解説という「義理」をまず果たしておいて、専門である日本とムスリムの邂逅に移る。エルトゥールル号事件をエピックとしたのは意外であったが、親日神話化されたこの話に野田正太郎は登場しているのだろうか。著者は国策であった戦前のイスラーム関係よりも80年代の出稼ぎブームを日本のイスラーム関係の最大のエポックと見ているのだが、女性のイスラーム研究者として出稼ぎムスリムと対峙した経験が単純なイスラーム至上主義に陥らなくなった要素ではあった様だ。そう書いてはいないし、既婚であったかもしれんが、日本人女性と結婚したいという願望をあらゆる人から直接的に受け続けると、ビザ目当て、結納金無し目当てであるという不信感は生ずるのは必然ではあるか。飯山陽などはそれを海外で受けてきたとも思われるが、「日本」というフィルターが欠けていれば、非ムスリム東洋人女性は「売春婦」といった色眼鏡が加わることも容易に想像はできる。かといって、著者(改宗しているかどうかは不明)がイスラーム批判をしている訳ではないし、日本社会の不寛容を糾弾してもいない。要は肩ひじ張って、イスラームを理解する必要はなく、自然体で対峙すれば良いというだけであるか。

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2019年11月29日Fri [14:52] 中東/アラブ  

イスラム世界を訪ねて



かもがわ。野外活動教育をしている人みたいで、日教組関係なのかどうかは分からん。初っ端から反米かませるけど、これはアラブ世界に行けばそう言われるということだけではあるか。その後、原爆を落とされた日本はなぜアメリカに従属するのか、原爆を落とされた日本が西洋化せずに経済大国になったのはスゴいと左と右では言われることが違うのだが、大方のアラブ人はどっちも言わんだろうから、発信者がそう聞こえたと思っただけの話である。そもそも共産党とイスラム教が相容れる訳もない(その辺は中国もソ連も日共も同じ)のだが、日共はパレスチナ支援もしていないということで、多文化共生というタテマエにはなっている。例によって、子どもをダシに使う訳だが、アメリカがーとならないのは教育テキストになるからか。

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2019年11月08日Fri [15:00] 中東/アラブ  

国家を食べる 

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朝日を退職してもう12年。77歳になるのか。さすがに新規取材ものではない様だが、代表作の「アフリカを食べる」をその他バージョンで作ってみたという感じ。中東、北アフリカの飯ものに加えて、カラシニコフ爺さんが作ってくれた料理まで入れてある。何でも食う、出されたものは食べるというのが海外取材系ジャーナリストの鉄則なのだが、年取れば、食も細るし、病気の食事制限も出てくる。70過ぎて紛争地行けというのは酷であろう。

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2019年11月03日Sun [14:07] 中東/アラブ  

紛争地の看護師

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国境なき医師団の宣伝ものであるので、かなりメディアに取り上げられた様だ。甘レビュも総絶賛で46も。ジャーナリストになりたかったというのも、戦場の現実を伝えたいからということであったので、これでその希望は叶えられたか。その希望を伝えるためにジャーナリストに会いにいったところ、軽くあしらわれたということで、もしかしてあの広河かと思ったのだが、後半に広河の映画の話が出てくるので、違う人なのだろう。監修したという川上泰徳でもないか。戦争や仕事の話ばかりでなく、自分の話を書くというのがこの種の本の決め手であるのだが、その辺は押さえてある。

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2019年09月24日Tue [16:07] 中東/アラブ  

外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?

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内藤 正典
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内藤正典のYA本は前にもあったと思ったのだが、ミシマ社とちくまプリマーか。いずれもイスラーム関係であったが、今回は幅をもう少し広げている。背景として、移民受け入れ政策、研修生制度問題、ヘイトスピーチ等々があったのだろうが、韓国、アジア関係のシマは荒らさず、持ち場であるドイツの事情を中心に未来像としての日本社会と外国人の話など。ただ、クルド人難民が大きなイシューとはいえ、欧州の様に中東系ムスリムが日本の外国人のマジョリティになるといった現実は考えにくく、ムスリムに限っても、近似性があるインドネシア人や、バングラデシュ人などの南アジア系が大量に移民してくるという事もなさそう。ベトナムやネパールがこれからも継続して来日するかは分からんが、宗教に起因する軋轢、衝突といったものが日本で深刻な社会不安を引き起こす可能性は大きくなさそう。ドイツのトルコ人にしても、家族呼び寄せ→在独コミュニティの拡大→二世以降のアイデンティティ不安といったプロセスを踏む訳だが、同じプロセスであった在日朝鮮人、中国残留孤児、日系ブラジル人といった定住社会の日本のプル要因が関係性が白紙の国に発動するのかというのも疑問ではある。留学生の就職、定住化といったところが一番しっくりくるところだが、それとて、一大エスニック社会を形成するには数十年単位が必要であろうし、いすれにしても、欧州で起きていることが、日本で起きるかどうかは微妙ではある。

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