![]() | 幸福大国ブータン―王妃が語る桃源郷の素顔 (2007/10) ドルジェ・ワンモ・ワンチュック 商品詳細を見る |
副題が「王妃が語る桃源郷の素顔」となっているが、著者は正確には「元王妃」、2006年に退位した前国王には4人の妃がいたそうで、その一番年長の人らしいが、現国王の母ではない模様。冒頭のカラーページに、「婚礼の儀の王妃たち」という4人の王妃の写真が載っていて、五女、四女、著者、三女となっている。ということは著者は次女ということなんだろうけど、ん?「王妃」が姉妹?「王女」と勘違いかと思った。どうも、前国王は四姉妹を一気に嫁に貰った様で、それが慣習らしい。四人妻というと、イスラームが有名だが、一気に四姉妹と結婚するなんて話は聞いたことがない。昔、周潤發の映画で姉妹に惚れて二人と結婚する為にイスラームに改宗するなんてフザケタ映画(それを除けば映画自体は面白い)があったが、湾岸は知らんがブルネイ国王だって、嫁が古女房になってから、若いのを貰うというパターンだろう。しかし、日本でいまどき、六人姉妹なんて家はそうないと思うが、そういう家系は「縁起もの」として、お妃候補として四人ぐらいまとめて面倒みてもいいんじゃないかな。まあ、そんなことしたら「女性天皇」論者に怒鳴られそうだが。で、本の話に戻ると、「語る」となっているくらいだから、テープ起こしものなんだろう。ただ、著者には父の話をもとに家族の歴史を描いた前著があるらしい。そんな「語り」を原書の半分くらいと、佛教大学(京都のね)での文字通りの「語り」である講演記録を加えたもので、訳者は例によって今枝由郎だが、原書は仏語ではなく、当然ゾンカ語でもなく英語らしい。しかし、「お」とか「こ」が異様に読みにくいフォントを使っているのはなせだ。まあ王家の人の話だから、例のGNHに沿ったユートピアを語っているに過ぎないのだが、ネパールの王政廃止がいよいよ現実味を帯びてきた今、国内のネパール系の問題は、そんな悠長なことを言っていられない状況であることはたしかだろう。シッキムやチベットといった「兄弟国」が大国に併合されて久しいし、人民解放軍とインド軍の越境行為も続いているらしい。ネパールとチベットの状況次第では、ここで印中代理戦争が勃発する可能性もゼロではなかろう。その防波堤が「幸福パワー」というのも、如何にも頼りないのだが、さすがに「無防備宣言」みたいなアホなマネはしていない様で、著者の息子(元王子となるのか)も、両親の反対にも関わらず、国土防衛隊に志願したのだとさ。








