2016年08月04日Thu [05:03] バングラデシュ  

バングラデシュ成長企業

バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔
タハミド・モイヌル 姫田小夏

カナリアコミュニケーションズ 2016-04-13
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カナリヤのいつものやつなのだが、今までのとは全然違うな。前のは企業パンフレット集みたいのだったが、ちゃんと年鑑みたいになっている。トップ(とは限らんが)のインタビューもリアルで取ってきた感じ。米英の大卒以外はほとんどダッカ大卒。白手起家タイプは見当たらん。国柄としてそうなるか。事件前ということあるが、やはり最大のウリは「親日国」ということで、カナリヤが誘導しているのかもしれんが、社長衆が異口同音に日本大好きを宣言している。バングラデシュはパキスタンから独立した経緯があるから、親パの中国とは当初から微妙な関係にあり、ダッカの中国領事館が大学で文革を扇動したとして問題になったこともあった。その記憶があるという訳でもなかろうが、「世界」の中国に対する期待は中国人や中国しか「世界」を知らない日本人みたいにバラ色なものではない場合がほとんど。バングラデシュの企業家もそうだが、中国に従順な日本は「アジア」の求める日本像ではない。

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2016年02月08日Mon [02:33] バングラデシュ  

990円のジーンズがつくられるのはなぜ?

990円のジーンズがつくられるのはなぜ?: ファストファッションの工場で起こっていること990円のジーンズがつくられるのはなぜ?: ファストファッションの工場で起こっていること
長田 華子

合同出版 2016-01-15
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お茶の水の博論を御茶の水書房から出したら、合同出版から声が掛かったらしい。990円のジーンズはそれほど驚くほどの価格ではないが、ファストファッション勢は値段が高めだから、数字のインパクトは無いか。バングラデシュのボランティアに行って、留学したというのは山口絵理子と同じで、年齢も1歳しか違わないので、面識はあるのだろうが、やはり実学と虚学の違いと言ったものは感じる。著者も別にユニクロで買うなと言っている訳ではなく、価格に5%を上乗せして、労働者の福利厚生に当てるのが解決策としているのだが、これはどうか。問題は5%という数字ではなく、その分が確実に労働者に還元できるシステムが構築できるのかということではなかろうか。

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「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう
税所篤快

飛鳥新社 2013-06-11
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バングラデシュの「ドラゴン桜」その後編。社会貢献でもワタミのブラックぶりが暴露されていたりもするのだが、そうした意識の高い系有名人を著者がベンチマークしているのは何だか。方法論としてはカネ、マスコミ、人脈の三本柱だから王道なのだけど、段々とくだらない精神論に毒されていっているみたいで残念である。就職先は区会議員辺りになるんだろうけど、10年20年先くらいに国会議員まで辿りついたら、最後に鼎談している田村某みたいなくだらない野郎になっているんだろうな。

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2013年12月29日Sun [02:31] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

バングラデシュ国づくり奮闘記

バングラデシュ国づくり奮闘記――アジア「新・新興国」から日本へのメッセージバングラデシュ国づくり奮闘記――アジア「新・新興国」から日本へのメッセージ
池田 洋一郎

英治出版 2013-10-24
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財務省から世銀に出向してバングラデシュ事務所勤務となった著者なのだが、ハーバード留学本なども出しており、自己啓発臭いノリ。世銀は別に官僚を辞めて入った訳ではないので、何が挑戦なのか分からんが、キャリア組はそういう道は断るものなのかな。ハーバードも世銀も国民の血税を使っている訳だから、その辺は忘れないで欲しいとは思うけど、国費で留学して学位取得後に転職されるよりはマシか。具体的な世銀の仕事が何なのかはよく分からんのだが、調査レポート書きだけなのかな。日本の出資金を含めた融資プロジェクトは政治担当がやっているのだろうけど、バングラデシュ辺りだと、小規模から大規模まで途上国経済のデパートみたいなところがあるから、若手の研修には持って来いだろう。グラミン銀行については全面擁護だけど、バングラデシュというかマイクロクレジットの世界ではユヌスはアンタッチャブルなのかも。

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2013年07月18日Thu [04:01] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

バウルを探して

バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌
川内 有緒

幻冬舎 2013-02-14
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パリ駐在の国連職員が作家に転身と言うと、日本の常識は世界の非常識の説教パターンかなとも思ったのだが、この著者はもっとオールラウンドな道を求めている様だ。そこであえて、全く縁の無い国でテーマを探したのだろう。わずか12日間の旅に結果を凝縮させたのも、ある意味、能力のPRだと思うが、それがライターのセールスポイントというもの。バウルは知られざるものでもないし、人口1億数千のバングラデシュも地球の片隅ではないのだが、伝えるのは貧困ではなく非効率、宗教の寛容性に伝統文化というのは何か国連の方針を地で行っている気も。

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2011年08月18日Thu [14:42] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

前へ!前へ!前へ!

前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ―前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ―
税所篤快

木楽舎 2011-04-09
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たとえ高校の成績が悪かったとしても、両国高から早稲田に入った者を落ちこぼれを自称するのはどうかと思うが、足立区も23区では異端と言えるが自虐ネタが多いな。そんな「落ちこぼれ」(これも死語っぽいが)を救ったのが東進スクールのDVD授業だったということで、次に魅せられたグラミン銀行でバングラデシュにおけるDVD授業を使った「ドラゴン桜」を画策する。お約束の自分語りやお子様ギャグは現役大学生だから致し方ないところなのだが、学校に行けない目がキラキラした子どもたちの為に学校を建てるとか、そういったワンパターンとはちょっと違う点は気に入った。グラミンに惹かれて、秋田だの福岡だのまで偉い大学の先生を訪ねていったりする行動力よりも、それだけ入れ揚げたグラミンの官僚体制から逸脱して、独立して自分の信じる道を突き進んだ方が感心した。現実的に言えば、学校に行ったことがないストリートチルドレンとか貧しい家の子どもたちを小学校に行かせるよりも、農村の成績の良い子どもに高等教育を受けさせる方が、開発経済的には効果があるかと思う。まがりなりにも義務教育が施行されている国で、それまで学校に行けなかった子どもたちを援助して学校にやったとしても、義務教育以上の教育を受けさせるのは困難だろうし、そうした形で学校に行く子どもたちが増えると、教育を受けたとういうことのアドバンテージも効かなくなる。バングラデシュの人口は日本とあまり変わらない以上、受験戦争があって、受験生は予備校に通うという共通点があるのは当然だろう。そこに日本の東進のノウハウを持ち込む術はあるのだが、そうしたことをバングラデシュでやろう考える柔軟さは若者特有のものかもしれない。バングラデシュの日本人社会起業家として有名なのはハンドメイドバッグの人だが、彼女にしても援助と被援助という関係性に疑問を持ったからこそビジネスとして成功したのであり、社会起業家と呼ばれることには抵抗があるかと思う。この若者の課題はこれから社会起業をあくまで一つのツールとしたビジネスモデルの確立であろう。

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2011年05月10日Tue [23:06] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

バングラデシュ経済がわかる本

成長著しい「次の新興国マーケット」 バングラデシュ経済がわかる本成長著しい「次の新興国マーケット」 バングラデシュ経済がわかる本
南谷 猛 浅井 宏 松尾範久

徳間書店 2011-03-29
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これは珍しいバングラデシュ経済本。世界第7位の人口を持ち、市場としてもチャイナプラスワンの生産基地としても有望なのに、あまりビジネス本を見かけないのはなぜだろう。そんな新興市場に目をつけたのが証券業界出身の著者3人なのだが、いずれも同志社の法、商、経済の出だという。業界の同窓会ででも知り合ったのだろうか。ということで、バングラデシュ株式市場の話が詳しいのだが、バングラデシュ株への投資はあまり食指が動かんな。何でも市場は近代化されておりドイツ銀行などは投資を推奨しているらしい。そんなバングラデシュ経済の中で例外的に日本でも有名なのはグラミン銀行である訳なのだが、この銀行とユヌス総裁の評判が日本および世界とバングラデシュ国内では微妙な温度差があることをこの本でも伝えている。実際マイクロクレジット自体がユヌスのアイディアではないし、国内のマイクロクレジット最大手は別組織となると、最近の退任騒動はともかくノーベル賞受賞というその国際的名声をやっかむ人たちも出てこよう。それにしてもバングラデシュ人の好きな国、重要な国いずれも日本が1位というのは何ゆえ。実際に大量進出している韓国と中国は評判が悪いというのだから、その裏返しというより、真打ちの登場を待ち焦がれているのか。

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2011年01月01日Sat [22:06] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

貧困からの自由

貧困からの自由―世界最大のNGO-BRACとアベッド総裁の軌跡―貧困からの自由―世界最大のNGO-BRACとアベッド総裁の軌跡―
イアン スマイリー 笠原 清志(監訳)

明石書店 2010-10-13
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たしかに、ユヌス総裁とグラミン銀行には世界的知名度で劣るのだが、このアベッド総裁とBRACというのはバングラデッシュでは無論、世界最大のNGO組織なのだそうだ。ということで、同国産業の主力にNGOが登場するくらいに、産業としても携帯電話事業など多角化を進めているのだが、そうした点が実際は一企業でありながら、マイクロクレジットに特化し、カリスマ性も誇るユヌス率いるグラミン銀行にその評価で後塵を排している理由なのかもしれない。自らが国際NGOの創始者でもある著者は、ユヌスが欧米各国を批判しながら、その資金を欧米から引き出していることに不満がある様で、ビジネスとしてゲイツ財団からも資金供与を受けるこのBRACのアベッド総裁への称揚もそうしたところが関係しているのかもしれない。ただ、世界最大のNGOやノーベル平和賞受賞者の銀行があっても、バングラデッシュが貧困から抜け出しているとは、とても言えない。その地形や人口が足かせになっているとはいえ、やはり国の政治と連動していない部分が世界の水準を上回ったところで、それが国の発展を表しているのでなく、貧困の現実を浮き彫りにしているのであれば、底辺からの改革が国家の開発独裁より有効であるという証左にはならないのである。

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2009年10月25日Sun [12:51] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

バングラデシュの歴史

バングラデシュの歴史 (世界歴史叢書)バングラデシュの歴史 (世界歴史叢書)

明石書店 2009-08-31
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明石の世界史叢書だけど、著者は元バングラデシュ大使。バングラデシュの前任がレバノン大使だったそうで、なんとこのシリーズの「レバノンの歴史」も同じこの著者。大使ものも数あれど、その地のプロパーでもないのに、全く違う赴任地の歴史書を2冊認めるとは大したもの。たしかにレバノンにしてもバングラデシュにしても、通史が不足というか、ほとんど日本ではなかった訳だが、そうしたところが著者を奮い立たせる一因となった様だ。英書のタネ本はナンボでもあるので、素人でも歴史書の一冊や二冊書くことは可能なのかもしれないが、著者はバングラデシュ或はインドで刊行されている歴史書、つまり「正史」をあたっている様で、従来、英国経由で日本に伝えられていた歴史との矛盾点をも指摘している。たしかに、限られた軍事力の英国があの広大なインド亜大陸を占領できたかというのは不思議に思うところで、一般的解釈のインド人が無抵抗だったとか、蕃王国の協力があったという見方は一面的に過ぎない様だ。有名なセポイの乱以外にも抵抗運動があったことは事実なのだろうが、それを強調するのも「正史」の役割とも言える。そんな複雑な「インド亜大陸史」にあって、バングラデシュ史の展開はイギリスに対する抵抗(もっともそれより前も抵抗の歴史なのだが)が終わっても、パキスタン、更にはインドに対して抵抗してきた歴史なので、あの過酷な地形とあの人口だけが現代バングラデシュの悲劇を司っている訳ではない。それでも「外敵」に対する抵抗は「国史」と成り得るが、最大の抵抗が「内なる敵」に対してであって、その構図は現在でも変わらない。独立してまだ40年経たない若い国であるが、600頁近い大著の半分くらいは独立以前の話。政争に関しては実地体験してきたことなのだろうが、それにしてもよく勉強する大使である。

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2009年09月30日Wed [02:48] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

貧困のない世界を創る

貧困のない世界を創る貧困のない世界を創る
猪熊弘子

早川書房 2008-10-24
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今更、説明するまでもないグラミン銀行総裁の本なのだが、これまでのマイクロ・クレジットからソーシャル・ビジネスの方に重点を移している様だ。ダノンとの合弁の話を軸として、ソーシャル・ビジネスの可能性を滔々と説いてるのだが、ソーシャル・ビジネスの定義が配当を行わず、利益を資本投下するというものであるなら、現在稼業中の大多数の企業と何処が違うのかという気がしないでもない。グラミン・グループが既にバングラデシュ有数の財閥と化していることは聞いてはいたのだが、ダノンにしても、北欧の携帯事業社にしても結局、グラミンのブランド力を利用したまでの話ではなかろうか。携帯はまだしもダノンの参入は競争力のない地場メーカーが淘汰されるだろうし、携帯も携帯で、先日放映されたBS特集でによると、利権を得た北欧企業は自国内の規制とは、かけ離れた極めて危険なアンテナ設置を行っているという。それがグラミンのブランド力で免罪される訳ではないが、いい隠れ蓑になっていることはたしかだろう。いくらソーシャル・ビジネスだ、エコだ、フェア・トレードだと言い張っても、そのこと自体が看板になっている様では、普通の広告宣伝と変わることはない。ビジネスである以上、銭儲けに貴賎はないのだ。ただ、資本主義が貧困を招いているのではなく、白猫でも黒猫でも資本を投下しなければ貧困も解消されないというのは事実である。グラミンを成功モデルとして確立させるには、大企業を巻き込む必要性があるのかもしれない。

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2009年03月06日Fri [01:53] バングラデシュ | 本・雑誌 |読書メモ  

開発途上国の都市環境 

開発途上国の都市環境―バングラデシュ・ダカ持続可能な社会の希求開発途上国の都市環境―バングラデシュ・ダカ持続可能な社会の希求
三宅 博之

明石書店 2008-03
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バングラデシュのフィールドワークものというと、そのほとんどが農村モノということになってしまうのだけど、そうした風潮に対する異議申し立てなのか、こちらは都市に拘ったフィールドワーク。タイトルにもある様に「都市環境」をテーマにしたもので、副題には「バングラデシュ・ダカ 持続可能社会の希求」ということで、「環境」と「持続可能社会」という先進国的な問題意識が開発途上国でも必要という意図なのかもしれない。博論ものではなく、既出の原稿が元ということで、論文というより、調査報告書みたいな体裁なのだが、その分、余計な「色」が入らず、すっきり読めた。ODAとかNGOには色々言いたいこともあったのだろうが、あくまで「都市環境」の一要素として記述してあるのみで、NGOについてはバングラデシュ人の有力な就職先として評価している。バングラデシュの人口構成と政治経済事情を考えると、就職は氷河期どころか、永久凍土みたいなものであることは想像に難くないのだが、その中にあってNGOは唯一といっていいほど、マトモな勤め口らしい。ネパールでも似た様な話を聞いているが、NGOもそうした効用があるものだ。その分、政府が無策であるという証でもあるのだが、インドでNGOが発展した経緯をモデルにしているところもあるのだろう。発展途上国の都市環境というと、スラムにばかり着目されてしまうのだが、清掃、屎尿、下水道、廃棄物処理といった「スラム」と関係ありそうな調査をしながら、「スラム」の生活に焦点を当てたりはしていない。淡々とゴミ処理問題のデータを並べられると、それが東京とダッカという、まるで異世界の様な二つの都市にも共通する都市問題があるということに気が付かされる。

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2008年10月24日Fri [21:45] バングラデシュ | 本・雑誌 |感想  

聖者たちの国へ

聖者たちの国へ―ベンガルの宗教文化誌 (NHKブックス (1117))聖者たちの国へ―ベンガルの宗教文化誌 (NHKブックス (1117))
外川 昌彦

日本放送出版協会 2008-07
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NHKブックスには珍しいフィールドワークもの。著者はカルカッタ大に留学経験があり、ベンガル語での著作もある人らしい。なんでも学術的論考は世界思想社から近々出る著作に記すとのことで、こちらは同人誌に掲載したものを元としたらしい。専門書と新書・選書の二本立て使い分けを出来るのも、効率的な出版環境に恵まれている研究者と言えよう。という訳で「ベンガルの宗教文化誌」はバングラデシュの聖者信仰を中心としたもの。ご承知の通り、彼の地の主体はイスラームであるのだが、非シーア派世界でも、聖者信仰は特殊なものということでもない様だ。著者はインド側との比較などを通して、イスラーム以前のベンガル人の信仰との連綿性を検証しているのだが、現在のバングラデシュの地に仏教が栄え、それが日本まで伝播された経緯を考えると、ベンガル人の信仰世界と日本人の信仰世界は何がしかの共通点があっても不思議ではあるまい。タゴールがサダル・ストリートで神秘的なヴィジョンを目の当たりにしたというのは知らなかったが、現代の日本の若者もパラゴンの屋上辺りで「神秘的なヴィジョン」を目の当たりにした者がまた少なくないのではないかと思う。ロシア人力士たちもまた神秘的なヴィジョンを目の当たりにすることを求めたのだと思うが、これも彼らに土俵上で神秘的ビジョンを目の当たりさせることができなかった日本の国技が、神事性を失っているということの証左になるのではなかろうか。

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