![]() | アカディアンの過去と現在―知られざるフランス語系カナダ人 (2007/01) 市川 慎一 商品詳細を見る |
フランス語系カナダ人については、その多くを占めるケベコワについてしか知る余地がなかったのだが、この本のテーマであるアカディアンは、それとは別系統のフランス語系とのこと。言わばフランス語系カナダ人の少数派といったところなのだが、ケベックの様に「領土」を有している訳ではなく、かつての「アカディア」はノヴァ・スコシアに存在していたのだが、英領になった後、フランス語系住民は追放され、カナダやアメリカ各地に離散。その後、帰還は叶ったものの、ケベックの様なフランス語文化の保持には至らず、英語化が進んだらしい。その中で、エスニック・リバイバルブームからアカディアンのアイデンティティを主張する人々が多く現れ始めているというのが最近の事情らしい。英語系カナダ人のみならず、ケベックのフランス語系カナダ人でもアカディアンのことを知らない人がいるなど、まさに「知られざるフランス語系カナダ人」なのだが、彩流社はたまにこうしたマイノリティーにスポットを当てた本を出してくる。著者は早稲田の仏文系の先生で慶應に出講し、このアカディアンをとりあげたとのことだが、早稲田からも、カナダ政府からも研究助成金を受けた研究を物語風にやさしく仕上げたとのこと。現在でもフランス海外自治体として残るサン=ピエール・エ・ミクロン島の訪問記などもあって、割と気軽に読める。「飛び地研究」などをしている人にはたまらない話が満載なのだが、言語系の人にとっても興味深いのでは。















