![]() ビルマ商人の日本訪問記 (別世界との出会い 2) 土橋 泰子 連合出版 2007-10 売り上げランキング : 150505 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
連合出版の古書復刊シリーズ「別世界との出会い」もこれで読了。唯一の非西洋人の手になるこの本が、たぶん一番面白い。時代背景を考えれば当然なんだけど、やはり、「西が出会あう東」より、「東が出会う東」の方が安心して読める部分はある。これは1936年の話というから、226事件とかがあった年にあたるのだが、本格的に戦時体制に入ってるわけでもなく、ビルマ商人の眼に映った日本の姿はかくも洗練されたものであったのか。ビルマ語でビルマ国内向けに出されたものだから、啓蒙の意図が前面に出ていることは当然なのだが、著者が独立戦争中にアウンサンの下で働いたことを鑑みると、これがアウンサンの日本観にも影響を与えた可能性があるのかもしれない。国をイギリス人に支配され、インド人と中国人に経済を支配され、ラングーンの港に着けば、税官吏もインド人、クーリーまでインド人という状況では、日本人が国も経済も動かし、日本人が働くという至極当然な日本という国家も、アジアの例外であったことがよく分かる。そんな中でもマレー人とビルマ人が最低の状態であるとした著者も、独立後に、そのマレー人にすら大差をつけられてしまう状況に陥るとは想像だにしなかっただろう。その意味では著者が「日本という鏡」に託したビルマの未来は未だ映らずといったところだが、国民国家が完成するまでに強権を発揮することが出来るカリスマの不在が大きかったのだろうか。著者は1963年に亡くなったそうだが、ともかくも国の独立をみたことと、国が近隣諸国の経済発展から取り残される姿をみなかったことだけでも幸せだったのかもしれない。この書の初訳出は1980年から1983年まで鹿児島大学の紀要に連載されたものらしい。訳者はビルマプロパーの大ベテランの人みたいだが、当時からしても40年以上前の話のウラを丁寧に一つ一つ、とっていく作業を怠らず、感心してしまう。連載が3年も続いたというのは、こうした事情があったのかもしれないが、日本人訳者として、「日本人の美徳」というものを裏切ってはならないという風な圧力を、この本から感じたのもかもしれない。なお、ビルマ本の宿命である国名表記の問題についても明確であった。
「ビルマとは俺のことかとバマー言い」














