FC2ブログ
2021年03月21日Sun [16:08] フィリピン  

日本占領下のレイテ島



たしかにこの辺のテーマはミクロ的視点よりもマクロ的立ち位置を求められる空気はあるのだが、当然ながら、歴史は事象であって、表象ではないので、歴史認識をイデオロギー化させてはいけない。一方で、研究は評価、批判を経るものである以上、対抗言説が目的化するのも必然ではあるので、こうしたミクロに徹した史料の積み重ねは中立性の担保を意味するものではなく、本来の歴史研究の在り様であるはずである。現代フィリピンの暴力性の嚆矢を日本統治時代に求めるのは一見、イデオロギー的解釈にも思えるが、階級敵、人種的基盤を以て分断統治が図られた植民地時代に対して日本占領下では「実力」がものを言う時代になったとは言えよう。カネや名誉よりも武器の力ということであるが、日本軍の火器を今でも保持している人たちと著者は対面してきたらしい。スペイン系や華人、或いはカトリックといった既存の権威権力を失墜させた日本軍占領がもたらした功罪を考えるとき、現在に繋がる視点は人権や思想といった空想論ではないと思える。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑



ビジネスとか政治とかで大成功した人らしいのだが、もう75歳なので、商材屋で稼げる年齢ではないか。セブの話は殆どなくて、その10倍くらい田中角栄の言葉で埋められているというよく分らんものだが、自分の会社では知能が必要だから大卒しか雇わないとしているのに、中卒の角栄(正確には違う)は学歴など関係ないことを教えてくれるとかしている。これを読んだらゼロからお金持ちになれるとか本人も思っていないだろうが、本当のお金持ちはどんな本を読んできたのだろうかというのは気になる。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2020年12月15日Tue [02:57] フィリピン  

インディペンデント映画の逆襲



タイトルは誤解を招きそうだが、副題が正しい。フィリピン映画は全てインディペンデントみたいなものかもしれんが、主流であるアクション、Ⅴシネっぽいものではなく、海外映画祭に招待される様な社会問題を折り込んだものが対象らしい。ちょっと前に投資詐欺かなんかでフィリピンに逃げた奴が手前主演の映画を作って、その売り上げで返済するつもりだったとか無茶苦茶な弁明をしていたのを思い出したが、その手の映画ではなく、多くは海外留学して映画を学べる環境にある作家のものである。著者は国際交流基金のフィリピン・プロパーらしいが、貧困ポルノ的な映画から海外ロケを展開するディアスポラ・フィリピン人映画へのシフトがここ最近の流れらしい。中でも日本は定住者の割合が多いだけにそれだけドラマ化しやすいというのはあるのだが、中国やタイなどでヒット映画を出している日本観光ロケものも最近出てきているらしい。ここでも北海道人気は根強いのだが、日本や日本人はあくまで背景に過ぎない所謂ロスト・イン・トランスレーション的映画いよいよフィリピンでも作られる様になったか。英語が通じない奇妙な国・日本という背景はフィリピンの様な国では特に使えるものだと思うが、それは日本映画が散々やってきたことであるので、我々が撮られる番になったというkとおであろう。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2020年09月10日Thu [03:22] フィリピン  

ハーフの子供たち



息の長いノンフィクションライターだが、ウィキでは評論家となっていた。「全裸監督」がブレイクしたのは知っているが、この人が原作者か。実際にAV業界にいて、男優もしていたらしい。ということで、「ハーフ」が題材でも、同じくネトフリで全世界にブレイクした「反差別」ものではない。フィリピン人ハーフに的を絞っていることもあるのだが、おそらく中国、韓国に次ぐ、或いは絞いでいるかもしれん日比ハーフで、反差別界隈にコミットしているのは元AKBの秋元才加くらいか。よく言えば現実主義的、悪く言えば社会意識欠如ということになるのだろうが、その辺は在日ブラジル人同様、2つの国の国家間矛盾に影響されない、母国の階層的差別を知っている以上、日本に平等を期待していていた訳ではないというのもあるか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2020年03月02日Mon [20:20] フィリピン  

フィリピン流幸せに生きるコツ 



版元のフリープレスは自費屋っぽいが、ホムペ見ると、編プロらしい。ヨメレバだと、山本雅子(里親運動)と表示されるのだが、本の略歴は山本雅子(通称マコちゃん)。別にマコちゃんという子の里親になっている訳ではない様だ。この著者もカトリック稼業みたいだが、社会科教師ではなく、幼稚園教諭だったそうで、そういったイデオロギー関連ものではない。ミンダナオの山奥にいる日本人シスターに会いに行ったのがフィリピンとの縁だったそうだが、統一教会本になったシスターとは違う人なのかな。結局、その人ではなく別の日本人神父のところに行ったそうだが、それ以降、その組織で活動しているとのこと。基本的にフィリピンの子どもは貧しくても、目がキラキラというものだが、そう思わんとやっていけないだろうし、そう思わないと信仰を捨てることにもなるか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2020年02月16日Sun [15:06] フィリピン  

半径50メートルの世界



「日刊まにら新聞」の記者らしい。ここには当たりをとった人がいたので、その二匹目のということではないのだろうが、タイトル通り、フィリピンの話というより、自分の身の回りの話。フィリピン大学留学も野村進に肖ってかもしれんが、元々、ルポ志望なのか、初物は自分のことを書くという原則に従ったのかは分からん。ただ、作品になっての違和感がこのタイトルにした所以なのかな。フィリピン定番の貧困問題から、宗教問題、ドゥテルテまで押さえているのだが、やはり「半径50メートル」の範囲でネタにするとなると、限界がある。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2019年05月19日Sun [13:50] フィリピン  

橋の下のゴールド



高文研には珍しい海外ノンフィクションものだが、著者はプロの活動家らしいので、その関係か。ATD第四世界という団体をググってみたら、中国語のページが先に出てくる。本部はパリとのことで、ATDとはAide a Toute detresseなのか。第四インターというと、革共同だけど、この団体の立ち位置は分からん。国境なき系と同じ西洋お助け式か。第四世界なのに本部がパリというのは利便性はあるが、こうしたフィリピンの活動家エリートの吸い上げはしている様だ。物語自体が安手なのはお助けしたい人たちのニーズに合わせてだろうが。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年11月17日Sat [02:33] フィリピン  

だれも置き去りにしない



高給取りの英国人ビジネスマンが仕事を辞め、フィリピンの貧しい人たちを救うソーシャル・ビジネスの現場を訪ね歩くという話なのだが、著者個人の自分語りばかりで、肝心のソーシャル・ビジネスがどういうものなのかがよく分からんかった。キリスト教的奉仕の精神ではそれが一義的となる訳だが、堕落した資本主義の精神から解放されることこそ先進国の民の救済になるのだろうし、そういうところに入り口を置いておく理由はあるか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年09月18日Tue [04:24] フィリピン  

フィリピンふれあい紀行 

フィリピンふれあい紀行フィリピンふれあい紀行
為我井 輝忠

文芸社 2018-03-01
売り上げランキング : 564869

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


文芸社。為我井(ためがい)と読むのか、全国名字ランキング 6,776位。約1400人だそうだ。日中友好サークル「わんりぃ」機関紙に連載したフィリピン日本語教師滞在記というもの。わんりぃのホムペは30年くらいデザイン変更せずに更新している感じ。わんりぃは玩日かなと思ったが、万里か。イデオロギーっぽことはやっていない昔ながらの老友好スタイルの様だ。ためがい先生も本当は中国に生きたかったのかもしれんが、中国だともう昔みたいに定年組の日本語教師は受け入れ先がないのかもしれん。ビザや何やらも厳しくなってタダとか月500元とかという訳にもいかんだろうし。でもってフィリピンなのだが、バギオの虹とかいう本を持ち上げているのが気になる。東海大学の教育機関で英語教師を勤めていたというのだが、統一教会の信者さんなのだろうか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年09月10日Mon [05:13] フィリピン  

楽しい「フィリピーノ」

楽しい「フィリピーノ」 死ねないキリギリス達楽しい「フィリピーノ」 死ねないキリギリス達
藤原 勉 藤原 和美

東京図書出版 2017-04-06
売り上げランキング : 882082

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ヤギの専門家の人だそうで、定年後かに夫婦でフィリピンに移住したとのこと。ただ、フィリピンの研究機関に所属となったみたいで、もしかしたらJICAのシニボラだったのかもしれん。副題の死ねないキリギリスが何を意味するのか分からんが、日本の地方国立で教えていたこの年齢の人がフィリピンで暮らすとなると、順応には時間がかかるか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年04月23日Mon [05:06] フィリピン  

消えない差異と生きる

消えない差異と生きる──南部フィリピンのイスラームとキリスト教 (ブックレット《アジアを学ぼう》)消えない差異と生きる──南部フィリピンのイスラームとキリスト教 (ブックレット《アジアを学ぼう》)
吉澤 あすな

風響社 2018-01-10
売り上げランキング : 455142

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


風響社アジアを学ぼう。松下スカラシップの体験談にも出てた人かな。現在は会社勤めみたいなので、在野の研究者ということになるのかもしれんが、知るためのに書いた分を含め、このテーマ一本の様だ。フィリピンは土地勘が無いのでよく分からんが、著者がフィルワしていたというミンダナオ島イリガン市というところはそれほど「過激派」の勢力が強くないのか。南米でもそうなのだが、カトリックの衰退要因は宗教離れでもイスラーム化でもなく、米国のメガチャーチなどのプロテスタント系の宣教なのだが、フィリピンの場合だと、その辺が逆にムスリムとの差異化に繋がっている様でもある。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年02月20日Tue [03:47] フィリピン  

フィリピンパブ嬢の社会学

フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象

新潮社 2017-02-16
売り上げランキング : 11454

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


院生の論文焼き直しか何かと思ったのだが、予想と違う、成長物語であった。ピースボートで知り合った松本仁一が書かせたものらしく、論文調だったものを編集したのだという。指導教官にフィリピンパブ嬢と付き合っていることを明かしたら、怒ってすぐ別れなさいと言われたというのだが、社会学教員でも、こういう「教育者」はよくいる。とある反差別界隈の先駆者もそういう人であったことを思い出したが、「水商売」蔑視は教育現場では致し方ないことなのだろうか。慰安婦騒動でも根本に「被害者」以外の人格を認めない差別があると私は見ているのだが、そうした博愛的救出論が学問の正当性を担保しているのだろう。著者の状況でピースボート乗船は無理がある気がしたのだが、それは物語の設定上必要なのであろう。とにもかくにも、出会った船上講師が松本仁一であったことが幸いであったのだが、「被害者」だの「サバイバー」だのの物語の代弁をすることで悦に入るより、己の原罪は自身の物語で洗い流すべきであるな。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑