2017年08月29日Tue [05:58] グアム・サイパン  

戦禍を記念する

戦禍を記念する――グアム・サイパンの歴史と記憶戦禍を記念する――グアム・サイパンの歴史と記憶
キース・L.カマチョ 西村 明

岩波書店 2016-09-28
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チャモロ人の研究者らしい。グアム生まれのサイパン人とのことだが、サイパンからグアムへの移民は断続的に数百年も続いているから、いつの時代のサイパン人なのかは分からん。とりあえず、グアムにもサイパンにもチャモロにもアイデンティがあるということなのだろう。そうなると、アメリカ、フィリピン、日本、スペインなども相対化される訳で、日本の統治も「良き時代」という記憶は否定されるものではない様だ。この辺、島国と大陸の民の違いでもあるのだが、台湾と韓国の違いもそれに関係している様な気もする。「性奴隷」という言葉は使われているが、それはUCLAのポリコレ用語みたいなもので、日本人兵士を攻めるものでもなく、チャモロ人女性を卑下するものではないのだという。アメリカはスペインと日本からチャモロ人を2度解放したという物語を作る訳だが、それをアメリカの領内に留まるという実利的な理由で受け入れている様な感じなのだろうか。

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2015年08月24日Mon [23:52] グアム・サイパン  

南洋と私

南洋と私南洋と私
寺尾 紗穂

リトル・モア 2015-07-27
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川島芳子の評伝を書いた修論が文春新書となった著者。その後、聞かないとと思ったのだが、私が聞かないだけであって、歌手としてもライターとしても着々と仕事をこなしてきたらしい。最近は原発労働者について書いたものが講談社現代新書で出たみたいだが、川島芳子にしても原発労働者にしてもどれも雛形となる作品がありそうな。その点、この本は野村進のがそうなのだろうが、ノンフィクションというより、著者の取材記といったものである。

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生き抜いて、サイパン玉砕戦とハンセン病生き抜いて、サイパン玉砕戦とハンセン病
有村 敏春 福岡 安則

創土社 2011-11
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福岡安則はハンセン病のオラヒスを行ってきたらしいが、そのうちの1人の物語。聞き書きではなく独白採録みたいな形をとっていて、ハンセン病の話を聞きにいったら、差別とかは特に話すことはなく、話したいのはサイパン戦のことだったという妙なオラヒス。それをそのまま本にしてしまうのも面白いのだが、この語り手は自民党系の患者団体にいた人で、党員でもあったらしい。それで差別など無いよとか、二階堂とか自民政治家を称賛したり、果てはサイパンには従軍慰安所はなかった。海軍はそんなものは必要が無いとか言っているので、人権屋の福岡が注釈で反証するという妙なもの。ただ、個別のヒストリーはそれぞれある訳で、それ自体を否定はしていないのだが、そういうことを言いたいが為に単体書籍化したのかなあ。

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グアム・サイパン・マリアナ諸島を知るための54章 (エリア・スタディーズ 105)グアム・サイパン・マリアナ諸島を知るための54章 (エリア・スタディーズ 105)
中山 京子

明石書店 2012-08-02
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グアム・サイパンは前に出ていたと思ったのだが、これが初版か。明石は「入門グアム・チャモロの歴史と文化」というのを出していて、その執筆陣がそのまま横滑りしたらしい。明石テイストは健在ながら、このシリーズも震災以降に出たものはその関連で「日本との絆」を強調する章がお約束で、結局、どの国も「親日」じゃんってことになってしまう。まあ北朝鮮以外はある意味中韓も含めて、どこも「親日」と言えるのだが、やはり国の大小とかカネの多少とか恩着せ戦略とかでなく、打算無しという気持ちは伝わるものである。しかし、定番の文学とか映画はなくて、スポーツは闘鶏かいな。チャモロ・ナショナリズムが最近興ったものであることは分かるのだが、爺さん婆さんの世代は民話を誰も知らなくて、学校で習った孫が祖父母に教えているというのは面白い。

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海外の日本語シリーズ2 マリアナ諸島に残存する日本語: ーその中間言語的特徴ー海外の日本語シリーズ2 マリアナ諸島に残存する日本語: ーその中間言語的特徴ー
ダニエル ロング 新井 正人 真田 信治

明治書院 2012-04-12
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明治書院の「海外の日本語シリーズ」、台湾に続いて第2弾で、この後、第3弾として樺太が出るみたいだが、「歴史的経緯」で日本語が残存しているのはこの3つか。樺太はよく分からんが、生きた日本語としてはパラグアイ、ボリビア、そしてブラジルの例はあるけど、これはリンガフランカではなくコロニア言語だから別口かもしれん。マリアナ諸島の日本語人は結構知られていることかと思うが、サイパンって1930年時点で日本人が人口の80%を占めていたのか。こうなると日本語は文字通りのマジョリティ言語ということになり、支配者言語とか以前にチャモロ人が日本語の必要性を意識するのは必然であろう。食べるのものといった、動詞+「の」言葉に関してチャモロ語の影響としているのだが、台湾人とか中国人の日本語にもこれはよくある。私は「的」を「の」に変換したものかと思っていたのだが、マリアナの「日本人」のマジョリティが沖縄出身者であったりすることや、地理的に小笠原なども言語的関係性があるらしい。日本人以外に朝鮮人という少なくない集団がいたり、元より島民も多民族多言語であった訳だから、リンガフランカの有用性というものは認識するに十分であったろう。

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2011年12月31日Sat [00:41] グアム・サイパン | 本・雑誌 |読書メモ  

玉と砕けず

玉と砕けず―大場大尉・サイパンの戦い玉と砕けず―大場大尉・サイパンの戦い
秋元 健治

現代書館 2011-02
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例の大場大尉の映画は別に観たいとまでは思わんのだが、最近読んだガイドブック2冊ではよく分からんとこもあったので、一応ハードカバーのこれを読んでみた。反戦自衛官のものほどではないが、現代書館だし、まえがきにらしくないことも書いてあったのだが、日本人による大場大尉の話かと思いきや、アメリカの視点で終始進み、大場大尉が登場す角は半分を過ぎてからという変わったものだった。戦闘の経緯は米軍側の史料の方が玉砕とか投降した側よりは詳細で史実に近いのかもしれんが、一貫して戦場を舞台にした内容で、大場大尉の評伝と言えるものはほとんどない。わずかに教員から軍に入ったことと、戦後に会社社長と町会議員を務めたと記載されている程度。

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サイパン&テニアン戦跡完全ガイド―玉砕と自決の島を歩くサイパン&テニアン戦跡完全ガイド―玉砕と自決の島を歩く
小西 誠

社会批評社 2011-02
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グアム編の方を先に読んだが、こっちの方が先に出ていた反戦自衛官の戦跡ガイド。グアム編の感想でもちょっと書いたけど、北マリアナも入管が米国の管轄になって、「テロの組織に入ったことがありますか?逮捕されたことがありますか?」と聞かれるとこちらの本には記してある。正に著者は両方ともビンゴなのだが、イエスと答えたのだろうか。今は事前審査制になってあらかじめ身元は洗われている様だが、テロの組織はともかく、タイホされた経験があって、入国カードで「不実記載」をとがめられるなんてことはあるのだろうか。送検されなければよい、起訴されなければよい、軽犯罪ならよい、無罪ならよいとか色々な説があるのだが、この辺は米国もわざと曖昧にしているのだろう。日本の警察とか検察が米国に情報提供しているとも考えられないが、最近の警察のデータ流出の件などは意外と米国が関与して、警察の機密保持のチェックだったのかもしれん。その後の羽田の件もあるし、分からんね。とりあえず小西誠クラスなら入国(本土は知らんが)できるということか。

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2011年11月27日Sun [01:29] グアム・サイパン | 本・雑誌 |読書メモ  

グアム戦跡完全ガイド

グアム戦跡完全ガイド―観光案内にない戦争の傷跡グアム戦跡完全ガイド―観光案内にない戦争の傷跡
小西 誠

社会批評社 2011-07
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中核派の反戦自衛官の人か。名前は知っていたのだが、軍事ジャーナリストであることも社会批評社の創業者で社長であることは知らんかった。まあそうした色が出ているものではあるのだが、前の山川のと同様「太平洋の奇跡」という映画を観ていることうぃ前提にしている。そんな映画が公開されたことも知らなかったのが、「サイパン編」も先に出ていて、政治的拘りがなければたぶん山川のよりは実用に供するかと思う。しかし、中核派からは変節呼ばわりされているらしいが、グアムの入国審査には引っ掛からなかったのか。

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2011年10月22日Sat [14:43] グアム・サイパン | 本・雑誌 |読書メモ  

詳説図解 サイパンの戦い

詳説図解 サイパンの戦い―「大場栄大尉」を読み解く詳説図解 サイパンの戦い―「大場栄大尉」を読み解く
近現代史編纂会

山川出版社 2011-01-31
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めくってみたら、すごく鮮明なカラー写真で投降する日本兵の姿などが掲載されていて、さすが米軍はこんな最前線でもカラーフィルムを持ち込んでいたのかと思ったのだが、これは最近作られた映画のカットだった。巻頭がその映画の「紙上ロードショー」で、副題の大場栄大尉がその主人公らしいのだが、山川もらしくないタイアップなどするものだから、アマゾンのレビューでも中身と全然関係ねえじゃんと叩かれている。タイアップと副題という便乗さえなければ、トピック形式の山川らしいもので、ふくろうの本などより分りやすいかとも思うのだが、どうも色気が出てしまった様だね。

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沖縄の海兵隊はグアムへ行く―米軍のグアム統合計画沖縄の海兵隊はグアムへ行く―米軍のグアム統合計画
吉田 健正

高文研 2010-02
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高文研の本なのでアレだし、社民党がこういう主張をしていることは知っていたのだが、グアム移転で丸く収まるなら鳩山が政治生命を懸けて(早く議員も辞めろ)まで、辺野古に拘る理由がよく分からん。まあ中国が沖縄領有に色目を使い出した以上、米軍はまだ番犬としては役に立つのかもしれんかど、沖縄の人が官民上げて反対しているものを強行することもなかろう。移転費用も一時的に1ドル60円くらいまでに持っていけば、何とかできないものかな。グアムが如何に基地を必要としているかも書かれているのだが、基地経済の恩恵はチャモロよりフィリピン人が握りそう。一番良いのは尖閣諸島への移転だが、日本がインフラ整えて米軍に引き渡した後で、中国に「返還」されるなんて事態になるかもね。

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入門 グアム・チャモロの歴史と文化―もうひとつのグアムガイト―入門 グアム・チャモロの歴史と文化―もうひとつのグアムガイト―

明石書店 2010-03-20
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明石で「もうひとつの」とくれば、大体、知られざる「侵略の歴史」の話なのだが、パールハーバーのハワイ編に続いてのシリーズらしい。その「歴史認識」を日本人が、チャモロ文化を現地のチャモロ学習局長が担当した共著のテキスト。チャモロ学習局長の方は内容に懸念を持ったのか、日本人観光客に何ら悪い感情を持ったことありません。みなさん素敵です。とか記しているのだが、共著者の日本人はグアムでのほほんと観光しないで、負の歴史を勉強してくださいというスタンスの様だ。ただ、グアムに行ってもフィリピン人とか中国人とか韓国人ばっかりに接するということもあろうから、チャモロ文化に興味を持ってくれるだけで学習局長は満足なのかもしれん。まあ日本人としては「大宮島」について知って然るべきかと思うが、スペイン、アメリカの統治下がチャモロの人たちにとって平和だったのかというと、それは疑問。その問題点についても触れられてはいるのだが、現在のチャモロ語人口は10%程度で、チャモロ語の語彙の8割はスペイン語起源となると2年程度の統治に過ぎなかった日本がチャモロの文化を破壊したとするのは、それは否定できないせよ過大評価な気もする。

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2008年07月13日Sun [01:08] グアム・サイパン | 本・雑誌 |読書メモ  

グアムと日本人 

グアムと日本人―戦争を埋立てた楽園 (岩波新書 新赤版 1083)グアムと日本人―戦争を埋立てた楽園 (岩波新書 新赤版 1083)
(2007/07)
山口 誠

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名誉教授ものが多い岩波新書にあって1973年生まれの著者というのはかなり若い方だと思うが、その辺が本来の岩波であれば、日本占領中の話で完結してしまうこのテーマを「戦後」中心に持ってこさせたのだろうか。しっかり「大宮島」の過酷な日本支配から始まり、来たなと思ったのだが、一章も終わらぬうちに終戦となって、「横井さん」の話になる。横井さんが亡くなられたのは最近だった思うが、著者は「ヨコイさん」のボケキャラをテレビで目撃できた最後の世代だろう。小野田さんにその座を奪われるまでヨコイさんはスターだった様だが(私のスターは中村輝夫)、お見合い結婚した横井さんの新婚旅行はグアムだったとは知らなかった。それが帰国してから1年後の話というのもスゴイが、当時の新婚旅行メッカであった宮崎かその座を奪いとるために仕掛けた観光宣伝だったらしい。「ヒョーショージョー」のパンナムなどが一役かったらしいが、当の横井さんは不満タラタラだったとか。まあそうだろう。そんな感じで戦後グアム観光史が続くのだが、「ロンリー・プラネット」に言及して「地球の歩き方」の登場を一つの時代の幕開けとしているのは、パックツアーでなくバックパッカーで海外デビューするのが当たり前となった世代がいよいよ学術界でも主流になりつつあることを感じさせられる。なんでも著者もこれを持ってインド、東南アジアに行ったクチで、グアムにゴルフに行く父をバカにしていたのだという。オーストラリアに留学する時に、グアム乗換え(COだな)した時も、パックツアー客と一緒にされるのがイヤで外に出る気などなかったのだとか。そんなパッカーの意地は大学准教授の今では無意味なものだろうが、「歩き方」から消された「大宮島」の歴史や戦争遺跡をツアー客に啓蒙することで密かな抵抗としている様だ。巻末には岩波新書らしからぬミニガイドもついている。しかし、JALパックとかのツアー客や、「日本人の教会」で式を挙げるカップルが岩波新書をスーツケースに押し込むことはあまりないだろう。その昔、ペルーで持っていた岩波新書を毛沢東語録だと思われて軍隊に捕まった日本人なら知っているが。

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