FC2ブログ
2021年01月22日Fri [15:15] インドネシア  

楽園の島と忘れられたジェノサイド 



先に中公新書の方を読んだ時に思った通り、こちらはミクロ事例であって、その前に出した岩波全書がマクロ、中公新書が日本や世界との関わりを中心とした総論、この千倉がミクロ、ケースタといったところか。バリの事例はまり日本では馴染みが無いというか知られていないので、それ単体で本にしること難しかったかもしれんが、新書とセットなら相乗効果も期待できる。もうバリもかつての様なバリパライメージは廃れているし、楽園の島より、俗化された観光島といった感じはあるのだが、この騒乱が全国規模で、ムスリム文化圏以外でも生じていたという事を知るのは良いテキストだと思う。中国関係漁っている人にとっては、チベットでもウイグルでも生じた文革との類似性を想起させられるだろうが、事実、両者は同時代の関連した出来事ではあるので、文革の普遍性という文脈で語られるものなのかもしれない。その上で、バリ・ヒンドゥーとムスリムの対立構造が浮き彫りになっている訳で、ヒンドゥー王族がPKIの側に付いたのはよくある貴族の赤化だけが理由ではなかろう。中国の関与が常に問題にされるが、国軍にPKIが勢力を持ってしまったことが決定的要因であったことは窺える。逆に言えば、反体制側が軍隊を否定している限り安泰なのかもしれんが。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2021年01月10日Sun [03:22] インドネシア  

インドネシア大虐殺



去年、同時期に2冊出したんだな。数年前に出した岩波のと共に被るんだろうが、意外とこちらは独特な観点であった。入口として新書を用意して、具体的に大虐殺がどんなものだったを読みたい人は千倉でどうぞといった感じだろうか。バリの大虐殺を書いていたら新書に収まらなくなってしまって、分書化したのかもしれん。千倉真理の方は近いうちに読む予定。そんなこんなで新書のスペースが余ったからかもしれんが、こちらは国際編といったところ。毛沢東が虐殺を指示したというのはもう確定事項なのか。あくまで中国の歴史認識は被害者側でこれからも変わらんだろうが。珍しいのは在外インドネシア人がどうなったかということの記録で、留学生がソ連、中国に多くいたが、日本にも相当数いたらしい。日本にいた留学生はソ連や中国みたいに政治色があった訳ではなかろうが、PKIの秘密党員などもいて、日本電波ニュースなどが受け入れていたらしい。なんでも南昌に亡命インドネシア人が集められたそうで、日本人の妻子を連れて中国入りしたインドネシア人もいたとのこと。当時は文革中であり、亡命政権として軍事教練などもあったそうだが、過酷な環境から、香港やミャンマーなどに逃亡した人が多く、前出の日本人妻は離婚して帰国したらしい。他にも北朝鮮とか東欧にも少なからずのインドネシア人留学生がいて、キューバにもコミュニティがあった様だ。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2019年08月19日Mon [19:40] インドネシア  

スカルノ



世界史リブレット人。さすがスカルノはカブラルと違って、アマゾンでずらっと出てくる。デビ夫人という強力コンテンツがあることもあるが、世界史人的にもスハルトを凌駕してインドネシアナンバーワンであり続けるであろう。BSで「世界の独裁者夫人」というシリーズでデビ夫人が出てきて、違うだろう観があったのだが、スカルノ自身の弱点は女性にあったのではないかという事は第二夫人(デビは第三)の話などを読んで思った。スカルノは第一夫人と結婚する前に2度の結婚歴があって、第二夫人との結婚で第一夫人と離婚したが、第三夫人としてデビ夫人と結婚。までは分かったが、ウィキで見ると、その他に4人と結婚しているみたいで、計9人って事?

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年11月15日Thu [05:10] インドネシア  

「大東亜共栄圏」と幻のスマトラ鉄道 



彩流社はたまに「じゃない系」のも出してくるので、著者も初見だし、タイトルだけではどっちの側のか分からんかったのだが、彩流本流の方だった。内海愛子や高嶋伸欣、池田恵理子といった人が関係している様だが、スマトラ占領時代が専門である一方、環境学博士であり、地球温暖化本も何冊か出している様だ。ただ、これもイデオロギーが関係しているっぽい。スマトラと地球温暖化の繋がりは不自然ではないのだが、学問領域の枠を超えているのは珍しい。「ロームシャ」を素っ裸で働かせたという話があるのだが、そのロームシャの民族によっても違うが、懲罰的な意味ではないのか。余りの酷暑で日本人が素っ裸で働くということはあったかもしれんので、虐待の意味合いがあるのかは分からん。BC級裁判で死刑判決が下したのはオランダが一番で米国よりも多かったというのもそれだけ日本の占領が過酷であったというより、復讐の意味が強かったのであろう。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年09月28日Fri [06:41] インドネシア  

二〇世紀前半インドネシアのイスラーム運動



毎度おなじみブックレットアジアを学ぼうだけど、まだ院生なのか。インドネシア親日論には否定も肯定もしないと宣言している。台湾についても似た議論があるのだが、台湾と違って、インドネシアは政治より宗教が基軸であるから、台湾以上に親日反日論争は現地の事情とかけ離れているのではないかという事か。台湾だと本当に日本の軍人を神として祀ってある廟などあるのだが、インドネシア人、少なくともムスリムはそんな事は想像だにできないから、イスラームの価値基準に於いて日本は判断されるしかない。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

インドネシア少年の抗日・対オランダ独立戦争 (インドネシア歴史コミック オオワシ部隊)インドネシア少年の抗日・対オランダ独立戦争 (インドネシア歴史コミック オオワシ部隊)
エドナ・キャロライン

めこん 2017-08-25
売り上げランキング : 149006

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


フィクションとうう断りはあるものの、インドネシア独立正史に則ったもの。独立の英雄譚はどの国にもあって、無ければ作って史実化するのだが、インドネシアは史実化も国内完結だし、日本やオランダに「歴史認識の一致」を求めている訳ではない。何よりその「史実」は根拠のある物語なのである。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2018年06月24日Sun [02:54] インドネシア  

インドネシアはポスト・チャイナとなるのか

インドネシアはポスト・チャイナとなるのか ーアジア巨大市場の10年後ーインドネシアはポスト・チャイナとなるのか ーアジア巨大市場の10年後ー
鷲田 祐一 編著

同文舘出版 2018-05-03
売り上げランキング : 235728

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


一橋の鷲田ゼミ本らしい。一橋は元々の商学系はマトモであるか。学生なので、インドネシアと中国を比較対象するという課題はこなせても、その意味にタイトル以上の命題がある訳ではない。無印良品がインドネシアで苦戦して、中国で成功したのはインドネシアはモダンの段階で、中国はポスト・モダンの段階で進出したからだといった感じ。中国が国内にモダンもポスト・モダンも抱えている様に、インドネシアもポスト・モダン層はあると思うが、その差は日本との距離感ではなかろうか。欧米ブランドに対して日本ブランドが第一選択肢になる段階がポスト・モダンという訳か。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年12月29日Fri [05:02] インドネシア  

ガパパ! 

ガパパ!  〜AKB48でパッとしなかった私が海を渡りインドネシアでもっとも有名な日本人になるまでガパパ! 〜AKB48でパッとしなかった私が海を渡りインドネシアでもっとも有名な日本人になるまで
仲川遥香

ミライカナイ 2016-12-20
売り上げランキング : 59386

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


AKBシステムが未だよく分かっていないのだが、48人いないというのは定番のツッコミネタなのか。なぜ48なのかというのは別に淫靡な理由ではないのだろうけど、さすがにインドネシアでは制約があるのではないかと思ったのはもう5年も前の話か。ムンバイ48もでみるみたいで、インドネシアでOKならインドもありだろう。この仲川遥香さんはフォロワー数が世界何位という人だそうだが、蒼井空老師同様世界クラスという訳ではない。ただインドネシアでは五輪真弓、小澤マリアを凌ぐ有名な日本人らしい。デビ夫人を知っている若い人はそういないだろう。宗教に関しても率直に書いてあるのだが、日本の外タレ的に変なインドネシア語が受けているらしい。インドネシア語はリンガ・フランカであるが、それでも日本人が話すところに特殊性があるのか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年10月28日Sat [05:06] インドネシア  

バリ島だらだら旅

バリ島だらだら旅バリ島だらだら旅
吉田 にく

ワニブックス 2017-07-27
売り上げランキング : 45731

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


知らんけど、自由業が本職というのは、漫画家のことなのか。漫画を描きながらバリ島リピート20年というのはよほどの売れっ子か売れてないかのどっちかだけど、バリも今や日本で一週間働けば、1ヶ月暮らせるといった所ではなかろう。それでもダラダラしていればカネはかからんかというと、それもそうではなくなってきている様だ。中国人がワッろ押し寄せて、オーストラリア人を駆逐したといまでにはなってないか。一応、インドネシアだから中国人もあまり行きたい国ではないのかな。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年07月04日Tue [06:06] インドネシア  

インドネシア石油戦争の歴史 

51ulcr8gjLL._SX374_BO1,204,203,200_インドネシア石油戦争の歴史
鈴木 勝王

霞ケ関出版 2016-10-31
売り上げランキング : 763014

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ISBNはあるが、バーコードが無い配布本みたいなのだったから、アマゾンには無いかと思ったのだが、出てきた。霞ケ関出版というと、霞ヶ関の政府刊行物でも出しているとこみたいだが、板橋の志村にあるんか。ただ、元は「公益法人石油学会」の月刊誌で連載していたものということで、公的なものではあるんだろう。著者の略歴はなく、ググってみたら、石油開発公団出身で、現地合弁会社の社長をしていた現場の人だった。インドネシア石油戦争とは日本の石油をめぐる戦争。すなわち太平洋戦争のことでもあるのだが、アメリカに石油を止められ、やむを得ず南方に進出したという感じでもない。独立後の石油会社国有化がスカルノ追い落としを招いたともしていないが、アメリカが絡んだクーデターはいつもそれだな。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年06月07日Wed [05:18] インドネシア  

「国家英雄」が映すインドネシア

28402503_1.png「国家英雄」が映すインドネシア
山口 裕子 金子 正徳 津田 浩司

木犀社 2017-04
売り上げランキング : 195676

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


民博の若手プロジェクトらしい。70年代生まれでも若手になるのか。インドネシアの国家英雄制度というのは全然知らなかったのだが、国民栄誉賞みたいなものではなく、中国の抗日英雄などに近いものか。ただ単に独立戦争で指導的役割を果たしたというだけではなく、国民国家としての正当性に意味づけされた作られた英雄像である様だ。インドネシアという国が成立する以前というか、その概念が生まれるはるか以前の「英雄」も地域や民族のバランスをとって選出される。西ティモールの事例があるが、マジョリティであるティモール人の英雄はいなくて、そうした「欠員」を埋める運動がなされるらしい。その文脈で華人の軍人も選出されたそうだが、するとアラブ系はいないではないかという話になったりするのだとか。スハルトも国家英雄ではなかったそうだが、象徴に祭り上げられることに何か障害があったのかもしれない。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月25日Sat [05:47] インドネシア  

インドネシアの基礎知識

インドネシアの基礎知識 (アジアの基礎知識)インドネシアの基礎知識 (アジアの基礎知識)
加納 啓良

めこん 2017-02-28
売り上げランキング : 96058

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


タイ、シンガポールに次ぐめこんのシリーズだけど、「アジアの基礎知識」はやはり東南アジアだけなのかな。アジ研出身で、インドネシアを30年以上やっている東大名誉教授の著者だけど、嫁はフィリピン研究者なのか。タイやシンガポールに比べて、インドネシアは基礎知識の幅がありすぎる気がするが、分量的には同程度。インドネシア語を母語とする人たちが増えてきているのは知っているが、土着のムラユ語が元々母語だった人たちも少なからずいて、インドネシア語の普及は最大言語であるジャワ語ではなく、少数言語を国語にしたところがミソであった様だ。インドが英語を採用したのも似たような事情であるが、中国の普通話というのも制定時には少数言語の一種であったか。満洲語が普及していれば、今頃、また別の中国があったと思うが、多数決により広東語が北京語に一票差で破れたという話は伝説なのかな。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑