2017年09月26日Tue [04:15] 中国  

中国ナショナリズム

中国ナショナリズム - 民族と愛国の近現代史 (中公新書)中国ナショナリズム - 民族と愛国の近現代史 (中公新書)
小野寺 史郎

中央公論新社 2017-06-20
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このテーマの書き手もだんだんと世代交代してきた観はあるのだが、中公新書は博論ものデビューを結構拾い上げている感じ。本来なら博論のダイジェストでも良かったのだろうが、新書という性格から広い入門書にと考えた様だ。単に時間的制約があったからなのかもしれんが、結果、講義録を再構成したみたいで、それが本として成功したという風には見えない。中国ナショナリズムとは今の中国愛国教育の目指す所を指すのか、漢族民族主義を指すのかその定義は無いのだが、それが日本の様な国民国家ナショナリズムに収斂されないことが民族と愛国の二本立てを掲げる所以なのだろう。毛沢東の神格化などは民族文化の伝統と思想政治が融合した結果ではあるのだが、そうしたある種のポピュリズムが機能する様な環境ではない以上、ミニ毛沢東モデルは効力を失ったと言えるのはなかろうか。今後は個人ではなく、中国という旗印に結集するモデルが構築されるのだろうが、それが民族を超えた普遍性持つ未来は幻想の彼方である。

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2017年09月25日Mon [06:13] 中国  

世界航海史上の先駆者 鄭和

世界航海史上の先駆者 鄭和 (新・人と歴史 拡大版)世界航海史上の先駆者 鄭和 (新・人と歴史 拡大版)
寺田 隆信

清水書院 2017-08-01
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清水書院のこのシリーズ拡大版になったのか。著者は3年前に亡くなっているみたいだし、既出ものを組み合わせて拡大したのかな。元のシリーズは最近も新装版が出てた様な気がするが鄭和は無かったかも。元シリーズと比べて目分量で2倍くらいの厚みはある。最初の版が出た時の中国での鄭和評価は分からんが、中国に鄭和の足跡調査に出かけるという状況ではなかったらしく、80年代に入って、ようやく実現したと喜んでいる。その辺が拡大分なのだろうが、鄭和生誕の地は「未開放」で記念館の館長がまた来てくださいと言われたがもう来れないだろうと感慨深かったらしい。よく分からんが、今では昆明の市街地に組み込まれているみたいだな。鄭和を根拠にアフリカの一部まで中国領だという説があることはあるのだが、マレーシア辺りまではともかく、アフリカまで出てくると、最近の「新植民市主義論」にも繋がるから、糞青クラスでもそこまで言わんか。鄭和がイスラム教徒で宦官であったことは特に問題視されないのだろうけど、「新進学者」の家島彦一がイエメンの古公文書から鄭和のアラビア半島での足跡を裏付けた事は中国に評価されて然るべきなのではないの。。

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2017年09月24日Sun [05:51] 中国  

中国の近現代史をどう見るか

中国の近現代史をどう見るか〈シリーズ 中国近現代史 6〉 (岩波新書)中国の近現代史をどう見るか〈シリーズ 中国近現代史 6〉 (岩波新書)
西村 成雄

岩波書店 2017-06-21
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このシリーズは等間隔で出たのかな。この最終巻は遅かった気がするのだが、トリが西村茂雄というのは年輩者の顔を立てたのかな。時系列であった他巻からの連続性はないし、まとめになっているのか、なっていないのか。何かちょっと違う感はある。清末から現在まで一つの歴史として捉える必要性は共産党がその根拠としている版図や革命が関わってくることもあるが、その連続性は今の自民党政権を明治維新まで遡ってみる必要性以上に少ない様な気もする。近現代という時代の括りでそうなっただけたとしても、漢民族が異民族政権を打ち倒した正当性を階級闘争に転化し、異民族の被支配を正当化する作業なのではないかという気もするのである。

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2017年09月23日Sat [05:34] 中国  

日本と中国、もし戦わば

日本と中国、もし戦わば 中国の野望を阻止する「新・日本防衛論」 (SB新書)日本と中国、もし戦わば 中国の野望を阻止する「新・日本防衛論」 (SB新書)
樋口 譲次(編著)

SBクリエイティブ 2017-05-08
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SB新書は消滅するという話があったが、まだやっていたのか。自衛隊陣が集結した軍事ネタは今まであったかな。年代的には皆、冷戦時代に現役だった人たちで、ソ連相手のシュミレーションを繰り返してきたのだろうが、それが中国に応用できるのかは分からん。最大の障壁となるのが米軍がどう動くかが分からないという点だが、ランド研究所が出した尖閣衝突での人民解放軍が5日で自衛隊を鎮圧、米軍不動説について、ランド側に確認をとったところ、シュミレーションの一つとして記者に話したものを記事にされたとの回答を得たらしい。中国ロビー関与も示唆しているが、そうした世論工作も情報戦の一環であるし、尖閣に上陸した日本の右翼活動家が中国公船に逮捕されるという前提からして変だし、その奪還に日本の海保が動くのではなく、自衛隊が攻撃を加えるというのは論理破綻である。そうした筋書きを中国が狙っているという風に考えるべきなのだろう。

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2017年09月22日Fri [07:18] 中国  

戦時上海グレーゾーン

戦時上海グレーゾーン (アジア遊学)戦時上海グレーゾーン (アジア遊学)
堀井 弘一郎

勉誠出版 2017-01-31
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勉誠のアジア遊学。230ページほどだが、2段組で総勢19人。戦時上海のグレーゾーンとは日本軍に対する抵抗と協力の狭間という意味らしいが、香港とかは今そんな感じ。永安とか先施は今も香港で健在(だと思う)だけど、日本の百貨店が国内のぜいたく品等政令で、余分となった品をハワイや大陸で捌こうとして、進出を加速させたのか。今の中国も似たようなお達しが出ているけど、国外に出して売れそうなものは無いかも。東亜同文書院で方言のクラスがあったという事を愛知大の広中先生が書いているが、この時代、書院生は上海でどれだけ「中国語」を実践できたのだろうか。週末に小遣いも支給され、通貨下落の影響もあり、書院生の懐はわりと余裕があったみたいだが、例の奥地旅行でも言葉で苦労する話が多く出て来るし、その辺、上海に学院を置いた意味はあるのだろう。厳密には違うが、北京とかだと、モノリンガル環境になるから、方言を含めた異言語の順応力に難があって、日本人の外国語アレルギーなども、実際はその辺が関係している様に思える。

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2017年09月21日Thu [05:38] 中国  

早稲田の戦没兵士“最後の手紙”

早稲田の戦没兵士“最後の手紙早稲田の戦没兵士“最後の手紙" ―校友たちの日中戦争―
早稲田大学大学史資料センター

芙蓉書房出版 2017-08-04
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企業とかだと、社内史編纂室への異動は左遷の定番とされているけど、大学はどうあんだろう。大日方純夫が所長となると、色々と感ずるものがあるが、これは芙蓉書房なんだな。前に出た劉傑とかの留学生「早稲田学」のは大学出版だったと思う。「学報」をそのまま掲載するのには異議は無いが、そのまま転写は読みにくくて、史料としてしか使えんな。文字起こしはソフトでは出来ないのかな。出来ても現代文字変換が無理か。「早稲田のわだつみ」だけど、昭和16年までで、学徒動員以前だから志願兵とか卒業、休学、中退生か。昭和16年で終わっているのは、その後の戦死者が増えたからという訳でもないらしく、或いは内容的にストップがかけられたのかもしれん。「早稲田学報」は現在も刊行しているみたいだが、一冊1000円で年6回もあるのか。放置でも校友会誌は何十年もタダで送ってくれるのだが。

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2017年09月20日Wed [04:55] 中国  

インバウンドの罠

インバウンドの罠―脱「観光消費」の時代インバウンドの罠―脱「観光消費」の時代
姫田 小夏

時事通信社 2017-07-28
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時事通信社内外情勢調査会講師という肩書になっているのか。小夏って本名なのかな。姫田光義とは関係あるのだろうか。在中日本人社会に北京派と上海閥があるのか分からんが、この人は上海地場の日本人という感じがする。北京派の人たちは愛国主義に影響されているのか、中国人を馬鹿にするな。日本より中国の方が発展しているといった国士の人日本人が多いのだが、小夏さんはほとんどそういう部分が無い。マナーが悪い中国人は「同じ中国人」ではなく、「違う中国人」であるから、中国人を一概に語るな派。上海人は中国の中の日本人であるから、外地人には厳しいな。中国屋も北京派の力が強いから、インバウンドGO!GO!みたいな話ばかりなのだが、中国人インバウンド依存以前に、中国人インバウンドがもたらす弊害について真剣に考えないと、香港、台湾の二の舞いになることは明らかである。香港人が急旋回してしまったのは、中央の締め付け以前に中国人旅客との文化摩擦が極限に達した事が発端であるし、台湾もそうである。そうしたことを言うとレイシスト認定されてしまう今日だが、日本人の無理解だけが問われるだけでは何も解決しないだろう。ポスト爆買時代に於いて、中国人が行きたい所は中国人のいない場所という事も言われているが、それは「違う中国人」だけではなく、違法ガイドに、ぼったくり免税店、激マズ中華といった「日本の中国的風景」からの逃避を意味するのだろう。一般的に外国人と交わることが日本ほど美徳とされていない中で、一番憎まれているとされる日本人となぜ中国人は出会いを求めるのか。その辺を日本人は考えた方が良いのかも。

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2017年09月18日Mon [06:38] 中国  

米中の危険なゲームが始まった

米中の危険なゲームが始まった米中の危険なゲームが始まった
福島 香織

ビジネス社 2017-06-09
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何か女史も方向性が変わってきた気がするのだが、フリーとしては国際情勢から、社会責任論までカバーしないといけんか。孫政才の粛清を予測している部分があるけど、これはもうだいぶ前から言われていたことみたいだな。胡春華たんの習近平への秋波もどこまで利いているのか分からんが、東莞売春撲滅もウカン村も胡春華潰しとの見方。摘発された地元が胡春華を刺す様に仕向けたってことなのか。現在は曾慶紅とバトル中で、女史は大方の見方と違って習近平失脚の可能性を指摘してるのだが、それにしても中共三国志はよく分からんな。個人崇拝に走るのはヤバイ兆候だと思うが、かといって毛沢東みたいに国民が味方に付く訳ではなかろうし、最悪の場合、反腐敗がブーメランになってしまって終わりである。一党独裁でなければ、ある程度の反対派は政権維持に必要で、安倍が政権を維持しているのも反安倍勢力があまりに酷く、あんな連中が政権とったらえらいことになるという認識が国民にあるからなのだが、中国だと、習近平派より、団派の方がマシかもしれんが、上海閥とか太子党だとヤバイといった感じはあるのだろうが。そうなると習近平は団派を叩くより、地方と団派を分離させた上で、地方幹部や上海閥や太子党を攻撃する方が得策ではある。孫政才も令計画も団派の生贄になったのかな。

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2017年09月15日Fri [04:54] 中国  

多田駿伝

多田駿伝: 「日中和平」を模索し続けた陸軍大将の無念多田駿伝: 「日中和平」を模索し続けた陸軍大将の無念
岩井 秀一郎

小学館 2017-03-01
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市井の研究者で、一般企業の会社員とのこと。学部卒後5年かけて完成させた評伝らしいが、卒論か何かでテーマにしたのだろうか。小学館ノンフィクション賞に応募して選ばれなかったものの、声がかかったらしい。これが集英社開高健とか週刊金曜日の賞だったら、難しかったろう。多田駿という人は河本大作の義弟として知られているのかもしれんが、陸軍大将という大物で、ただの「陸軍支那通」とは違う。東條英機が刺し違えたという軍人だが、刺したのは東條で、刺されたのが多田である。河本大作とは陸士同期。支那通の大物は土肥原賢二だが、多田が内定していた陸相になっていれば、処刑台コースだったかもしれない。石原莞爾同様、結果的に東條に命を救われた形だが、石原より早く病死している。中国や台湾の史料まで踏み込めば、より研究書に近づいたかもいしれん。川島芳子関係まで探るとややこしくなるかもしれんが。

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2017年09月14日Thu [04:59] 中国  

曲がり角に立つ中国

曲がり角に立つ中国:トランプ政権と日中関係のゆくえ曲がり角に立つ中国:トランプ政権と日中関係のゆくえ
豊田 正和 小原 凡司

エヌティティ出版 2017-07-03
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日本エネルギー経済研究所内の研究会本らしい。小原凡司ともう一人の人は研究所理事長とのこと。理事長はエネルギー関係だけだから、4分の3は小原か。太子党と共青団の単純な二項対立で見るのは間違いというのは散々言われていることなのだが、胡錦濤と習近平が対立関係にないというのもちょっと注意が必要な見方だと思う。胡錦濤は身の安全と引き換えに習近平を支持する立場だと思うのだが、これ以上団派排除や習近平派への鞍替えが進むと、胡錦濤も温家宝も何らかのアクションが必要になってくるかもしれん。胡錦濤が江沢民を切れなかったのは経済政策を引き継いだからで、習近平にその願望を託したところもあるかもしれんが、軍を掌握できなかった点もそれに付随するだろう。胡錦濤としても身の安全は経済が自分たちが踏襲したレールに従っていくかにかかっている訳だが、そのレールから外れて暴走してしまえば、どうなるかは分からん。

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2017年09月12日Tue [05:20] 中国  

中国横断山脈の少数民族 

中国横断山脈の少数民族中国横断山脈の少数民族
田畑 久夫 金丸 良子

古今書院 2017-07-06
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共に50を過ぎてから、岡山大院を出た人みたいなのだが、どういう関係なんだろう。学部は70年代だったみたいだが、その後、教員生活でもしていたのだろうか。中国での調査が難しい時代であったことはたしかなのだが、80年代に入って、大量に語学研究生を受け入れるようになり、その中から研究者が育っていったことを書いている。今の第一線もほとんどが語学進修生経験者だろう。中国の日本研究者もこれからは増えていくのかもしれん。雲南辺りは少数民族研究のメッカだから、日本人だけでもその研究社会が存在していると思うが、鳥居龍蔵ら外国人や宣教師が黎明期はリードしていた世界なので、「解放後」は中国側との共同調査が原則ということになっている。今は有名無実ではあろうが、特にチベット関係などは勝手自由にという訳にはいかない。日本人がリードできたのは民族的ルーツと関係しているのだが、その辺は漢族よりも思い入れは強いだろう。

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2017年09月10日Sun [05:32] 中国  

習近平政権の新理念

習近平政権の新理念―人民を中心とする発展ビジョン―習近平政権の新理念―人民を中心とする発展ビジョン―
胡鞍鋼・鄢一龍・唐嘯 高橋静香

日本僑報社 2017-08-08
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日本僑報社は中国青年報出身の人がやっているトコなので、習近平とは微妙なものがあるのかとも思ったのだが、そこんとこヨロシクといった感じなのかな。胡鞍鋼は名前だけかもしれんが、公共知識人よりも御用知識人の方が身の安全を保証されないのが中国。それこそ聖書よろしく、ホテルの部屋に置いてある様な本なのだが、APA本を中国人が安倍の宣伝本だと捉えたのも無理はない。「美しい国へ」は新書だし、そこそこ売れたのだから、普通に読めるのだろうけど、この本をあえて読みたいと思う中国人がどれだけいるのか。党員などは学習させられるのかもしれんけど、日中翻訳学院の生徒さんも、この種の勉強はほどほどにしといた方が良いんじゃないかな。

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