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2019年10月13日Sun [00:48] 中国  

訓読と漢語の歴史

訓読と漢語の歴史[ものがたり]
福島 直恭
花鳥社
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漢文訓読については最近ラッドの人の炎上案件があったばかりなのだが、1959年生まれの著者だと、その辺も感知しているかどうか。そもそも漢文訓読を中国語と捉えるか、日本語と捉えるかの違いであって、日本語研究者の著者は当然後者であるのだが、漢語は中国語からの外来語という見方。日本語以上に漢語由来が多い朝鮮語でもベトナム語でも漢字表記をしなくなっても、その本質が変わる訳ではないので、漢文訓読を止めたところで、日本語と中国語の縁が切れるということでもない。ラッドの人は帰国子女らしいので、2チャンネルで外国語を切り替えられるのだろうが、土着ロックだと、サビだけカタカナ英語というのが定番ではある。その辺は音の次元の話であるが、漢文訓読が生まれた大きな要因は書の次元であり、そこを絶縁することに大きな支障があることは分かりきった話ではあろう。

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2019年10月10日Thu [11:35] 中国  

蘇州花街散歩

蘇州花街散歩―山塘街の物語
大木 康
汲古書院
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「中国遊里空間」の「姉妹編」という位置づけらしい。「蘇州夜曲」は花街とは関係ない歌詞なのだろうが、河辺と花街の親和性が高いのは何か理由があるのだろうか。新中国、文革、そして今の開発で、花街の痕跡を辿るのは中国では難しくなってきているが、中国文学者は時空を超えるのが仕事であるから、その辺は見事である。妓女に教養が求められていた事は日本と同じであるのだが、詩作も多く残されている点は当時の中国における女性の識字率を考えれば驚くべきところではあろう。今日の共産党的解釈であれば搾取され、奴隷化された階級ということになるんであろうが、生活水準的には女性の平均を上回っていただろう。もちろん妓女内での格差というのも半端なかったとは思うが。

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2019年09月26日Thu [12:38] 中国  

「新常態」を迎える中国経済 

「新常態(ニューノーマル)」を迎える中国経済
中国国家行政学院経済学教研部
科学出版社東京
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これも科学出版社東京。でもって、中国国家行政学院経済学教研部編著となっているので、ゴリゴリの宣伝ものであることには違いなにだが、前回の胡鞍鋼のより、そうした風味は抑えられているような気もする。個人の方がより忖度を必要とするということでもないが、政策の評価をしつつ、問題点をも押さえておくことで、テキストの意味があるというもの。社会主義市場経済は成功を収めた。しかし、新常態にはまだ入っていないというその為には更なる指導と、努力が必要だというという面と、これまでの急成長は望めず、停滞が起きるが、それが安定期の新常態であるという不安払拭の面があるが、これまでの世界での「中進国の罠」の経験が規格外の中国に当てはまるのかどうかというのは未知数である。

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2019年09月23日Mon [03:42] 中国  

中国S級B級論 

中国S級B級論 ―発展途上と最先端が混在する国
高口 康太 伊藤 亜聖 水彩画 山谷 剛史 田中 信彦
さくら舎 (2019-05-11)
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中国を昔の眼で見るな。でも新しい眼だけで見るのも間違いというところがこの辺の中国クラスタの共通認識なのだろうか。S級でもありB級でもある(それ以上の意味は無いらしい)中国は一般化が難しい国という事ではあるのだが、チャイナウオッチャーがそれを言ったら元も子もないので、その2つが並列するところを捉えていくしか無い。そうしたテーマで行くと、水彩画先生は場違いの様にも思えるが、長らく中国は経済ではなく、政治の国であり、その内実はともかく政治は一流、経済は三流などと言われていたりもした。ネタとしての政治のB級化は習近平時代になってから顕著になったとは言えよう。田中信彦の近著はまだ読んでいないが、22年前の「普通の中国人」が皆S級国民になったかと言う訳でもなかろう。土地経済は常にバブルと背中合わせなのだが、やはりそこには勝者も敗者もいて、膨大な不戦敗の人たちがいる。

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2019年09月16日Mon [19:18] 中国  

夏目漱石の見た中国

夏目漱石の見た中国 『満韓ところどころ』を読む
西槇偉 平野順也 坂元昌樹 劉静華 屋敷信晴 金貞淑 申福貞 原武哲 李哲権 濱田明
集広舎 (2019-04-08)
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『満韓ところどころ』はポリコレ的には漱石もまた差別主義から逃れていない証左という評価になるんだろうが、中国でも韓国でも、何の因果か日本文学研究の世界に身を投じてしまった者にとって、漱石を否定するのはハードルが高い。特に中国では日文系のテキストに使われることが多いのだが、よく考えてみたら、日本の国語教科書もそうなのだから、漱石作品が日本文学の代表的存在になるのは必然でもある。そうしたこともあり、研究者として日本文学と対峙した場合、漱石の中国観と日本人の中国観のパラレルはよく選ばれているテーマと言ってよかろう。『満韓ところどころ』でやってしまったのは時代の精神であったか、本心であったかは日本人は中国人を侮蔑しているという中国、韓国、左翼の前提とも絡んでくるが、この辺を日本人という属性の問題にしているところに限界はあるのだろう。漱石の頃の文人は漢文にも通じていたから中国に対して少なからずの尊敬の念があったと思われるが、そうした幻想の中国と現実に見た中国とのギャップというところに『満韓ところどころ』の本質があるのだろう。それは「新中国」の現実を見た戦後派にも共通するところがあると思うが、今の中国を「先進国」と捉える人たちにも起こりうることかもしれん。

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2019年09月14日Sat [18:28] 中国  

中国の領土紛争

中国の領土紛争: 武力行使と妥協の論理
テイラー フレイヴェル
勁草書房
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原著は2008年か。それ以降の尖閣関係などは結論の後にエピローグとして追加されている。ただ、著者の日本語版序文も日付は2015年であり、翻訳が手間取ったのか、尖閣終わったら、ベトナム、フィリピンとコトになったりしたから、時期を待ったのかは分からん。MITの人らしい。中国も海を含め、国境を接するすべての国と領土問題があると言われているが、その前提で言うと、戦争に至ったの稀なケースということになるらしい。ソ連ともインドとも一戦を構えたが、戦争と名の付いているのは中越だけである。もっとも中国はそれも戦争とは認めていないので、中華人民共和国は他国と戦争をしたことがないという理屈も通る訳だが、それ以上に、国境画定交渉という面では世界的にも稀に見る成果をあげた国と言うことはできるのかもしれん。それ故、人民解放軍は実戦力というのも評価しにくくなるのだが、ソ連は無論、インドに関しても当時の国内事情から軍事力で劣っていたという認識があっての撤退であった様だ。朝鮮戦争も台湾も実質撤退であり、ベトナムも事実上敗戦であるからして、抗日戦争神話はその点に於いても欠かせないものではあろう。

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2019年09月14日Sat [17:40] 中国  

芳華

映画
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早稲田松竹

文工団age
ベトナムdis

これは....

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2019年09月12日Thu [14:48] 中国  

国家統治

国家統治(ガバナンス)―現代中国の歩み
胡 鞍鋼 唐 嘯 楊 竺松 〓 一龍
科学出版社東京
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最近はもっぱら科学出版社東京とか日本僑報社からしか日本語本が出ない胡鞍鋼が何故日本で人気あるのかと言われても?なのだが、それは体制の代弁者であるからではない(キッパリ)と最初に指摘してある。胡鞍鋼が対外的学者の顔であるのはそのキャリアがそうさせているのだが、そういう枷が無い国内的には「進歩派」という顔になるのだろうか。彼が論ずる集団指導制は習近平の傾向とは異なるとしても、今の中国共産党としては集団指導制が原則となっているのだから、習近平が公式にそれを否定した訳でもない。むしろこのガバナンス本にしても、習近平は決して独裁ではありませんよというプロパガンダにも思えるのだが。

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2019年09月11日Wed [18:05] 中国  

チャイナスタンダード

チャイナスタンダード 世界を席巻する中国式
朝日新聞国際報道部
朝日新聞出版
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朝日に連載されていたものらしい。チャイスクは峯村健司、吉岡桂子辺りの名前があるが、中国国内というより、世界対象なので、各国支局や特別取材班入りの精鋭が書いている様だ。デスクは国際報道部次長の林。、同ポストの奥寺淳は外されたのかもしれん。最近は中国大使館の中の人が急に「姿」を見せたりして、日文五毛と体制の連携が整ってきた様だが、日本はゼロからスタートできたアフリカやマイナスからの欧州、攻撃の芽を潰されているアメリカなどではなく、モデルはオーストラリア型の世論工作なのかもしれん。その数や割合から言って、日本で「帰化票」が政治を動かすことは無理なのだが、もはや「友好票」が泡沫すら動かせないのだから、「次の次の次の次」の選挙でも浸透作戦は必要ではあろう。ノルウェーの屈服にどれだけ自信を付けたのか、学習したのか分からんが、これも非EUであったことが中国にとって幸いであったのかもしれん。

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2019年09月04日Wed [13:35] 中国  

冼星海とその時代

冼星海とその時代 中国で最初の交響曲作曲家
平居 高志
アルファベータブックス (2019-07-24)
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博論もの。宮城の県立高校で国語教師をしながら論文博士になったのか。冼姓は私も最初は「洗」だと思っていたのだが、昔のTVBの北京特派員が冼さんだったので、「洗」とは読み方が違う事に気がついた。広東人姓みたいなので、北の方にいたら分からなかったかもしれん。で、この冼星海という人はマカオの生まれで、中国では聶耳と並び称される作曲家らしい。「中国で最初の交響曲作曲家」とあるので、音楽家的には聶耳より上に位置する人なのだろう。聶耳は国歌作曲とその短命でヒロイックにその表象が再生産され続けているのだが、冼星海も新中国成立を待たずに亡くなっていて、享年40とのこと。抗日作曲家なので、その思想に曇りがあってはならないのだが、冼星海の言説を紐解き、共産党に合致した人格形成がされているのではないかというところもポイントになっている。

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2019年09月03日Tue [02:43] 中国  

漢字の字形



阿辻哲次は最近出していないな。円満寺二郎は中公や岩波新書からはお呼びがかからないだろうから、字形系はこの著者のの時代か。立命館産で、白川静研究所なのだから正当な系統者となるのだが、白川に言及しているのは数箇所のみである。白川が図形型とすれば、こちらはパーツ型といった感じなのだが、パーツ型の方が今の簡体字までたどり着きやすいか。簡体字の最終形はハングルみたいな最低限のパーツの組み合わせになる予定だったみたいだった様だが、もうこれ以上「進化」はなかろう。

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2019年09月01日Sun [02:37] 中国  

中国人の善と悪はなぜ逆さまか 

中国人の善と悪はなぜ逆さまか 宗族と一族イズム
石平
産経新聞出版
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瀬川昌久と言っていることはそう違わない気もするが、瀬川本なら学術書。石平ならネトウヨ本というのも何だかなあ。ただ、この宗族論は日本でも当たり前であった時代はそう遠い昔でもないし、今でも地方では○○一族が幅をきかせているところもあろう。日本と中国の違いは親戚付き合いの違いとも言えるが、善と悪の違いとまでは言えるものか。言うならば、中国のお金持ちが目立ちすぎているということと、競争と格差が日本の比では無いということなのだが、角栄もロッキードから5億円貰ったものを真紀子にわざわやらんでも、目白の土地残せば良かったというだけだが、中国共産党幹部だとそれは海外でやるしかない。

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