2017年02月20日Mon [05:38] 中国  

満州国の最期を背負った男・星子敏雄

満州国の最期を背負った男 星子敏雄満州国の最期を背負った男 星子敏雄
荒牧 邦三

弦書房 2016-07-22
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元満洲国警察官僚で、戦後熊本市長だった人の評伝。著者は熊本日日役員らしい。五高のバンカラから始まるのだが、大川周明との出会いもあって、アジア主義に開眼していく。帝大に進んでも、考えるのは満洲雄飛であって、駐在の警察官から始めたらしい。これは今でも変わらんのかな。甘粕の妹としたこともあって、終戦時は国務省総務庁警察局長という要職。シベリア行きとなる。帰国は昭和32年。6年後には市助役就任なので、シベリアでの12年間以外は順風か。熊日も郷土の偉人として扱っておるのだが、歴史認識との兼ね合いには苦慮した様だ。

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2017年02月18日Sat [06:09] 中国  

中国経済を読み解く

中国経済を読み解く: 誤解しないための8つの章中国経済を読み解く: 誤解しないための8つの章
室井 秀太郎

文眞堂 2017-01-16
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日経の中国プロパーの人らしいが、文眞堂。学部テキスト用かな。中国駐在は80年代中期の様で、その体験記は古い。上海のウイグル人マネチェン屋の話などしても、今の学生さんにはピンと来ないだろう。当時は運転手にFECを渡して、買い物を頼んでいたそうで、人民元で買い物をし、FECを溜め込んだ運転手は金に換えていたらしい。表向き、外国人の人民元は禁止で、FECでは市場で使えないこともあったのだが、監視役でもある運転手に役得を与え、懐柔する必要性もあったか。

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2017年02月17日Fri [06:15] 中国  

日本人が知りたい中国人の当たり前

日本人が知りたい中国人の当たり前 中国語リーディング日本人が知りたい中国人の当たり前 中国語リーディング
林松涛 王怡韡 舩山明音

三修社 2016-09-03
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オリジナルに拘った中国語テキストを作っている林松涛さんなのだが、三修社で、他二人と組まされたら、凡庸になってしまうか。日本人も一人入っているし、それぞれバックグラウンドが違うといっても、それが「日本人の知らない中国人の当たり前」になるかというと、そうでもない。むしろ、ここは「中国人の知らない日本人の当たり前」という中文テキストを作った方が、中国人の入超が圧倒している現在では妥当だったのかもしれない。

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2017年02月16日Thu [05:30] 中国  

中国安全保障全史

中国安全保障全史――万里の長城と無人の要塞中国安全保障全史――万里の長城と無人の要塞
アンドリュー・J・ネイサン アンドリュー・スコベル 河野純治

みすず書房 2016-12-23
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ネイサン先生か。共著の人は弟子かな。未邦訳ものの増補改訂らしい。ネイサンの中国ものでも訳出されなかったんだな。人権人権したものだったのだろうか。それで改題ということではなかろうが、安全保障全史といっても軍事ネタはあまり無い。ネイサン自体の専門ではないということもあるが、安全保障と軍事は本来イコールではない。「安保反対」の頃から日本では安保が戦争を意味する様になったのかな。安全保障には当然軍事力という裏づけが欠かせないもので、永世中立国や無防備都市宣言をしたところで、安全保障にはならないし、むしろマイナスになるというのが一般的な考えである。中国にとって、日米同盟は数ある選択肢の中で最良のひとつであるというのは所謂ビンの蓋論であるのだが、基地反対派が日米同盟破棄を言わずに基地撤退や海兵隊、オスプレイの撤収を求めるのはつまりはそういうことである。

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2017年02月15日Wed [05:22] 中国  

対中借款の政治経済史 

対中借款の政治経済史―「開発」から二十一ヵ条要求へ―対中借款の政治経済史―「開発」から二十一ヵ条要求へ―
久保田 裕次

名古屋大学出版会 2016-11-30
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2014年に博士課程修了した人だそうだが、博論ものではないのか。既出論文のまとめらしいが、卒論から一貫してこのテーマで10年とのこと。卒論ではODAとかだったのかもしれんが、今の関心はもっぱら開戦前夜で、 日本が借款を道具に中国へ要求を突きつける構図は今の日本の対中政策を批判しているのか、はては中国の海外進出を批判しているのかは分からない。投資という形でお金を注ぎ、借金のカタに一一切合切取り上げるというのは正に中国が現在していることなのだが、この辺も歴史を鏡にして学習したものなのかな。

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2017年02月12日Sun [06:07] 中国  

漱石と煎茶

漱石と煎茶 (平凡社新書)漱石と煎茶 (平凡社新書)
小川 後楽

平凡社 2017-01-16
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著者は去年の9月に亡くなられたらしい。文字通りの遺作だが、享年75。病床で原稿の手入れをしていたそうだが、完成はせず、最終的には平凡社新書編集部が補ったという。煎茶家という世界には疎いのだが、小川流家元で、かつ日本近世思想史の研究者であったことから、この企画となったらしい。漱石と漢文は定番テーマであるが、漱石と煎茶は「草枕」で茶を飲むシーンがあるくらいか。ただ、漢詩と中国喫茶史は関連深いものであり、漱石が飲む茶も紅茶ではなく、煎茶ではあったろう。

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2017年02月11日Sat [04:22] 中国  

  <軍>の中国史

<軍>の中国史 (講談社現代新書)<軍>の中国史 (講談社現代新書)
澁谷 由里

講談社 2017-01-18
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前にメチエで2冊出した人だけど、間が結構空いたな。その間、富山から東京に移ったらしい。馬賊、漢奸と来て、軍だけど、いずれも中国社会でアウトローとされる存在。馬賊、漢奸は旧来の意味では存在しなくなっているが、軍は今後も無くなることはなかろう。建国の頃までは「よい鉄は釘にならない、まっとうな人は兵にならない」ということわざがあったとしているが、これは現在でも使われているんじゃないかな。軍に権威があったのは解放後の一時期くらいで、六四で学生の軍事教練を復活させたところで、軍の汚職、金儲け、私物化は目に余る状態だから、雷鋒に学べなどはほとんど皮肉の様に捉えられている。台湾でも徴兵制は廃止されるみたいだし、軍も予算獲得が当面の課題になるであろう。それが尖閣での仕掛けの背景ではあるのだが。

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2017年02月09日Thu [06:38] 中国  

SUPER CHINA

SUPER CHINA―超大国中国の未来予測SUPER CHINA―超大国中国の未来予測
胡鞍鋼 小森谷玲子

富士山出版社発行/日本僑報社発売 2016-12-21
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日本僑報社コードで、富士山出版社名義なのだが、この版元は検索しても引っ掛からんな。中国が日本の民間風を装った出版社なのか。次はアパ反論本でも出すのかな。とりあえず胡鞍鋼なので、例のアレなのだが、同時期に日本僑報社本体でも別のを出しているみたいだし、ストックは幾らでもあるんだな。宣教師だから権力闘争とは関係ないか。主体的かどうか分らんが、韓国がこの人を持ち上げているみたいで、KBSが「SUPER CHINA」というドキュメンタリーを作って、各国に国際版をバラまいているらしい。日本ではさすがに公共放送ではキツイかもしれんが、富士山出版社の書籍ならOK。中国としては「中国通」ではなく、中国人による「真実」の中国大国論を広めたいんだろうが、「中国通」も「御用学者」も言っていることに大して違いがある訳ではない。

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2017年02月08日Wed [06:29] 中国  

東アジアのなかの日本と中国

東アジアのなかの日本と中国-規範・外交・地域秩序-東アジアのなかの日本と中国-規範・外交・地域秩序-
兪 敏浩 今野 茂充

晃洋書房 2016-12-10
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在日ではなく、大陸の研究者とスカイプを使っての共同作業だったらしい。日本と中国をガチで比較するというのは意外にもあまりなかったのかもしれん。これも「東アジアのなかの日本と中国」となっているが、どちらが大国であるか、どちらが先進性であるかという答えが先に用意されたものではなく、ODAの比較だとか、PKOの比較といった方が分りやすいか。中国が求めているのは既存の価値観に代わる中国的概念の普遍化なのだろうが、その意味では安倍の「価値観外交」などは強烈な意趣返しになるか。強権を以てエリートが主導する開発独裁的手法は追従する新興国があるかもしれんが、民主主義という既存の価値観では後退と判断されるので普遍性の獲得は難しいだろう。中南米などの反米は基本的に軍事独裁政権をアメリカが支えたという「記憶」によるものだから、今の中国がその道を繰り返しているのではないかという懸念はある。日本かつてのインドネシアに対しての様に独裁政権を支援している訳ではない以上、米国追従などという中国からの批判は気にする必要はなかろう。

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2017年02月06日Mon [05:49] 中国  

日本語通

日本語通 (新潮新書)日本語通 (新潮新書)
山口 謠司

新潮社 2016-03-17
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一時期出しまくっていた阿辻に代わって、漢字本をコンスタントに出す第一グループに入っている人だが、専門は漢字ではなく、あくまで日本語なのか。日本語だと今野真二というモンスター、漢字には円満字二郎という職人がいるが、その中間くらいのポジションか。中国学博士ということになっているが、これはフランス産で、嫁もフランス人。日本語教師を生業としていた時期があったのかもしれない。中国留学の有無は不明。「ツ」の字は「川」からきたというのは知らんかった。呉音だと「ツ」に近いか。ただこれも諸説ありのはずである。「ルビ」は「ルビー」というのも知らんかった。こちらは色の関係らしい。

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2017年02月04日Sat [04:17] 中国  

亡命

映画
亡命 [DVD]亡命 [DVD]

紀伊國屋書店 2012-05-26
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王丹はやはり別格。

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2017年02月01日Wed [05:13] 中国  

白川静入門

白川静入門: 真・狂・遊 (平凡社新書)白川静入門: 真・狂・遊 (平凡社新書)
小山 鉄郎

平凡社 2016-12-17
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白川静遺産を布教し続けている人なので、公平ではないのかもしれんが、学術より思想なので、批判的見地は必要ないか。白川は全共闘学生との格闘で知られているから、今でも左翼に評判が悪く、右翼とみられることもあったそうだが、本人はその辺を気にしていたとのこと。著者は当然、中国では無視された存在だと思っていたそうだが、台湾で出た翻訳を同僚の北京大卒の中国人に見せたところ、白川静は中国でもよく知られています。漢字を中国人以外が研究するのは素晴らしいと言われ感激している。村上春樹が白川静の影響を受けているというのは登場人物に白川というのがいて、それが中国人マフィアをしばく役か何かだそうだが、それって、村上の中国嫌いを現しているんじゃないのか。中国で(というか全世界だが)一番知られている日本人作家であり、歴史認識など中国に好意的とみられている村上春樹は中華料理やラーメン嫌いであり、日本が人民解放軍に占領された夢なども書いている。単純にジャズとかの西洋好きで、無国籍風の裏返しとも見れるのだが。

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