2017年12月18日Mon [09:03] チベット  

アジャ・リンポチェ回想録

アジャ・リンポチェ回想録 モンゴル人チベット仏教指導者による中国支配下四十八年の記録アジャ・リンポチェ回想録 モンゴル人チベット仏教指導者による中国支配下四十八年の記録
アジャ・ロサン・トゥプテン(アジャ・リンポチェ八世) 馬場裕之(訳) 三浦順子(監訳)

集広舎 2017-10-14
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500ページ2段組。読む方の労力も必要だが、英語ゼロから4年ががりの英文自伝だそうで、アメリカ本は例によって、本も特大がお得サイズ。全然知らんかったのだが、モンゴル人の活仏で、亡命したのは1998年とのこと。西寧近郊のクンブム寺は塔爾寺か。亡命時に48歳ということで、文革世代であるのだが、後に高級官吏に祭り上げられている。偽パンチェン・ラマ11世の認定に騙されて関わってしまったことが亡命の動機であったと思われるが、その辺はまだ書き切れないところがあるのだろう。亡命したのがグアテマラというのは単なる偶然の選択肢ということでもなさそうだが、この時期に「アジア」の人間がイミグレ通過後にも二重三重チェックされていたことはあったな。パンチェン・ラマの様に結婚させられることはこの時期には無かったのだろうが、共産党の入党圧力はあったらしい。同じく中共に育てられていたカルマパ17世の亡命はその後になるが、江沢民後期のこの時期の愛国圧力はダライ・ラマのノーベル賞受賞が日に油を注いだ形になったのかもしれん。

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2017年12月13日Wed [05:47] チベット  

ダライ・ラマとチベット

ダライ・ラマとチベット 1500年の関係史ダライ・ラマとチベット 1500年の関係史
大島 信三

芙蓉書房出版 2017-09-28
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この元産経の著者はチベット・ウオッチャーとして知られているが、学者や宗教側の人のテキストに一般目線の不足を感じていたようだ。とはいえ、元「正論」編集長だから、これはこれでリベサヨから反中国とも捉えられる訳で、その辺の色は最低限に留めている。インドに亡命したダライ・ラマ14世と最初に会見した日本人は当時、朝日のニュー・デリー支局長であった秋岡長榮であったことが記されているのだが、後にダライ・ラマ14世自身の言葉で文革批判が長々と展開されても、その点に関連付けることはない。秋岡がその時から中共の意を受けてと示唆していると捉えることも可能かもしれんが、秋岡は中印国境戦の時もインドにいたのか。ダライ・ラマ自身は毛沢東について高く評価していることは周知の通りだが、少年にとって、実際に会う毛沢東はどんな人間であったかは記憶に刻み込まれていることではあろう。その一方で、周恩来については嘘つきだと非難している。著者は文革時に周恩来がパンチェン・ラマ10世を守ったことに触れているのだが、ナンバーワンに忠実なナンバーツーをどう評価するかについては分かれるところである。中国人は周恩来を日本人ほど評価しないというか、あからさまに嫌っている人が結構多いのだが、ダライ・ラマ14世には周恩来が不誠実な人間に映ったというのは興味深い。

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2017年10月05日Thu [06:11] チベット  

空の国

空の国空の国
波田野 裕基

幻冬舎 2017-08-18
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幻メディコンの方だけど、自費かなカイラス旅行記だが、今でもツアーがあるのか。インド側からはたぶん外人は入れないから、チベットからになるが、ラサより先は中国も神経尖らすとこはないか。よく分からんのが、カイラス山まで平然と行っているのに西寧が非開放区だとしている点。未開放なのに大都会でネオンきらびやかというのは驚くかもしれんが、80年代末に西寧に行った時も「旅行証」を取った記憶はないぞ。アムド全体が非開放という理解みたいだが、昔の「未開放地区」と今の「非開放」はひょっとして別物なのか。当時は西寧でもタール寺や青海湖は「未開放地区」という話もあったのだが、ガン無視で行ける距離だったし、結局、ドサクサ紛れで、ラサまで行ってしまったのだが、カイラスは難所だった様な。麓のカイラス・ゲストハウスというのは昔からあって、行った人によると、インド人ばかりだったみたいだが、今では欧米人ばかりなのか。

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2017年09月19日Tue [07:09] チベット  

チベット●謀略と冒険の史劇

チベット◦謀略と冒険の史劇 -アメリカと中国の狭間でチベット◦謀略と冒険の史劇 -アメリカと中国の狭間で
倉知 敬

社会評論社 2017-07-07
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最近、社会評論社の本を見かけないのは濱崎氏が去って国際関係ラインアップが縮小したからなのかと思っていたのだが、こんなのが出た。1939年生まれで、山岳系の訳書を何冊か出しているのだが、専業ではなかったのだろう。この本も何冊かの未訳本や既訳本を元にダイジェスト形式でグレート・ゲーム以降のチベット史劇としてまとめている。中国側やハン・スーインとかの左派本ではないので、当然「反中華」となるのだが、社会評論社はその辺のイデオロギーには無関知であるらしい。まとめなどは日本の人口が8千万人くらいに減ったら、難民を装った中国人が大量に移住してきて国を乗っ取るだろうとかワック並のことを書いているのだが、基本はチベットを歴史の教訓として、民族自立の意志を持たなくてはならんということか。BBCの番組の頃に私も現地にいたのだが、表向きはそれほどピリピリした雰囲気ではなかったのだが、チベット人の中国人に対する嫌悪感はそこら中にあったし、公安がカムの男を瀕死の状態にしたのも目撃している。それから六・四までの日々が私の中共認識に大きな影響を及ぼしている事は否定しなけいど、それも中国を昔の目で見ているオッサンの類になるのかな。

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2017年07月07日Fri [05:34] チベット  

愛と信念の言葉

愛と信念の言葉 (PHP文庫)愛と信念の言葉 (PHP文庫)
ダライ・ラマ法王14世 野町 和嘉

PHP研究所 2016-10-05
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よりぬきお言葉集なので、メインは野町和嘉の写真になるのかな。この人はメッカを撮るためにイスラム教徒になった人なのだが、そのせいかお寺の全景写真とかは無いな。テロリズム批判の言葉はあるのだが、お言葉と写真を選んでいるのは野町ではなく、編集かダライ・ラマ事務所か。元々、イースト・プレスから出た2冊のお言葉集の再編集らしい。

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2017年03月28日Tue [06:02] チベット  

ダライ・ラマと転生

ダライ・ラマと転生 (扶桑社新書)ダライ・ラマと転生 (扶桑社新書)
石濱 裕美子

扶桑社 2016-09-02
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岩波新書でも全然行けそうなものなんだけどな。まあサンガ新書とかよりは扶桑社の方が露出はあるか。ダライ・ラマを冠しているけど、ダライ・ラマは直接的なテーマにはない。ダライ・ラマ14世は科学に理解がある人ということで知られているのだが、ならば転生はそう説明するのだというのは素人なら知りたいところであろう。とはいえ、生命の誕生が完全に科学的に解明されているかと言うと、そういうことになっているというだけで、セックスも恋愛も科学的とは言い難いし、結婚となると完全に非科学である。転生もそういうことになっているとすれば、それまでなのだが、ダライ・ラマの転生メカニズムはある程度システム化されている。著者は身近な転生僧の例をとることにより、転生がオカルトでもなんでもないことを知らしめているのだが、その肝は「生まれ変わり」という現象にあるのではなく、生も死も科学ではないというところにあるのだろう。

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2017年02月05日Sun [05:58] チベット  

チベットひとり旅

チベットひとり旅チベットひとり旅
山本 幸子

法藏館 2017-01-10
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法藏館は最近、チベット旅ものを出しているけど、ダライラマ事務所関連なのかな。同人をしている人だそうで、連載は同人誌か。父親に虐待され、何度かの自殺未遂、母親の介護と、人生いろいろの様だが、佛教大通信課程で高校教諭の資格を取った関係で、仏教する様になったのかな。漢語もチベット語も話せないとのことで、ガイドや在日チベット人、ツアーなどを使っての旅。寝台バスで男に襲われ、助けを求めたが、断られたので、顔面をポカポカ殴ってやったとかさらりと書いている。

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2016年10月21日Fri [05:48] チベット  

ダライ・ラマ子どもと語る

ダライ・ラマ 子どもと語るダライ・ラマ 子どもと語る
クラウディア リンケ Claudia Rinke

春秋社 2016-08-12
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ドイツ産。ダライ・ラマ人気はたぶん、欧米ではドイツがトップではないかと思うが、オーストリア人だけど、ハインリヒ・ハラーの関係もあるか。メルケルもダライ・ラマの訪問は拒否できないし、中国に行ったら、「人権」を言ったことにしなくてはならないのだが、この辺、日本もドイツに見習えだよね。ダライ・ラマもドイツで国を廃墟にされても誰も恨まないとドイツ人を称賛しているのだが、ついでに日本人もそうだとか、ドイツと日本を同列に称揚したりして、中国への意趣返しである様にも。ドイツの子どもたちとの対話は別の場だったのかもしれんが、ピーナッツ・バターは好きですか?とか携帯電話をもっていますか?ズボンをはきますか?といった子どもらしい質問がある一方、政府が中国の圧力に負けて、あなたを受け入れることを拒否したら、どんな気持ちがしますか?なんてものも。しかし、「恋をしたことがありますか?」というのがやはりクリーンヒットか。その答えは立ち読みでどうぞ。

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2016年09月08日Thu [01:49] チベット  

チベット聖地の路地裏

チベット 聖地の路地裏: 八年のラサ滞在記チベット 聖地の路地裏: 八年のラサ滞在記
村上 大輔

法藏館 2016-08-10
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法藏館だけど、ラサに八年滞在したという著者の背景はぼかしてある。登場する知人友人も同様なのだが、その辺の事情は断りを入れているので良心的である。寺院に8年間いたというのではないことは分かったが、寺院にいなかった訳でもない様だ。もちろんその問題がメインではなく、先人たちのチベット滞在記とも一線を画すソフト路線である。中国側に立った人たちは、ラサの経済的発展を強調し、チベット人もその恩恵を受けている。チベットに行ってみたことがない者が批判しているといった言説がパターンなのだが、少なくとも90年代までは日本人が行けば、それが嘘であることはすぐ分かった。最近でも、個人レベルで行ければ、より率直な声を聞くことはできる様だ。この本によれば、中国の抗日教育の影響を受けた反応と、その反対である中国に物申す日本を賞賛する反応があるという。具体的に安倍の名前が出るのはそれが象徴として中国で悪魔化されているからで、具体的に安倍が何たるかは知らないだろう。どちらも私の行っていた時代には記憶にないものだが、日本人は同じ仏教徒である(と考える)という理由で日本人に親近感を示すというのが今も昔も一番多いか。

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2016年08月03日Wed [03:59] チベット  

ダライ・ラマ共苦の思想

ダライ・ラマ 共苦(ニンジェ)の思想ダライ・ラマ 共苦(ニンジェ)の思想
辻村 優英

ぷねうま舎 2016-03-23
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元岩波でキリスト教関係っぽい人が興した版元らしいが、ダライ・ラマはOKなのか。神道はNGだろううが、仏教というか、ダライ・ラマは西洋キリスト教と親和性があるから、中国を非難しない限り問題ないか。そもそもダライ・ラマ(化身であるので、個人の属性はなく14世などは不要らしい)は「独立派」ではなく、むしろ「独立派」を抑える側であるのだが、政治的主張は一切しないところが、西洋社会に於いて神秘性を高めているのだろう。思いやりという語句は学術用語ではないという指導教官の指摘を受け、共苦に代えたとのことだが、今日の中国の現実は共苦の対象であることは間違いない。

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2016年04月01日Fri [03:38] チベット  

チベットの焼身抗議

チベットの焼身抗議 (太陽を取り戻すために)チベットの焼身抗議 (太陽を取り戻すために)
中原 一博

集広舎 2015-10-05
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ルンタの中の人。集広舎は中国書店コードから独立したんだな。それ故に非中国側からのチベットものということではないのだろうが、完全に中国色の無いダラムサラ側の本。焼身抗議者のリストをまとめて出してしまうと、逆に亡命側の組織が主導している組織的作戦ではないかという懸念を抱かれそうだが、それを逆プロパガンダとして中国が使うために出させたとまで深読みすることはないか。ただ、中共の言う様に、チベット青年会なりのテロ、仏教の教えに反する行為だとのネガキャンの材料になったとしても、イスラム国ではないのだから、それでチベット側に打撃になることはない。僧侶の焼身抗議ということではベトナム戦争の「記憶」も呼び起こされるろう。絶望の末に焼身を選択したという者も少なからずいる様ではあるが、僧侶の率が高い点は中国内でのチベット僧の役割というものを考えさせられる。国外での僧侶の焼身はスイスでイギリス出身の僧が一人と、ネパールに合法的に入国した僧侶だけか。ネパールでなら、国際的に報道されるというところもあったみたいだが、当局は中国との関係から文字通りの火消しに走った様だ。

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2015年07月16日Thu [21:34] チベット  

東チベットの宗教空間

東チベットの宗教空間: 中国共産党の宗教政策と社会変容 (現代宗教文化研究叢書)東チベットの宗教空間: 中国共産党の宗教政策と社会変容 (現代宗教文化研究叢書)
川田 進

北海道大学出版会 2015-03-11
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現地調査が非常に難しい様だが、信徒として中に入ればそうでもないのか。著はが論文を発表することで、バックパッカーに僧院えお目に付けられるという点を危惧しているのだが、バックパッカーに目を付けられるのと当局に目を付けられるのは相関関係があるのかもしれん、ということで、中国国内で発表された史料を丹念に洗って、その他日本で発表されたものなども列挙し、内容を紹介するという文献本位制。特に漢人信徒に焦点を当てて、ダラムサラを中心とした「国際連帯」にはそれほど重きを置いていない。漢人信徒の増加は台湾、香港、シンガポールなどの華人先行が、国内の経済発展による精神的疎外感を覚えた人たちに広がったとも考えられるが、もしかしたら組織的な入信勧誘があるのかもしれん。当局は歓迎、警戒双方で対処していると思われるが、漢人信徒でチベット仏教を呑みこむというのは困難ではあろう。

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