2017年03月30日Thu [04:32] 東アジア  

日本帝国の表象

日本帝国の表象: 生成・記憶・継承日本帝国の表象: 生成・記憶・継承
朴 美貞

えにし書房 2016-10-25
売り上げランキング : 911577

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


えにし書房の論集は前にあったかな。学術書とは一歩引いた形のものが多かった気がするが、これはガチの科研成果本である。井上章一が異質であるが、丹下健三なので、別に間違ったところにいる訳ではない。朝鮮、満洲といった定番以外になぜかスロベニア。この時代は情報伝達という意味で、絵葉書がインターネットであり、テレビであったから、スロベニアに日本の絵葉書が多く残されているのは当然であり、おそらくは何処の国にもあるのだろう。ただ、それを史料として保存しているのは希少価値を認めているからである。通州事件のはこの後出た新書のダイジェストでもあるのだが、写真が大量に拡散されたのは絵葉書と同じ作用であろう。絵葉書も一種のプロパガンダではあるのだが、ISの処刑動画の如き残虐性の方に人々はより関心を抱くのである。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月29日Wed [04:38] 東アジア  

安部公房と「日本」

安部公房と「日本」: 植民地/占領経験とナショナリズム (和泉選書)安部公房と「日本」: 植民地/占領経験とナショナリズム (和泉選書)
坂 堅太

和泉書院 2016-09-26
売り上げランキング : 738282

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


博論もの。文学博論は読みなれていないんだけど、評論の形にするしかないか。安倍公房が日本共産党員であったということは同時代の人たちにとっては周知の話なのだろうが、今の評価だと、川端とか三島といったノーベル賞クラスの文豪であるから、保守的なイメージがあるののかもしれん。大江や村上春樹はサヨクっぽさを利用しているだけだが、安倍公房は米国の入国禁止リストに載っていた人。作品からそんな印象が全く無いのは単に私が「砂の女」程度しか読んでいないからなのだが、映画の監督をした勅使河原宏は元山村工作隊だし、作品の知名度は東側で高い。そうした安倍公房の思想背景は満洲経験、占領下経験といったところに求められるのはたしかなのだろうが、時代は無論、母親の影響も大きかった様だ。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月28日Tue [05:17] 東アジア  

公論と交際の東アジア近代 

公論と交際の東アジア近代公論と交際の東アジア近代
塩出 浩之

東京大学出版会 2016-10-29
売り上げランキング : 659245

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


三谷博ゼミのOBOG論集か。タイトルが漠然としているのは、各テーマに共通点を見出すのが苦しいからか。「台湾出兵」に関する中国での報道に関するものがちょっと興味深い。東アジアの近代ジャーナリズムは西洋がもたらしたものであることは確かであるのだが、今のCNN、BBC状態ではないが、横浜も上海も香港も西洋人が始めた新聞が情報ソースとなるので、当然視点が日本とか中国とか関係なく西洋なのである。台湾出兵に対して批判する新聞もあるが、賛成する新聞もある。それは「公論」であっても「世論」ではないのだろう。「ジャパン・タイムズ」の偏向報道は国内で批判されているが、かといって、中国の様に英字紙、SCMPみたいなものまで国家の影響下に置くことは国全体の失墜になろう。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月22日Wed [06:13] 東アジア  

多文化「共創」社会入門 

多文化「共創」社会入門:移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ多文化「共創」社会入門:移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ
小泉 康一 川村 千鶴子

慶應義塾大学出版会 2016-10-22
売り上げランキング : 190316

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


先日も慶應出版会の川村千鶴子編類似本を読んだのだが、こっちが先にあって、後から別バージョンを作ったのか。慶應の本だけど、編者二人は大東文化大教授であり、執筆人に大東文化が二人いて、慶應の人はいない。最近大東文化は左傾化しているというツイを見たけど、学生の高島平団地入居活動などもその手のものかな。ただ、日本人男性が常に悪者化されるのは社会学の手段として弱者の視点からという論法になるからだということを書いている人がいる。これはアメリカのトランプ現象もそうだが、常に悪者化されるアメリカの白人男性同様、日本の日本人男性も大多数はただの小市民であり強者でもなんでもないのに、その属性から元凶にされてしまう者からの異議申し立てであろう。中国人から日本人が大男人とされるのは抗日要因なのだが、なるほど、国際結婚の調査でも夫が日本人で妻の国に住んでいるケースはあまり研究対象になっていないのだという。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月20日Mon [06:39] 東アジア  

太平洋戦争入門

太平洋戦争 入門太平洋戦争 入門
洋泉社編集部

洋泉社 2016-06-01
売り上げランキング : 470256

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


洋泉社ムック。太平洋戦争研究会とかのチームではなく、執筆者が6人クレジットされているのだが、研究者ではなく、編プロ関係の人たちかな。参考文献は図説本とかが多いが、山田朗から黄文雄まである。洋泉社ムックだし、色は要求されないというか無色にするのはそのやり方がベストか。加藤陽子の例の本がベースとしてあるのだろうが、陸軍なり、ルーズベルトなり、蒋介石なりに責任を求めてみても、しょうがないのが歴史ではある。ただ、天皇だけは無罪にしとくのがべターか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月17日Fri [06:01] 東アジア  

いのちに国境はない

いのちに国境はない:多文化「共創」の実践者たちいのちに国境はない:多文化「共創」の実践者たち
川村 千鶴子

慶應義塾大学出版会 2017-02-22
売り上げランキング : 327366

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


百人町生まれで新宿多文化研究で知られる人の研究会かな。いのちに国境はないというのも大げさだが、普通のインタビュー集みたいなもの。どうもこうした「在日外国人」を一般化してしまう言説には違和感があるのだが、ミャンマー難民とクルド難民でも、その全体像には違いがある。多文化共生教はその先進地域であったはずのヨーロッパが揺らいでいるものだから、伝道師も動揺していると思うが、あまり構える必要はなくて、普通に接すればよいし、接する機会がなければ無理に接しにいく必要はない。いのちに国境があることは間違いないと思うが。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月15日Wed [05:34] 東アジア  

戦争を作り報道を歪める者たちの正体

戦争を作り報道を歪める者たちの正体 事件のシナリオを見抜かねば日本は再び戦場となる!戦争を作り報道を歪める者たちの正体 事件のシナリオを見抜かねば日本は再び戦場となる!
菅沼 光弘

ヒカルランド 2016-06-28
売り上げランキング : 362393

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


この人の話はネタとしては面白いのだが、ヒカルランド御用達になってしまってはベンジャミン・フルフォードと同類のキワモノ扱い。しかし、ヒカルランドはオウムのヘッドギアみたいなものの広告を載せてるけど大丈夫か。今回の目玉は豆満江を超えて朝鮮に亡命したKGVの前身NKVD長官だったリュシコフ大将という人の話。陸軍本部での尋問が終わり、大物なので神楽坂の料亭に芸者を付けて接待しお泊り。次の日に参謀本部が別名を付けなくていかんということになり、女好きみたいなので、マラトフとなったという。ウィキがあったのだが、満洲で活動していた時に終戦となり、ソ連に身柄を奪われることを恐れた日本軍によって、殺害されたのか。菅沼は棒迷を装って、ソ連から送り込まれたと見ているのだが、妻子が人質に獲られていた形か。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月11日Sat [05:18] 東アジア  

博覧会絵はがきとその時代

博覧会絵はがきとその時代博覧会絵はがきとその時代
高橋 千晶 前川 志織

青弓社 2016-10-21
売り上げランキング : 158330

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


研究書というか、明治から昭和の開戦前くらいまでの博覧会概要。絵はがきは切手以上に情報量があって、当時の博覧会ではおそらく大抵は記念に作られていたのだろう。自分も祖父の家から出てきたものを何種類か持っているが、どれも一枚、二枚ではなく、セットで何枚も入っている。封筒に隙間がないので、セットのものは使用せず、記念品としてとっておくものだったのかもしれん。ヤフオクに出しても、おそらく値が付かないのではなかろうか。当時の特徴として、朝鮮、台湾ファクターがあるのだが、エキゾチックさの演出以上に、「国内」のアピールがあるのだろう。沖縄や樺太は内地扱いだったのかな。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年03月09日Thu [06:10] 東アジア  

情報覇権と帝国日本 Ⅲ

情報覇権と帝国日本III: 東アジア電信網と朝鮮通信支配情報覇権と帝国日本III: 東アジア電信網と朝鮮通信支配
有山 輝雄

吉川弘文館 2016-11-22
売り上げランキング : 345072

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


第3弾みたいだが、1と2は読んだかな。たぶん読んでない。ただ、大北通信をめぐる東アジア通信網開設交渉史は何かで読んだ記憶はある。大北通信がタイトルだった本だろうか。今のインターネットとか通信衛星もそうだけど、戦争をせんとする国で情報網を外国に握られているというのは致命的な事か。この当時は日本が独自の通信網を引く技術などはないのだが、無線時代の期待もあって、地域での情報覇権には強気であった楊だ。日清間も朝鮮を挟むから、朝鮮に費用を負担させようともしたらしい。今の海底ケーブルも同じルートを通っているのか分からんが、満洲も朝鮮内の通信網が遮断されれば厳しかったか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年02月26日Sun [04:13] 東アジア  

あなたにもできる外国人へのこころの支援

あなたにもできる外国人へのこころの支援―多文化共生時代のガイドブックあなたにもできる外国人へのこころの支援―多文化共生時代のガイドブック
野田文隆 秋山剛 多文化間精神医学会

岩崎学術出版社 2016-09-20
売り上げランキング : 414217

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


実用書なのか、研究書なのかよく分からんやつ。一般向けではなく、医療、保健関係向けか。医療関係は身体的な病状であれば、言語の問題は深刻ではないんどあろうが、精神的病であれば、これは外国人にとって、日本の医療機関を受診するのはハードルが高い。米国は日本と違って精神科のハードルが低すぎる国だが、移民の精神科医は大流行だと聞いた、知らんかったが、昭和大烏山病院では中国人専用外来があるそうで、常時中国人医師が詰めているのだという。中国人の場合、都心の闇医者があるが、やはり保険証保持者は日本の医療機関にかかるのが一般的か。なもんで、入院中に隣のベットが中国人であったのは驚かなかったが、帰国者の看護師がいて、通訳に出てきたのは驚いた。後日、東京メトロの駅員がネイティブ中国語で応対していたのも驚いたのだが、その時は数日で退院したので、病状含め、詳しいことは聞かなかった。ただ、その入院患者が日本語の「八百屋」という単語が気にっ入ったのかやたら使うのが変だった。看護師「どこに行ってたんですか?」患者「八百屋」、「え、買い物ですか」、「違う、八百屋だよ」、「・・・・」。あの会話は未だに謎だ。八百屋にでも勤めていたのだろうか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年02月25日Sat [06:28] 東アジア  

外食国際化のダイナミズム

外食国際化のダイナミズム: 新しい「越境のかたち」外食国際化のダイナミズム: 新しい「越境のかたち」
川端 基夫

新評論 2016-01-21
売り上げランキング : 479980

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


コストダウンを理由にした製造業の海外進出は、もう特定の分野に限られてきているから、今後、伸び代があるのは第三次産業であることは誰しもが承知していること。外食はその中でも日本が比較優位性を持つ分野だし、投資も現地企業のオペレーションが前提である以上、製造業の様な巨額を必要とはしない。言うなれば、日本に実店舗が無くても、勝負できるのだが、「外食国際化」となると、日本国内で展開しているチェーン店の海外進出という理解が一般的か。寿司は中国、韓国人経営が海外のシェアの多くを占める為、ラーメンが有利というのも逆説的である。最近ではうどんなども出ているが、この辺も定着させるには中国人が乗り出すしかないか。日本の外食海外進出の黎明期にアメリカへのバーガー店進出があったそうだから、日本がラーメンを中国に出しても、中国が日本に寿司を出しても、それは食の国際化の流れというものである。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2017年02月19日Sun [05:37] 東アジア  

国際化時代「大正日本」

国際化時代「大正日本」 (日本近代の歴史)国際化時代「大正日本」 (日本近代の歴史)
櫻井 良樹

吉川弘文館 2016-12-27
売り上げランキング : 121711

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


芳川の「日本近代の歴史」というシリーズ。この前に「日清・日露」が出ているんだな。第2巻は大日方純夫だし、最近の吉川の傾向に沿ったものなのだが、時代背景の整理には良いかも。大戦せ世界が疲弊する中、主体的に「国際化」していった日本なのだが、この時期から第二次大戦までの大国願望は今の中国を髣髴させる。当時も今も世界のルールは欧米で決めていることには変わらんのだが、当時なら領土権益、今なら経済の拡大が実質的な一極支配を崩す鍵ではあるか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑