2018年02月17日Sat [05:18] 東アジア  

国際移動と親密圏

国際移動と親密圏: ケア・結婚・セックス (変容する親密圏―公共圏)国際移動と親密圏: ケア・結婚・セックス (変容する親密圏―公共圏)
安里 和晃

京都大学学術出版会 2018-01-23
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論集。タイトルから親族や友人を頼っての国際移住といったものを想像したのだが、親密圏とは介護や結婚、セックスを通した身体接触圏のことを言うのか。この3つは全く別の仕事として捉えられるが、国際移動という概念では同じ様な背景、つまりは経済的、物理的理由の移住という点では共通しているところがあり、学歴や経験といったものが程度の差こそあれ、移住の要件として厳しく要求されてはいない。フィリピン人のケースはその蓄積からよく知られているところであるのだが、そうした従来の被差別的労働問題以外にも親密圏のテーマは広い様だ。マレーシアとシンガポールの華人女性の母性規範はなぜ低いのかというテーマは興味深い。母性規範が低いことはプラスにもマイナスにも捉えられる訳だが、そもそも母性規範という概念自体フェミニズム的には忌避されるものではあろう。保育所落ちた日本死ねがマレーシアで通用しないのは子どもは実家の母親に預ければ良い、母親が出来なければ近所のオバサンという選択肢になるからであって、子どもは国の実家に預けっぱなしで、働くというのは在日華人夫婦にもよく見られるケース(不法滞在者に於いても)。父親の単身赴任が許されるのに、母親と子どもは離れては行けないというのは確かに男尊女卑的なのであろうが、日本の場合、母親自身が幼い子と離れることは考えにくいであろう。中国や華人社会に於いても、それは昔からそうであった訳ではなかろうが、現代化された社会に於いてそれが成立するのは子どもは親と離れて暮らそうが、親子関係は不変であるという確信があるからではあろう。それが儒教なのだと言えばそうなのかもしれんが。

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2018年02月16日Fri [04:16] 東アジア  

アジアの地域統合を考える

アジアの地域統合を考える――戦争をさけるためにアジアの地域統合を考える――戦争をさけるために
羽場 久美子

明石書店 2017-03-31
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パチンコ屋のワンアジア財団マネーは今の時代、何処の大学でも受け入れるしかないんかな。防衛大まで落としたみたいだが、これは青学。羽場久美子は欧州屋なのだが、鳩山由紀夫がトップで登場して、日本は尖閣を盗んだとか全く文字通りの中国の主張をしているので、ちょっと踊いた。次の元駐米大使が、鳩山政権で日米関係が壊れたと、ささやかな抗議を示したのだが、次が程永華だから、当たり障りの無い非政治話に戻す。と思ったら、古巣に帰ってきた天児慧が中国は覇権に戻ったとアチャー。で韓国の駐日大使が出てきて訳わからんようになるのだが、結局、例によって、バランスの為にも天児と北岡伸一を用意した中国と違って、韓国と北朝鮮はアンタッチャブル。青木保は韓国スゴイをかましているが、これは純粋に文化庁長官時代に韓国政府の桁違いの文化輸出攻勢を見せ付けられたからなのかもしれん。

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2018年02月11日Sun [03:53] 東アジア  

ボーダーツーリズム

ボーダーツーリズム ー 観光で地域をつくるボーダーツーリズム ー 観光で地域をつくる
岩下 明裕

北海道大学出版会 2017-12-06
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前にブックレットみたいなのを出していたと思ったけど、ダイジェスト版だったのかな。岩下明裕 は元々九州の人だし、現在も北大と九大を兼任しているみたいだから、南の国境にも土地勘も人脈もあるか。天下のスラ研に資金が入ってこないということはないのだろうが、この辺の学問でも産学協同体圧力はあるのかもしれん。稚内・サハリンツアーは趣味人が多いから、それなりに人が集まったそうだが、その流れで、対馬・釜山ツアー、石垣・台湾ツアーを企画したものの、惨敗してしまったのだという。たしかに釜山も釜山も単独で行けば高速船やLCCで安くあがるのに、わざわざ「国境ツアー」と称して、対馬や石垣に寄ってしまっては正規料金になってしまう。スタディ・ツアーはサハリンなどでは有効かもしれんが、韓国や台湾には旅行の不自由はないから、わざわざ高いカネを出す理由もない。

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2018年02月07日Wed [03:33] 東アジア  

現代日本の地政学 

現代日本の地政学 - 13のリスクと地経学の時代 (中公新書)現代日本の地政学 - 13のリスクと地経学の時代 (中公新書)
日本再建イニシアティブ

中央公論新社 2017-08-18
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日本再建イニシアティブは独立系シンクタンクとなっているが、理事長が船橋洋一で、齋藤ウィリアム浩幸とかの名前も有るので、胡散臭さは否定できん。ただ、船橋はまえがき、あとがきだけで、斎藤なんちゃらは執筆していない。金正恩を評価している人がいるので、何者かと思ったら防衛研究所の研究員だった。安全保障をプラグマティックに考えると、中国の様な激しい権力闘争や、軍部や世論の発言力を無視できない国より、北朝鮮の様な独裁者の胸先三寸の国の方がコントロールはし易いかもしれん。防衛研では北朝鮮の核が日本の標的を命中させる技術はないと見ていると思うが、この辺は米国から情報を受けているのだろう。北が確実に標的にできるのは南だけだから、文在寅が北のご機嫌を伺うのも無理はない。

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2018年01月30日Tue [02:51] 東アジア  

『日本』って、どんな国?

『日本』って、どんな国?初の【日本語作文コンクール】世界大会 101人の「日本語作文集」『日本』って、どんな国?初の【日本語作文コンクール】世界大会 101人の「日本語作文集」
大森和夫・弘子(国際交流研究所)編著

日本僑報社 2017-09-22
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ずっと、中国人大学生だけでやってきたのだが、対象を全世界、非学生にも広げたのか。類似のコンクールはありそうだけど、なかったんかな。とはいえ、大森夫妻の高名が轟いているのは中国に限られるので、7割方は中国人。日本在住の留学生は本家に応募資格が無いのか、こちらに参加してきている。中国以外では東欧が目立っていて、ルーマニアが複数入っているのだが、熱心な日本語教師でもいたんかな。オーストラリア、ニュージーランド、アメリカといった国が意外と少なく、そのほぼ全員が元中国人か韓国人と思しき人である。ベトナム、ネパール、モンゴルは「就学生」新御三家か。この手のコンクールでは日本の良いところを書くか、悪いところを書くかという二者択一になりがちだが、当然、前者の方が得点は狙える。就活と一緒である。

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2018年01月27日Sat [05:01] 東アジア  

ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア

ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジアジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア
瀬地山 角

勁草書房 2017-11-25
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駒場の研究会か何か。名前は総連系の人しか知らんかった。この辺のテーマは台湾のフェミやLGBT関係が熱いみたいで、博論の一部をぶち込んでいる人も。中国と日本の自慰比較とか訳わからんのもあるのだが、中国の50代以上で自慰経験者は12%しかいないというのはなかろう。日本も昭和の時代はこの手の調査は低くて、40%くらいだったのが、平成になって普通に90%になったから、中国もそのうち100%になるのだろう。一般的に女子も男子も数値に差異はないはずである(と聞いた)。日本と韓国は男尊女卑敵で、総連系の人も北朝鮮は日本と似ていると書いているのだが。中国がそうではないとは言い切れるのかなあ。先日谷崎光さんがネット記事で、中国人女性が働くのはリスクヘッジであると書いていたのだが、中国人の行動様式の本質はその辺なのかもしれん。

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2018年01月20日Sat [03:06] 東アジア  

核と戦争のリスク

核と戦争のリスク 北朝鮮・アメリカ・日本・中国 動乱の世界情勢を読む (朝日新書)核と戦争のリスク 北朝鮮・アメリカ・日本・中国 動乱の世界情勢を読む (朝日新書)
佐藤優 薮中三十二

朝日新聞出版 2017-12-13
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佐藤、藪中対談。佐藤優が言っている通り、役所では天と地の差がある身分であったそうだが、今では前科者の佐藤が藪中の先輩格みたいになっている。北朝鮮話なので、佐藤のズレは相変わらずなのだけど、それが芸風だから、もう気になることはない。今後中国の帝国化を拒むのはISというのは、中国の帝国化以前にISがポシャってしまったので、実現しそうにないのだが、ウィグル人にしても回族にしても、IS的なものは共産主義以上に浸透しない気はする。佐藤は朝鮮ナショナリズムが厄介なので、ソ連も北朝鮮を持て余していたとしているのだが、それは南も同じことである。とはいえ、北朝鮮が高句麗、韓国は新羅で別民族だというのはどうなんだ。

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2018年01月15日Mon [01:16] 東アジア  

インバウンド観光入門

インバウンド観光入門 ―世界が訪れたくなる日本をつくるための政策・ビジネス・地域の取組みインバウンド観光入門 ―世界が訪れたくなる日本をつくるための政策・ビジネス・地域の取組み
矢ケ崎紀子

晃洋書房 2017-11-20
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このテーマのの入門本はいっぱい出ているのだが、晃洋書房とは珍しい。共同出版だと思うのだが、こういう本はツールとして使えるか。よく分からんが、日本総研に在籍しながら、九大の修士を出て、国土観光庁に出向していた人なのかな。色々と、地方自治体に講演に行く機会が多いのだろう。爆買いも富士山もオワコンだけど、地方は右肩上がりだから、バスに乗り遅れるな的なところはあると思うが、観光も水ものだから、ハコ作っても回収できるかどうかはバクチみたいなもの。世界が訪れたくなる以前に日本人が訪れたくなる様な所でないと、続かんだろうね。

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2018年01月12日Fri [03:12] 東アジア  

学校では教えてくれない差別と排除の話

学校では教えてくれない差別と排除の話学校では教えてくれない差別と排除の話
安田浩一

皓星社 2017-10-10
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YA向けか。もうこの層を狙うしか無いというのはあるが、この人の場合、党派性に対する疑問も生じてきているみたいだな。反差別系の方は総連フロントが仕切っているし、のりこえのスポンサーの民団も本国が従北政権になってしまったから、日韓分断の障害がなくなってきている、ネトウヨ糾弾はようするにネトウヨ=安倍政権ということなので、沖縄とか研修生は手段に過ぎないのだが、この人は生粋の運動家ではないから、自分が利用されていることの自覚がはある様だ。将来的に転向する可能性は韓国や中国で反日に迎合しなかったところからも見て取れるのだが、この本はYA向けの啓蒙本なので、青少年をネトウヨに引き付けないことだけを目的としている。

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2017年12月26日Tue [05:49] 東アジア  

国際結婚と多文化共生

国際結婚と多文化共生――多文化家族の支援にむけて国際結婚と多文化共生――多文化家族の支援にむけて
佐竹 眞明 金 愛慶

明石書店 2017-12-05
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比、中、韓の国内国際結婚上位3国が対象の論集、数では中国、総数では韓国が多いが、出産数に於いては既にフィリピン人母が中国人母を上回っているとのこと。かつての経済上昇志向型は中国も少なくなってくるのだろうが、韓国の様に、高齢独身女性の選択肢としての日本人との結婚という形に変わってくるかどうかは分からん。韓国の「老処女」が男性余りが深刻な中国に嫁ぐというパターンも有り得るのかもしれんが、それが一つの現象となるまではいかないだろう。韓国の高齢(といっても40歳前後)未婚女性、離婚女性が結婚する事は難しいみたいで、未キャリアで生計を立てるのは更に困難であるそうだが、日本人男性側の結婚圧力はこれから減少に向かうだろう。韓国の多文化共生政策は同化が前提となっている点でモデルとしては成り立たないと思うが、結婚は私的領域という不干渉主義も否定すべきではなかろう。多文化共生が共同幻想であるうちはまだ良いのだが、幸福モデルを提示することは個人が文化に排除されることにもなろう。

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2017年12月16日Sat [07:08] 東アジア  

日本の労働市場開放の現況と課題

日本の労働市場開放の現況と課題: 農業における外国人技能実習生の重み日本の労働市場開放の現況と課題: 農業における外国人技能実習生の重み
堀口 健治

筑波書房 2017-11-10
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外国人技能実習生問題を人権問題の側面だけで捉えることの違和感を感じるのだが、その根底には旧来の搾取収奪という単純な構図が理解しやすいし、政治目的化できるというのあるだろう。従軍慰安婦が性奴隷なのかという問題にも通じるのだが、制度化された技能実習生を現代の奴隷と位置づけてしまってはその全体像は無論、原因も要因も可視化できない。慰安婦が買った人間の罪だけが問われるのと同じなのだが、売った人間も売られた背景も、本人の理解も人権の名の下に不問にしてしまうことの違和感は多くの日本人が持っているだろう。そうした点を整理して、現場の労働条件だけに縛られていない本書は良書である。技能実習生という名義でもわかる通り、技能が必要な労働現場である。雇用の側がらすれば低賃金よりも定着性の方に問題があり、それは日本人も外国人も同じである。一定期間経たないと戦力とはならないことは一般企業の年功序列の給料システムと同じである。不況も倒産も有り得るのは同じなのだが、それを雇用側の収奪システムとして捉えるより、送り出し側の不労取得を問うべきであろう。日中で始まったこの制度は友好協会関係が当初から関わっているのだが、中国やベトナムの公的機関を含め、その辺の利鞘で大儲けしている部分は研修生が借金という形で背負うことになる。慰安婦も同じ構図なのだが、この辺を問わない運動圏やジャーナリズムは別の動機を疑う必要があろう。

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2017年12月05日Tue [06:33] 東アジア  

詳説世界の漢字音

詳説 世界の漢字音詳説 世界の漢字音
大野 敏明

慧文社 2017-08-18
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産経を定年になった人が在野の研究者に感化されたものらしい。こういう研究書もどきには文句付ける人がいるだろうなと思ったら、やはりアマゾンには低評価が。このテーマは逆に非語学系の方が手を出しそうな感じで、言語学者はヤケドすることが分かっているから、あまり大風呂敷を広げない。語学力と言語力は別物でることは確かなのだが、北京音とか広東音とか並べられても、はあそうですかと思うだけである。北京音を標準音とするのなら、広東音なるものも広東語の標準音(必ずしもそうではないが)であって、広東語系の中には「広東音」より「北京音」の近い発音する文字もあったりする。中原から伝播して日本まで伝わったみたいな言語ダーウィン主義からまず自由になるべきではないか。

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