博論もの。水俣病資料館学芸員だった人だそうだが、内容は全く関係ないナミビア・ファッションの話。有名というかナミビアの代名詞ともなっているヒンバとこのヘレロは同系らしいが、ファッション的には真逆といった立ち位置であるのは興味深い。アフリカの洋装というとコンゴのサプールがブレイクしているが、その女性版とも言えるのがヘレロということで、綺羅びやかなロングドレスを普段着としているらしい。例によって著者は女性であるのだが、吉田ナギではないので、ヒンバのフィールドワークではなく、こちらを選ぶのが順当ではあろう。このドレスは言うまでもなく、植民地由縁であるのだが、ナミビアが独立したのはそう昔ではない。ドレスはドイツ時代に入ってきたものであろうが、ヒンバとヘレロの分断統治をやったという訳でも無いようだ。アンデスの先住民も西洋のスカートを伝統衣装としているが、画一的なデザインにならず、色彩豊かになるのはアフリカ人の色彩感覚も流通市場の形成も関係しているのだろう。


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ナミビア来たか。ナミビア本も初めてなんだな。お約束通り、日本人がほとんど知らない国だとか書いていあるけど、ほとんど知らない国でもこのシリーズなら図書館納品だけでペイするか。とはいえ、ナミビアの観光業は国の基幹産業みたいで、ヒンバはかなり(身体的にもだが)露出がある様な。アフリカ最後の独立国家などとも言われたが、その後、エリトリアがあって、まさかの南スーダンが来た。西サハラとかソマリランドとか候補はまだあるし、ナミビアの独立も南アのアパルトヘイト廃止などと重なっていることもあって、忘れ去られている様な。独立式典には各国が首脳クラス、元首脳を送りこく中、日本はなぜか倉成正とかショボい政治家を送ってアフリカ軽視だと言われたのを覚えている。ちなみに倉成の二世は一回しか当選できず、政界から身を引いているらしい。



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