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2020年08月29日Sat [02:45] ブラジル  

強権に「いいね!」を押す若者たち 



玉川透と玉川徹を混同していたのだが、こちらは朝日新聞の方らしい。ベルリン支局長からGROBE編集長代理というのは左遷なのか栄転なのか分らんが、日曜についているやつか。あれは学生に国際問題を関心を持たせようという趣旨のものみたいだが、軍事政権でも別に良いんじゃんと言う学生がいたことにショックを受けたらしい。それでブラジルまで飛んで、ボルサノーロ支持者の富裕層白人(これも恣意的だが)の若者にインタビューしたりするのだが、19歳のブラジル人に50歳の日本人が軍事政権は悪いものなんだよと諭したりしている。これこそが朝日とは言わんが、「リベラル」の傲慢さを体現していると思うが、ブラジル人でも昔は良かったなと言う人は多い。自分は社会を理解できる年齢ではなかったが、普通に子供らだけで外で遊べたし、知らん大人に混じってサッカー観たりもできた。軍事政権というと、ある日突然逮捕されて拷問され、徴兵され、言論の自由が無い独裁体制で戦後作られた「戦前」のイメージを想起するのかもしれんが、大多数にとって日常の空気は時代で変わるもんでもない。今の日本は言論の自由が無い独裁国家だというのが新聞労連の見解みたいだが、その体制を民意の選挙ではなく、記者の主張通りにデモで倒したら民主主義なのかという疑問は当然出てくるだろうし、そうして生まれた政権で格差が拡大し、治安が悪化し、景気が後退して、就職もなくなるというケースの方が少なくないというか多い。大新聞記者は理想だけで十分腹いっぱい飯を食っていけるが、普通の学生は自分の食い扶持が先細りするのを社会が悪い、政治が悪いからだと単純化はできないのである。

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2020年07月18日Sat [16:53] ブラジル  

移民と徳



博論もの。調査自体は2000年代らしい。ポスドクとて五輪関係の研究業務に関わっていたため書籍化が遅れたとのこと。帯に「移民知識人とは何か」とあるが、証言採取を主とするフィールドワークに対して、言説採取を主とするデスクワーク(で良いのかな)を主体にし構成なのか。ポルトガル語の限界や時間的制約等で方向を切り替えた様な話もあるが、2000年代のこの時期、ブラジルの日系人社会がブラジルの社会問題、日本への還流から、日系文化継承といった点で変換期を迎え、中でも著者が知識人文化と位置付ける「文化活動」が危機に陥っていたことはたしか。その主体系が日本語という言語を基本としていた以上、担い手だった日本語ネイティブが消滅すれば、当然「移民知識人」もいなくなるのだが、元来、有志の「徳」によって構築されていった文化活動は日本政府にしてもブラジル政府にしても国が「保護」の対象とするには幾つかの壁があるか。サンパウロの文協の危機は要するに財政危機であったのだが、日系人の日本還流や進出企業の撤退が直接的原因だとしても、日本文化受容のパイは自分の知っている時代の何倍にも拡大しているので、「ニッケイ」が「ニッポン」に淘汰されつつあるという風にも感じる。

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2020年03月20日Fri [14:16] ブラジル  

ブラジルの都市の歴史



明石の世界歴史叢書。翻訳ものかと思ったのだが、国産で、たぶん師弟共著。建築系の人が教育系院で教えて、歴史社会学本が出来たみたいな。コロニアル建築は社会学的には悪とされる植民地文化の中で唯一、評価を許された存在であるのだが、未だに思想的理解が歴史的理解に優先される日本を含む東アジアでも日本の植民地建築は文化財として残されている。総督府を破壊した韓国も最近は軌道修正している様だ。その点、ブラジルに於いてはコロニアル文化自体が歴史の象徴になっているのだが、感覚的には北海道に近いか。その辺、アイヌとインジオ或いは黒人奴隷と囚人労働といった共通項もあるのだが、札幌がサンパウロで函館がリオというのはちょっと違って、ブラジルの都市の歴史に当てはめれば、札幌はブラジリアで、函館はレシフェといったところか。

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2020年03月04日Wed [16:29] ブラジル  

孤独なツバメたち デカセギの子どもに生まれて

映画
孤独なツバメたち~デカセギの子供に生まれて~ [DVD]
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浜松学院大の学生が作った映画ではないのか。

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2020年01月12日Sun [14:44] ブラジル  

地図で見るブラジルハンドブック



例のフランス製シリーズ。「地図で見るラテンアメリカ」と同じ人らしい。日本のラ米研究者は600人(学会調べ)だそうだが、フランスはその3倍くらいはいるんかな。あのゴーンではないが、上級知識人は英語よりフランス語使いというのが南米の認識であるのだが、それもおフランスがラテン文化の上流文化であったこととか、反米意識とかと関係あるんかな。庶民にとっては日本同様、英語、アメリカがその位置にあるので、フランスを上位に置くのはある種の侮蔑意識が関係しているのは間違いはない。てなことで、別にゴーンの話をしているのはないのだけど、チェ・ゲバラがフランス語を第2言語としていたのも上流階級出の証であって、ゲバラを讃える人たちの多くがシャンパン左翼であるというのもまた事実である。いずれにしても左翼には原罪意識が欠かせない訳で、日本の左翼が「歴史認識」に拘るのもその辺なのだが、ブラジルでもおフランスは嫌味たらっしいイメージはあるんだよね。ブラジルがゴーンに助け舟を出さなかったのは単に距離的な事情だけではなさそう。

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2019年10月13日Sun [02:01] ブラジル  

移民と日本人

移民と日本人 ─ブラジル移民110年の歴史から─
深沢 正雪
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ニッケイ新聞の人。紙の方はまだ発行しているのだろうか。渡伯してパウリスタ新聞研修ということはあしなが研修組なのかな。何冊か出しているけど、こういうテキスト系は初めてかもしれん。南米の日本人の嚆矢をポルトガル商人の奴隷に求める説は今までもあったのだけど、移民史として見た場合、笠戸丸になるから、110年の歴史ということにはなる。「奴隷」の連綿性は否定はできんが。移民史の大きなトピックとして勝ち組負け組とか、デカセギとかもあるのだが、その辺は既に作品にしているので、敢えて外した様だ。代わりに思想史とかカトリック史といった珍しいのがある。

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2019年09月18日Wed [15:10] ブラジル  

現代ブラジル論

現代ブラジル論―危機の実相と対応力 (上智大学新書)
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上智大学新書は2000円なのか。まあブルジョア大だから当然ではあるが、ハードカバーの教授本を買わされるよりマシか。現代ブラジルのテキスト不足は国の規模、日本との関係性を考えれば憂慮すべきものであるが、ポルトガル語学科が日本には6大学だけとなると、それも致し方はない。かつては斉藤広志やアンドウ・ ゼンパチなどの1世、1.5世がテキストであった時代があったが、そのうち、言語アドバンテージがある逆1世や1.5世がブラジル研究をリードする日が来るであろう。ブラジルの関心はリオ五輪以降下降の一方だが、左翼から右翼に政権交代したことも一因か。「リベラル」政権のムチャぶりが、右派政権を生むのはトランプでもアベでも同じではあるのだが、ブラジルは未だ「軍部」が政治的にも大きな意味合いを持っているので、ムチャというかムイトをムイトで軌道修正してしまう力が働いてしまう。ベネズエラ難民は必ずしも反左翼ではないだろうし、人口希薄な北部に集中するとなれば、ハイチ難民と違って、安全保障上の問題にもなろう。

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2019年06月07日Fri [02:51] ブラジル  

大岩オスカール光をめざす旅



NY在住の日系ブラジル人アーティストとのこと。金沢21世紀美術館の公式図録。宮沢和史も寄稿している。日葡ではなく、日英表記となっているのは今の本拠が米国だからではなく、図録としては当然のことだからであろう。ブラジル大使館の後援は入っている。日本在住も長かったみたいだが、USP出の人でデカセギというより就職組らしい。住んでいたのも東京。作品を見ると普通に漢字の看板なども描いており、親は新移民の日本語ネイティブかもしれん。オスカールという表記は本人の意思であろうが、元セレソンで、日産にいたオスカーや中国都落ちのオスカルよりブラジル風表記という判断か。私はそうは思わんが。

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2019年05月24日Fri [00:18] ブラジル  

21世紀ブラジル音楽ガイド



基本ディスクガイドだが、既発のものなのだろうか。大洋レコードとかにまで行かなくても十分、聴く手段はありそう。前から思っていたことなのだが、ブラジルのミュージシャンは家族経営が多い。誰の誰の息子、娘だとか兄とかが、説明欄にもよく出てくる。いちばん有名なのはカエターノ・ベローゾ、マリア・ベターニャ兄妹だが、その子どもたちもミュージシャンであるし、その辺の血縁関係の割合は日本などよりずっと高いのでは。音楽は家庭環境の影響される部分が大きいから当たり前と言えば当たり前なのだが、職業選択の観点ではブラジルではミュージシャンはヤクザな稼業になるのだろうか。

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2018年11月20日Tue [13:02] ブラジル  

ブラジル映画史講義 



455頁もあるから、文字通りの映画百科みたいになっているのかと思ったのだが、実際に批評として取り上げられているのは数作品だけである。「黒いオルフェ」から入って、「リオ40度」、「黒い神と白い神」、「アントニオ・ダス・モルテス」といったシネマ・ノーボの代表作であるのだが、日本でもヒットした「セントラル・ステーション」とか「シティ・オブ・ゴット」といった近年の作品にはブラジル性が欠如しているので取り上げないとのこと。海外の映画批評家が「七人の侍」とか「東京物語」こそ日本の映画であり、最近の映画は日本性が欠如しているとかしたら、それこそオリエンタリズムなのだが、日本人が黒澤や小津こそが日本だと思わないのと同様に、ブラジル人がグラウベル・ホッシャをブラジルだと感じるかは別問題。シネマ・ノーボの評価は日本の松竹ヌーベルバーグみたいなものだから、ブラジル社会を反映させたものというより、非現実的な世界であるのだが、混血性礼賛はある意味、今福の心の師であるレビ=ストロース以来のブラジルのステレオタイプではある。それ故、海外の評価基準はそこに来る訳だが、あえてブラジル人を一般化して混血性がアイデンティティとして根付いているのかというとそうではなかろう。ネガティブではなくポジティブに捉えることがポリコレではあるが、ブラジル性をそこに帰結させてしまうと、オリエンタリズムの粋からは逃れなれない。

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2018年09月25日Tue [05:30] ブラジル  

移民の魁傑・星名謙一郎の生涯

hoshina-e1510727231630.jpg移民の魁傑・星名謙一郎の生涯―ハワイ・テキサス・ブラジル
飯田 耕二郎

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著者はハワイ日本人移民研究の人らしいが、主人公の星名謙一郎という人はハワイからテキサス、そしてブラジルへと渡った人とのこと。所謂移民とは違う系譜なのだが、宣教師をしたり、農場監督をしたりして、ブラジルでは出版をやっていたそうな。「農業のブラジル」という雑誌を発行していたらしいが、「実業のブラジル」という長い歴史がる経済誌と関係あるのかと思って、検索してみたら、「実業のブラジル」は「農業のブラジル」を吸収したもんどえあるが、その「農業のブラジル」は1950年代の創刊であり、1920年代に出ていたという件の「農業のブラジル」とは別物か。ブラジルには農業をしに来たのではないので、しばらく遊んでいたとのことだが、こうしたボヘミアンタイプの日本人は割とブラジルに多い。

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2018年08月26日Sun [05:59] ブラジル  

セレソン

セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉
藤原清美

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ワールドカップ本で出たみたいだが、あわや日本戦が実現するところだったから、版元としても逃した魚はでかかったろう。藤原清美はそんな事関係なくマイペースだと思うが、久々に名前を見た。2002年に露出してた時以来かもしれんが、よく続いているな。もうポルトガル語で笑われる事はないのだろうが。もちろん開幕前に取材したものだが、ジョルジーニョの日本分析がベルギー戦の敗因を予言していたかの様である。日本の選手は技術が高いので上手くいくと過信して攻撃を続けてしまう。まずは守備を固める戦術で行くべきだと。

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