2017年03月14日Tue [05:50] ブラジル  

ブラジル民主主義の挑戦

ブラジル民主主義の挑戦――参加型制度の実践と社会変容 (ブックレット《アジアを学ぼう》別巻)ブラジル民主主義の挑戦――参加型制度の実践と社会変容 (ブックレット《アジアを学ぼう》別巻)
佐藤 祐子

風響社 2016-11-15
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風響社ブックレット《アジアを学ぼう》だが、アジア外は別巻になるのか。いっそのことAAAに学べとかにすれば良いのにとも思うけど、元々発刊の趣旨が松下在団のアジアスカラシップで送り出した研究者の卵の発表の場であったそう。と岸本美緒選考委員長が書いているのだが、現在の名称は松下幸之助国際スカラシップとのこと。パナももうアジアはジリ貧だから、ブラジルとかの新興市場の方を攻めたいのではあろう。ブラジルもワールドカップとオリンピックで高度成長するはずが、その前のコンフィデで、20年ぶりの全国的デモが生じてしまったというから、タイミングが悪すぎる。ワールドカップはほとんど冗談みたいな結末であったし、五輪は大統領不在では悪夢の連鎖としか言いようがない。それでもそれが民主主義の挑戦であるというなら良かろう。ただ、13年が20年ぶりのデモであったのなら、民政移管の歳月は何だったのだということになってしまう。

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2017年03月07日Tue [06:26] ブラジル  

ブラジル日系移民の教育史 

ブラジル日系移民の教育史ブラジル日系移民の教育史
根川 幸男

みすず書房 2016-10-26
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すごい大作だ。USPで修士をとって、ブラジリア大で日本語を教えていた人らしい。となると、日系人の日本語教育には否応無く関心が向くか。戦前オンリーなので、戦後は次回作かもしれんが、出せるかな。日本のブラジル人学校との比較などもできるし、貴重な研究だと思う。ブラジルの日系人学校の歴史に関しては個々や各地域はまとめたものがあるのだが、総体的なものはなかったのか。そのほとんどは現在では消滅しているから、記録が残されていない学校もあるのかもしれない。ブラジルの場合、当時の農村では日系学校どころか、公立の学校さえ多くは無かったので、日系人学校も現地化されていったのだが、日系人学校とドイツ系学校に共通の面が見られたというのは、元々ドイツの教育を日本がモデルにしていたということもあるか。音楽の授業などは今でもブラジルの学校では無いところが多い。そうした日系人学校で学ぶ、日系人初の政治家となった田村幸重のサクセスストーリーは浪曲になったりしたそうだが、日本語は流暢だが、敬虔なカトリックでよりブラジル人的だった田村がブラジル名を使わず、ブラジル人には発音しにくい本名のユキシゲ・タムラで当選を重ねていた事を昔は不思議に思っていた。あれは日本人っぽい名前でる方がアピールし易かったからなのだろうか。同時期にトップ当選を重ねていたのがブラジル・ビッタという人だった。

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2017年02月07日Tue [05:47] ブラジル  

リアル×リオパラリンピック

リアル×リオパラリンピック ~井上雄彦、熱狂のリオへ~リアル×リオパラリンピック ~井上雄彦、熱狂のリオへ~
チームリアル

集英社 2016-12-28
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「スラムダンク」もよく知らんので、その作者が車椅子バスケの漫画を描いているとも知らんかったのだが、この競技はパラの中でも一早くプロ化されたということは知っている。「リアル」が「スラムダンク」に匹敵する人気があるのか分らんが、漫画ではなくリアルの競技を盛り上げる役割は自覚的なのであろう。日本代表選手のうち6人はドイツのブンデスリーガ所属とのこと。サッカーを母体としたクラブ組織がしっかりしているのがドイツだが、そうした総合型クラブは日本では新潟くらいなのかな。

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2016年10月26日Wed [04:23] ブラジル  

ブラジルの政治経済と日本のODA

ブラジルの政治経済と日本のODAブラジルの政治経済と日本のODA
布目 稔生

文芸社 2016-07-01
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研究書というほどでもないのだが、文芸社でこの手のものは珍しいな。日債銀を退職して修士をとった人らしいが、研究職なのかおうかは分らん。創成社と文芸社から単著を出しているらしい。晃洋とかよりは安く済むのかな。ODAが専門みたいだが、ブラジルとの繋がりは不明。銀行時代に何か接点があったのだろうか。現代政治史概説としては使えるかも。ブラジルもこれからW杯と五輪のツケが回ってくるから、余程の資源市場回復でもない限り、政治のゴタゴタは続くと思われるが、もう日本には余力がないどおろか、下手すりゃ明日は我が身。ウジミナスと宝山を比べても、ODAの遺産は健在かと思うが、中国企業が買収なんてことがあるのかもね。

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2016年10月24日Mon [04:04] ブラジル  

大地を受け継ぐ

大地を受け継ぐ大地を受け継ぐ
アンガス・ライト ウェンディー・ウォルフォード 山本 正三

二宮書店 2016-04-01
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ブラジルの土地なし農民運動のアジ本で、米国産。2003年原書だが、この邦題をタイトルにした福島の農家のドキュ映画があるんだな。源流は三里塚かもしれんが、ブラジルのMSTなどとも反原界隈は関連付けているのだろうか。W杯と五輪でスポットライトを浴びたのはファベーラなどの都市社会運動なのだが、ブラジルでは元々農民運動の方が伝統的である。土地無し農民が都会に出て、ファベーラの住人となるのだから、根本は同じとも言えるが、ファベーラ以上にファゼンダは無法地帯というか、地主の権力支配が並大抵ではないので、三里塚や高江の様に外人部隊ではなく、農民が抵抗の主役である。ただ、啓蒙書としてもテキストとしても必要なものなのだろうが、これだと、日本の運動圏の読者でもキツイのではなかろうか。ガリンペイロ関係は最近Nスぺで、最悪イメージをバラまいてしまったが、日本の界隈との連帯は難しそうだね。

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2016年10月19日Wed [00:39] ブラジル  

リオデジャネイロ歴史紀行

リオデジャネイロ歴史紀行リオデジャネイロ歴史紀行
内藤 陽介

えにし書房 2016-08-09
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ワールドカップに合わせるつもりが、オリンピックになってしまったらしい。ワールドカップで、セレソンはマラカナンまで辿り着けなかったし、日本代表はそれ以前なので、営業的にも五輪に合わせて正解だったかもしれん。リオも治安の悪さばかりクローズアップされた観があったし、良くてサンバ程度だったので、歴史も予習復習は必要であろう。サンパウロの人間からすると、リオは東京大阪以上の距離感があるのだが、リオはファベーラとカーニバルとコパカバーナにポン・ジ・アスーカルといったエキゾチック・イメージは国内でも大した変わりはない。羽田発リオ就航記念ポストカードも載っているのだが、1954年で切手は115円もしたのか。リオ発は4.2コント。往路は6日かかるというのは郵便の話であって、飛行機自体がそんなにかかったのだろうか。乗りっぱなしだとシベリア鉄道並みなのだが、70年代だと、アンカレッジ、ロス、リマ経由で30時間くらい。ブラジルのエアメールは黄と緑という独特の封筒なので、どこの国で受け取っても、すぐブラジルだと分かったものなのだが、下手すれば、手紙より電話の方が安かったりするから、時代とともに距離感も移り行くものである。

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2016年10月14日Fri [03:47] ブラジル  

補欠廃止論

(096)補欠廃止論 (ポプラ新書)(096)補欠廃止論 (ポプラ新書)
セルジオ 越後

ポプラ社 2016-06-08
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セルジオの発言は「御意見番」としてではなく、「サービス番」として聞くのが正解。本人も別に本気で言っている訳ではなく、ただ日本人とは違う別のインパクトある話をしなければならないというのが習慣的に身についているだけの事。それがブラジル人のアイデンティティではあるのだが、ブラジルには部活も補欠もない、更に言えば学校があっても通えない、通えても体育も校庭もなければ、「放課後」は二部制なので、入れないということを棚上げして言っている。ブラジルが日本よりサッカーが強いのは別に部活や補欠に理由があるのでではなく、部活や補欠を日本が廃止して、日本が強くなるという可能性は薄いだろう。日本とブラジルの折衷型として韓国式の部活少数精鋭主義はあるが、そうなれば高校サッカーで盛り上がることもなければ、全都道府県に広がったJ下部チームも大学も選手の配給が止まるだろうし、その維持も不可能になる。選手登録制度に問題があることは確かだが、補欠でも良いから強豪校の一員としてサッカーをすることに意味を見出している選手も多いというか、それが絶対多数であろう。セルジオの言うような路上でサッカーをする子供が今のブラジル・サッカーを支えている訳ではない。安全が担保されない都市ではそれは難しいし、グラウンドやフットサル場に送り迎えできる環境が無いと、子どもたちはサッカーをすることも出来なくなっている。経済的に厳しい状況だと中学生、小学生でクラブに拾われなければそれで終わりであるし、「選手」として20歳過ぎて活動できるのはそのうちの少数である。

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2016年09月17日Sat [04:32] ブラジル  

リオデジャネイロに降る雪

リオデジャネイロに降る雪――祭りと郷愁をめぐる断想リオデジャネイロに降る雪――祭りと郷愁をめぐる断想
福嶋 伸洋

岩波書店 2016-07-22
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リオ本。こんなのが出ておったか。岩波か。リオの書き手を必死で探したんだろうな。リオに留学経験のある人で、専門はボサノバか。日本人のボサノバ好きはブラジルでも知られているところだが、五輪でボサノバはほとんど使われなかったんじゃないかな。開会式は視てないけど、「イパネマの娘」くらいはあったのかな。テンポ的にはきつそうだが。カエタ―ノ・ベローゾとかジルベルト・ジルといったMPBの大御所が出たみたいだが、お祭りなんだから、サンバ一色で良かろう。その関係もあるが、ファベーラもすっかり、単語として日本で定着した。ボサノバなどはブルジョアのしみったれた歌であるのだが、このエッセイも何だか情緒的過ぎるな。

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2016年08月31日Wed [04:39] ブラジル  

移り来て、今

移り来て、今 ~ブラジル日系移住地に渡った人々の記録~移り来て、今 ~ブラジル日系移住地に渡った人々の記録~
編者:山田 史子

文芸社 2016-06-01
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定年教員シニボラが2007年に凸版印刷現地法人で製本したものを文芸社で復刊したのか。自費だから五輪とは関係ないだろうけど、ブラジルの後にはミャンマーに行っていて、同様にヤンゴン日本人学校名義で製本しているらしい。日本語教師なので、生徒の作文集かと思ったのだが、ブラジルではモジのコロニアで日系ボランティアだった様だ。日本語教育世代の一・五世や二世が主なので、日本語の生徒ということではなく、募集原稿だったのかもしれない。インタビュー集などもある。使われているのもコロニア語である。

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2016年08月30日Tue [04:22] ブラジル  

ブラジルの光、家族の風景

ブラジルの光、家族の風景: 大原治雄写真集ブラジルの光、家族の風景: 大原治雄写真集
大原治雄

サウダージ・ブックス 2016-04-18
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五輪効果か結構、話題になっていた写真家だが、今福龍太のサウダージ・ブックスから。高知県立美術館で写真展が開催されたそうで、サウダージ・ブックスは高松が拠点なのか。その後、伊丹が終わって、清里を巡回するみたいだが、五輪期間中はお休み。東京の大使館もそれどころではないか。私などは日系移民とか家族の貴重な歴史史料という前面よりも、コロニアの文化活動という側面で見てしまうのだが、今福は自分も写真をやるので、そうした点にも触れている。かつてリベルダージにはそうしたコロニア・カメラマン御用達のカメラ店が何件かあったのだが、デジタルの時代になり、コロニアそのものも家族も分散してしまっては文化活動もあくまで個人という枠内に閉じこもってしまうか。

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2016年08月23日Tue [04:14] ブラジル  

外国人の就学と不就学

外国人の就学と不就学 社会で「見えない」子どもたち外国人の就学と不就学 社会で「見えない」子どもたち
小島 祥美

大阪大学出版会 2016-03-10
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可児市での調査とのことで、事実上、ブラジル人対象であるのだが、もちろんそれ以外の外国人もいるので、出身国名は明記しないというよく分からんスタイル。国名を表記すると特定の国に対して偏見を広げることになるという論理なのかな。その属性を隠蔽して、外国人という一括りで一般化してしまう方が問題がありそうな気もするのだが、大多数がブラジルであるのだから、名指しを避けたいということなのか。面白いなと思ったのはインフォーマントに「アミーゴ」と思われる様に女性調査員が装身具を付け、おそらくはその手のファッション、化粧を施してインフォーマントに臨んだという点。女性で、相手がブラジル人で、「アミーゴ」でも別に良いんだけど、まあ努力は認める。ただ、日本に住んでいる日系人、非日系でもそうが、日本人の大学院生がそんな格好で来ると、ギャルっぽいとか思われるんじゃなかろうか。ブラジルでも学生は地味系が相場だけどな。

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2016年07月26日Tue [04:48] ブラジル  

ブラジル雑学事典

ブラジル雑学事典ブラジル雑学事典
田所 清克

春風社 2016-04-08
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新評論が「現代ブラジル事典」を復刊させたからかもしれんが、これは「雑学事典」なのかな。五輪本では他の追従を許さぬという意気込みが田所先生にはあったのだろうが、力入れ過ぎだろ。元ブラジル人でもよう読みこなさせない。歴史、地理、文学が著者の守備範囲であって、文学を抜きにしてその国を語れるかと謳い上げているのだが、やはりそれは学問であって、少なくとも「雑学」ではない。ポル語の翻訳家目指す人向けに教養を叩き込んでやるといった感じだが、それが著者の本職ではあるか。とはいえ、一般のブラジル人が文学を読むかと言うと、活字離れが言われる日本が地上の楽園に思えるほどお寒い限りである。ましてやブラジル文学などという話になってしまうのだが、自国の作家が主流を形成している国というのはそれほど多くは無い。

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