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2019年10月13日Sun [02:01] ブラジル  

移民と日本人

移民と日本人 ─ブラジル移民110年の歴史から─
深沢 正雪
無明舎出版 (2019-06-08)
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ニッケイ新聞の人。紙の方はまだ発行しているのだろうか。渡伯してパウリスタ新聞研修ということはあしなが研修組なのかな。何冊か出しているけど、こういうテキスト系は初めてかもしれん。南米の日本人の嚆矢をポルトガル商人の奴隷に求める説は今までもあったのだけど、移民史として見た場合、笠戸丸になるから、110年の歴史ということにはなる。「奴隷」の連綿性は否定はできんが。移民史の大きなトピックとして勝ち組負け組とか、デカセギとかもあるのだが、その辺は既に作品にしているので、敢えて外した様だ。代わりに思想史とかカトリック史といった珍しいのがある。

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2019年09月18日Wed [15:10] ブラジル  

現代ブラジル論

現代ブラジル論―危機の実相と対応力 (上智大学新書)
堀坂 浩太郎 子安 昭子 竹下 幸治郎
ぎょうせい (2019-04-12)
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上智大学新書は2000円なのか。まあブルジョア大だから当然ではあるが、ハードカバーの教授本を買わされるよりマシか。現代ブラジルのテキスト不足は国の規模、日本との関係性を考えれば憂慮すべきものであるが、ポルトガル語学科が日本には6大学だけとなると、それも致し方はない。かつては斉藤広志やアンドウ・ ゼンパチなどの1世、1.5世がテキストであった時代があったが、そのうち、言語アドバンテージがある逆1世や1.5世がブラジル研究をリードする日が来るであろう。ブラジルの関心はリオ五輪以降下降の一方だが、左翼から右翼に政権交代したことも一因か。「リベラル」政権のムチャぶりが、右派政権を生むのはトランプでもアベでも同じではあるのだが、ブラジルは未だ「軍部」が政治的にも大きな意味合いを持っているので、ムチャというかムイトをムイトで軌道修正してしまう力が働いてしまう。ベネズエラ難民は必ずしも反左翼ではないだろうし、人口希薄な北部に集中するとなれば、ハイチ難民と違って、安全保障上の問題にもなろう。

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2019年06月07日Fri [02:51] ブラジル  

大岩オスカール光をめざす旅



NY在住の日系ブラジル人アーティストとのこと。金沢21世紀美術館の公式図録。宮沢和史も寄稿している。日葡ではなく、日英表記となっているのは今の本拠が米国だからではなく、図録としては当然のことだからであろう。ブラジル大使館の後援は入っている。日本在住も長かったみたいだが、USP出の人でデカセギというより就職組らしい。住んでいたのも東京。作品を見ると普通に漢字の看板なども描いており、親は新移民の日本語ネイティブかもしれん。オスカールという表記は本人の意思であろうが、元セレソンで、日産にいたオスカーや中国都落ちのオスカルよりブラジル風表記という判断か。私はそうは思わんが。

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2019年05月24日Fri [00:18] ブラジル  

21世紀ブラジル音楽ガイド



基本ディスクガイドだが、既発のものなのだろうか。大洋レコードとかにまで行かなくても十分、聴く手段はありそう。前から思っていたことなのだが、ブラジルのミュージシャンは家族経営が多い。誰の誰の息子、娘だとか兄とかが、説明欄にもよく出てくる。いちばん有名なのはカエターノ・ベローゾ、マリア・ベターニャ兄妹だが、その子どもたちもミュージシャンであるし、その辺の血縁関係の割合は日本などよりずっと高いのでは。音楽は家庭環境の影響される部分が大きいから当たり前と言えば当たり前なのだが、職業選択の観点ではブラジルではミュージシャンはヤクザな稼業になるのだろうか。

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2018年11月20日Tue [13:02] ブラジル  

ブラジル映画史講義 



455頁もあるから、文字通りの映画百科みたいになっているのかと思ったのだが、実際に批評として取り上げられているのは数作品だけである。「黒いオルフェ」から入って、「リオ40度」、「黒い神と白い神」、「アントニオ・ダス・モルテス」といったシネマ・ノーボの代表作であるのだが、日本でもヒットした「セントラル・ステーション」とか「シティ・オブ・ゴット」といった近年の作品にはブラジル性が欠如しているので取り上げないとのこと。海外の映画批評家が「七人の侍」とか「東京物語」こそ日本の映画であり、最近の映画は日本性が欠如しているとかしたら、それこそオリエンタリズムなのだが、日本人が黒澤や小津こそが日本だと思わないのと同様に、ブラジル人がグラウベル・ホッシャをブラジルだと感じるかは別問題。シネマ・ノーボの評価は日本の松竹ヌーベルバーグみたいなものだから、ブラジル社会を反映させたものというより、非現実的な世界であるのだが、混血性礼賛はある意味、今福の心の師であるレビ=ストロース以来のブラジルのステレオタイプではある。それ故、海外の評価基準はそこに来る訳だが、あえてブラジル人を一般化して混血性がアイデンティティとして根付いているのかというとそうではなかろう。ネガティブではなくポジティブに捉えることがポリコレではあるが、ブラジル性をそこに帰結させてしまうと、オリエンタリズムの粋からは逃れなれない。

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2018年09月25日Tue [05:30] ブラジル  

移民の魁傑・星名謙一郎の生涯

hoshina-e1510727231630.jpg移民の魁傑・星名謙一郎の生涯―ハワイ・テキサス・ブラジル
飯田 耕二郎

不二出版 2017-11-15
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著者はハワイ日本人移民研究の人らしいが、主人公の星名謙一郎という人はハワイからテキサス、そしてブラジルへと渡った人とのこと。所謂移民とは違う系譜なのだが、宣教師をしたり、農場監督をしたりして、ブラジルでは出版をやっていたそうな。「農業のブラジル」という雑誌を発行していたらしいが、「実業のブラジル」という長い歴史がる経済誌と関係あるのかと思って、検索してみたら、「実業のブラジル」は「農業のブラジル」を吸収したもんどえあるが、その「農業のブラジル」は1950年代の創刊であり、1920年代に出ていたという件の「農業のブラジル」とは別物か。ブラジルには農業をしに来たのではないので、しばらく遊んでいたとのことだが、こうしたボヘミアンタイプの日本人は割とブラジルに多い。

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2018年08月26日Sun [05:59] ブラジル  

セレソン

セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉
藤原清美

ソル・メディア 2018-06-04
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ワールドカップ本で出たみたいだが、あわや日本戦が実現するところだったから、版元としても逃した魚はでかかったろう。藤原清美はそんな事関係なくマイペースだと思うが、久々に名前を見た。2002年に露出してた時以来かもしれんが、よく続いているな。もうポルトガル語で笑われる事はないのだろうが。もちろん開幕前に取材したものだが、ジョルジーニョの日本分析がベルギー戦の敗因を予言していたかの様である。日本の選手は技術が高いので上手くいくと過信して攻撃を続けてしまう。まずは守備を固める戦術で行くべきだと。

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2018年07月09日Mon [04:47] ブラジル  

移民の町サンパウロの子どもたち 

29035666_1.png移民の町サンパウロの子どもたち
ドラウジオ・ヴァレーラ 松葉 隆

行路社 2018-05-01
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研究書かと思ったのだが、児童書なのかな。全然知らん人だったのだが、ブラジルでいちばん有名な医者で作家でもあるらしい。子ど時代の回想記なのだが、用語解説に、ブラジル紹介、訳者エッセイとかなり膨らましたもの。社会人向けポルトガル語講座に集う人たちが講師を中心として訳したものの様だ。その中のブラジル駐在経験者のエッセイがあったりするのだが、それは最近の話であって、舞台である1950年代とはあまり関連性が無い。ブラジル啓蒙本にしたかったのだろうが、「三丁目の夕日」にクールジャパンをくっ付ける様なもので、当時のブラジルの状況説明だけで良かったんじゃないかな。

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2018年02月15日Thu [04:54] ブラジル  

ホーザ

Rose ホーザ ブラジルからのおくりもの 日本でがんと闘ったバルの記録Rose ホーザ ブラジルからのおくりもの 日本でがんと闘ったバルの記録
佐々木 郁子

幻冬舎 2017-10-20
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東大図書館で定年まで司書をしていた人だそうだが、幻冬舎が一番信頼できるということで、幻ルネで自費出版したのだという。文学畑の人だが、図書館に一番所蔵されやすい自費本は幻冬系かもしれん。近場の図書館には筋が無いと怒ったりしているが、本題は全く別の話で、養女にしたブラジル人女性を看取った記録。ブログが元の様だが、代替医療系になるんかな。聖路加の緩和ケア病棟にいたそうだか、食事療法でガンは消えたのに、死因がガンであるとされたのが納得いかないという話を冒頭に書いている。病気になったから、養女にしたのではなく、26年前から母娘二人の生活だったとのことで、弟の葬儀よりも娘の検査付き添いを優先させたりもしている。娘は元々、サンパウロの文化会館で日本人駐在員家族と交流があり、その縁で日本に留学した人だそうだが、非日系で、ビザの関係で養子縁組したらしい。二人共、異性関係の話は全く出てこないが、日本人と養子縁組後に帰化というケーは結構ある。末期にはポルトガル語しか話せなり、言葉が通じなくなったそうだが、移民二世の子どもが末期の一世の親と言葉が通じなくなったという話はよく聞くが、こういうケースは初めて聞く。著者は30年位前に人民大に留学したという中国語の人だそうで、茜さんという中国人看護師さんも出てくるのだが、茜さんは娘と電車の中で知り合った友人だそうで、この三人が擬似家族関係みたいになっている。おそらくこういった血縁、国家ととは別の関係性で結ばれた人たちの方がより深い絆というものを意識するのであろう。

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2018年01月09日Tue [02:51] ブラジル  

リナ・ボ・バルディ

リナ・ボ・バルディリナ・ボ・バルディ
和多利恵津子(ワタリウム美術館)

TOTO出版 2017-11-22
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イタリア出身のブラジルの建築家なのだが、ブラジルに移住したのは32歳の時なのか。1945年のことなのでイタリアは苦ししい状況下であり、ブラジルへの移民はこの時期も多かったか。リオからサンパウロに移ったのは資金的事情とのことだが、サンパウロ美術館のオープンが1947年。この建物は今でもパウリスタ通りのランドマークとなっているのだが、設計したのがボバルディである。リオではなく、サンパウロが建築をリードしたのは、新興都市ということもあったのだろうが、ポンペイアのSESCも手がけるなど文化施設を得意とした人。70年代二度、来日したそうで、当時のことだから、「中国のマルキシズム」批判もした様だ。さすがに建築界は左翼の天下というふうではなかったか。

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2017年12月14日Thu [04:55] ブラジル  

多文化共生地域福祉への展望

多文化共生地域福祉への展望: 多文化共生コミュニティと日系ブラジル人多文化共生地域福祉への展望: 多文化共生コミュニティと日系ブラジル人
朝倉 美江

高菅出版 2017-10-30
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運動圏や学術界は近年の在日外国人問題を在日朝鮮人を先行モデルとして位置づける事に何の疑問も抱かないのだろうが、その当事者自身の意識まで「在日外国人」という括りで同一視してしまうのはどんなものなのか。差別の解消や権利獲得を運動によって解決するという目的性を在日ブラジル人に強いるとしたら、それもまた乱暴なものである。その上で、韓国での「市民宗教団体」による活動を先進モデルとするのであれば、やはり運動圏の論理に盲従しているとしか言えない。理想化された多文化共生がブラジルの社会に存在してないし、その延長線上にデカセギがあるので、その目的に合致したもの以上のことを運動圏が忖度する必要もなかろう。第二世代以降はまた変わってくるが、日系社会でもニッケイとガイジンの分け目がある訳で、在日ブラジル人と日本人の分け目があることは別に自然なことであり、その辺を差別とか融合といったもので解消する理由もなかろう。物理的支援策はあればこしたことがないが、日本人の意識改革までブラジル人が求めるかどうか。

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2017年08月15日Tue [06:00] ブラジル  

遥かなるブラジル

遙かなるブラジル: 昭和移民日記抄遙かなるブラジル: 昭和移民日記抄
與島瑗得 畑中雅子

国書刊行会 2017-06-13
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国書刊行会だけど、持ち込みなのかな。26年前にブラジルで亡くなった人の日記だが、この本を出した妹さんに何か心残りがあったのかもしれない。場所は違うが、ちょうど私がいた時期と重なるので、思うところはあるけど、まず癌だと知らずに亡くなったというのがちょっと意外。寄生虫で腸を切断するなんてことがあるのか分からんけど、私の身内もブラジルで告知されたし、日本にいる妹さんが知っていて、本人が知らないなんてことがあるかな。最後の1年は体調の話ばかりで辛いのだが、コロール・ショックとかあって、スーパーが毎晩襲撃されていた時期。現金を持っていても仕方ないので、モノに変えちゃうから、キューバとかベネズエラみたいにモノが無くなって、スーパーが襲撃される。日記に毎日ドルの公定レートと闇レートが掲載されているのだが、これを見て商人は防衛する。闇レートというのは実際は公認の闇レートであり、闇も公定なのである。入院してもクスリや医療器具が手に入らなかったりするから、日本に帰れる人は帰るのが基本で、この人が日本どころか、サンパウロやリオの病院に転院するのも拒否したというの何かの信念があった様にしか思えん。

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