2015年03月17日Tue [00:00] ボツワナ  

人間にとってスイカとは何か

人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える (フィールドワーク選書5)人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える (フィールドワーク選書5)
池谷 和信 印東 道子

臨川書店 2014-06-23
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文化人類学者が自らの研究足跡を振り返るフィールドワーク選書。第5弾は地表に水分が存在しない世界で、スイカを水源として生きるボツワナのサンの人たちのフィルワ。NHKで番組化されジブリから出ているらしい。果たしてそんな生活が可能なのかとも思うのだが、スイカは食用のみならず、飲用水も生活用水も石鹸としても使われるらしい。サンと言えばあの二カウさんおブッシュマンと呼ばれた人たちだが、近年、ボツワナはダイヤモンド産出国として財政状態が良く、日本より格付け格付けが上だったこともある。そうした中、政府は生活基盤を整えた定住政策を進め、給水車も来るようになったのだが、いつしか来たり来なかったりというパターンとなり、人々は再びスイカ水活に戻っていたらしい。

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2012年07月05日Thu [00:11] ボツワナ | 本・雑誌 |読書メモ  

ボツワナを知るための52章

ボツワナを知るための52章 (エリア・スタディーズ)ボツワナを知るための52章 (エリア・スタディーズ)
池谷 和信

明石書店 2012-05-29
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マラウィと同様、持ち込み企画の単独執筆かと思いきや、なんと執筆陣総勢35名。現在のボツワナ在住日本人は70名とのことなので、そんなにボツワナ関係者がいるのかというところなのだが、在住者もほとんどが青年隊とかJICA関係者だそうで、執筆者もボツワナ青年隊OBOGが多い。おそらく結束が堅いのだろう。あと目立つのが自然地理と文化人類学畑の人で、私がこれまで読んだボツワナ本は3冊いずれもブッシュマン本だった。ボツワナはツワナ人が圧倒的多数を占め、サンの人口は3%であるにもかかわらず、日本での研究はサンに偏重しているということがあとがきに書かれているのだが、そうしたことが背景にあるのか、今まで読んだ本はツワナの同化策を批判するトーンがあった様に思う。その点、まさか外交問題になっていたなんてことはなかろうが、青年隊やシニボラの数の多さにはJICAのボツワナ重点策があるらしく、経済が安定し、所得が高いこの国から欧米の援助団体は撤退する傾向があり、その穴を日本が埋めているところがある様だ。ちょっと前に日本の格付けがボツワナと同水準になったなんてことがあって、その意味では日本が援助する道理はないというものだが、まあ中国に援助していては道理も糞もないか。中国と言えばアフリカではお約束になった中国人の寝食がボツワナでも顕著らしい。南アの隣なのに治安が良いというのは民族抗争の無縁もあるのだろうが、南アやケニアみたいな大都会がないということではなかろうか。アパルトヘイト時代の南アとの関係などの章があればもっと良かったのだが。

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2010年07月09日Fri [03:17] ボツワナ | 本・雑誌 |読書メモ  

変化を生きぬくブッシュマン

変化を生きぬくブッシュマン―開発政策と先住民運動のはざまで―変化を生きぬくブッシュマン―開発政策と先住民運動のはざまで―
丸山 淳子

世界思想社 2010-04-16
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ブッシュマンの研究書もそう頻繁に出ているものではないのだが、つい先日読んだ分と同時期にもう一冊出ていた様だ。共に京大出身の女性だが、こちらの方が世代が下で、サル研でなく、文系の出らしい。この辺は京大の「シマ」らしく、先行研究の少なさをウリにする博論が多い中、先行研究の多さに言及しているのは珍しい。理系と文系の違いなのか、20年のタイムラグの差なのか同じ国の同じ調査対象でも、先日読んだ神話的世界とは全く別の世俗的な世界である。この国は一時期、国債が日本以上の評価を受け、自虐派に「日本はボツワナ以下」と嬉々として引用された国だけあって、紛争や貧困が蔓延する周辺諸国と違い、国民国家化がかなり進んでいる。それが多数派のツワナ人の文化を機軸として進められているため、言語、文化の同化圧力が顕在化しているとのこと。そうした動きと相関するのが、マイノリティのエスニック意識の芽生えなのだが、その辺りはブッシュマンとて例外ではない。先日読んだ本が、高貴な野蛮人を描いたものとしたら、こちらは高貴さも野蛮さも消え去ったケチャップ・マヨネーズライスがご馳走の民の生活誌なのだが、彼らが自らの意思で「高貴な野蛮人」に戻ることが先住民としての異議申し立てに繋がるのだろう。

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2010年07月06日Tue [01:45] ボツワナ | 本・雑誌 |読書メモ  

砂漠に生きる女たち

砂漠に生きる女たち―カラハリ狩猟採集民の日常と儀礼 (名古屋学院大学総合研究所研究叢書 24)砂漠に生きる女たち―カラハリ狩猟採集民の日常と儀礼 (名古屋学院大学総合研究所研究叢書 24)
今村 薫

どうぶつ社 2010-04
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博論ではなく既出まとめらしい。調査は90年代初頭のものが中心。著者は京大サル研のヒト屋さんの方とのこと。カラハリ砂漠も文化人類学の草刈場みたいになっているから、研究し尽くされているところもあるのだろうが、ジェンダー関係はまだまだ探求の余地がある様だ。もっとも「伝統習慣」を構築しているのはやはり研究者なのかなといった印象も残った。初潮とかセックス関連の儀式を知ることができたのは女性ならではのことなのだろうが、実際どこまで現在も行われているのかは分からない。それにしても、一族の尿を集め血をあわせて薬とするとか、血液を合せる儀式とか、雨水は飲まずに精液とか分泌液を体の水分の源とするとか、HIVとかで全滅しそうな習慣のオンパレードだな。初潮前の少女のセックスは自由で、同じテントにいても毛布が違えば他人のセックスには干渉しないといった事情も、他人事ながら民族の危機を心配するに十分な状況なのだが、こういうことは研究者自身も自ら体験しての報告なのだろうか。ただ、古老の話を聞いただけというのであれば、どうなのかな実際はという感じがしないでもないが。

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2009年08月04日Tue [02:43] ボツワナ | 本・雑誌 |読書メモ  

ブッシュマン、永遠に。

ブッシュマン、永遠(とわ)に。―変容を迫られるアフリカの狩猟採集民ブッシュマン、永遠(とわ)に。―変容を迫られるアフリカの狩猟採集民

昭和堂 2008-10
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著者の半世紀に渡るブッシュマン研究のまとめ。一時期、ブッシュマンは差別語であるということで、コイサン人とかサンとかに置き換える動きがあったが、当の「サン」自体が彼らの言語で差別的な意があったとのこと。著者が「ブッシュマン」を使用するのは、消去法的に一番中立であることもともかく、語源となったブッシュッマンの特性が急速に失われていることが関係している様だ。ボツワナ政府が進める定住化政策は彼らの生活を一変させるが、ものであることは言うまでもないのだが、ブッシュマンという呼称を永遠に残すことにより、伝統的な狩猟採集生活復活を道を探る可能性を残すという意がある様だ。とはいえ、狩猟採集が太古から続く彼らの伝統かというとそういう訳でもない。北部から南下した牧畜民から枝分かれしたグループが先住民を駆逐し吸収していったという説が有力らしい。よって、当然ながら「ブッシュマン」は一民族をさす呼称ではなく、カラハリ砂漠内に取り残された多種グループの総称であるらしい。ブッシュマンというと、圧倒的に映画のイメージが日本人にはあると思うが、著者は国境を越えてナミビアに入り、ニカウさんとも対面している。映画で相当稼いだはずなのに、おそろしく質素な生活だったとしているのだが、晩年には香港映画などにも出演していた。そのギャラを管理する人がいるらしいのだが、それはどんなもんだか。ここでもアルコールの問題が深刻の様で、定住集住化と、国民国家における同化政策で、もはや「ブッシュマン」は死に絶えたといった状況みたい。ニカウさんではないが、先住民を「野蛮」の地位に留めて嘲笑の対象にすることが伝統保存というものかという問題もある。同化だ、伝統の破壊だと、先にそれらの過程を経て、モダンな生活を手に入れた者たちが非難できるのかどうかは今後も堂々巡りで続いていくのだろう。

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