2017年10月08日Sun [04:58] マリ  

アルカイダから古文書を守った図書館員

アルカイダから古文書を守った図書館員アルカイダから古文書を守った図書館員
ジョシュア・ハマー 梶山 あゆみ

紀伊國屋書店 2017-06-15
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ニューズウィークの特派員だった人らしいが、如何にもそんな感じの中身。トンブクトゥの古文書図書館は昔「世界遺産」の番組でもやっていたが、どうも「高貴な野蛮人」的捉え方が気になるんだよね。とはえいえ、そうならない様にするにはどうしたら良いかとすると、野蛮な白人が由緒ある文化を破壊しようとしたのを黒人は守り通したとするしかないのだが、そうした物語も作為的であり、たとえ己の利益のためだったとしても、文化の保護者としての白人を否定するのも無理がある。その点、「イスラム過激派」や非黒人とされるトゥアレグ兵やカダフィといった勢力は白人と黒人の共通の敵という構図で捉えることができるから物語として成立するか。フランスやアメリカがマリの「庇護者」であるという事実は致し方ないものであるが、ボーノとかまで出てくると途端に胡散臭くなるな。

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2017年06月15日Thu [06:09] マリ  

サハラ砂漠 塩の道をゆく

サハラ砂漠 塩の道をゆく <ヴィジュアル版> (集英社新書)サハラ砂漠 塩の道をゆく <ヴィジュアル版> (集英社新書)
片平 孝

集英社 2017-05-17
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集英社新書ビジュアル。トンブクトゥから塩のキャラバンとのことで、最近ではないだろうとは思ったが、2003年か。9.11から程無いけど、アルカイダ系より盗賊の方が危険であることは今でも変わらんか。しかし、還暦でサハラ42日か。1969年から73年にかけても踏破しているそうだから、「サハラに死す」の人と同時代か。人間も生活もその間変わらなかったということはないんだろうが、クルマでは物理的に無理なのだろうか。クルマより、ラクダの方が死の危険性が低いとは思うが。

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2016年08月08日Mon [02:23] マリ  

千年の古都ジェンネ

千年の古都ジェンネ―多民族が暮らす西アフリカの街千年の古都ジェンネ―多民族が暮らす西アフリカの街
伊東 未来

昭和堂 2016-03
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博論もの。ジェンネと トゥンブクトゥは私も混同していたのだが、微妙な関係にあるらしい。ジェンネがより保守的ということでもないのだろうが、 トゥンブクトゥほど観光化されている訳でもないらしく、アルカイダ系の襲撃は逃れていたのか。それでも観光客はストップしてしまったそうだが、地元民はハッキリと観光ホテルや観光ガイドとは線引きをしており、堕落した世界と見ている様だ。そんな土地であるから、著者のフィルワも当初は困難を極め、良き助手に巡り合えたことで、道が開けたらしい。院生であるという自覚があることも大きいが、こうした助手の存在を伏せているフィールドワークが大多数なので、お約束のおカネのトラブルも恋愛トラブルもなかったのかと推測される。泥のモスクの化粧直しは前にNHKで視た記憶があるのだが、この催しは観光化されているらしい。

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2015年12月17日Thu [01:14] マリ  

マリを知るための58章 

マリを知るための58章 (エリア・スタディーズ)マリを知るための58章 (エリア・スタディーズ)
竹沢 尚一郎 赤阪 賢 イスマエル・ファマンタ 伊東 未来 稲葉 奈々子 今中 亮介 今村 薫 ウスビ・サコ 尾上 公一 門村 浩 川口 幸也 坂井 信三 嶋田 義仁 溝口 大助 ムーサ・コネ 村上 一枝

明石書店 2015-11-12
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マリは文化人類学で入っている研究者も多いから、書き手には事欠かないか。アフリカ一の大国ナイジェリアはその辺の事情で遅れているのかもしれんが、そのうち出るのだろう。共に「イスラム過激派」の問題を抱えているのだが、観光産業が発達していたマリはエジプト同様に打撃が大きい。ただ、ナイジェリアのボコハラムもそうであるが、サブサハラの戦闘集団はその実、氏族であるとか、エスニック集団母体としており、国民国家の矛盾がその背景にあろう。マリもまた、国家、宗教が統一性を保持するのではなく、民族集団の集合体である。シセ、トラオレ、バカヨコ、ケイタ、トゥーレといった名はサッカーや音楽でよく聞くのだが、こうした名字が民族特有のもであることは興味深い。マリの在外人口のうち、ヨーロッパに居住するのは数パーセントで、そのほとんどは近隣アフリカ諸国に住んでいるという。内陸国のマリから欧州へと出るにはその出口となる沿岸国に出て、ヨーロッパ対岸のアラブ圏を通過してと段階を経る必要があるか。

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2015年06月10日Wed [18:06] マリ  

西アフリカの王国を掘る

西アフリカの王国を掘る:文化人類学から考古学へ (フィールドワーク選書 10)西アフリカの王国を掘る:文化人類学から考古学へ (フィールドワーク選書 10)
竹沢尚一郎

臨川書店 2014-08-27
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またまたフィールドワーク選書。このシリーズはみんぱく教授が若き日の海外フィールドワーク体験を回想するというのがパターンなのだが、この著者がマリで発掘調査をする様になったのは50近くになってからなのか。それまでは文化人類学者で、ニジェールの漁民などを調査していたそうだが、考古学は全くの素人であったらしい。考古学も文化人類学も発掘するものが違うだけであって、フィールドワークという点では同じなのかもしれんが、このシリーズを紐解いてみても、考古学の発掘調査でもモノを言うのは現地との折衝力か。その点に於いては著者が発掘を行ったマリ北部はえらいことになってしまったのだが、モスクの遺跡もあったりするので、発掘現場は無事であったらしい。

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2013年06月26日Wed [03:07] マリ | 本・雑誌 |読書メモ  

マリ近現代史

マリ近現代史マリ近現代史
内藤 陽介

彩流社 2013-05-01
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今回は著者の紀行ものではないのか。切手紀行シリーズでもない様なので、純粋な歴史ものなのだが、事態の急変を受けて企画されたものだろうか。マリ一国というより、周辺国、フランス、東アフリカ、果ては中国まで関係諸国の歴史を網羅しているので、もしかしたら、アルジェリアの人質事件やマリの情勢にあわせ、別材料をマリ近現代史に改編したのかもしれない。もっとも、この地域の国を一国史観で論ずるのは無理なので、歴史も相対化ではなく、俯瞰する必要があろう。それにしても、160ページあまりのビジュアル本なのに、これだけの素材が詰め込んであるのは奇跡にも思える。サリフ・ケイタとマリ・サッカーとかエール・マリとマリ航空事情とか、マニア好みの話もあるし、トゥアレグ紛争といった硬派の話もある。肝心の北部の件も他にテキストが無い現在、日本語で読めるのは貴重だ。

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2009年03月25日Wed [02:07] マリ | 本・雑誌 |読書メモ  

サバンナ河の民

サバンナの河の民―記憶と語りのエスノグラフィサバンナの河の民―記憶と語りのエスノグラフィ
竹沢 尚一郎

世界思想社 2008-12
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初のマリ本か。例によってフィールドワークものだが、ドゴンとか有名どころではない。研究が進んだドゴンではなく、その周縁民族を調査することにより、ドゴンとの比較対象をやってみようと意図があったらしい。そこで選ばれたのがボゾという漁猟民族なのだが、内陸国のマリでは、ニジェール河が漁場。マリに漁猟を生業とする民族がいるというのはイメージが違うが、遊牧民と違って、観光化しにくい民ではあろう。当然、調査研究がほとんど進んでいない「穴場」ではあるのだが、最初にエスノグラフィティ言説批判を少々。その批判通りの内容ということは全くないのだが、イスラーム社会であるが故、前近代的な「儀式」や習慣がある訳ではない。ここでもアフリカ文化人類学の特徴として、「歴史」は人々の「記憶と語り」の中にあるので、証言を拾い集める作業がある。西アフリカの場合、グリオという便利な語り部がいる訳だが、グリオの証言を採取するのは有料であろう。例によって、カネの話は一切ないのだが、漁業も農業もしない人間が食える訳という表現をしている。正史とは裏腹に植民地時代を知る者がそれを懐かしく思っているというのは世界の普遍ではあろう。となると、「正史」は歪曲されたものというのも普遍的なものか。かなり環境的にはきつそうな所だが、武勇伝は終章で。それもマリでの話ではなく、ギニア・ビサウかよ。

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