![]() | ハイチいのちとの闘い―日本人医師の300日 (2008/01) 山本 太郎 商品詳細を見る |
日本人医師のハイチ滞在記で、産経新聞夕刊(大阪はまだ夕刊が出てるのかな)に連載していたヤツらしい。だから、という訳ではないのだが、命の大切さを説教したり、途上国の貧困問題を涙ながらに訴える一方、先進国のボランティア(つまりテメーのこと)を賛美したりといった調の陳腐なものではなかった。第一、この著者は確かに医師なのだけど、別に向こうへ人助けの医療行為をしにいった訳ではなく、「カポジ肉腫・日和見感染症」という現地の研究所に出向していたらしい。ハイチがエイズ発祥の地と疑われていることは初めて知ったが、アフリカが起源とされている成人T細胞白血病という病気を引き起こすウィルスは、ハイチと何故か日本の九州、沖縄、北海道地区が感染地域になっているらしい。それを以って日本人の祖先はアフリカにあるという仮説も立てられているそうだ。まあ徐福よりはマシかも知らんが、アフリカが起源というと白人と一緒なのはイヤ(黒人ならイイ)。黒人もまさか自分たちが日本人の祖先だとは考えないと思うのだが、著者が親しくなったハイチ人の同僚に、日本について知ってることアル?と聞いたところ、かなり意外な答えが返ってきたことも書いている。これは特殊なケースなのだろうが、アフリカ起源説といい、この日本人少女の話といい確かに意外な答えだ。どっちも島国だし、ハイチという国は意外と日本に近いのかもしれない。そんなことが関係しているのか、最悪の治安、観光資源ゼロ(と言われている)、ボストン並みの物価という、ハイチ人すら大多数が国外脱出せんとしている国で、身重の妻を呼び寄せたり、著者はそれなりに生活を満喫していた様だ。結局、例のアリスティッド亡命の騒乱で、ハイチを去ることになるのだが、日本大使がドミ共に逃げても、航空便が再開されるまで、「ノルウェイの森」の英訳本や、さだまさしの「風に立つライオン」などを鑑賞しながら、じっと自宅待機していたそうだ。最後の機内で女の子にキャンディーを貰う話は出来すぎなのだが、ラストシーンのシナリオ的には悪くない。しかし、これはハイチに行く意欲を更に減退させてしまうな。いつか噂の「ハイチ弁当」というヤツも食ってみたいのだけど。





