世界読書旅
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■ ハイチ いのちとの闘い 
2008年04月28日 (月) 01:26 * 編集 *
ハイチいのちとの闘い―日本人医師の300日ハイチいのちとの闘い―日本人医師の300日
(2008/01)
山本 太郎

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日本人医師のハイチ滞在記で、産経新聞夕刊(大阪はまだ夕刊が出てるのかな)に連載していたヤツらしい。だから、という訳ではないのだが、命の大切さを説教したり、途上国の貧困問題を涙ながらに訴える一方、先進国のボランティア(つまりテメーのこと)を賛美したりといった調の陳腐なものではなかった。第一、この著者は確かに医師なのだけど、別に向こうへ人助けの医療行為をしにいった訳ではなく、「カポジ肉腫・日和見感染症」という現地の研究所に出向していたらしい。ハイチがエイズ発祥の地と疑われていることは初めて知ったが、アフリカが起源とされている成人T細胞白血病という病気を引き起こすウィルスは、ハイチと何故か日本の九州、沖縄、北海道地区が感染地域になっているらしい。それを以って日本人の祖先はアフリカにあるという仮説も立てられているそうだ。まあ徐福よりはマシかも知らんが、アフリカが起源というと白人と一緒なのはイヤ(黒人ならイイ)。黒人もまさか自分たちが日本人の祖先だとは考えないと思うのだが、著者が親しくなったハイチ人の同僚に、日本について知ってることアル?と聞いたところ、かなり意外な答えが返ってきたことも書いている。これは特殊なケースなのだろうが、アフリカ起源説といい、この日本人少女の話といい確かに意外な答えだ。どっちも島国だし、ハイチという国は意外と日本に近いのかもしれない。そんなことが関係しているのか、最悪の治安、観光資源ゼロ(と言われている)、ボストン並みの物価という、ハイチ人すら大多数が国外脱出せんとしている国で、身重の妻を呼び寄せたり、著者はそれなりに生活を満喫していた様だ。結局、例のアリスティッド亡命の騒乱で、ハイチを去ることになるのだが、日本大使がドミ共に逃げても、航空便が再開されるまで、「ノルウェイの森」の英訳本や、さだまさしの「風に立つライオン」などを鑑賞しながら、じっと自宅待機していたそうだ。最後の機内で女の子にキャンディーを貰う話は出来すぎなのだが、ラストシーンのシナリオ的には悪くない。しかし、これはハイチに行く意欲を更に減退させてしまうな。いつか噂の「ハイチ弁当」というヤツも食ってみたいのだけど。
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■ 慟哭のハイチ 
2007年09月13日 (木) 12:17 * 編集 *
慟哭のハイチ―現代史と庶民の生活 慟哭のハイチ―現代史と庶民の生活
佐藤 文則 (2007/07)
凱風社

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珍しいハイチ本ゲットと思ったら、99年に出た本の改訂版らしい。その原本は読んだ記憶があるのだが、内容はほとんど覚えていなかったところをみると、大幅に改定したのか、脳内記憶媒体から消去したのかどっちかだが、たぶん後者だろう。新書ブログの方で、前に読んだことを忘れていて、また読んでしまい、そのまま気が付かずに、感想二度上げなんてアホ丸出しをしたことがあるのだが、表紙イメージで記憶できる単行本では、今のところそんな失態はない。しかし、ハイチ本という特殊テーマなのに、内容を覚えていなかったというのはショック。まあ、著者のせいにしたいところだが、「アメリカ在住フォトジャーナリスト」という肩書きだけはなんとなく記憶があった。そんなことで再生本だから、べべ・ドクの時代からアリスティドの時代が中心になっており、トントン・マクードや解放の神学といったキーワードも懐かしい。如何にも「フォト・ジャーナリスト」といった「潜入系」のスタイルもなんか古きよき時代を思い起こさせる。「ジャーナリスト=ハイエナ論」もかつては勲章の様なものだったが、逆に拉致され、身代金ビジネスの餌食になってしまう時代にあっては、ミイラ取りがミイラになってしまうとはこのことであろう。その辺とも関係してくることだが、街で声をかけて来た青年をガイドに雇ったり、顔見知りになった露天商の姉ちゃんにカネを貸してくれ言われて、20ドル貸したりと、結構この著者は「意外」な行動をしている。それが取材の種になるのなら安いもんだし、断ったらその場でドン!という危険性もあるから、それで良いのだろう。タダの旅行者だと、こういう国では疑心暗鬼で過ごさなくてはならないのだが、昔、インドで会った日本人旅行者に、声をかけて来るインド人を全て信用してみる実験を敢行した人がいたことを思い出した。その結果をここには書かないが、授業料が安いか高いかも、生命あっての話である。
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