![]() | パラグアイのサバイバル・ゲーム―“南米のへそ”世界一親日国の秘話 (2007/12) 船越 博 商品詳細を見る |
40年外務省に勤め、ラスパルマス総領事であがりとなった人か。前にカナリア本を出したのだが、これはパラグアイ勤務の話。牧歌的だった前作とはちょっと趣きが違って、ストロエスネルとそおれを追い落としたロドリゲス将軍のストーリー。それにしても、この人は5大陸11箇所の在外公館勤務か。クーデター騒ぎもバングラデシュやリベリアを経験しているからなんてことないし、ドンパチ騒ぎも幼少の時満州から引き揚げる時の国共内戦や東京大空襲とは比べようがないなんてことも書いている。ジャマイカやマイアミ、レシフェとか南アにもいたそうで、まだまだネタが貯まっているのかもしれない。それにしても、ドンパチ後に、外国人に死体写真を売り歩くビジネスがどこでも見られるとは知らなかった。最近のチベットがそうだった様に、今はネットがあるから「ビジネス」にはならないのだろうが、これは例の「南京大虐殺」写真真贋論争と関係ある話かもしれん。で、本題に戻るが、ストロエスネルが異常に親日であったことはよく知られている。世界の元首の歴史をみても、シラクなんか足下にも及ばないほどであろう。フジモリは親日とは言えないが、この35年もの長期政権を築いたドイツ系の独裁者の昭和天皇崩御時のエピソードを読むと、「ウヨク」は泣いて喜ぶんではなかろうか。結局、「大喪の礼」の9日前にクーデターで追われてしまうという悲劇になったのだが、私はこのストロエスネル追放劇が、日本の新聞ではベタ記事扱いだったことに驚いた記憶がある。「平成」の幕開けの裏側で、こんなドラマが展開していたとは、数年後に彼の地を訪れた私も全く知らんかった。艶福の独裁者に、「四人組」って、あの国と同じパターンではないか。同じ著者がストロエスネルの親日ぶりに感動しているの明白なのだが、そこは元職業外交官、ストロエスネルを追放したロドリゲス将軍も「親日」だったので、これもまた好評価。というか、出てくる人、出てくる人、みんな「親日」ばかりなので、いい加減にしろよと言いたくなるくらい。まあ、外交官が付き合う人間なんて、そんなものなのだろうが、個人的にも、この国には極めて良い印象を持っている。それは著者の言うように「世界一の親日国」というより、他の南米の国(除ブラジル)みたいな東洋人全般への差別がない(というか一度も遭遇しなかった)という印象を受けた。アスンシオンの韓国人街にはビックリしたが、台湾人もかなりいて、おそらく現在は大陸からも入ってるのだろう。ウルトラ反共主義者だったストロエスネルは台湾と仲良しだったのだが、その時代が終わっても、台湾を裏切ったりしない律儀な国である。それも中米みたいな団体交渉でなく、南米でただ一国、国交を守っている。これは世界的にみてもかなり稀有な例であろう。馬英九も飛んでいくだろうが、いつまで守りきることができるのだろうか。





