2011年02月18日Fri [23:01] パラグアイ | 本・雑誌 |読書メモ  

パラグアイを知るための50章

パラグアイを知るための50章 (エリアスタディーズ86) (エリア・スタディーズ)パラグアイを知るための50章 (エリアスタディーズ86) (エリア・スタディーズ)
田島 久歳編著 武田 和久編著

明石書店 2011-01-21
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ワールドカップには間に合わなかったけど、知るためのも遂にパラグアイが出たか。しかし、サッカーは2章もあるけど、日本戦については触れず。しかもドイツ大会は不出場としているのだが、執筆者はパラグアイ在住の日本人に話を聞いて書いたとのこと。その日本人はもう亡くなられたらしく、最終確認ができなかったか。ものの本によると、日本にはラ米研究者が600人以上いるそうだが、そのうちパラグアイ・プロパーはどのくらいいるのか。編者となっているのはブラジル日系人出身の人と若手研究者らしいが、パラグアイの日系人は南米では例外的に日本語ネイティブが多いのに研究者は出ていないのかな。プロ野球選手とか音楽家は排出しているけど。そんなこんなで半分以上の章を歴史に割いている。別にそれはそれで構わないし、この国の歴史は非常に考えさせられるところが多いのも事実なのだけど、やはり現代社会文化がもうちょっと欲しい。グアラニー語のモノリンガルが人口の40%で、スペイン語話者90%以上がグアラニー語のバイリンガルという話もにわかに信じ難いものがある。

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2008年06月29日Sun [09:12] パラグアイ | 本・雑誌 |読書メモ  

パラグアイのサバイバル・ゲーム 

パラグアイのサバイバル・ゲーム―“南米のへそ”世界一親日国の秘話パラグアイのサバイバル・ゲーム―“南米のへそ”世界一親日国の秘話
(2007/12)
船越 博

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40年外務省に勤め、ラスパルマス総領事であがりとなった人か。前にカナリア本を出したのだが、これはパラグアイ勤務の話。牧歌的だった前作とはちょっと趣きが違って、ストロエスネルとそおれを追い落としたロドリゲス将軍のストーリー。それにしても、この人は5大陸11箇所の在外公館勤務か。クーデター騒ぎもバングラデシュやリベリアを経験しているからなんてことないし、ドンパチ騒ぎも幼少の時満州から引き揚げる時の国共内戦や東京大空襲とは比べようがないなんてことも書いている。ジャマイカやマイアミ、レシフェとか南アにもいたそうで、まだまだネタが貯まっているのかもしれない。それにしても、ドンパチ後に、外国人に死体写真を売り歩くビジネスがどこでも見られるとは知らなかった。最近のチベットがそうだった様に、今はネットがあるから「ビジネス」にはならないのだろうが、これは例の「南京大虐殺」写真真贋論争と関係ある話かもしれん。で、本題に戻るが、ストロエスネルが異常に親日であったことはよく知られている。世界の元首の歴史をみても、シラクなんか足下にも及ばないほどであろう。フジモリは親日とは言えないが、この35年もの長期政権を築いたドイツ系の独裁者の昭和天皇崩御時のエピソードを読むと、「ウヨク」は泣いて喜ぶんではなかろうか。結局、「大喪の礼」の9日前にクーデターで追われてしまうという悲劇になったのだが、私はこのストロエスネル追放劇が、日本の新聞ではベタ記事扱いだったことに驚いた記憶がある。「平成」の幕開けの裏側で、こんなドラマが展開していたとは、数年後に彼の地を訪れた私も全く知らんかった。艶福の独裁者に、「四人組」って、あの国と同じパターンではないか。同じ著者がストロエスネルの親日ぶりに感動しているの明白なのだが、そこは元職業外交官、ストロエスネルを追放したロドリゲス将軍も「親日」だったので、これもまた好評価。というか、出てくる人、出てくる人、みんな「親日」ばかりなので、いい加減にしろよと言いたくなるくらい。まあ、外交官が付き合う人間なんて、そんなものなのだろうが、個人的にも、この国には極めて良い印象を持っている。それは著者の言うように「世界一の親日国」というより、他の南米の国(除ブラジル)みたいな東洋人全般への差別がない(というか一度も遭遇しなかった)という印象を受けた。アスンシオンの韓国人街にはビックリしたが、台湾人もかなりいて、おそらく現在は大陸からも入ってるのだろう。ウルトラ反共主義者だったストロエスネルは台湾と仲良しだったのだが、その時代が終わっても、台湾を裏切ったりしない律儀な国である。それも中米みたいな団体交渉でなく、南米でただ一国、国交を守っている。これは世界的にみてもかなり稀有な例であろう。馬英九も飛んでいくだろうが、いつまで守りきることができるのだろうか。

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2007年06月20日Wed [21:11] パラグアイ | 本・雑誌 |読書メモ  

塩っぱい河をわたる 

塩っぱい河をわたる―ある開拓農民の記録 塩っぱい河をわたる―ある開拓農民の記録
野添 憲治 (2006/11)
社会評論社

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左翼系の雄、社会評論社の「みちのく・民の語り」というシリーズの第5弾らしい。文字通り、みちのくの人のルポなのだが、秋田で著述活動を続ける著者の仕事をまとめたものらしく、この底本は1994年に福音館書店から出たものだとか。その底本は産経児童出版文化賞というものを受賞している様だか、児童向けのをリライトしたのか、元々、こういう文体だったのかは不明。児童とはいえ、産経の賞を受賞した本を社会評論社が再販するというのも妙なものだ。で、この本の主人公は秋田の人で、満洲へ開拓移民し、敗戦後、国内開拓地へ、更に50歳にしてパラグアイへ開拓移民に出るという、正に開拓人生を辿った人。その経歴だけで、どんな性格の人だか分かるというものだが、とにかく頑固一徹で、その全てが失敗に終わったことは言うまでもない。戦後の南米移民に満洲経験がある者が多く混じっていることは知っていたが、これも時代に翻弄された人たちの群像である。一攫千金を新天地に託した人たちにとっては選択肢も情報も少なすぎた。最近、ドミニカ移住が裁判になったりして、当時の国の棄民政策が問われることになってきたが、これも敗戦を挟んで満洲から続いた連鎖であるとも言えよう。

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