世界読書旅
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■ 受けてみたフィンランドの教育 
2008年06月18日 (水) 03:14 * 編集 *
受けてみたフィンランドの教育受けてみたフィンランドの教育
(2007/09)
実川 真由実川 元子

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タイトルまんまの話だが、相変わらずフィンランドものはこればっかだな。真由さんと元子さんは母娘で、真由さんがホムステでフィンランドへ行った話を翻訳家、ライターというお母さんの元子さんが補足するというカタチ。どこへ行っても自然体の真由さんには好感が持てるが、元子さんの補足は親の立場からみた問題点や実用点を解説したもの。長女もチリに行かせたらしいが、ドラッグやアルコールを心配事にあげているのは、まあ当然か。お母さんの年代だと、北欧に娘をやるというだけで、別のコトを心配しそうなものだが、スウェーデンが学力上位に出てこないところから、同じ北欧でも、学力が高い国はモラルも高いとかとか判断したのだろうか。実際のところ、日本でも偏差値とその点の相関性は証明されていないのだが。で、要はフィンランドと日本の教育が違うのは、社会が違うからという分かりやすい話になっている。つまるところ、幾ら日本がフィンランドのマネをしたところで、社会が違うんだから、成果はでないだろう。そんなに学力世界一になりたければ、まだ社会が似ている韓国とか台湾、シンガポールのマネをすれは良いのだろうが、あんなガリ勉はイヤだから、ムーミンみたいにのして欲しいというのはゼイタクというもの。ならば、大学の入学試験を廃止し、アルバイト制度を廃止し、授業料を無料化する覚悟があるのかというと、それはどだい無理な話であろう。アルバイトに頼る一億中小企業の反対を待つまでもなく、受験の勝ち組である官僚が自分の価値を落とすようなことをする訳がない。というか、最近は公立中学の学区さえ廃止になったというくらいだから、学校間格差を更に大きく、「非正規労働」を更に活用するという方向で社会が動いている訳で、結局、「ゆとり教育」をはじめとする試みは失敗だったと社会が判断したんじゃないのか。フィンランド教育がやりたければ、都道府県がそれぞれ独立国家でも作るしかないんだろう。それも就職先から何から、自給自足せねばならんから、あと100年はかかるんじゃないかな。
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■ フィンランド 森と街に出会う旅 
2008年01月10日 (木) 12:50 * 編集 *
フィンランド 森と街に出会う旅フィンランド 森と街に出会う旅
(2006/10)
鈴木 緑

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フィンランド本は教育ものばっかり(といっても全部併せても数冊だろうが)なので、どうせツマランだろうと思ったが、ビジュアル旅本を見つけたので読んでみた。ところがいきなりスウェーデン系の話でオヤっとさせられ、その次にはヘルシンキにはヘビメタ少女が多いなんて話。これは只の観光ガイドではなかった。この本を読んでもフィンランドの湖の数は分かりませんなどと、最初に書いてあるのだが、お決まりのの地理歴史は皆無。名所旧跡や町案内もなく、紹介されるホテルは一切宣伝していないというデザインホテル。食事はザリガニにゲイシャチョコレートといった具合(トウゴウビールの話も無論ない)で、あくまで著者が気に入った(ゲイシャチョコはそうではない様だが)ことだけを書くといった感じで、「仕事」の無味乾燥さがないので、悪くはない。著者の専門はデザイン関係の様で、教育、福祉、或いは女性といった北欧崇拝主義者がひれ伏す対象にはあまり興味がないらしく、フィンランドは実は今でも少数派スウェーデン系に支配されていて、フィン人はそれを苦々しく思っているなんて恐ろしいことも書いている。シベリウスやムーミンの作者がスウェーデン系だということは知っていたが、ムーミンはスウェーデン語で書かれているというのは、当たり前ながら見落としがちな話である。となるとムーミンジャンボを飛ばしているフィンエアーもスウェーデン系に支配されているのかなと穿った見方をしてしまうのだが、ムーミンの作者はディズニーからのオファーも断ったくらい反商業主義の人だったらしい。しかし、北欧好きになると、やたらカネがかかってしょうがないと思うのだが、この著者は心底フィンランドが好きなんだなということは分かる。その社会制度ばかりに関心をもたれるというのは、経済でしか日本を見ないのと同じことだろう。カネがいくらかかろうが、メシがまずかろうが、夏は蚊の大群、冬は雪と氷に覆われようが、フィンランドを歩いてみないと、フィンランドという国の現実は見えてこないというものだ。
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■ 平等社会フィンランドが育む未来型学力 
2007年09月03日 (月) 12:15 * 編集 *
平等社会フィンランドが育む未来型学力 平等社会フィンランドが育む未来型学力
ヘイッキ・マキパー (2007/05)
明石書店

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フィンランドもすっかり教育の国というイメージが定着してきたが、何だかかってのスウェーデンのセックスイメージ同様、実際のところはどうなのよという疑いも抱かずにはいられない。この本はそうした疑問に答えるべき「フィンランドセンター」所長の著者が、フィンランドの教育事情を説明するというべき本ではあるのだが、結局、ツマラン広報本に過ぎなかった。この「フィンランドセンター」というもの自体が、日本とフィンランドの教育交流期間ということで、日本とフィンランドを往復する日々を送っているという所長の仕事は、フィンランドの教育を日本に宣伝することにある訳だから、まあ致し方ないところだ。しかし、これは疑問も問題点も課題点もほとんど無く、ただの政府広報垂れ流しみたいなもので、フィンランドだから、まあいい様なものの、これが北朝鮮とか中国だったら、トホホとなってしまうところだろう。私はフィンランド教育信仰の根拠となっている学習到達度調査というもの自体、疑問に思っているのだが、常に上位を占めてきた韓国やシンガポールに学べという声は、ほとんど聞かれないのに、その平均値があまり変わらないフィンランド(実際のところ、上位グループである日本ともそれほど大差がある訳ではない)を持ち上げなくてはならないのだろうか。どうも、その辺は「ゆとり教育」と「学力向上」の相反性を否定したい日教組とかのテコ入れもあるんだろうが、フィンランドと日本の差って偏差値で言えば、せいぜい65と63くらいなもんじゃないのか。人口規模も文化背景も違う全く違う国が果たして参考になるのかどうか分からんけど、大学は無試験で月12万支給なんて政策を取り入れたら、フリーター問題も一気に解決ではなかろうか。
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■ 競争やめたら学力世界一
2007年04月06日 (金) 20:37 * 編集 *
競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功 競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功
福田 誠治 (2006/05)
朝日新聞社

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このタイトルでピンと来る人も多いかと思うが、これはフィンランドの教育現場を取り上げたもの。私など、この国際学力調査というものがどれだけ実態を反映させているのか、調査方法が公平なのか、疑問に思うところもあるのだが、とりあえず、この業界にいる人たちにとってはフィンランドという国は夢の国に映ったことであろう。そうした調査方法を含めて、比較文化が専門である著者がリポートしているのだが、フィンランドが「ゆとり教育」の権化であることは分かっても、何ゆえ「学力世界一」になったのか素人にはよく分からない。「反ゆとり」の人たちにとっては都合が悪くなろうだろうが、そこに起きているのは「学級崩壊」とか「教員の職場放棄」といった、日本の現場で問題になっていることと同じ類のものだともとれる。そうなると違いは、日本ではそれが「問題」にされ、フィンランドではそれが問題にされないというところにあるのかもしれない。明らかに他人に迷惑をかける場合を除いて自己責任という考え方は、日本では受け入れられないだろうが、それを許しておきながら、全体の底上げに成功しているというのも合点がいかない。「皆平等」の日本では問題のある生徒は「スペシャルコース」送りというのが不可能(でもないかもしれないが)というのがその理由だとしたら、日本型ムラ社会と「ゆとり教育」は相容れないものだということになろう。教員についても触れておくと、ひょっとしたら、これが一番違う箇所なのかと思うくらい、フィンランドの教員は「プロ」としての尊厳を与えられいるという。人口の絶対数が違うのだから、そうなのだろうが「デモシカ」では教員になれないシステムがあるらしい。遅ればせながら,その辺に気が付いた日本も「教員の質」向上の試案をまとめたりしているのだが、「プロ」の教員は生徒を「子ども扱い」しないというのが私の実感としてもある訳で、そこに教員と生徒の対等かつ信頼関係が成立するのだろう。最後に、やはり気になるフィンランドの世界一という読書事情だが、図書館の充実ぶりは分かったが、その旺盛な読書欲を支える出版事情はどうなんだろう。人口からいってフィンランド語図書は産業としては難しいはずだが、やはり人々は英語書籍で世界と繋がっているのだろうか。
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