2006年12月10日Sun [23:51] ギニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ほった。 


自転車で世界一周するというありきたりな「夢」は達成することより、それを財産に食って行くことの方がスゴイと思う。関野ナントカとかもそうだが、スポンサー集めとかマスコミ動員に長けた者のみが、「世界の架け橋」とか「夢をあきらめない」といったキレイゴトを並べた講演や執筆で稼ぐ資格も、凡人に勇気を与える資格も有するのだろう。そうした才能の無い者はネット空間で孤独に存在を訴え、その才覚も無い者はただ己の為だけに、日々ペダルをこぐ。その数が一番多くて、一番共感を覚えるのが後者であることは間違いない。この著者のウリは4年も有給休暇をとってそれを実現したことらしいが、その勤務先であるミキハウスからこんなPRまがいの本を出していては、その説得力も半減である。アフリカの「瞳が輝いている」こどもたちに囲まれニッコリしている髭面のミキハウス社員。実に嫌な構図だ。なんでも世界一周して天狗になった自分を戒めるためにギニアの村に井戸を掘ったのだという。しかし、そこに著者の思想の変化があったとはあまり思えない。こんなんで「感動をありがとう」「夢をありがとう」などは素直には思えない偏屈な人間としては、肉体的な苦労自慢よりも、精神的な苦悩の方を書いて欲しかった。まあ前作が「やった。」今回が「ほった。」というタイトルには別の意味で興味をそそられるが。

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