着々と進む「知るための」全世界制覇。満を期しての登場だったのか、ボリビア編は68章400ページもある。この分だとウルグアイ、パラグアイなんかも単独刊でいけそうだ。ギアナ三国は三国まとめてでもいいから是非出してほしい。この辺のマイナー国は売り込みが効くみたいので、縁やゆかりがある人は是非挑戦してほしい。そんなボリビア編だが、いきなり執筆陣が総登場してプロフィールを自ら語るという異例のスタート。淡々と経歴だけ記す人がいる一方、マスコミ露出が多い人は自己顕示欲が強かったりして面白い。通常無難なこども写真が表紙を飾るこのシリーズにあって、決闘シーンが表紙というのも異例のこと。日本でこれの上をいくボリビア本がでることはもうないだろうから、かなり気合いが入っている印象を受けた。特に遅野井先生の政治編はかなり分かりやすくかつ濃密。この国のキーワードである「先住民性」「国土喪失」については歴史、民族、言語、経済と徹底解説。ただ、このシリーズのウリである文化も悪くはないのだが、ややインディへナに偏り過ぎている感じはある。ボリビアを理解する上で、それはそれで間違いではないが、欧州移民や、個人的に興味があるボリビア黒人を割愛したのは残念。日系についてはもちろん外していないのだが、この国で世界的に知られている詩人が日系人だということはしらなかった。ペドロ・シモセという人だそうだが、顔は純日系人っぽい感じもするが、アイマラ人にも見える。要は先祖が同じということだ。また、世界的といえばいかにも明石が好きそうなウカマウ集団の映画を無視したのはなんでだろう。同じ高地勝ち組でも、今回そのレッテルを払拭したエクアドルに完全に水を空けられたサッカーは無視してもいいけど、スポーツは1章くらいほしい。音楽は「フォルクローレ・ギタリスト」という人が書いているが、これがミュージック・マガジン風の解説で5章も使っている。だが、私の大好きなカルカスはわずか1行だ。サッカー場に5万人を動員して、総立ちにするフォルクローレ・バンドなんてそうはいないだろうに、くやしい。




