![]() | パンパの風趣に魅せられて―ブエノス・アイレス在住三十余年の体験記 (2007/06) 渡辺 弥 商品詳細を見る |
副題に「ブエノス・アイレス在住三十余年の体験記」とある。ということで、70年代初頭の農業実習生から、アルゼンチンに生き残った人の回想記。まあ、三十余年もあれば、積もる話もあるのだろうが、500ページ超は幾らなんでも長すぎやしないか。何でも最初から、ドキュメンタリー物を書くために渡航したというのだから、その思いが結集したということなんだろうけど、四十社以上の出版社に問い合わせし、「外国居住者」という特殊性がプラスに作用し、多くの出版社から是非出版した方が良いと勧められたのこと。しかし、為替レートの関係で出版費用を工面できずにいたところ、この版元が危ない橋を一緒に渡ってくれる決断をしてくれたそうな。これはなんと言うか、別に「外国居住者」という特殊性がプラスして、多くの出版社から出版を勧められた訳でも、この版元が危ない橋を一緒に渡ってくれた訳でもない様な気もするのだが。たしかに、ブラジルなどと違ってアルゼンチン移民ものはあまり多くないし、軍事政権も、ワールドカップも、フォークランド戦争もリアルタイムで体験し人なのだから、貴重ではあるののだろうけど、そういったキナ臭い話は、ほとんどなくて、釣自慢とか、アサード大会とか、精米機の展示会をしたとか、そんな身辺雑事ばっかり。まあ、これが著者の体験した「ドキュメンタリー」だとは思うのだけど、「読み物」ではなく、「史料」としての価値があるのかもしれない。それにしても、その精米機の販売以外に、「三十余年」の間、この著者が何の仕事をしていたのか、よく分からんのはなぜだろう。「ワイフ」が日系人ということは分かったのだが、いつの間にか結婚して、子どもも出来ていたというのも不思議。







