2015年09月18日Fri [01:19] コーカサス  

コーカサスと黒海の資源・民族・紛争

コーカサスと黒海の資源・民族・紛争コーカサスと黒海の資源・民族・紛争
中島 偉晴

明石書店 2014-11-18
売り上げランキング : 1109877

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ウクライナの件は単純でもないが、分かりやすいのだが、コーカサスはさすがにアクターが多すぎて何が何だか。根本が宗教なのか民族なのか、どちらも後付で成立したものだろうが、これだけ火種がそろっていると、ロシアも帝国以来の分断統治に回帰できないでいるのか。中東では資源がその本質と言えるのかもしれんが、コーカサスは資源とは関係ないところで紛争が激化していたりもする。土地も人間も資源ではあるのだろうが、弾圧に対する抵抗という古典的な部分が大きいか。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2012年10月09日Tue [02:46] コーカサス | 本・雑誌 |読書メモ  

コーカサスと中央アジアの人間形成

コーカサスと中央アジアの人間形成―発達文化の比較教育研究コーカサスと中央アジアの人間形成―発達文化の比較教育研究
関 啓子

明石書店 2012-08
売り上げランキング : 111725

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


正規教員としての卒業論文だという。ということで、関啓子は一橋を定年となったのだが、何たって実家は「関さんの森」だから、私立に移るなんて必要はないか。南コーカサスと中央アジア主要国で、つまりは、きな臭い国はパスしているのだが、その辺はコーカサスの森に消えてもらっても困るので、広瀬陽子に任せておけばよかろう。中央アジアは元同僚の内藤正典と行ったらしいが、内藤がちくまプリマーで書いていた同僚のロシア語を話す教員って関啓子のことだったのか。同志社の人かと思った。ロシア語を話せない内藤がトルコ語を話すと、それまでロシア語で話していた相手の態度が一変したという全く同じ話がプリマー新書と明石の「卒業論文」でほぼ同時公開されるというのも面白いのだが、この辺の国ではトルコ・リセが人気らしく、学校ではその国の国歌とトルコ国歌を斉唱するのだという。トルコ人子弟ではなく、あくまで現地向けの学校だと思うのだが、こういうのは「大トルコ主義」という反発は無いのかな。日本の朝鮮学校とか中華学校で君が代を歌うことも、日の丸掲揚もおそらく無いだろうが、移転した東京フランス学園には日の丸揚げていたっけ。一方、ロシア語のプレゼンス低下は著しいみたいで、アメリカ組が政権を握ったグルジアなどでは一転して英語世界になったらしい。中央アジアでは未だ、旧ソ連の民族エリート系統が幅を利かせているし、多民族の事情もあるから、今後もロシア語を共通語として残していあkなければならんだろうけど、これからは研究者もロシア語より、トルコ語から入る方が多くなるかもしれん。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2012年08月06日Mon [13:38] コーカサス | 本・雑誌 |読書メモ  

コーカサス

コーカサス―戦争と平和の狭間にある地域 (ユーラシア・ブックレット)コーカサス―戦争と平和の狭間にある地域 (ユーラシア・ブックレット)
富樫 耕介 ユーラシア研究所ブックレット編集委員会

東洋書店 2012-04
売り上げランキング : 161541

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


これも新装開店のユーラシアブックレット。頁数は変わらないどころか減ってるのもあるのだが、210円も値上げしたのか。表紙をカラーにした分ではなかろうが、さすがに、リニューアルしても現状維持の岩波みたいに部数が出る訳ではないから仕方がないか。コーカサスも最近ニュースがあまり無いんだけど、冬季五輪の前にはまだ一騒動あるかも。先日読んだ北方領土のと違って、コーカサスはこの紙幅で論点整理は難しいのだが、とりあえず押さえるところは押さえている。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2009年07月04日Sat [12:55] コーカサス | 本・雑誌 |読書メモ  

多様性と可能性のコーカサス

たよ
多様性と可能性のコーカサス―民族紛争を超えて (北海道大学スラブ研究センタースラブ・ユーラシア叢書 5)
前田 弘毅

有限中間法人 北海道大学出版会 2009-03
売り上げランキング : 439263

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


北大スラ研の「スラブ・ユーラシア叢書」。公開講座の講演録おこしらしい。よって入門的要素の高い講義が中心で助かるのだが、コーカサスをテーマにした連続公開講座は日本初だったのだとか。ホンマかいなという気がするが、スラ研以外にそんな芸当ができるトコもないだろうから、その通りなのだろう。講師はスラ研と外部から3名づつだが、もちろん廣瀬陽子女史も参上。廣瀬の話はコーカサス全般の概説だったので、ちょっと物足りないか。面白かったのはコーカサスに対するロシアの「眼差し」を論じた人で、「高貴な野蛮人」イメージがここでも幅を利かせているとのこと。日本のチェチェンファンの人たちの言説などをみても、反ロシアの傾向こそありしも、どこか「高貴の野蛮人」イメージという点においてはロシア人の眼差しと共通するものも感じる。これもひとえにロシア人によって「発見」されたコーカサスのイメージを第三者は否応無く受け継いでいるからであろう。コサックのコーカサス文化受容についても言及があるのだが、それがロシア文化維持一辺という風にみられるのも本人たちの意識以上に、文化の上位下位という見方から抜けきれないからであろう。実際、「高貴な野蛮人」はコサックに与えられて然るべき呼称であろう。映画「懺悔」が幻の傑作とみられていた時期の講義だった様だが、最近観た身で言わせてもらえば、そこまで傑作なのかなという気がしないでもない。あれがヒットラーではなくベリヤのアイコンだということは分かったが、やはりこの地域を研究してきた人やソ連時代をリアルで知る人でないと、あの映画の醍醐味を芯から感じ得られることはできないのかもしれない。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2009年03月02日Mon [01:43] コーカサス | 本・雑誌 |読書メモ  

コーカサス 国際関係の十字路

コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A) (集英社新書 452A)コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A) (集英社新書 452A)
廣瀬 陽子

集英社 2008-07-17
売り上げランキング : 1185

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


光文社新書の方は結構話題になって、一気にメジャーになったから、新書連投という訳ではなく、2004年から依頼されていたものだという。それがこの時期になって、うまく前著と重なったと思ったら、ドンピシャで南オセチア紛争が来た。どこも五輪ばっかで、あまりテレビは視ないのだが、テレビにも解説で呼ばれているのだろうか。記者が勉強するのも、この著者の本くらいしかテキストがないもんだから、ますます名が売れたことであろう。しかし、外大院の准教授に出世してたと思ったら、静岡県立大准教授にとらばーゆしていた。慶應閥かなんかであろうか。で、南オセチアなんだが、この本を読む限り、著者も予想外だったと見える。やはり、第一の問題はナゴルノ・カラバフ。アルメニア・ロビーによって、アメリカ、ヨーロッパ、資源がないため従属せざるおえないロシア、更にアゼルバイジャンへの警戒から支援するイランという、呉越同舟の支持を得ているアルメニアだが、むしろそのことが現状維持への流れを作っているのかもしれない。南オセチアに関しては、相手がロシアであるだけに、大国が小国を攻撃したイメージが伝えられるのだが、グルジアの支配下にない地域で、かつ住民がグルジアへの統合を望んでいない状態での「奪還」では、そのイメージ戦略がどこまで通用するのか。言うなれば、韓国が対馬に対して「奪還作戦」を行ったところ、交戦状態になったといったものなのだが、この地域は、実に民族だの宗教だの国境だのが入り組んでいて分かりにくい。ヤズィーディーとか、モロカン教なんて宗教は聞いたこともなかった。著者も複雑し過ぎて、うまく説明できないなどとしているのだが、それは無理もない。この地域に平和が訪れれば、著者が売れっ子になることものないんだろうが、また新書出して欲しい。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

新シルクロード激動の大地をゆく 上 (1) (NHKスペシャル)新シルクロード激動の大地をゆく 上 (1) (NHKスペシャル)
NHK「新シルクロード」プロジェクト

日本放送出版協会 2007-07
売り上げランキング : 322108

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


新シルも中国を脱出したところで、終わらない。シルクロードの定義がどういうものなのか諸説ある様だが、とりあえず中国からローマまで西へ向かえばそれでよしということなのか。「海のシルクロード」というのも陳腐になってきたから、次は「空のシルクロード」なんてのも登場するかもしれない。なんたって中国四千年の歴史だからなんとかするであろう。で、今回はコーカサス、中央アジア、アラビア半島という実際、繋がりがあるのかないのかよく分からん組み合わせ。番組はあまり評判良くなかったみたいだが、私は結構楽しめた。でも、本は番組そのまま。ビデオの時代なんだから実際の放送分の十倍以上は撮ってんだろうが、残り物でもう一本作る様な絵はなかったみたい。その意味では撮れたものではなく、撮れなかったところに考えさせられるものがあった様で、旧ソ連の国で何回も撮影禁止を言い渡され、拘束されたのだとか。こうなると何から何までお膳立てしてくれる中国の方が、撮影する側にとっては楽ということになるが、急にその辺の一般人が監視役に変貌するというのは、たしかに全体主義国家の名残なのであろう。しかし、昭和35年くらいの日本でもそんなことがあったのだろうか。もっとも、コーカサスの国(チェチェンとか戦時下のところでは分からんが)ではそういうことはなく、もっぱら中央アジアでそういうことがあるというのは、コーカサスがヨーロッパというモデルがあるのに対し、中央アジアの国家モデルは未だソ連しかなということなのかもしれない。トルコはヨーロッパ向いているし、湾岸諸国はカネも出すが宗教も出す。イランはアレだし、中国もソレだ。中央アジアもロクでもないところに囲まれたものだ。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2008年01月25日Fri [02:07] コーカサス | 本・雑誌 |**本の紹介**  

コーカサスを知るための60章 

コーカサスを知るための60章 (エリア・スタディーズ)コーカサスを知るための60章 (エリア・スタディーズ)
(2006/04)
北川 誠一、前田 弘毅 他

商品詳細を見る


世界制覇へカウントダウンが灯った「知るための」シリーズだが、ここでコーカサスが来るとはちょっと意表を突かれた。コーカサスといえば、正に欧州とアジアの結び目だが、長らくソ連邦という枠内にあったがために、アルメニア人をはじめとする人材が大量に流入した欧米に比べ、日本ではその重要な位置に見合った知名度がいまいち無い様な気がする。こんなブログをやっている私自身、コーカサスが果たしてヨーロッパなのかアジアなのかよく分からないところがあるのだが、地理上では間違いなくアジアであってもキリスト教系のアルメニア、グルジアは欧州っぽいし、イランに自国以上の同胞を抱えるアゼルバイジャンはアジアっぽい。マハチカラなんて日本語みたいな名前の首都があるタゲスタンはやっぱりアジアに入ってもらいたい。ということで結論が出ないので、この時期ということもあり、コーカサスは皆UEFA加盟だから欧州と強引に片付けとく。カザフスタンも欧州が良ければそれで良い。オーストラリアのアジア入りは断じて認めないけど。で、前置きが長くなったけど、そんなこんなで情報が稀薄なコーカサスだから、この本が勉強にならない訳がない。総勢31人もの執筆陣、四人の編者という、たった一人で仕上げてしまう本も珍しくないこのシリーズの中にあって、こういったところからも、この地域研究の事情が垣間みられる。一々あげていけばキリがないので、本質をズバリまとめると、宗教>民族>国籍>文化という公式がこの地域のアイデンティティを培っている様に感じた。ソ連時代はそのベクトルが逆であったことも想像に難くない。となると、ソ連崩壊の影響が未だ続いているといえるのかもしれないが、旧ユーゴ以上に古来からグチャグチャの民族構成だったコーカサスでは、ロシア語というリンガ・フランカは取り残された「少数民族」にとっては平等性の役割も担っているとか。また近代国民国家形成時にトルコ、シリア、イランといったイスラム圏からはキリスト教系のコーカサス人が大量に流失したという。逆にロシアへは現在でも経済的理由や文化的理由で、独立した国々から流入が続いているのだという。モスクワはそうしたディアスポラ・コーカサス人の首都といった様相を呈している。そうした吸収力は反作用として排撃性をも生むのだが、緊張もテロもゲットーも暴力も大国の首都の必然なのかもしれない。国際化とはみんな仲良く民族衣装着て、ダンスを踊って、ギョーザを作ったりすることだと思っている人たちは、幻想ではない現実の国際化へ覚悟は出来ているのだろうか。

Comment:0 | Trackback:1 | Edit | Page Top.↑

2006年02月13日Mon [02:16] コーカサス | 本・雑誌 |図書館で借りた本  

旧ソ連地域と紛争

旧ソ連地域と紛争―石油・民族・テロをめぐる地政学
廣瀬 陽子
慶應義塾大学出版会 (2005/10)



これは珍しいコーカサスの研究書。なんでも著者はアゼルバイジャンに留学した人とのことで、これもまた珍しい。私はこの辺は知識もないし、行ったこともないので、とにかく勉強になった。漠然とCISがまだ存続しているのだろうと思っていたぐらいだが、その下のGUAMにつては殆ど知らなかったので、何だか賢くなった気分だ。GUAMがGUUAMになって、またGUAMへ戻る。ウズベキスタンが入ったり、出たりした為だが、GUAMとGUUAMの発音は違うのだろうか。それを巡る「旧宗主国」のロシアの「見えざる手」や、他人の縄張りには慎重なEU、虎視眈々と草狩り場を狙う米国、そして「上海5」を隠れ蓑にジワジワと迫りくる中国の影。なるほど、第三次世界大戦の火種はこの地域にあるのかもしれない。そして、その火種に一番近いナゴルノ・カラバフの問題については、さすがに詳しい論証だ。なんでもディアスポラとして米国、フランスで相当な影響力を持つ「アルメニア・ロビー」の存在が、アルメニアの勝利をもたらしたのだという。これは著者がアゼルバイジャン留学組ということもあるのかも知れないが、キリスト教対イスラムであったという点も見逃せない。そのアルメニアの主張(先祖アルバニア人の土地うんぬん)は、領土紛争お決まりのものだが、こうした民族神話系ナショナリズムは、たかだか無人島で争っている日本人には分からなくても仕方ないだろう。アルメニア・ロビーのトルコによるアルメニア人大虐殺の一大キャンペーンは「南京大虐殺」のそれに通じるものがあるが、その実アルメニア人による「バクー大虐殺」もあったという。真摯な研究ではない「キャンペーン」にはやはり警戒が必要だ。それにしても、まあ色々と勉強させていただいた。著者は初の著作本らしく、最後に延々と相当な数の人たちに丁寧にお礼を述べている。これからも貴重なコーカサス専門家として頑張ってほしい。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑