2016年10月15日Sat [21:24] ウズベキスタン  

ウズベキスタン日記

ウズベキスタン日記: 空想料理の故郷へウズベキスタン日記: 空想料理の故郷へ
高山 なおみ

新潮社 2016-07-29
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料理家で文筆家とのこと。ウズベキスタン滞在記というか、普通に通訳ガイド付きの旅行記。別に料理目的ではなく、武田百合子がソ連時代の昭和44年に出したウズベク旅行記をなぞる旅なのだという。しかし、当初の目的はどっかに行ってしまった様で、武田百合子が泊まったホテルを探し当てた程度。料理も後半になって思い出した様に、レシピとかを記録しているのだが、それまでは食は淡泊で、機内食で出たサンドイッチをホテルで食べたりする程度。ガイドを最初は感心しているのだが、段々と不満を募らせて、ムカついたりしている。まあそれが普通の旅行者の在り方ではあるが。

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2016年06月29日Wed [02:35] ウズベキスタン  

ウズベキスタンと現代の日本 

ウズベキスタンと現代の日本ウズベキスタンと現代の日本
胡口 靖夫

同時代社 2016-02-12
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すっかり忘れていた前作の感想を読み直したのだが、おそらく40くらいの年下の若いウズベキスタン嫁と非改宗、飲酒豚肉食はOKなのかといったところの関心は今回も変わらんかった。1941年生まれで4歳の娘がいるというのもしんどそうだが、実家を相続するために嫁を帰化させたらしい。非ムスリムとの結婚はソ連時代は普通であったろうが、現在もそれは変わらんのか。豚肉に関してはわざわざ市場まで出向いて嫌がる店主に頼んで豚の頭の証拠写真を撮影する念の入れよう。そういう性格なのだろうけど、タシケントのオペラハウス神話本を出した蔦信彦に噛み付いて公開討論を要求したり、日共党員やJICAボランティアのシルクロード滞在本にも抗議したらしい。日共本は自分と同じサマルカンド外大名誉教授を詐称するのが許せんかったみたいだが、中国のウィグル政策に批判的な箇所があったのが気に食わなかったのかもしれない。反日本スゴイ系でありながら中国スゴイ系には同調するのがこの世代の人の特徴か。後半はウズベキスタンとは関係ない確信犯的なシールズ万々歳で、トホホなのだが、他者批判や自国自尊批判をさんざん展開しておいて、教え子やら知人の自分持ち上げ手紙をずらっと並べたりも。アマゾンレビューも提灯動員。

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2016年06月16日Thu [02:09] ウズベキスタン  

ウズベキスタン・ガイド

ウズベキスタン・ガイド: シルクロードの青いきらめきウズベキスタン・ガイド: シルクロードの青いきらめき
萩野矢 慶記

彩流社 2016-05-13
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紀行もの写真の人だが、78歳にしてガイドブックまで手掛けるようになったか。カメラも文も一人で済ませれば、経費もかからんが、後期高齢者の一人旅だったのかな。なんか旧ウズベク共和国共産党の公式ガイドみたいな感じ。例のオペラハウスについての記述アリ。これに関しては親日というより、反ソじゃないのかな。ウズベキスタンを訪れて親切にされた日本人が恩返しとして日本語学校を作ったという話もあるが、恩返しになるんかな。

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2016年03月30日Wed [03:21] ウズベキスタン  

国家建設と文字の選択

国家建設と文字の選択──ウズベキスタンの言語政策 (ブックレット《アジアを学ぼう》)国家建設と文字の選択──ウズベキスタンの言語政策 (ブックレット《アジアを学ぼう》)
淺村 卓生

風響社 2015-10-30
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久々風響社ブックレット《アジアを学ぼう》。相変わらずネタのクオリティ高い。著者は研究者から外務省に転じた人みたいだが、専調とか専職なのかな。ウズベク語辺りだと、応用が利く言葉が幾つかあるか。私は全くの門外漢だが、旧ソ連(圏)の民族語がキリル文字からラテン文字へと移行したのは単純に独立に伴う脱ロシア化の流れかと思っていたのだが、そういうことだけではない様だ。そもそもアラビア文字からラテン文字への移行を進めたのがロシアであって、脱イスラーム化の意味も、キリル文字使用に対する反発に考慮した意味もあったという。ラテン文字も言語の違いを超えて統一的な表記法があった様だが、アゼルバイジャンなど独自にラテン文字に移行した国ではそれとは別の表記が伝統として確立していたりもしているらしい。現在でもカザフスタンなどキリル文字が主流な国もあり、ウズベキスタンでもキリル文字とラテン文字の割合は3対7くらいで混在している状態だという。日本語も戦後に漢字廃止論とかローマ字表記案などがあったが、結局、戦後仮名遣いも短期間で定着した。ウズベク語のラテン文字表記は新しいものではなく、キリル文字表記以前からあったものだが、統一に時間がかかるのはリンガフランカとしてロシア語の有用性に付随したウズベク語でのキリル文字使用といったところもあるか。

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日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた
嶌 信彦

KADOKAWA/角川書店 2015-09-30
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この話はエルトゥールル号と同じくらいの「親日国ネタ」ではあるのだが、この著者が「報道特集」に出たいた時に特集して盛り上がり、そのまま日本ウズベキスタン協会を設立して会長になったのか。今のキャスターほど顕著ではないが、「報道特集」は親日系より反日系で通っているので、満洲の日本人避難民は関東軍が虐殺したとしいるし、「反ソ的」な描写は少ない。酷使されて死亡するというケースはなく、事故でなくなった人を称えている程度。安倍訪問に際しての露払いという意味合いもあるのだろうが、ウズベキスタンの人たちにとって、タシケントのオペラハウスを日本兵が建てたということは果たして感謝すべきことなのかどうか。そもそも日本兵捕虜だけで建設できるものではないし、当然日本人が設計したものではない。単に日本兵捕虜も建設に使役されたというのが本当のところの様だが。

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2011年01月18日Tue [14:47] ウズベキスタン | 本・雑誌 |読書メモ  

記憶の中のソ連

記憶の中のソ連―中央アジアの人々の生きた社会主義時代記憶の中のソ連―中央アジアの人々の生きた社会主義時代
ティムール ダダバエフ Timur Dadabaev

筑波大学出版会 2010-09
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ウズベキスタンのオラヒス。著者は在日15年のウズベキスタン人で、アジ研新書で良い本も出している研究者。所属の筑波の出版会の本だが、これはあまり見ないな。ソ連解体もまだ20年だから、日本の「戦前」の様に時間切れが迫ってのオラヒス大会ということはないのだろうけど、日本のそうした動きに影響されての着手ということはあるのかもしれない。ただ、スターリンの強制移住の話も結構あって、この辺は時間との戦いではある。アフガニスタンのウズベク人はこの期間に逃れて移住した者の子孫が多いそうだ。著者自身が1975年生まれというから、ソ連の記憶が鮮明だとしても、その評価を下すことは微妙なのであろう。それでもスターリン時代を除けば肯定的評価をしているのは、発言者が代弁したことはそうでも、国民国家化を進め、ソ連時代を空白化する風潮へ一石を投じる意味もあったのだろう。ソ連時代は明日のことを心配する必要がなかったというのは至言だが、給料と物価が釣り合っていた時代はその時代を生きた者にとってノスタルジックなものかと思う。民族間の軋轢がなかったというのは当時も現在もどこまで実情に沿っているか分からんが、宗教的部分を除けばロシア人も他民族も法の下での平等は確保されていたといって良いのだろう。黄金の70年代という言い方はソ連全土に共通するものなのだろうが、ブレジネフとアフガニスタンが全てを変えたというのは西側でそう捉えられるゴルバチョフと対極的である。

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2010年10月28日Thu [02:19] ウズベキスタン | 本・雑誌 |読書メモ  

「教育」する共同体

きょういく「教育」する共同体―ウズベキスタンにおける国民形成と地域社会教育
河野 明日香

九州大学出版会 2010-09
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博論もの。第3世界研究のお約束で、「ウズベキスタンってどこにあるの」とか「なんでウズベキスタンなんかの研究」とか聞かれ続けたそうだが、日本から直行便が就航している様な国がそんなに知名度がないとは思えん。まあ研究者は如何に先行研究が無く、研究者が少ない地域というのはそれだけでアドバンテージになるのだから狙い目ではあるのだが、そうなると旧ソ連研究からもイスラム研究からも取り残されていた中央アジア諸国などは穴場とも言える。ただ、それでもロシア語は必須だろうし、ウズベク語は日本語に近いものもあるとも言うが、そう簡単に習得できるものではなかろう。十年ぐらい前にキルギス本を出した人は現地日本語教師の月給は50円とか書いていたが、さすがに今のウズベキスタンではそんなことはないか。マハッラというのは隣組みたいなものみたいだが、その後継組織である日本の自治会はもちろん中国の居民委員会より権力の手段として機能している様だ。ソ連時代から中央アジア各民族に共通するものとして、「ソ連市民化」に貢献していたとのことで、独立後は国民国家形成の役割も担っているらしい。ソ連時代に割礼が禁止されていたとは知らなかったが、闇とか有名無実で割礼が行われていたことは想像に難くないとしても、この時代に生まれた人で割礼を受けていないという人も少なくないのかな。女性が割礼現場に入れないのは仕方が無いとしてもその現場を映したビデオは見れるのか。

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2010年06月28日Mon [14:55] ウズベキスタン | 本・雑誌 |読書メモ  

ウズベキスタン滞在記

ウズベキスタン滞在記―シルクロードの中継点ウズベキスタン滞在記―シルクロードの中継点
矢嶋 和江

早稲田出版 2009-10
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この版元はわりと年配者の「企画出版」が多いのだが、この著者も1969年に看護学校を卒業した看護教育の人。70年代からインドやカンボジアなど海外に出ていたらしい。ただ、肝心の仕事については、ほとんど記述がなく、歴史や社会の雑感がほとんど。ウズベキスタンの医療現場は、やはりロシア語が主流なのだろうが、本人はロシア語は分からないとのこと。この国も最近、隣国の民族紛争などがあってキナ臭くなってきたが、イスラムの例に漏れず、年長者を大切にする風土なので、わりと居心地は良かった様だ。ラマダン中にへそ出しルックでホットドックをぱくつく若い子の姿に繭をひそめ、中東とは違うゆるーいイスラムをソ連体制の影響としているのだが、こういう光景は革命前のイランでも見られたものだろうし、中央アジアも旧共産党の独裁者が支配する体制が一巡したら、いつ「原理主義国家」に変わっても不思議ではなかろう。ウズベキスタンの医療事情についてほとんど記述がないのが残念ではあるが、割礼が性病予防とHIV感染の低下に因果関係があるというのは、医学的根拠があっての話なのだろうか。

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シルクロードの「青の都」に暮らす―サマルカンド随想録シルクロードの「青の都」に暮らす―サマルカンド随想録

同時代社 2009-12
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著者は1941年生まれで、ウズベキスタンで日本語教師をしているとの事。ウズベキスタン人の若い嫁を娶った様で、嫁の家系の一代記やイスラムの葬式の話もあるのだが、本人は仏教徒だという。ウズベキスタン人はムスリムなのに酒は飲むし,豚肉を食う人もいるとは言っているのだが、イスラム教徒が仏教徒に嫁ぐというのどうなんだろう。旧ソ連の世俗国家だから、別に問題にならないのかもしれないし、本人も問題視している様子は無いのでソレで良いのかもしれん。日本人捕虜が建設した建物にまつわる「神話」を論破しているのも良かった。モンゴルでもこの手の神話があって、日本の経済発展を日本人の労働気質を理由とする証左ともされるのだが、実のところ、捕虜が一から建設した建物ではなく、最終段階で捕虜の労働力がその他流刑囚とともに動員されたということに過ぎないらしい。こうそた自虐なら「自尊」の神話が現地住民の証言という尤もらしい証拠をもって流布されるのだが、結局、自虐も自尊も当の日本人よりも傍観者であった現地人の伝聞によるところが大きいのである。それが時の政府によってプロパガンダにされたり、逆に住民側の反政府意識から、かつて敵であった者への神話が構築されることもある。

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2008年11月20日Thu [00:12] ウズベキスタン | 本・雑誌 |感想  

社会主義後のウズベキスタン 

社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼 110)社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼 110)
ティムール・ダダバエフ

アジア経済研究所 2008-07
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このアジ研の新書「アジアを見る眼」はジェトロに合併されて以降、消滅したとばかり思ってたのだが、生き残っていたのか。これで通算110タイトルめらしいのだが、約2年ぶりの刊行みたい。さすがに独立行政法人仕事らしく、まるで新書ブームに逆行する形だが、過去に良書もあるので、何とか続けていってほしいものだ。そういえばジェトロも新書やってたけど、最近みないな。「アジアを見る眼」とかいってガーナ本を出すくらいなら、ジェトロ新書を吸収合併して、もっとイキなタイトルで再出発したらどうだろうか。で、そんなアジ研には珍しく、非日本人の自国出身者が著者。訳者のクレジットがないけど、日本語原文なのか。著者は20代で東大助教授に就任した人らしいが、年齢的にモスクワ送りではなく、独立エリートとして養成された様だ(ウィキによると20で大学卒業)。ウズベキ本も中山恭子以来だから貴重なのだが、歴史とか地理とか、かったるいものは省いて、当のウズベク人の生活というところに的を絞っているので、ありがたい。中でもウズベキスタン人が抱くロシアへの愛憎といったところが大変興味深い。独立時に15歳ということはソ連時代も知る「戦前の教育」を受けた最後の世代といって良いかと思うが、この地域は地政学的にも、その複雑な民族構成的にも、単純に「教科書に墨を塗る」という訳にはいかなかった様だ。現在でもロシアに対するイメージが悪くなっていないのも、ソ連教育を受けた世代が当分は磐石であるからなのだが、特にソ連崩壊後の混乱期を知る者にとっては、ソ連という時代は「三丁目の夕陽」でもある様だ。とはいえ、著者より下の世代の「独立っ子」にはそんな意識はないそうで、5歳くらいの年齢差で「世代の断絶」があるらしい。もっとも、アプレたちによって、グルジアみたいな状況が生まれることはなさそうだ。グルジアにおける西洋型民主主義の影響はウズベキスタンにおいては、イスラームや「アジア」がストッパーになっている感じ。カリモフが政権を維持できたことについての説明もなるほど。著者は別に独立エリートとしてカリモフを擁護している訳ではないのだが、たしかに「欧米型」見地で単純に独裁者と決め付ける訳にはいかんだろう。最後に日本に対する好感度が韓国の後塵を喫していることに苦言を呈しているのだが、ウズベキスタン人の好感度はロシア、韓国に次いで3位というのは微妙なところだ。人間ごと浸透している両国に比べれば、まあ健闘していると言っていいんじゃないかな。

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2006年02月09日Thu [01:27] ウズベキスタン | 本・雑誌 |読書メモ  

ウズベキスタンの桜

ウズベキスタンの桜
ウズベキスタンの桜
posted with amazlet on 06.02.09
中山 恭子
KTC中央出版 (2005/11)


ご存知「皇室ことば」の元内閣参与の本。曽我さん担当で顔が売れる様になったが、元々大蔵キャリアで、官房審議官までした人らしい。それが突然、ウズベキスタン大使になったのは、「女性」であったことと、ダンナ(中山成彬)が関係あるんであろう。今は早稲田の客員でヒマになったのか、4年経って、ようやく「大使退官記念もの」の出版の運びとなった。大使ものは、当たらず障らずの「友好バンザイ」路線と相場が決まっているが、最近は自己顕示欲の塊の様な人や、どう考えてもキッチーな人も出てきて、面白くなってきた。もっとも「皇室ことば」がそんな連中の仲間入りするはずはなく、例え相手がカリモフであっても、外交儀礼に則った敬意を表している。しかし、当たり障りのないテキトーな国に「女性大使」を送り込むという外務省の目論みは外れ、任期中にいきなり兼任国のタジキスタンで日本人拉致事件が起こったり、9.11があったり、それで隣国アフガニスタン攻撃の為、米軍がウズベキスタンに基地を設け、戦争に巻き込まれるなんてややこしいことなってしまった。その辺の経緯は詳しく書かれている....わけはなく、緊迫感ゼロの外交交渉がさわりだけ。何でも困った時はイリジウム電話でダンナに相談したとか。技術者拉致事件については当然の如く「事実」として定着している身代金支払いには触れない。政府の協力者にお金を払ったという誹謗があるが、それは違う、皆親身にやってくれたとお茶を濁す。いや、みんなが知りたいのは「犯人」にカネを払ったかどうかなのに。まあ、この辺の口の堅さが「拉致家族担当」に抜てきされた理由とも言えるだろう。家族を連れて返るために、地村さんと蓮池さんを平壌に迎えに行かすと約束したのは、この人だと北は主張しているが、もちろん「皇室ことば」は微笑して語らずだ。同じ様に突然外交の現場に立たされた真紀子とは、同じお嬢様育ちでも、やはり人間の質が違う。

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2005年10月12日Wed [03:09] ウズベキスタン | 本・雑誌 |読書ノウト  

ウズベキスタン

4789300382ウズベキスタン―民族・歴史・国家
高橋 巌根

創土社 2005-08
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副題が「民族・歴史・国家」で、表紙の感じからしてもウズベキスタン入門書っぽいが、これは博士論文もの。著者のテーマはナショナリズムにあった様だが、ソ連時代がメインになっていてこれは貴重な本である。言うまでもなく、ソ連時代は民族ナショナリズムが政府によって排され、民衆によって隠されていた時代であったが、「綿花事件」など共産主義と民族主義の間に芽生えた矛盾が引き起こした事例についても詳しい。著者によると、現在のウズベキスタンの国家ナショナリズムは弱く、それには多数のロシア人を含む複雑な民族構成と、旧共産党の流れを汲むカリモフ大統領の政策が影響しているという。最近は国民の統合の象徴としてティムールを持ち出しているが、「国民の神話」となるにはまだ時間がかかりそうだ。また、先月出版の本という事で、最後に「アンディジャン事件」というホットな話題を急遽追加してある。日本でニュースを視た限りでは、その背景がイマイチよく分からなかったのが、著者によると複数の起因説があるらしい。これも旧ソ連ばりの謎に包まれた事例だ。もっとも映像付きで日本で知る事が出来る様になったのだから、そのメディアの露出ぶりに反して、頻発するこの種の事件は未だ報道が規制される某大国とはえらい違いだ。

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