2017年02月06日Mon [05:36] エジプト  

河江肖剰の最新ピラミッド入門

河江肖剰の最新ピラミッド入門河江肖剰の最新ピラミッド入門
河江 肖剰 ナショナル ジオグラフィック

日経ナショナルジオグラフィック社 2016-12-16
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タイトルに名前を冠しているけど、有名な人なのか。ポスト吉村として売り出そうとしているのではなく、ナショナル・ジオの構成員だからなのか。入門ということになっているけど、何か中途半端感が。自分語りのパートも多いが、名前で売っているのなら必然か。詳細は分らんが、高校時代からピラミッド研究者になると決めて、卒業後にエジプトに行き、旅行代理店で働いていたところ、会社が奨学金を出してくれたので、アメリカン大に進んだらしい。アラビア語は無論、英語も話せなかったという10代の日本人が正規のガイドとして就職できたのかどうか分からんが、大学入学はビザの関係だろう。

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2016年08月22日Mon [04:36] エジプト  

「アラブの春」と音楽

「アラブの春」と音楽 若者たちの愛国とプロテスト「アラブの春」と音楽 若者たちの愛国とプロテスト
中町信孝

DU BOOKS 2016-02-27
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中世アラブ文化史が専門の人で、留学中にエジポップに開眼したとのこと。サラーム海上などの類本はあろうが、政治的事情からのアプローチなので、音楽自体に興味が無くても、勉強になる。イスラームは音楽を禁止しているのかというQから入るのも良い。コーランにもハディースにも明確に音楽を指している章句は無いとのことだが、拡大解釈で非合法としても、その許容範囲は酒などより広いといったところか。少なくともエジプトではそうした議論が表面化することはあまり無い様で、音楽で問題になるのは宗教より政治である。「アラブの春」で大勢翼賛的歌を歌った歌手がバッシングを受けたということはあったそうだが、やがて、そうしたことも有耶無耶になったたらしい。愛国ソングとプロテストソングは本来一致するものなのだろうが、愛国主義が否定される国ではそうはいかない。

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2016年07月20日Wed [03:41] エジプト  

ムハンマド・アブドゥフ

ムハンマド・アブドゥフ―イスラームの改革者 (世界史リブレット人)ムハンマド・アブドゥフ―イスラームの改革者 (世界史リブレット人)
松本 弘

山川出版社 2016-06
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山川世界史ブックレット人だが、この前ナセルが出たと思ったら、またエジプト人か。とはいえ、全然知らん人。しかしながら、イスラーム世界では知らぬ者がいないそうだから、世界が隔絶されているのか、単に私が無知の涙なのか。イスラーム改革運動の旗手だった人だそうで、イスラームと西洋近代価値観の折り合いを付けた人で、アラビア語の言文一致も唱えていたのか。官報編集長という地位は現在の日本のそれとは別物なのだろうけど、官報がアラビア語で記載されるようにしたらしい。その前は英語かフランス語だったのだろうか。エジプトにしてもトルコにしても西洋化は必然であったのだろうが、今になって、その辺のガタがきている様にも思える。

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2016年07月07日Thu [01:55] エジプト  

ナセル

ナセル―アラブ民族主義の隆盛と終焉 (世界史リブレット人)ナセル―アラブ民族主義の隆盛と終焉 (世界史リブレット人)
池田 美佐子

山川出版社 2016-05
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山川世界史リブレット人。サダトではなくナセルなのは必然か。エジプトの先の革命で、軍がキャスティングボートを握って、選挙で選ばれた同胞団大統領をクーデターで追放したことが支持されたのも基本的には「ナセル主義」の文脈で捉えるのが妥当なのかもしれん。混迷のシリア情勢の中では、ほとんど忘れられていた「アラブ連合」精神も顧みる価値があろう。ナセルが社会主義に接近したのもプラグマティズムと言われているが、これも時代の精神や地政学的事情は関係していた。ナセル自身はマルクス主義に関心が無かった訳ではなく、イスラームとの併用は無理でも、アラブ民族主義とマルクス主義は部分的に併用は可能であると見ていたのかもしれん。

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2015年11月23日Mon [01:11] エジプト  

慈悲深き神の食卓

慈悲深き神の食卓 ―イスラムを「食」からみる (Pieria Books)慈悲深き神の食卓 ―イスラムを「食」からみる (Pieria Books)
八木久美子

東京外国語大学出版会 2015-06-25
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東京外語大出版会の叢書ピエリアブックスはまだ5冊くらいか。亀山郁夫とか今福龍太とかも出ているが、自校教員だけとなると、そんなに出せないか。著者はエジプトを主なフィールドにしている様だが、イスラーム本花盛りの今、イスラム国と教義本ばかりで、職がテーマというのは何かホッとする。イスラムと食と言えば、ハラール認証ビジネスものも良く出ているが、著者はこれに対して特に否定的ではない。おそらく中田孝に様な信徒ではないだろうが、マレーシアで発達したのは単に中国系やインド系との混住国家だからとのことで、マレーシアで酒よりも豚肉に対する扱いが厳しいのは豚肉が中国人を連想させるからだという。そうなのか。豚インフルエンザがその関係性を否定された後もエジプトで豚インフルエンザと呼ばれ続け、国内の豚が殺傷されたのも、コプト教徒との関係性が背景にあったのかかな。

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2015年01月30日Fri [01:52] エジプト  

ベリーダンス♥ベリーマッチ

ベリーダンスベリ—マッチ (たくさんの“わからないベリーダンスベリ—マッチ (たくさんの“わからない"“困った"がスッキリ!!)
小松 芳/Karima

イカロス出版 2014-11-28
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エジプト帰りの日本ベリーダンス先駆者が専門誌に連載したQ&Aを書籍化したものらしい。日本にベリーダンスの専門誌があるとは知らんかったが、読者のほとんどは女性の愛好者か。つまり日本でベリーダンスとはオッサンが鼻の下を伸ばしながら鑑賞するものではなく、フラメンコやフラダンスみたいに女性がお稽古事として学ぶものの様だ。アラブレストランやトルコレストランで実践の場はあるみたいだが、ギャラは1回1万円くらいで、中東の様にチップが山とある訳でもなかろう。ということで、先生もプロを目指すのはお薦めしませんとのことだが、ダイエットやスタイル維持といったものを目的としている人が多い様。

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2015年01月13日Tue [02:32] エジプト  

革命と騒乱のエジプト

革命と騒乱のエジプト:ソーシャルメディアとピーク・オイルの政治学革命と騒乱のエジプト:ソーシャルメディアとピーク・オイルの政治学
山本 達也

慶應義塾大学出版会 2014-07-19
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タイトルとは違って、エジプト革命自体が主題ではなく、ポスト・ピーク・オイル時代の近未来予測みたいな話である。エジプトは産油国であるが、純輸入国に転落しており、更には世界最大の小麦輸入国であるという。その点、庶民の懐具合を賄うのは政府補助金ということになるが、先年の食料価格高騰が革命の一要因でもあったことは周知の通り。現在の原油安が生活向上に寄与しているのか分からんが、世界の石油需要のピークは既に過ぎており、埋蔵量云々は資源議論の本質ではないという。サウジアラビアがシェール・オイルを潰す為に原油安を放置するのもそうした文脈で捉えなくてはならないのだが、これが原油価格の安定に繋がらないことは明らかである。産油国でもベネズエラなど余力がない国は既に革命前夜の様相を呈しているし、純輸入国は政治経済の首根っこを掴まれているのも同然である。今後は政治思想ではなく、エネルギーが革命起因となる世界に突入する訳だが、そのとき日本はというのはお約束の問いか。

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2014年10月10日Fri [01:40] エジプト  

神のためにまとうヴェール

神のためにまとうヴェール - 現代エジプトの女性とイスラーム神のためにまとうヴェール - 現代エジプトの女性とイスラーム
後藤 絵美

中央公論新社 2014-07-09
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博論もの。エジプトにおけるヴェール着用復興がテーマだが、調査自体は2003年頃とのこと。ここ数年で、革命も政変もあってムスリム同胞団の政権も生まれたのだが、そうした社会変動とは関係なく、ヴェール復興はずっと社会の趨勢である様だ。興味深いのは女優や歌手といった芸能人が、ヴェール着用を宣言して、引退もしくはイスラームの価値観に則った役柄さけこなすといった事が相次いでいるという話。そのきっかけは夢で啓示を受けたというのが多くて、潜在意識として身体が露出される仕事に対する違和感があったのだろう。ヴェール着用を女性自身の権利と自由と捉えるのが、言わば公式見解なのだが、実際。男性という主体に影響されるケースが多く、女性ならずとも男性の性的誘惑を抑止する効果が根本となっている様だ。そもそも奴隷女性と区別する為に着用するものというのが由来なのだから、歴史的には差別要素が濃い風習とは言えるだろう。

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2014年06月26日Thu [23:41] エジプト  

【図説】地中海文明史の考古学

【図説】地中海文明史の考古学: エジプト・物質文化研究の試み【図説】地中海文明史の考古学: エジプト・物質文化研究の試み
長谷川 奏

彩流社 2014-05-15
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著者は早稲田のエジプト考古学の出ということは吉村作治の系統なのかな。サイバー大学の講師も務めているらしい。ただ、吉村の様な発掘系ではなく、文明系の人みたいで、エジプトにおけるヘレニズム文化やコプトに関する論考が中心。図説といっても、一般的な図説本とは違って、普通に図表がある程度。かなり長めのコラムが16本も挿入されていて、3分の1くらいの分量を占めている。入門の図説本というより、サイバー大か分からんが、テキスト用かもしれん。本人は日本学術振興会カイロ研究連絡センター長として、現地在住らしい。学術アシスタントというのが何人か付いているらしいが、現地派遣のポスドクか何かだろうか。

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2014年05月31日Sat [00:27] エジプト  

エジプトを植民地化する

エジプトを植民地化する: 博覧会世界と規律訓練的権力エジプトを植民地化する: 博覧会世界と規律訓練的権力
ティモシー ミッチェル Timothy Mitchell

法政大学出版局 2014-03-10
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原著は1988年で、91年にペーパーバック版が出たとのこと。底本はそのペーパーバックだが、90年代前半には翻訳に着手し。96年には訳出が完了したらしいが、一旦出版が頓挫。2008年に出版の目処が立ったところで、訳者の大塚和夫が亡くなる。今回やっと共訳者の手でなんとか出版にこぎつけたらしいが、エジプト革命が追い風になったのだろうか。エジプト軍の嚆矢といった面では最近の情勢と関係ないこともないが、タイトルにある通り、オリエンタリズム的な部分が主題となっている。万博がその切り口となっているのは西洋による日本も含むオリエントの具象化であるのだが、エジプトでは文化の発見よりも再発見が成されたとのこと。

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2014年03月11日Tue [03:13] エジプト | 本・雑誌 |読書メモ  

現代アラブ社会

現代アラブ社会: アラブの春とエジプト革命現代アラブ社会: アラブの春とエジプト革命
加藤 博 岩崎 えり奈

東洋経済新報社 2013-12-13
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何冊か出た「エジプト革命」まとめ本に対するアンチテーゼが出発点としてある様だ。あの革命は別にフェイスブックを駆使した若者たちによって成し遂げられたものではなく、ぶっちゃげ軍が動いた結果だというのはその後に起こったクーデターなどを見ても的を射ているかと思うが、それがエジプト、チュニジアだけで成功した理由であって、軍が動かなかったり、シリアの様に政権側が掌握していたりすると、騒乱や内戦になっても革命は成就しない。つまり革命とは市民が主役ではないのだが、市民が担い手の様に見せなくては革命とは言えないということか。

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2014年01月01日Wed [01:16] エジプト | 本・雑誌 |読書メモ  

エジプト革命

エジプト革命 - 軍とムスリム同胞団、そして若者たち (中公新書)エジプト革命 - 軍とムスリム同胞団、そして若者たち (中公新書)
鈴木 恵美

中央公論新社 2013-10-22
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タイトルは平凡社新書と競作になったが、著者は平凡社の著者の弟子なのか。となると、当然「公認」なのだろうが、師匠が弟子に仕事を廻したのかな。一応、あとがきで謝辞は付いている。昨日もデモで人が死んだし、まだまだ現在進行形の出来事ではあるのだが、政変としては総括になっているので、時系列で整理できる。構造的に軍部+学生・市民対同胞団+サラフ主義の様に見えるが、そう単純なものではないことが分かる。人口の1割と言われるコプト教徒は政党結成が禁じられているので、同砲団やサラフ主義の様に選挙での政治勢力を確保できない。他にもエスニック的にはヌビア人がおり、無薔薇ク時代はその存在すら知られていなかった!シーア派も声を挙げる様になった。コプト教徒とヌビア人はエジプトに古くから住んでいるのでエジプト人としてのナショナル・アイデンティティを保つが、ムスリム同胞団とサラフ主義はそれぞれ別のイスラーム共同体、そして最近はナセル主義の亡霊とも言えるアラブ民族主義まで息を吹き返したというから正にカオスである。こうなると国を一つにまとめあげるには強権が必要であったのではないかという率直な意見が出てきてもおかしくは無いのだが、手綱を誰がどう握るかの決着は当分つきそうもない。

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